ヘンリー・アダムズ
(Henry Brooks Adams)
(1838~1918)
略歴
アメリカの作家、思想家、歴史家。ボストン出身。曽祖父と祖父は大統領、父は駐英公使という名家の出身。ハーバード大学で学び、その後ベルリン大学に留学した。父の秘書を七年間務め、その後帰国して母校の講師となり、ヨーロッパ中世史とアメリカ史を教えた。政界とも深く関わるが1985年の妻の自殺をきっかけに職を辞し、世界各地を旅した。アメリカ政界と民主政治への絶望し、それを自らの新しい史観によって説明しようと試みた。
作品
『デモクラシー』(Democracy,1880)は民主主義社会への絶望と、資本主義と科学が政治や宗教を腐敗させていく姿を描いている。『エスター』(Esther,1884)も同様のテーマ。
『ジェファソンとマディソン統治時代の合衆国史』(History of the United States during the Administrations of Gefferson and Madison,1889-91)は全9巻からなる大著。アメリカ政治の真の姿を浮き彫りにしようと試みた。
『モン・サン・ミシェルとシャルトル』(Mont-Saint-Michel and Chartres,1904)ではヨーロッパ中世への追慕を表明した。
『ヘンリー・アダムズの教育』(The Education of Henry Adams,1907)では20世紀文明への懐疑と絶望が、自伝に託して語られている。
最終更新:2009年12月03日 16:50