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共和国技術安全規定への参加について

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70800102:藩国内追加条項の追加について

藩国民の皆様にお知らせです。
先だってキノウツン藩国にて批准しました「技術安全規定」について、
私たちキノウツン藩国内における社会生活上の実態を考慮した上で
この度藩国内のみに適用される追加条項の公布を実施いたします。

この追加条項は、
先だっての技術安全規定において

1:知類に含まれる生体を部品としての組み込みの禁止
2:兵器・研究目的での自己学習についての研究
3:兵器・研究目的での自己増殖についての研究の禁止

上記の禁止規定を厳格に採用することにより
各国にお住まいのサイボーグ知類の方々の出産や、
猫妖精知類⇔人知類間等、
従来であればクローン技術を利用した遺伝子手術の適用を受けた上での出産についても
一括して規制される懸念が挙がりました事を受け制定されました。

私たちキノウツン藩国政府は、本技術安全規定の目的はあくまでも
「技術の濫用による兵器転用や、その他知類権の侵害を防ぐこと」にあると認識しております。
ゆえに、本規定の適用により本来であれば認められるべき
「子を産み、育む権利」をも制限してしまうことは、本規定の目的にそぐわないと判断し、
今回藩国内における追加条項を制定し、
制度の趣旨である知類権の保護、
及び自然権として守られるべき権利の保護を両立出来るよう努めて参ります。

追加条項要旨

すでに批准済の「技術安全規定」のうち
1:知類に含まれる生体を部品としての組み込みの禁止
2:兵器・研究目的での自己学習についての研究
3:兵器・研究目的での自己増殖についての研究の禁止
に加え、
キノウツン藩国内情勢を考慮し、以下の条文を追記する。

追1:ただし以下1~6までの各要件を満たした場合のみ、
  上記禁止事項は例外的に不法性を除外される。
要件1:新たに生み出される
   「脳(人知類でいう脳相当の機能を持つ器官・パーツを含む)」について、
   産出後も独力かつ自己の意思に基づき社会生活を行える機能
   (もしくは上記機能を獲得できる機能)を同時に有していること。
   以下、
   産出された「独力かつ自己の意思に基づき社会生活を行える機能を有した脳
   及び脳と一体になることで上記機能を果たす器官」を「胎児」と呼称する。
   (胎児の定義・要件)
要件2:胎児の産出について、その胎児の算出が
    以後の胎児に対し養育の義務を負う者(以下、「親」と呼称する)
    2名の合意に基づくものであると認められること。
   (両親合意要件)
要件3:要件2における親が、婚姻法における「婚姻関係」
    もしくは婚姻関係にあると十分に看做せる事実関係を有すること。
   (両親の要件)
要件4:胎児の産出について、通常の自然分娩を行えない事情があると認められること。
   (特例適用要件)
要件5:胎児の産出が藩王もしくは摂政の認可を受けた施設で行われていること。
   (公的施設要件)
要件6:胎児の産出があくまでも「自然分娩の代替」として実施され、
    両親のどちらからも著しく外れた形質を付与していないこと。
   (形質維持要件)

追2:産出された胎児は以後通常の自然分娩により生まれた子女と全く同等の権利を有し、
   出生状況の違いによる不当な差別は、これを禁じる。

追加条項適用についての補足

上記条文のみでは追加条項の適用可否について不明点もあるかと思われますので、
適用についての例示を以下に行います。

例あ:サイボーグ化した父母が、自然分娩を行えないために自らの子供を、
   藩国の許可を受けた施設で産出(作成)する行為
答あ:これは上記6要件を満たすため、適法となります。
   勿論、生み出された子供は他の子供と同様に戸籍登録され、
   機械生命体だからといって不法に投棄を行う、
   他の機械に組み込み自由を奪う等の行為は一切が禁止されます。

例い:猫妖精知類の父・人知類の母が、著しく危険な自然分娩を避け
   クローン技術の応用により藩国の許可を受けた施設で出産を行う行為
答い:この場合も、6要件を満たすため適法です。
   要件4の「自然分娩を行えない事情」については技術的な判断も必要なため、
   グレーゾーンにおける議論は今後も実施していく必要がありますが、
   出産成功率が1割を切るような上記例については
   要件4を満たすと判断できるでしょう。

例う:人知類の父・人知類の母が気分的な問題で自然分娩を避け
   クローン技術の応用により藩国の許可を受けた施設で出産を行う行為
答う:これは上記「例い」の場合と異なり、
   異種間生殖による危険性はなく通常の自然分娩を行えることから、
   要件4を満たさないため、違法となります。

例え:人知類の父・人知類(サイボーグ)の母が自然分娩では出産を行えないことから
   藩国の許可を受けた施設で子供を産出(作成)した。
   強く育ってほしいので、
   生まれてくる子供には母も持っていないロケットパンチ機能を付けてみた。
答え:極端な事例ですが、
   要件6の「両親のどちらからも極端に外れた形質」を付与しているため、
   違法となります。
   武器改造の是非は今回扱いませんが、
   あくまでも今回の追加条項は「自然分娩の代替」であり、
   生まれてくる子供の意思に無関係かつ不要な改造は違法となります。

例お:人知類の父・人知類(サイボーグ)の母が自然分娩では出産を行えないことから
   藩国の許可を受けた施設で子供を産出(作成)した。
   頭脳部分を作成する資金しかなかったので、体は後回しにしよう。
答お:要件1の「産出後も独力かつ自己の意思に基づき社会生活を行える機能
   (もしくは上記機能を獲得できる機能)」を有しているとは言えない為、
   違法となります。
   脳部分のみを作成することは、
   生まれてくる子供にとっての将来選択の自由を奪うことになりかねず、
   法的に正当性を認めることは出来ません。
   また、「脳部分以外に体も作ったよ!張りぼてだから動かないけど!」
   という狡い逃げ道を残さぬよう、
   要件1では生まれてくる子供が自活できる
   (または自活できるよう成長できる)ことを挙げています。

例か:人知類の男が、
   結婚相手はおらず特に相手を見つけるつもりも無かったが、
   子供は欲しかったので藩国の許可を受けた施設で子供を産出(作成)した。
答か:要件2、親「2名の合意」を満たさないため、違法となります。
   「自然分娩の代替」を目的とする本条項においては、
   通常不可能な1人での生殖を目的とした特例適用は認められていません。
   技術的には可能なことでも、
   私たち知類には本来不可能なことを無理やり可能とする行為は
   自然の摂理に大きく反するといえるため、現段階では適法とはなりません。
   子供を養育できる環境を備えているならば、
   養子縁組制度等もありますことをご承知おきいただきたく思います。
  ※この場合、単性自己生殖の可能な知類の方の自己生殖については
   人工生殖の範疇から外れますため、本条項の適用判断外(適法)となります。

例き:人知類(サイボーグ)の女が、婚姻関係にあった相手の男の死後に   
   「死んだ男との間の子供である」として子供を産出(作成)する行為
答き:要件2(両親の合意)の適用可否が問われる事例です。
   判断は非常に困難ですが、
   要件3(両親が婚姻関係にあったと看做せること)を満たし、
   かつ配偶者が特に子を成す事について生前から反対の意思を示していない場合には、
   子供の産出は認められるべきかと思われます。
   ただしその場合でも、あくまで自然分娩の代替である本追加条項の濫用を防ぐため、
   「胎児の産出後10ヶ月間は新たに胎児の産出を行うことは出来ず、
    また既に死亡している者を親とする胎児の産出は、
    配偶者の死後1年以内のみかつ1度限りとする」
   等の司法判断が必要と思われます。


以上で本条項の例示を終えますが、今後も様々な特異事例は現れるかと思われます。
そのような場合には、出来る限り本条項及び技術安全規定の制度趣旨にのっとり、
判断が困難な事例については大法院にも判断を仰ぎつつ、適切な判断を行うよう努めてまいります。
また、本追加条項及び技術安全規定の実施については、
大法院の監査を受けつつ、情勢に沿った適切な運用が行えているか、
常に心がけてまいります。

藩国民の皆様におかれましては、
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。




(追加条項及び草稿作成:比野青狸)



共和国技術安全規定への参加について

藩国民の皆様にお知らせです。
この度、共和国では「技術安全規定」と呼称される
技術研究・生産に関わる規定を採用することとなりました。

私たちキノウツン藩国も、共和国の一員として
以下の技術安全規定を批准し、藩国法として取り入れて参ります。

現在の復興状況で最新技術に関わる規定を採用することにどのような意味があるのか、
とお思いの方もいらっしゃることと思います。
しかし、たとえ現在の私たちがそのような技術を持たず、
また研究する意思を持たずとも、
例えば先だってのゴートホーン事件のように、
私たちの藩国内で無断でそういった技術研究を行う敵性勢力が現れた事例もございます。

そのような時、
私たちの初動を後押しし、危機を未然に防ぐ支え、根拠となるのが法律であり、規定です。
簡潔に申しますと、
もしもキノウツン藩国内で危険な技術研究を行う「キノウツン藩国民以外の人間」
がいた場合でも、私たちはこの規定を批准することで
「共和国の規定に反するため、即刻技術研究を中止しなさい」
と相手方に通告することが(さらに従わない場合には逮捕等の排除行為も)可能となるのです。

今はまだ技術研究を行うには遠い私たちですが、
藩国民の皆様の、ひいては共和国全体の安全に寄与できるよう、
以下の規定を批准いたします。

つきましては、
藩国民の皆様のご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。




共和国技術安全規定要旨


技術安全規定とは、以下の事柄についての研究・開発を、該当国政府、藩王会議、大統領府による厳密な許可制および一部に関しては禁止とするものとなります。

1:知類に含まれる生体を部品としての組み込みの禁止
2:兵器・研究目的での自己学習についての研究
3:兵器・研究目的での自己増殖についての研究の禁止
4:敵性兵器等の異文化技術の民間での研究の禁止

 1は心持つ知類が体の一部または全部を部品として利用されることを禁止し、
最初から、部品として利用されるべく知類を生み出すことも禁止するものであります。
 (脳などを含まない)クローン医療に関して直接禁止するものではありませんが、そうした医療が社会的な問題や被害者を作る場合は、それぞれの法律で対処します。

 これについての補足として、人型戦車には知類(搭乗者等)を部品として扱う自動操縦システムが搭載されている機体がありますが、NWにて藩国により開発され、藩国により管理されているI=D、人型戦車は、これらが藩国に管理されている限り、例外としてシステムの搭載及び使用を許可します。
 ですが、これら以外全ての人型戦車・I=D(以下、機体と表現)において、そのような知類(搭乗者等)を部品として扱う自動操縦システムの使用及び藩国による許可無き新規開発を禁止いたします。


 2に関しては、以下の理由から禁止し、一部のみ許可制とします。
a:ゴートホーンに生体脳が使われていたように、非良心的なライフサイエンスの運用につながりかねないこと。
b:ラーニングの研究は心の研究につながり、心持つ存在を一方的に、道具として使役、運用することにつながりかねないこと。
c:どのように変化、進化するかが予想しがたく、起きうる問題が事前に予想しがたいこと。これについては、黒曜子事件を想起のこと。

 3とはかつてNWを滅亡させかけた「マンイーター」事件を二度と引き起こさないためのものとなります。
 4はセキュリティや技術暴走の危険を未然に防ぐためのものとなります。

 NWの同胞として機械知類が存在します。機械知類に心があり、自己学習、自己増殖することは問題ありません。
 一方で、そうした心あるもの、心につながるものを、兵器や道具として作成、運用することにつながる研究は禁止いたします。


以上、技術安全規定要旨。



(草稿:今北運営委員長・比野青狸)
(認可:摂政・アシタスナオ、摂政・浅田)























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