「一応…ひと段落ついたかな?」

成歩堂は大きく肩を回しながら、ソファーの背もたれで伸びをした。
時刻は夜明け、暗闇で眠っていた太陽がそろそろ目を覚ます時間だ。空は明るくなりかけている。
日頃は閑古鳥が鳴く事が多い事務所であったが、たまに事件の依頼が入ると事務所に缶詰にならなければいけない、もっと効率よく仕事ができないものかと成歩堂は思う。
しかし依頼人を助けた時の笑顔を見れば、全てが報われるから成歩堂は遣り甲斐を感じている事も事実だった。

事務所の所長室に閉じこもって数日で、部屋は変わり果てた姿になっていた。
コンビニ弁当の空箱と、眠気と戦う為に飲み干した缶コーヒーと栄養ドリンク、事件の為に集めた大量の資料が成歩堂の周囲を埋め尽くしていた。
成歩堂は無意識に自身の顎に手を当てた。集中していた時は気が付かなかったが、すっかり髭が伸びていた。
連日の徹夜で疲労がピークに達し、目は座り、目の下にはクマもできている。投げ出されたスーツとネクタイ、連日着込んでいたシャツはくたびれていた。

「…ちょっと休憩しよう……」
成歩堂はソファーに置いてあった資料の山をドサドサと乱雑に床に置き、足場を作って横になった。
大きなあくびとともに、ソファーのクッションが沈んだ。
目を瞑ると全身の疲れが一気に眠気を呼び込んだ。

***

しばらくして、扉の開く小さな音が聞こえた。
連日の徹夜で神経が興奮状態であった為か、ほんの些細な音で成歩堂は目を覚まし、うっすら目を開けた。
身体のだるさは抜けていないのか、音の主を確認しようとはしなかったが、足音が自身に近づいてくるのが分かった。
この時間帯に自分以外に事務所に居る人物はただ一人。成歩堂は確認する事なく近づいてくる人物に声をかけた。

「……真宵ちゃんかい?」
「え!?」
てっきり眠っているものだとばかり思っていた真宵は成歩堂に突然声をかけられ驚く。
成歩堂は真宵の顔を見る為に少し身体を起こした。
疲労しきっていた成歩堂の表情が少しだけ和らいだ。

「どうしたの?」
「…なるほどくんが心配で…様子を」
成歩堂が事務所で徹夜をする時、真宵も家には帰らなかった。一応助手として同じ時間を同じ場所ですごし、成歩堂の協力がしたかったからだ。
しかし真宵にできることは少ない。コーヒーや夜食を用意するぐらいしかできない。
いつも真宵は歯がゆい思いをしながらも、成歩堂におやすみのあいさつをして、仮眠室で眠っていくのだった。

「ありがと…うれしいよ…」
成歩堂は真宵を引き寄せソファーに座らせた。
今の真宵は髪の毛をおろし、パジャマを着ていた。
先日真宵にせがまれて一緒に買いに行ったものだ。真宵はトノサマン柄がいいと言っていたが、成歩堂は断固反対し、水色の生地で白い花柄のものに決まった。
優しく真宵の髪を撫でながら、この柄にして正解だったと成歩堂は思うのだった。
いつものチョンマゲ頭と謎の髪飾りを付けていなければ、女の子らしい服も絶対に似合うのにと…成歩堂は密かに思っていたからだ。

成歩堂も真宵もその後会話らしい会話はしていなかった。ただ成歩堂は真宵の髪を撫でるだけ。しかし成歩堂の顔が徐々に穏やかになっていった。
連日の徹夜で残酷な事件の資料ばかり見ていた成歩堂は、真宵と触れ合って精神的な安らぎを得たようだ。

「なるほどくん?」
「なぁに?」
「…もう大丈夫?」
「ああ…仕事はひと段落ついたよ…」
「そ…か…よかった…」
真宵は安堵の笑みを浮かべ、そっと成歩堂に身体を預けた。成歩堂の厚い胸板に顔を埋める形になった。
突然真宵の頭が動いたので、撫でていた成歩堂の手は行き場を失った。
真宵はぎゅっと成歩堂のシャツを掴んだ。

「どうしたんだい?」
「……なんでもない…」
「寂しかった?」
真宵はしばらくしてからゆっくりと頷いた。
先ほど行き場を失った手が再び真宵の髪を撫でた。

「そっか…久しぶりの徹夜だったもんな…」
「…ずっと心配だったんだよ?」
「ごめんよ…」
その後自然に二人は唇を寄せた。久しぶりの温もりは暖かく優しい…。
触れ合いが徐々に濃厚になって行くと、部屋に二人の激しい息遣いが響いた。
しばらくたって二人は大きく息を吐きながら唇を離した。二人の舌は名残惜しそうに透明な糸で繋がっていた。

「ぼく、今日は徹夜明けで疲れてるから…真宵ちゃんにしてもらおうかな?」
「…え?」
「いいだろ?…いつもぼくがしてる事を思い出してやってごらん?」

成歩堂は再びソファに横になり、混乱してる真宵を自分の腹に座らせた。
二人が肌を重ねるようになったのは最近だ。いつも真宵は緊張と羞恥で成歩堂のされるがままになっていた。
真宵は年齢の割に幼い。真宵の今までの環境に異性の影がほとんど無かった事が原因なのか、真宵は色恋沙汰に鈍く自分の想いを打ち明ける事にすら恥ずかしさがあったようだ。
日頃人懐っこい性格で成歩堂にベタベタしていたにも関わらず、成歩堂を異性だと意識しだすと、急にしおらしくなる。
その時真宵は真っ赤で少し困った様な表情をする。成歩堂はそんな真宵を見るのが最近の楽しみだったりする。

そんな真宵が、自分から成歩堂にそんな事をするなんて、考えたこともなかったに違いない。
自分から…という事は、成歩堂にされる優しい愛撫も、激しい騒動も、自分で…
一部始終を想像してしまった真宵は、成歩堂のそのお気に入りの表情をしたまま固まっていた。
オトコを知っても尚、無垢なままの真宵。成歩堂の予想通りだ。

成歩堂はパジャマの裾にそっと手を入れた。
突然のことに真宵は目を瞑りビクッと小さく身体を震わせた。

「…あ…はぁ…」
成歩堂の大きな手が真宵のくびれを撫でる。
肉の少ない華奢な身体は、くびれを強調していた。成歩堂はこの曲線を堪能するのが大好きだった。
待ち望んでいたかの様に、真宵は素直に反応を示しす。背筋をゾクゾクと震わせながら熱い息をこぼした。

「ほら?…気持ちいいだろ?」
「はぁ…うん…」
成歩堂の腹に座っていた真宵は、徐々に身体の力が抜けていった。
うなだれるように、成歩堂に覆いかぶさると、真宵からついばむだけのキスをした。
「いい子だね…」
成歩堂は真宵に身をゆだねるように身体の力を抜いた。

真宵は数回成歩堂にキスをしながら、シャツのボタンをぎこちなく外していった。
シャツを開けると成歩堂の引き締まった筋肉質な身体が現れた。
唇を外した真宵は、成歩堂の身体に視線を移し、そっと成歩堂の胸を撫でた。
最近食べ過ぎが原因で、少し太ったと言っていた。胸板は確かに少し弾力があるが、その奥にはしっかりした筋肉がついていた。
真宵はこの成歩堂の胸でぎゅっと抱きしめられるのが大好きだった。

うっとりと成歩堂の胸板を撫でていた真宵は成歩堂の首筋にそっと舌をはわせた。
それに合わせて成歩堂が身じろぎをし大きな息を吐いた。
「はぁ…」
いつも成歩堂がするように、肌に吸い付く。
すると真宵の口に合わせて小さな赤い跡ができた。
成歩堂に愛された次の日、自分の身体に出来るあの跡だ…それが成歩堂にもつくなんて…。
真宵はなかば夢中で、肌蹴た部分に跡をつけて行った。

「…真宵ちゃ…っ…は、甘えんぼ、だね…」
成歩堂の大きな胸に乗っかる小さな身体。
自身の肌に夢中で吸い付く姿が可愛くて、成歩堂は真宵の頭を撫でた。
それに気が付き真宵は顔を上げる。
トロンとした熱っぽい視線成歩堂へよこし、再び視線を下へ。
肌蹴たシャツの隙間に手を滑らせる。腹筋と胸板の凹凸を撫でて行くと、真宵の手に小さな突起が当たった。
途端成歩堂は跳ねた。
「…っ」
「…?」
真宵はシャツで隠れたソレを露わにした。
それは大きく胸で息をする成歩堂の動きに合わせて上下していた。

「なるほどくんの…」
これをどうするのか、あたしは知っている。だっていつもなるほどくんはこれを…
真宵はいつも成歩堂にされるように、突起を口に含んだ。
「うあ…」
成歩堂の喘ぎが一層大きくなる。
小さな口、そこから伸び出る小さい舌、細い指。
右を口で含めば、左手で。左を口に含めば、右手で刺激を与える。

―――初めは少し真宵をからかうだけだった…。
きっと恥ずかしがって、助けを求めるだろうと思って…けど

「とんだ、小悪魔が、居…っ…」
小さくて幼くて世間知らずで…いつも自分が教えて助けてあげないといけない娘だったはずなのに…
否、今もそう。自分の身体に乗っかる小さな身体に変わりはない。
なのに、こんな大胆でいやらしいことを…。
しかし成歩堂は気が付く。この愛撫はいつも自分が真宵にしている行為。

その事に気が付いた成歩堂はより一層真宵が可愛く思えた。
初心で無垢で…だから自分が教えた事しか知らない真宵。
いつも恥ずかしがっていた。だから自分でするなんてきっと顔から火が出る思いに違いない。
それでも成歩堂に任せないのは、真宵の「役に立ちたい」という健気な思いがあるから。

―――この後、塗れた花弁の隙間に己の雄が滑り込んで行けば…。

すると予想通り、真宵は恥ずかしそうに自身のパジャマと下着を下そうとしていた。
成歩堂に乗っかった状態だとなかなか難しい。
手こずっている真宵を見かね、成歩堂が脱がした。

「きゃ…いや…」
「ぼくをこんなにしておいて、恥ずかしがるなよ…」
成歩堂は息が整いだし少し余裕が出てきたようだ。
自分の身体に乗っかったままの真宵の頭を撫で、そのまま小さな臀部へ…。

「きゃわっ…」
柔らかくてもち肌の臀部を撫でると、成歩堂の手は溝へと侵入していく。
今までの大胆さが嘘の様に、成歩堂の胸で小さくなって行く真宵…。
固くしまった後ろの穴を軽く指で触れる。真宵の身体が小さく震えた。
穴があると差し込みたくなるのは人間の本能なのか、右手の二本指で少し押し広げて左手の人差し指を押し込む。

「あ!」
真宵は下半身に力が入る。
この反応は、初めて処女を奪った時に似ていると成歩堂は思った。
しかし指をねじ込むように進めるが、いつもの穴と違い筋肉という壁に阻まれてなかなか入らなかった。
「い、嫌…そこ…ダメ…」
頑張れば第一関節が入りそうであるが真宵がこれ以上ないぐらい大きく顔を振るので、悪戯をするのはやめた。

後ろの穴はそこそこに、成歩堂の指は目的地へ…しかしそこで躊躇する。左手はさっき使ったから、使うなら右手を…。
先ほどの穴とは変わって、潤滑油で潤ったそこは成歩堂の指を容易くのみ込んで行った。

「あ…あ…ぁ…」
真宵は身体を反らせる。すると自然に成歩堂と顔が合わさる。
きゅうきゅうと締め付けた後、ゆっくりと弛緩していく…。
しかし弛緩しきらないうちに、真宵の弱い部分を重点的に刺激していった。

「あ!…だ、め…ああ…」
「今日はいつも以上に反応がいいね…」
「あ、あ、うあ…っ」
真宵はあっけなく達した。
その時手に力が入ったらしく、成歩堂の胸板に小さなひっかき傷が付いた。
真宵の付けた吸い付いた跡と共に、赤い線が浮かび上がった。

「…ひど…いよ…」
「うん?」
「きょうは、あたしが…なるほどくんを…」
最後まで聞こえなかったが、どうやら途中で形成が逆転してしまった事が不満なようだ…。
真宵の愛撫はぎこちなくてたどたどしくて、とても可愛いが欲に急かされると、どうも焦らされている気がする。
つい魔がさしていつもの様に真宵を虐めてしまったが、そこまで言うならこのまま慰めてもらうことにしよう…。

「…ごめんよ?…ほら、分かる?ぼくもう限界なんだ…真宵ちゃん任せたよ」
「ぅん…」
成歩堂は子どもをあやす様に頭を撫でで真宵のご機嫌をとる。
少し腰を浮かして真宵の身体に己の高ぶりを押し当てた。
自分で言ったものの、恥ずかしいのか真宵は消え入りそうな声で小さくうなずき、身体を起こした。

そこはズボンの上からでも分かる程に溜まり切っていた。
真宵は目を丸くし、手のひらでズボンの作る山なりをなぞった。
「きゃわわ…」
しばらくその言葉しか出てこなかった。
自分の身体に入ってくるもの。大きくて硬くて熱くて…いつも不思議だった。
どうして成歩堂の身体がこんな形になるんだろう。一緒にお風呂に入った時に触らせてもらったら柔らかかったのに…。人間の身体は不思議だ。

「なるほどくんお仕事で疲れてないの?なんでこんなに元気なの?」
「…あ…いや…違うんだ…疲れた方がその…げ、元気になるんだ、そっちの方は…」
「そうなの?」
「ああ…」
真宵は初めて知ったらしく、再びテントの張るそこに目をやった。

女の真宵にはこの感覚は分からないのだろうか。疲れが興奮へと繋がる様は…。
そういえば、二人で捜査で歩き回った日の夜、真宵と楽しもうと思ったらそのまま熟睡されてしまったことがあった。
可愛い寝顔を起こす勇気もなく、無防備な真宵を尻目に一人で高ぶりを処理する羽目になったあの時の空しさと来たら…。

「そろそろ…いい?」
「うん…」
おずおずと青いズボンに手をかけていく真宵。
ボタンとチャックを外し、トランクスを下げる。
すると押さえつけたられていたものから解放され、ゆっくりと顔をもたげた。

「………っ」
先走りで濡れそそり立つ雄に、真宵は目を白黒させつつも目が離せなかった。

とても、おいしそう…下の口に入れてしまいたい…

結合した時の快感が、真宵の脳裏に蘇る…それだけで下半身がひくついた。
そそくさと真宵は腰を上げた。座ってたそこに糸を作る…。
持ちあがる成歩堂の雄の付け根に恐る恐る触れて、握った。やはり熱くて硬い…。
もう片方の手で自身の濡れた花弁を広げる。その部分だけがぬるぬるしていて容易にわかる。探る時に高ぶる秘芯の存在にも気が付いた…。
宛がうとそれだけで蜜が滴り落ちる。
真宵は小さく深呼吸して、ゆっくりと腰を沈めていった…。

「ぁ…ああああっ…」
真宵は吐息と共に小さな声を出した。
重力に合わさってゆっくりと奥へと入り込んで行く…。
潤滑油で潤うそこはスムーズに滑り込み、奥へと入りきった。

「はぁ…!」
ジワリジワリと生暖かいものに包まれて行きながら、徐々にきつく締め上げられ、成歩堂も大きな息を吐いた。
しばらく二人は結合しきった状態で恍惚に浸る。
互いに待ち望んだものを全身で味わう。

しかし徐々に物足りなさを感じだす。結合だけでは満たされない欲求は衝動へと変わっていく。
初めに動いたのは、真宵だった。
いつも以上に顔を赤らめ、口をぎゅっとつぐみながら前かがみになり腰を動かし始めた。
「…っ…ふ、ん…」
男に跨りながら腰を振る…その姿が恥ずかしくて真宵は出そうになる声を必死に我慢した。
自分で快楽を求めるのははしたない。けど成歩堂を慰める為に…と真宵は自分自身を奮い立たせる。

は、恥ずかしい…けど…なるほどくんに、気持ちよくなってもらいたい
ダメ。ダメ。なるほどくんの。きもちいいよ…
頭が真っ白になっていく…けどダメ…こんなの…はしたない…

一生懸命に自我を保とうとするが、下半身は自然に腰を動かす速度が上がってしまう…。
快感の一点に当たると更にそこを重点的に当ててしまい…真宵は泥沼にはまっていく。
真宵は羞恥と快楽の狭間で、必死に葛藤した。板挟みにされるとより一層背徳感が強まって行く…。
もう何が何だか分からなくなって涙がこぼれた。

「…真宵、ちゃん!」
真宵の葛藤を解いたのは成歩堂だった。
恥ずかしがりながら一生懸命腰を落とす真宵は可愛らしい。しかし物足りない。
成歩堂は真宵の膝に手を差し入れて、無理やり持ち上げると、大きく広げた。結合した状態で、開帳され恥ずかしいところが露わになった。
「きゃっ、わ!?」
夢中で腰を振っていた真宵は、突然体勢が変わりバランスを崩した。
そして自分の状況が徐々に理解していくと、より一層顔を赤くして焦った。
繋がっているところを成歩堂に見られている。そこは先ほど自分で触っても分かるように、ドロドロになっていて、秘芯も顔を覗かせているに違いない…。

「い…いや!?」
「真宵ちゃん可愛いよ」
「だ、め…あ…だめ…」
「そう言ってるのに隠そうとしないんだね?」
「やっ」
触って欲しいんだろ?と成歩堂は不敵な笑みを浮かべながら、真宵の秘芯をに手を伸ばした。
「あ…あああっ!」
今まで声を我慢していたせいで、真宵の嬌声は一際高く、事務所に響いた。
真宵は大きく身体をのけ反る。足を閉じるのも忘れる。まるで成歩堂にもっと触ってくれと秘所を差し出しているようだった。

更に押し込めるようにグリグリと弄ると、声にならない悲鳴を上げる。
「…ひっ!?…あ…」
秘芯の刺激で腰を動かせない。しかし中の動きを止めることもできず、成歩堂の刺激に合わせて緩やかに蠕動運動をする。
成歩堂にはその刺激がもどかしい…。一気に突き入れたいのを我慢してもう少し真宵の痴態を楽しむことにした。

成歩堂はもう片方の手を真宵のパジャマに滑りこませる。
快楽に身をよじらせると、真宵の小さな胸が成歩堂の手の中で揺れていた。
「あ…いや、いやああ…」
「真宵ちゃん、今、とっても可愛いよ」
緩やかにもみしだくと、今度は上半身をくねらした。
成歩堂の両手の動きに合わせて、成歩堂を咥えるそこが大きく締め上げる。
「…っ!」
成歩堂も限界が近い。けど、我慢。もっと真宵を追い詰めてそこで一気に逆転する。

「う…あ…ダメ…あ、たしが…」
真宵は成歩堂の刺激に負けまいと、再び腰を振ろうとする。
頭を大きく振って快感から逃れようとするが、できない。成歩堂の刺激がタイミングよくやって来るから…。

しかし真宵の抵抗が効いていないわけではなかった。
成歩堂を締め上げる度に、成歩堂も小さく声を上げてしまう。
互いに上り詰める。しかし勝負強さでは成歩堂には勝てなかった。

「…あ、あ、あ、ひああああぁっ!!」
手の刺激と共に、真宵を突き上げたからだ。
こうなっては真宵にはどうすることもできない。子宮口の与える強烈なオーガズムに真宵は我を忘れる。
視界は真っ白になり、だらしなく開き切った口からはよだれが垂れる。
必死に我慢していたせいで、真宵の小さな身体には今でに感じた事のない波が押し寄せた。

「…う、あっ!」
しかし成歩堂自身も、真宵にキツク締め上げられ、小さくのけ反った。
ここで出すわけには行かない。もっともっと真宵を追い詰めてから…成歩堂のプライドに火が点いた瞬間だった。

真宵の身体が倒れそうになる。
成歩堂は真宵の腰を支えながら、慌てて起き上がり、そのまま真宵を自身の下敷きにした。
突然の体位変換に真宵は状況が呑み込めず目を大きく見開いた。
「え?」
疑問を成歩堂に投げかけるが答えはなかった。
成歩堂の顔が不敵に笑う。まるで法廷で暴かれた真犯人に最後の一撃を食らわせようとしている時みたいだ。

「真宵ちゃん、ありがと」

その言葉を言い切る前に、成歩堂は大きく腰を動かした。
突然の衝動に混乱し暴れる真宵を力づくで押し込める。
「あ、あ、あ、あ!」
真宵の華奢な足を折りたたみ、結合部を晒した。
穴が二つ見える。手前の穴はもはやドロドロになって開き切っている。

そのまま力づくで雄を押し込める。
真宵の身体に自身の肉体を刷り込むように。真宵の小さい穴に己を記憶させるように。
もっともっと高みに昇りたい…。
まだ足りない…。

「あ、あ、あ…すごっ、あ」
「う、あ、あ…!」
力強く打ちつけていく。
今までの疲れや、真宵に与えられた刺激が一気に解放された。
頭が働かない。今までの欲が暴走する。

――真宵ちゃん、小さくて華奢で…このままだと、壊れちまう…

理性ではそうわかって居ても、身体が言うことを聞かない。
無垢な真宵に教え込んでいたはずだった…けど違う、自分自身も日々真宵と繋がる中で、のめり込んでいた。
真宵のからだに…。

理性が吹っ飛ぶと、無意識に真宵の胸にかぶりついていた。
「あああ!…だめ!だめええっ!!」
更なる刺激に真宵は混乱し、成歩堂の頭をどけようと手で髪の毛を引っ張った。
しかし真宵の華奢な腕と小さな手ではどうすることもできなかった。
真宵の抵抗をものともせず、細い腰を抱え、上下の刺激をさらに強めて行く。

「う、あ、あ、あっ!」
力任せに動くせいでソファーがきしむ。
肉と肉が重なり合う音、愛液による粘着音。
激しい息遣いと、最奥を突き上げられる度に出る甲高い声。
多くの音が事務所の中で響く。

しかし経験不足な真宵の身体では全てを受け入れることはできず…
成歩堂より一足先に高みに昇りつめた。
「―――あ…くぁ…ひ…」
ガクンと顔をのけ反らせ、全身を硬直させる。
顔は真っ赤に紅潮し、口は酸素を求めるようにパクパクと動かした。

「く…ぅ…!」
硬直した真宵の中で、真宵を追いかけるように、成歩堂も腰を小刻みに動かす。
そのせいで、最奥を重点的に突かれ続けることになる。弛緩する間もなく再び強烈な波が真宵を襲った。
「か…あ、あ…」
真宵はもう声すら出せない。吐き出した空気を吸うことができない。
真宵の視界は白から黒へと変わった。意識は絶頂の高みから一気に奈落へと落ちた。

「あ、ぁあ…!」
それにつられるように、成歩堂も溜まり切った己の欲を真宵の中に吐き出した。
しばらくして力が抜けると、成歩堂は真宵に覆いかぶさった。
小さなな波がゆっくりと収まって行くと、そのまま力尽き眠りについた。

***

「…真宵ちゃん?大丈夫?」
「…大丈夫…じゃないよ…からだが…痛いよ…」
「ごめんよ…?」
「そういうなるほどくんだって、腰にサロンパス貼ってるくせに…」
「う…」
今二人は事務所のベッドに居る。
しばらく力尽きていた二人だったが、真宵が目を覚まし、成歩堂を起こした。
まだ早朝だったので、寝なおす為にベッドへ移動した。

「………ねえ?なるほどくん?」
「なに?」
「あの…あの…」
真宵は顔を赤くしてもじもじする。結局恥ずかしくなったのか枕で顔を隠した。
「え?どうしたの?」
「…なんでもない…」
「なんだよ…」
「うう…」
顔を隠すが、耳が真っ赤になっている。
しばらくするとおずおずと顔を上げて小さい声で成歩堂に問いかけた。

「…き、気持ちよかった…?」
「へ?」
「きゃわわ…もういい…聞かなかったことにして…!」
真宵は再びさっと枕に顔を隠した。

真宵に言われた言葉を脳内で反復させる…次第に意味が分かって成歩堂の顔が綻ぶ。

―――か、かわいいっ!

「ははっ…何言ってるんだ!あれだけぼくをのめり込ませておいて…!」
今だ顔を隠す真宵の頭を優しく撫でた。
すると羞恥で涙目になる真宵が顔を上げた。

「あたし、なるほどくんの役に立った?」
「もちろんさ!徹夜明けの疲れもふっとんじまった!」
「………」
真宵は無言のまま成歩堂の胸へ顔を隠した。
成歩堂も飛び込んで来た小さな身体を力いっぱい抱きしめた。
事情中の時とは違う優しい温もりが二人を包んだ。

真宵はいつもそうだった。
一生懸命、自分の役に立ちたいと頑張ってくれる。
本人は、法律も分からないし、霊媒師としても未熟だし…と落ち込むが、考え過ぎだ。

真宵の存在で成歩堂はどれだけ励まされているか。
新米の自分が、迷走しながらでも真実へたどり着けるのは、いつも真宵が深みにはまりそうな自分をこうして助けてくれるから。

「…なるほどくん…」
「ん?」
「…なんだかベタベタする…」
真宵は成歩堂の胸を触る。
「ああ…そりゃあ真宵ちゃんが頑張ってくれたから…」
「!」
すると一瞬で真宵の顔が紅潮した。
自分が先ほどした事を思い出したらしい…。
さっきまであんなに大胆だったのに、いつもの無垢な真宵に戻っていた。

「…じゃあ一緒にお風呂はいろ?」
「え?…シャワー室しかないよ?」
「シャワーでもいいだろ?」
成歩堂は再び真宵の頭を撫でて、勢いよく…一瞬腰に痛みが走るが…立ち上がると、真宵を抱きかかえてシャワー室へと向かった。
真宵も照れ隠しに生意気な事を言うが、また大人しくなる。

逞しい腕に抱きかかえられながら、真宵は成歩堂のあごを撫でた。
「後でヒゲ剃ってあげる…」
「…気を付けてよ」
「大丈夫だよ!あたしを誰だと思ってるの!」
「それは関係ないだろ…!」

二人はまた狭いシャワー室でじゃれ合う。そして再び盛り上がってしまった。



 

最終更新:2011年08月17日 01:39