霧雨 魔理沙
「いつになく機嫌が悪そうだな、香霖」
霧雨 魔理沙
「どうかしたのか?」
森近 霖之助
「ああ、まったくもって不愉快だよ」
森近 霖之助
「まさか、こんなことになるなんてね」
霧雨 魔理沙
「全然、話が見えてこないぞ・・・・・・」
森近 霖之助
「泥棒だよ、泥棒!」
森近 霖之助
「最近、香霖堂の商品を勝手に持っていってしまう“不届きな輩”が増えているんだ」
霧雨 魔理沙
「ん? ちょっと待てよ」
霧雨 魔理沙
「お前の店って、泥棒出来るような店だったか?」
霧雨 魔理沙
「客が品書きから商品を注文して、それをお前が倉庫から持ってくる・・・・・・」
霧雨 魔理沙
「そんな感じの店だったよな?」
森近 霖之助
「そうだね、その通りだ」
森近 霖之助
「でも、お客さんからの不満の声が多くてね」
森近 霖之助
「中でも“商品を直に確認したい”という意見がとても多かった」
森近 霖之助
「そこで、思い切って“店の仕組み”を変えてみることにしたんだ」
霧雨 魔理沙
「へぇ、それは初耳だぜ」
森近 霖之助
「新しい“店の仕組み”は好評だったし」
森近 霖之助
「お客さんの数も少しずつだけど、確実に増えていった」
森近 霖之助
「全てが順調だったよ・・・・・・奴らが(泥棒)が現れるまではね」
霧雨 魔理沙
「そ、そいつは大変だったな・・・・・・」
森近 霖之助
「だが、奴ら(泥棒)に怯えて商売する日々はもう終わりだ・・・・・・」
霧雨 魔理沙
「え?」
森近 霖之助
「もう、泥棒如きに遅れをとることはない」
森近 霖之助
「僕は・・・・・・“究極の力”を手に入れたんだ」
霧雨 魔理沙
「なんだよ“究極の力”って?」
森近 霖之助
「今に分かるさ」
森近 霖之助
「なんなら、僕の店で“泥棒”してみるといい」
森近 霖之助
「すぐに思い知ることになる」
霧雨 魔理沙
「・・・・・・・・・・・・」
森近 霖之助
「どうしたんだい、魔理沙。顔色が優れないようだが?」
霧雨 魔理沙
「・・・・・・気のせいだろ」
霧雨 魔理沙
(こいつの店で泥棒するのは、もうやめるか・・・・・・)
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