- 授業のねらい :過去および現代の具体的な事象を題材に、国際関係を理解するための理論的思考を身につける。
- 学修目標 :理論的思考というと難しいようですが、誰でも何らかのフィルターを通して世界を見ています。そのフィルターを自ら意識すること、国際政治をめぐる報道に振り回されずに自分で考える習慣を持つことが目標です。
- 授業の計画 :序盤はナイ著『国際紛争 理論と歴史』の構成に従いながら、適宜DVD『映像の世紀』を使って、二つの大戦について理解を深める。中盤にナイ本に欠けている視点を補うために『想像の共同体』と『<日本人>の境界』を使って国民の成立について議論をする。なるべく日本の国際的役割や東(南)アジア外交について触れていきたい。終盤に再びナイ本に戻って、冷戦以降の基本的な国際政治の流れを理論的に把握する。
1.世界認識の仕方-国際政治の理論
2.勢力均衡と第一次世界大戦
3.集団安全保障の挫折と第二次世界大戦
4.アジア間貿易の形成と太平洋戦争の経済的合理性
5.「想像の共同体」-国民国家はいかにして想像されたのか
6.日本人の境界
7.冷戦と核抑止
8.工業化、グローバル化と相互依存
9.多様化する主体-NGO、「テロリスト」
2.勢力均衡と第一次世界大戦
3.集団安全保障の挫折と第二次世界大戦
4.アジア間貿易の形成と太平洋戦争の経済的合理性
5.「想像の共同体」-国民国家はいかにして想像されたのか
6.日本人の境界
7.冷戦と核抑止
8.工業化、グローバル化と相互依存
9.多様化する主体-NGO、「テロリスト」
- 教科書 :ジョセフ・S・ナイ・ジュニア著、田中明彦/村田晃嗣訳『国際紛争 理論と歴史』[原書第6版]、有斐閣、2007年。
- 参考書 :中江兆民『三酔人経論問答』岩波文庫、1965年。杉原薫『アジア間貿易の形成と構造』ミネルヴァ書房、1996年。ベネディクト・アンダーソン著、白石隆・白石さや訳『定本 想像の共同体』書籍工房早山、2007年。小熊英二『<日本人>の境界』、新曜社、1998年。その他、適宜授業中に指示する。
テスト・レポート
2009年度前期
- 試験問題
1.細谷雄一『大英帝国の外交官』(第二章「古典外交」の黄昏―ハロルド・ニコルソン)を読み、以下の設問にそれぞれ10行以下で答えよ。なお、適宜講義等で学んだ知見を用いて、当時の状況を簡潔に説明したうえで回答することが望ましい。
①イギリスの外交官ハロルド・ニコルソンはアメリカのウッドロー・ウィルソン大統領の外交理念を高く評価していたが、次第に幻滅と失望を感じるようになる(81頁)。ウィルソン大統領のどこがいけなかったのか、その結果何が起こったのか、要点をまとめなさい。
②ドイツとイタリアを筆頭にヨーロッパにナチズムが蔓延したのはなぜか。大衆がナチズムを支持する理由と(ニコルソンやモーズリーのような)上流階級の人々がナチズムに惹かれる理由を述べなさい(108頁以降を参照)。
①イギリスの外交官ハロルド・ニコルソンはアメリカのウッドロー・ウィルソン大統領の外交理念を高く評価していたが、次第に幻滅と失望を感じるようになる(81頁)。ウィルソン大統領のどこがいけなかったのか、その結果何が起こったのか、要点をまとめなさい。
②ドイツとイタリアを筆頭にヨーロッパにナチズムが蔓延したのはなぜか。大衆がナチズムを支持する理由と(ニコルソンやモーズリーのような)上流階級の人々がナチズムに惹かれる理由を述べなさい(108頁以降を参照)。
2.朝鮮戦争/ベトナム戦争/カンボジア内戦/ソ連のアフガニスタン侵攻のいずれかひとつと冷戦との関係(アメリカ・ソ連・中国との関係)について述べよ。なおベトナム戦争とカンボジア内戦に限っては組み合わせて論じてもよい。
3.以下の設問のいずれかひとつについて答えなさい。なお、何番を選んだのか明記すること。
①第一次世界大戦はリベラリズムの楽観的な見方に反して戦争が起こった。この戦争が始まった原因について、リアリズムとコンストラクティヴィズムによる説明をしなさい。
②「1920年代に西洋諸国がドイツに宥和すべき時に対決姿勢をとり、1930年代にドイツと対立すべき時に宥和政策をとった。」―この文章の意味をリアリズム/リベラリズムという言葉を用いて説明し、この文章が示唆している正しい政策はどのようなものであったのかを説明しなさい。
③冷戦終結の理由をリアリズム/リベラリズム/コンストラクティヴィズムの3つの立場に分けて論じなさい。
①第一次世界大戦はリベラリズムの楽観的な見方に反して戦争が起こった。この戦争が始まった原因について、リアリズムとコンストラクティヴィズムによる説明をしなさい。
②「1920年代に西洋諸国がドイツに宥和すべき時に対決姿勢をとり、1930年代にドイツと対立すべき時に宥和政策をとった。」―この文章の意味をリアリズム/リベラリズムという言葉を用いて説明し、この文章が示唆している正しい政策はどのようなものであったのかを説明しなさい。
③冷戦終結の理由をリアリズム/リベラリズム/コンストラクティヴィズムの3つの立場に分けて論じなさい。
以下は事前に発表した予告
1.細谷雄一『大英帝国の外交官』第二章から問題を出すので、精読しておくこと。なお、当然講義内容を踏まえて出題する。
2.朝鮮戦争/ベトナム戦争/カンボジア内戦/ソ連のアフガニスタン侵攻の いずれか と冷戦との関係について述べよ。ベトナム戦争とカンボジア内戦は組み合わせて論じてもよい。
3.リアリズム/リベラリズム/コンストラクティヴィズムを用いて事例の説明。指定したいくつかの事例から1つ選択し、理論を用いて説明する。
細谷論文のコピー(書き込みOK、貼り付けNG)のみ持ち込みありとする。
1.細谷雄一『大英帝国の外交官』第二章から問題を出すので、精読しておくこと。なお、当然講義内容を踏まえて出題する。
2.朝鮮戦争/ベトナム戦争/カンボジア内戦/ソ連のアフガニスタン侵攻の いずれか と冷戦との関係について述べよ。ベトナム戦争とカンボジア内戦は組み合わせて論じてもよい。
3.リアリズム/リベラリズム/コンストラクティヴィズムを用いて事例の説明。指定したいくつかの事例から1つ選択し、理論を用いて説明する。
細谷論文のコピー(書き込みOK、貼り付けNG)のみ持ち込みありとする。
- レポート課題 :最近起こった国際ニュースについての新聞記事(インターネット可)をコピー/プリントアウトし、その記事の書き手ないしニュース当事者のリアリスト的/リベラリスト的観点を指摘しなさい。分析と自分の考えを分けて書くこと。文章はA4一枚以内。記事と両面コピーにするか、ホッチキスで留めること。最終締め切り5月19日。
「採点」(2009.07.31)
2008年度前期
1.国際関係論におけるリアリズム(現実主義)とは何か。リアリズムの理論的前提(基本的な世界観)、注目するアクター(行為主体)、想定する手段について説明せよ。さらに、冷戦の起源と終結についてのリアリストの分析をそれぞれ<二極化>と<ソ連経済の失敗>という言葉を用いて説明せよ。なお必要に応じて、リアリズムの説明の不十分な点を他の理論によって補足してもよい。
2.国際関係論の理論潮流の一つにコンストラクティヴィズム(構成主義)がある。コンストラクティヴィズムの理論的前提(基本的な世界観)、注目するアクター(行為主体)、想定する手段について説明せよ。コンストラクティヴィストは第一次世界大戦の原因を以下の3点(①~③)に求めている。これらの内容についてより詳しく説明し、他の理論のどのような点を補完ないし批判しているのか明らかにせよ。
①ナショナリズムの勃興、②戦争への国民の支持、③ドイツの外交政策
①ナショナリズムの勃興、②戦争への国民の支持、③ドイツの外交政策
3.『想像の共同体』の著者ベネディクト・アンダーソンによれば、「国民の想像」(ナショナリズムの台頭)以前には宗教共同体、王国、時間の了解という三つの文化的前提があったという。この三つの文化的前提はどのようなことを意味し、これらは国民の想像され方とどのように違うのか。具体例を挙げて説明せよ。
4.太平洋戦争の戦前・戦中に、日本の周縁ないし周辺地域において、日本が行った包摂(同化主義)と排除(反同化主義)について説明せよ。なお、アイヌ、沖縄、台湾、朝鮮のいずれかの例を用い、包摂と排除それぞれの問題点を指摘せよ。
5.ファシズムとは何か。ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーが用いたさまざまな戦略を例示しつつ(授業中にみたビデオを想起せよ)、ファシズムの特徴を説明せよ。
2007年度後期
次の問題のうち2問を選んで解答せよ。3問以上選んだ場合は採点しない。
自分が口頭で説明できるような平易な言葉で、前後の文章のつながりを意識しながら丁寧に解答するように。
自分が口頭で説明できるような平易な言葉で、前後の文章のつながりを意識しながら丁寧に解答するように。
1.国際関係には現実主義(リアリズム)と国際協調主義(リベラリズム)という二つの見方に大別され、それを補う構成主義(コンストラクティヴィズム)の立場がある。このうち現実主義と国際協調主義の基本的な世界観およぶ二つの理論が注目する行為主体(actor)について述べなさい。具体的な例を用いて説明しなさい。
2.第一世界大戦は国際協調主義者の楽観的な見方に反して戦争が起こった。しかし現実主義者の見解では1870年のドイツ統一によって1914年の戦争がすでに決まっていたかのようである。こうした現実主義者の見解に対して、構成主義者はどのような反論を行ったのか。構成主義とは何に注目する理論であるのかをまず説明した上で答えなさい。
3.出版資本主義とは何で、それによって人々の意識にどのような変化がもたらされたのか。それがどのように国民の形成に関係するのか。
なお、必要に応じて以下の言葉を用い、具体例を用いて答えなさい。
[新聞、見たことも会ったこともない仲間、行政俗語、辞書、国語]
なお、必要に応じて以下の言葉を用い、具体例を用いて答えなさい。
[新聞、見たことも会ったこともない仲間、行政俗語、辞書、国語]
4.植民地統治を行った国々は、植民地の「原住民」に対して主に二つの立場をとった。第一に人種主義・社会進化論に基づく排除であり、第二に啓蒙主義・同化主義に基づく包摂である。日本は英仏に代表されるこの二つの立場を参照し、アイヌ、沖縄、台湾、朝鮮半島に対処した。このうち沖縄では具体的にどのような政策が採られ、沖縄の人々はどのように対応したのか。必要に応じて下記の出来事に言及し、またアイヌ、台湾と比較して論じよ。
[日清戦争(1894)、人類館事件(1903)、日露戦争(1904)、日琉同祖論(1910-20年代)、沖縄方言論争(1940)]
[日清戦争(1894)、人類館事件(1903)、日露戦争(1904)、日琉同祖論(1910-20年代)、沖縄方言論争(1940)]
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