「:無題 489-502」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

:無題 489-502」(2010/12/07 (火) 01:03:57) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

喉を枯らすほどの苦鳴も、関節が無理に曲げられる音も、神経を引き攣らされた勢いでぎゅうぎゅうに食い締める孔の中も、全てがこの上無い恍惚を齎す行為だった。 「そんなに…悦いのかよ…。」 「はへっ、はへ……ふぇ?」 「男にケツ掘られるのがっ、そんなに悦いのかって、聞いてんだよ!」 弓を引き絞るように後退った腰を、反動を乗せた肉杭の一撃は、軽く性奴の意識を追い遣り掛けた。 これだけで腹を食い破っていたとしてもおかしくはないが、少年の苦悶の表情はすぐさま、淫靡なモノに塗り替えられる。 「きもちいいよう!きもちいいですぅ!もう、もうどうなってもいいからぁ!ぼくのことなんか、壊してぇ!」 こいつは重症だ。頭なんか、とっくにぶっ壊れているじゃないか。処置は…無しだな…。 軽くほくそ笑んで、肩の白い皮膚に噛みつく、辛抱堪らなかったせいだが、それにも甘ったるい嬌声を上げる半狂乱の神経には、呆れの思いが大きい。 噛み痕は脆弱な皮膚を引き千切っている。僅かだが、表皮の破れ目からは血が滲み始めていた。 「ザーメン垂れ流した回数だけ、ツラ凹ましてやるよ。覚悟しろよ、マゾガキ。」 「やあぁぁ……ぶたないで、ぶたないでぇ……あっ、あっ…んふぅぁああああああ!!!」 もう、どれだけの時間が経ったかも分からない。 俺のもので粘膜を散々に捲り返した挙句にようやく二発目の吐精を始めると、少年の儚い意識は即座に熱々の濁流に灼き切られた。苦労してペニスを引き抜けば、その緩んだ孔から次から次へと止めど無く、俺の精液とこいつの腸液の混合液が溢れ出ている。やはり、僅かに赤いものが混じっていた。まだ二回目でこれだけの事をやったんだ。出血だけで済んだのに、驚きを感じた。 気付けに風呂場へ引き摺って行き、洗面器に汲んだ水の中に顔を漬せば、 三十秒と経たない内にじたばたと暴れ始める。 水中から引き揚げてやれば、喘息のようにぜえぜえと逼迫した息を吐いている。 まだ焦点の合っていない瞳へまず一発目の殴打を加えただけで、奴の目蓋は切れた。 二発三発と続けたのは腹の辺りだった、耳の後ろを目掛けた十発目で失神したので、再度の水責めで意識を戻してやる。 この期に及んでやっと、少年はいつか見た表情を浮かべた。また、息も絶え絶えの腹腔を容赦なく蹂躙する。 昂ぶった男根を尻に捻じ込み突き上げたのに、それでもこいつの性器はびゅるびゅると濁った涙を零して喜ぶのだ。何度も、何度も。 殴りつけ、気絶する度に闇から呼び戻し、犯す。 今のこのサンドバッグ兼精液絞り人形からは、かつての気弱で意思薄弱な、清楚であどけない少年の面影は虚空の彼方へ消し飛んでいた。 胡座をかいた上に串刺しに腕の中にすっぽり納め、正対して密着する抱き方のまま、もう何時間交わっているのか、記憶がない。 感情に任せきった殴打を続けたせいか、手首の捻りに違和感を感じ始めたせいだ。俺には決して軽くない理由だ。少しでも腰を動かすと、腸の中で氾濫しきっている白濁汁が『ぶじゅ、ぶじゅじゅっ』、『ごぼぼ、ごぶじゅっ、ごぶぅぅ』、などと、思い思いの下品な音を伴って押し出され、掻き出されて、生温かいゲルが竿の根本と嚢を伝う。 「えぅぅ… ふぇうぅ… あー… あーっ あーー… あぁー… あーー…」 決して眠りに落ちることの許されない、拷問に等しい快楽責めの世界に漬け込まれ続けて、元から快感に脆弱だった理性と意識は完全に破壊されていた。 少年は時折、激しい痙攣が裸体を突き抜ける。尻だけでも絶頂に至った証だ。こいつのまともな意識はいつから飛びっぱなしなのだろう。 さきほどの思い詰めた表情は、今この瞬間には跡形も無い。 涙と鼻水と涎と汗と、おおよそ分泌できるありとあらゆる汁物を顔中に噴き出して、それは紅潮した頬に広がり、まだあどけない顔を為すがままに汚染している。 焦点の合わない瞳はあらぬ方向を彷徨う。狂人じみた恍惚の笑顔、歪んで引き攣った苦悶、魂が抜け切り惚けた無表情を、滅茶苦茶な順番で盛んに繰り返していた。 今抱きしめている、柔らかい肉でできた、俺のペニスに快感を流し込んでいる源ならば、 俺の欲望を昂ぶらせ、射精感を沸き立たせて、欲望の放出を幾らでも腹の奥で受け止めてくれる。 ただペニスを突っ込み、犯せば犯すほど性感を分泌するおかしな何物か。人間未満の奇妙なイキモノにしか見えなかった。 うなじも首筋も肩の稜線にも、口の届く範囲の至る処に毒々しい色の噛み痕が鮮やかな血潮を滲ませ、白い皮膚の上に赤い歯型を創っている。 小鳥の雛みたいに唇を開いて舌を突き出す時がある、俺の気が向いたらだが、唇で貪ってやる。 「あうー あぁ…うー…むぐぅっ。むふぅー!!むぅー!んむぅー!!」 頭を掴んで逃げ道を塞ぎ、口内を舌で犯せば、肌を痙攣させ、身を捩って、顔中から汁を漏らして咽び泣く。 意識的か無意識かは判らない。ただ、そうすると、食い千切られそうなほどぎゅうぎゅうに逸物を締め上げる。 欲望を堪えられなくなり、更に腹の中を深く乱暴に抉り擦れば、やがて灼ける精液の塊を塞き止められなくなって、噴き上がった溶岩流が、勝手にこいつの腹腔を隅々まで食い荒らしてしまうのだ。 こいつの脳はもう暴力的な快楽で痺れ切っているのだろう。それでも更に、無理矢理にでも快感を詰め込む。 「むぐううっ!ぐうぅっ!ぐふぅぅっ!むぐぎゅうう!ぐぎゅうふっっ!!むうぎゅぐううううううううっ!!!!!!!!」 この期に及んで異物を押し出そうとしてくる腸壁の生理的な圧迫を、むしろ愉しむように突き破る。 牡の慰み者として長時間酷使され、軋みを上げる股関節にも構わず、腰を奮って腹腔を貪り食らう。 啼き呻く声の音色が掠れて、嗜虐心を沸き立たせる嗚咽に変わる頃合を狙い、限界まで引き絞られた鈴口という照準から、子種汁からできたマグマを吐き付けた。 絶頂から更なる絶頂に堕とされたことを示す絹が裂けるような囀り声も、放出の最後までは続かない。 腸粘膜の中に牡精を注ぎ込まれる度、数え切れない絶頂に達する小さな体。 瘧のように四肢を二・三度引き攣らせただけで勝手に弛緩する。虚無を掻いていた指は力尽き、首はかくりと項垂れた。 夜が白み始める頃には、ゲル状の白濁粘液に塗れた肉人形が風呂場の床に横そべっていたが、その頬はどこか満足そうに歪んでいる。 こいつは俺が昼過ぎに一時帰宅するまで、浴室の中で起きることはなかった。 叩き起こしても、すっかり腰が抜けていて、まともに歩くことができないらしい。三歩と進んでいないのに、床にへたり込んでしまう。 少年は、どこか陶然とした表情で俺を見上げている。 俺はまた一時間と経たぬまま、気付いた時にはこいつを精液漬けにしてしまっていた。 腹の中で荒れ狂う牡のモノ。それに伴う汚液の氾濫を泣いて悦び咽び、声を枯らして鳴いている。 少年は完全に、俺の手篭めになった。 日曜、学校の周囲をうろつき回っても、捜索員やそういう類の人間は、全く見当たらない。 近所でたむろう知り合いに聞いても、特に変わった事は無いらしい。 目星も付けず携帯で呼び出した人間と雑談を続け、或いはメールを遣り取りしたが、時間の無駄だった。 正午を過ぎた頃、「一度だけ試してみろ」と、少年に帰宅を命じた。目の前の何かは、返事を返さなかった。 顔からは感情が消え、小さな背は生気を喪失する。吹けば飛びそうな覚束無い足取りで、無言のまま玄関から出て行った。 その日の深夜。日付けが替わってすぐだっただろうか。やはりと言うか、来客を示すベルが鳴った。 外の人物を確かめ、長い溜息を吐いて、ドアを開けた。 そいつは崩れ落ちるように俺の胸辺りにしがみつき、声を押し殺してさめざめと泣いた。 冷え切った体は、迷惑だ。 冬服の学校指定ブレザーが玄関のマットの上に放られている。道中で脱いで、抱えて来たのだろうか。履物も無く、汚れた靴下のままで家に上がられている。 背中でも擦ってやろうと、白いワイシャツを見下ろすと、べっとりと塗り広げられた赤黒いものがあり、それは既に乾いている。 ワイシャツと肌着を脱がせ、負傷を診てやる。これは、鈍器だろうか、強い力で肉が抉り取られているが。 「ゴルフクラブで……お父さん、要らないの、いっぱい持ってるから……」 傷口を洗うという尤らしい理由を盾に、怯えて竦み、首を横に振って嫌々をする少年を力尽くで風呂に漬け、脂汗と涙と鼻水と涎の泡に歪んだ顔を眺めながら、五体が痙攣を起こすまで、ボーイソプラノの奏でる悲鳴を愉しむ。 風呂上がりに、チューブ入りの練辛子を取り出して見せてやった時の表情などは、更に扇情的なものがある。 鼻水を垂らして泣きじゃくる少年を無理矢理組み敷いて、無残に肉の露出した背中に黄土色の劇物を塗り込むと、もう人間の声とはとても思えない絶叫を響かせて、フリーリングの床をのたうちまわる。 喜悦の飽和には弱く、少しでもよがり狂わせればあっさりと事切れてしまう少年だったが、痛苦にばかり慣らされ切った体は、そう簡単には気絶の彼方へ逃げられないらしい。 全身に脂汗をかいて、白目を剥き、焼死体のように引き攣った四肢が痙攣を始め、泡を吹く喉元が呼吸困難を起こす頃には、既に夜は白んでいた。 シャワーで丁寧に練辛子を落としてやり、胸元に二発三発蹴りを入れてやると、やっと意識を取り戻す。 俺の足元に這い蹲って土下座し、すすり泣きながら許しを乞う姿が、更に嗜虐心を煽っているのに気が付いているのかいないのか。せめてもの情けで包帯ぐらいはくれてやったが、爛れに爛れて異様に膨れあがった傷口は、栄養不足もあってか、治りはとても遅かった。 そうして、奇妙な生き物が家に通い詰める生活が始まった。訪れる時間は、決まっていない。 俺の仕業ではない殴打の痕は、すぐに少なくなった。ただ、窶れが酷い。 近所の中坊に、プラスチックの弾を連射する玩具で追い立てられている姿を見掛けた時も、奴は50mとまともに走れていなかった。 外に放り出した日の昼間、奴はとりあえず学校に行っているらしい。 時折だが校内で姿を見かけることがある。そいつが着ている制服は、いつでも薄汚かった。 部員の名簿を眺めると、確かにそのような名前が目に入った。氏名の上に二本線が引かれ、籍が削除されているのが分かる。最寄りの部員に、「誰だこいつは」と尋ねれば、「入部一ヶ月も経たず無断で長期欠席をした腰抜け」と説明された。 心底どうでも良い情報だ。適当な生返事を投げ返すと、再び稽古に戻った。 -------------------------------------------------------------------------------- アルバイト先の賄い物や、女どもの振舞ってくれた食事の残りを稀に、とりあえず一応の断りを入れて、包んで貰って帰って来る。 小さなタッパーに入れた僅かなものを家まで持ち帰り、こいつの食餌として与える時があった。 今になっても尚、箸使いは歳不相応にたどたどしい。 最初に出してやった時は、何か不思議なものを見るような目をしていた。 戸惑うばかりで一向に手をつけようとしない様子に、俺の方が先に業を煮やし、半ば命令の形で食わせた覚えがある。 小さな口を精一杯働かせる健啖さを見せた後も、俺の欲求が昂ぶるまではまだ間がある。 保育園だか幼稚園だかの頃、園内で熱が出た時わざわざ母親が迎えに来てくれただの、小学校の入学式祝いに与えられたフルーツゼリーが美味かっただのを、さも至福の思い出のように、何度も俺に話すのだ。 視線は冷え冷えとし、腹の底では諦念と遣り場の無いやるせなさ諸々が、ぐねぐねととぐろを巻いている。 この場で即刻殴り飛ばして、「目を覚ませ」と怒鳴ってやりたかった。未だに実行はしていない。 事実かどうかも判らない出来事に縋り付いてようやく生き延びている人間へ、「それは無価値なものだ」と唾棄してしまった時、こいつの気が狂わないという保証は、どこにも無いのだ。 俺は、半死人の走馬燈を聞かされているのだろうか。 事切れる寸前の人間は、頭に幸福な記憶だけが巡るらしい。 五つにも満たない数の、ドレッシングのかかった小さな鳥の唐揚げを、懸命に口に運び終えると、 薄くはにかんで手を合わせ「御馳走さまでした」と丁寧に礼を述べる。 これがこいつにとって、一日唯一の食事だというのだろうか。 小さな頭には青痣が幾つも残り、手を合わせて会釈をすると、細かなかさぶたが僅かに零れ落ちる。 学校ではまるで、動く屍体のように生気の無い、夢遊病者のように過ごすこいつの恐らく唯一の例外として、 俺の家の中では、歳よりはやや幼いように思えるも、それはそれは人間らしく、感情豊かに振舞うのだった。 送っている怜悧な視線に気付いているのかいないのか、こいつは目を丸くして俺を覗き返す。 とっくに成長期にさしかかっているだろうに、まるで道場でよく見る中坊どもにも届かない体躯。恐らくこれは、持って生まれたものではない。 できるだけ緩やかに、肩を抱き寄せる。腕の中にすっぽりと納めれば、胸板に肩を預けて、不思議そうに俺を見上げて来た。 こいつは、欠食児童そのものだ。慢性的な栄養失調に、よほど幼い頃から晒されていたのだろう。 からっきし体力も無く、筋肉の付き方も有り得ない程に脆弱で、胸には微かだがあばらが見える。…付き合い始めた当初は、もっと克明に肋骨が浮いていた。 不自然な肌の白さも、血色の悪さも、そもそも陽の当たらない場所にばかり居たのだろう。 そっと頭を撫でると、心地良さそうにうっとりと目を細め、俺の首元に頬を摺り寄せる。強く抱き締めても、抵抗しない。 あからさまな溜息を吐いて、俺も目を瞑った。 「お前、この歳まで、なんでまだ、死んでないんだ。…首でも、吊れよ…。」 「何度も試しました。でも、怖くて…。」 「最近…学校は、どうしてんだ。」 「…もう、僕の机…壊れて…どこかに、無くなっちゃいました。」 「バカだからな。」 復讐の腹積りがあったなら、ここで首筋の動脈でも噛み千切られれば、俺は助からなかっただろう。 そんな、余りに無防備で致命的な筈の時間は、五分も無かったと思う。 家でも学校でも孤独と空腹と暴力に苛まれ、生きながらの地獄を味わい続けたこいつにとって、 同性に自分の内臓を食い破られる倒錯した行為は、あまりにも強烈な快楽と幸福感を齎したらしい。 麻薬に蝕ばれるように歪んだ官能に溺れ、無言のまま向こうから望み、凌辱を求めて縋りつくのだった。 失うものが無い人間は、こうまで堕ちるのだろうか。 レイプの被害者である事が、親に知られてない筈がない。学校は庇わず、級友も然りだろう。 身体を捧げて金を掴むにしても、既にお手付きの中古品だ。それすら、名士の家にとっては端金だ。 それこそ、内臓を抜かれるか、破滅的なビデオの主演として苦痛に満ちた人生を終えるか、そんな未来しか、俺には思い浮かばない。 心が壊れて当然だと思う。なんにせよこいつにとって、まともな人間らしい生活など、後にも先にも用意されてはいないのだ。逃げ場も無い地獄の底で、生を受けてこの方、鑢で心身を削られ続ける生活など、俺ですら耐え忍べる自信は無い。 丁寧に抱き上げて、風呂場に連れ込み、全身もろとも洗い流してやる。今日もまた、腸に内容物は無かった。 身体の水分を拭いてやる手間ももどかしい。頭が半分皮に埋まったこいつのペニスは今やしっかりと屹立し、切なげにヒクついている。 軽い身体は、抱え上げてベッドまで往復するのも苦ではない。何時もの様に投げ込む形ではなく、載せるように横たえる。 ローションを含ませるのももどかしい。前戯もそこそこに、華奢な体に覆い被さった。 浅い箇所を亀頭で抉り擦られるのは、初めての筈だ。 腰の最初の一往復では驚いたように目を丸くしていたが、すぐに身を震わせて、俺の耳に溶ける、心地よい囀りを喉から溢れさせる。 尻の肉があからさまな吸い付きを見せるほどに乱れ狂えさせれば、ようやくペニスの本体を進ませてやる。 「あ…あ、あっ、あああっ!ふあああああああぁぁぁぁ………」 いつものような、ハンマーで焼けた鉄の楔を叩き込むような突き入れではない。 じわじわと長く長く焦らし、肉同士を擦りつけ続ける。絶頂には寸止めの浅い快楽で限界を飽和させる。 熱くぬらつく腸壁のあちこちが、俺の牡茎に艶かしく纏わり付いて来るが、動きには明らかな痙攣も混じっていた。あらゆる所に柔肉が溢れ、包み込み、弄り、舐めしゃぶって吐精を促す。まだ俺は動いていないのに、もうこれだ。 密着感を味わいたいが為に肩を顎で噛んでいたが、上体を離して、奴の表情を窺った。 少しの苦悶と涙を零しつつ、息苦しそうな呼吸をしている。 俺の視線に気付くと、奴はこちらの腰に脚を絡み付かせて、淡く微笑むのだ。 「せんぱい、ありがとう…だいすき。世界でいちばん、すき…」 無駄口を叩く桜色の唇を塞いだ。長い長い射精が始まる。 ぶぐぐっ!ごぐぐっ!ごぐんっ!ごぐんっ…!ごぐん…! 俺のペニスが瘧のようにのたうちまわって打ち震える感触が、こいつの薄い腹を伝わる。 精液の吐き出し具合が、分かってしまう。 どうも、臍の裏辺りまで突き刺さっているのだろうか。 余す所無く、体を密に触れ合わせる。唇も塞ぎ、舌を深くまで犯す。歯を磨かせるようになってからは、こいつの粘膜は砂糖菓子より甘くなった。 どくっ…、どくん…、とく、とく……とくん… やっと、一回目の吐精が小康する。唇を離し、二人一緒に熱い深呼吸を吐いた。 少年は、どこか物足りなそうな顔をしながら、膨らみ気味の自分の腹を撫で擦る。 「…せーえき、のみたいなぁ…。せんぱいのせーし、おくちに、ほしいよ…」 「馬鹿。お前、咥えるの下手だろ。口は小さ過ぎるし、すぐ顎が疲れたとか言うしよ。」 「あぅぅ……」 「俺がちゃんと仕込んでやるから、まだ我慢してろ。」 僅かな遣り取りの合間に、ペニスはすっかり硬度を取り戻していた。 ぐいぐいと押し込み、内臓の柔肉に半個体のゲルを塗り込んでやれば、発情した猫にそっくりな声を上げた。 弛緩を知らない粘膜がいつまでも男根に奉仕を続ける。ぴっちりと吸い付いて離れないそこは、俺を教えれば教えるほど肉茎に馴染んで来る。 普通の恋人同士は、このような睦み合いをするというイメージがある。 こいつの孔は牡の忍耐力を狂わせる猛毒を分泌し、俺のペニスに余す所無く塗りこんでいるのだろうか。 気付けば、互いの性器を蕩けさせる行為に、東の空が明らむ頃まで没頭してしまっていた。 最後の最後で小刻みに腰を動かすと、それだけで俺のは暴発する。 できるだけ長く放出の余韻を味い尽くすと、とてもとても名残惜しいその場所から、自分自身を引き抜いた。 昨夜はこいつにとって、今までで最高の一夜だったらしい。 いつか本当に、俺の子供を孕ませたいと思った女ができた時にやろうと思っていた抱き方だった。 予行練習の機会に不意に恵まれたから、そうしたに過ぎない。 「せ、せんぱい、助け、助けて……。歩けない、歩けないよう……。」 腹の中に溢れていた体液を浴室で掻き出してやった後、寝室に戻る途中に、そんな呟きを聞いた。 ただ単に腰が抜けているだけだと思っていたのだが、どうにも様子が違うようだ。 どうにも、この生ゴミの歩き方がおかしい事に気が付いたのは、その時だっただろうか。 いつだかの、武道館の夜、こいつの股関節を粉々に砕いて、下腹部をずたずたにした記憶が一瞬脳裏を過ぎり、まさかと思う。 「なんだ、お前、後遺症残ってるのか。」 普段から青白い顔を尚更真っ青にして、ぶんぶんと首を振る。 「せ、先輩は悪く、悪くないです。僕がばかだから、駄目で、悪くて、汚い子だから、罰が当たったんです。」 「………………………。」 露骨に眉間に皺を寄せて、盛大に溜め息を吐く。 「違うよ、先輩は悪くないんだよ、大好きだから、優しいひとだから……。」 こいつの嘘の下手糞ぶりには呆れ果てる。 「………もう、喋るな。」 細っこい腕を引っ掴んで、強引に寝室へ連れ帰る。足元がもつれて転びそうになっても、そんな事はまるでお構いなしだ。 まだ日は低く、部屋の空気は肌寒い。二人して毛布にむぐり、ぼんやりとまどろむ。 冷える朝でも、こうして手頃な暖気具を抱いていれば大して苦ではない。向こうも俺から離れようとしない所だけは、唯一最大の欠点かも知れない。 毛布の端がもそりとした膨らみを与えられると、その中からは、いつになく真摯な瞳が此方を覗いていた。 「あの…先輩…。」 未だ睦事の温もりが抜け切っていないのか、少年の頬には珍しく、仄かな赤みが差している。 「…僕、いつか絶対…先輩に何か、恩返しします。絶対です…。約束します。」 …やはりこいつは…頭がイカレている…。何が、恩だ。 自分が何をされているのか、分からない知能でもあるまい。 俺はただ、殴って、犯して、餌だと言ってただの残飯を食わせているだけだろう。 あからさまに呆れの溜息を見せ付け、できるだけ乱暴な手付きで、頭を撫でるふりを装った。 「…何か…食いに行くか。欲しい物、言ってみろ。」 返事は即答されない。毛布の下から俺を見上げる瞳は、怪訝の感情を隠そうとしない。 「食いたい飯を言えっつってんだ。早くしろ。」 「あ…あの…甘いもの、食べたい、です。」 「…そういや、蕎麦屋が在ったな。」 「んん?…お蕎麦って、甘いんですか?」 「甘いもん、嫌いなんだよ。」
489 :トリップ忘れた 1/14:2008/12/16(火) 00:53:35 ID:UriQuRui 日が短くなった。 平日金曜に部活を済ませ、下校時刻である六時以降となると、寒気の凍みる暗闇の内を歩くこととなる。 …別働の人間が、辺りに張り込んででもいるのだろうか。通報を行っていれば、ここに俺が居られる筈は無いのだが。 こう出られたとあっては、気付いたとはいえ不審な挙動を起こす訳にも行かなかった。 忍び足でも駆け足でもない、リラックスした普段通りの足取りをなぞり、自宅への順路を進む。 玄関先――― 一戸建てだが、借家ではないし、俺は生徒の分際で独り暮らしだった―― に佇む、 見慣れた制服と、見覚えのある背丈の後ろから、鋭く低い誰何の声を飛ばした。 「誰だ、お前。何の用だ?」 気付かれていた様子は無い、振り向き方は酷く緩慢だ。見た所、手荷物は持っていない。隠してあるかどうかは、まだ分からない。 「あ…先輩…。」 全く驚いた素振りの無い口調で返され、心の中で一層、猜疑が強まった。 「誰だよ。…とにかく、家、入れ。…寒いだろ?」 脇に除けても視界からは外すようなヘマはしない。 施錠を外し、先に入れと顎で促すが、大してビクつきもせず、言われるまま素直に我が家に入って行く小さな影には、益々不愉快にさせられる。 後を追いつつ、方向の指図をして居間に入らせる。隅に追い遣ってから「ここから出るな」と一つだけ言い付け、家の不審物捜索を開始した。 コンセントに繋がっているあらゆる電化製品を外す。カーテンの陰、ベッドの下から箪笥の隙間と内部までに目を通したが、異常は何も見受けられない。 忌々しさを隠しきれない舌打ちを無意識に付きつつ居間に戻れば、言われた通りの場所で、茫洋とした空気を纏いながら、そいつは佇んでいた。 改めて観察すると、殆ど生気の感じられないガキだ。異常に思えるほどに。 視線は俺を見上げていても、瞳は光無くヘドロじみた色に濁り、焦点も合わさっていないように見える。 呼吸をしているかどうかも怪しかった。これが生きている証拠と言えば、あの時よりは伸びている髪ぐらいのものか。 「…風呂入れよ。まだ汲んでないから、シャワーだけどな。」 ざあざあと流水が跳ねる音を確認しつつ、奴の着ていた制服を無造作に洗濯機に詰め込み、注水する。ポケットの中身は確認していない。 奴が盗聴機か、そういったものに頼っているのであれば、これで大方の要素は、片が付いただろう。 念の為に履物も調べに行くが、玄関に残っている靴は、上履きだった。間の抜けた息を吐く。これも見逃さず、水に漬け置きしておく。 脱衣所の扉越しに「早く出ろ」と伝えると、すぐに水栓は閉められたようだった。 扉を開けて出て来た姿は、頭から爪先まで濡れ鼠になっている。 バスタオルを差し出せば、素直に頭を覆い、水気を多量に含む髪を拭き始めた。 490 :トリップ忘れた 2/14:2008/12/16(火) 00:59:06 阿呆の視界が塞がれたので、丸く輪郭が浮かんでいる頭部の頬の辺りを目掛け、握り締めた拳を振り抜いた。 小柄な裸体は軽い挙動で吹き飛び、奥の洗面所まで転げ、床に臥せってすぐ、くぐもった呻き声を漏らす。 無防備に晒した腹に爪先を捻じ込み、同じ足で、上から頭を踏む。単純作業を五回ほど繰り返せば、痙攣だけをするようになった。 バスタオルを引き剥がして容態を確認する。思った通り、分かるような所に目立つ痣はできていない。 長めの髪を引っ掴んで此方を向かせた。半開きの口の端は微かに泡を吹いている。汚え。 「てめえ、どういうつもりだよ。ここに何しに来てんだよ。」 返事は返って来ない。薄っすらと涙を湛え、荒い息を吐いて鈍痛に喘ぐだけだ。俺の質問が聞こえていないのだろうか。 きっと、頭と腹を打ち据えたのが悪いのだろう。右手首を掴み上げ、不揃いなマッチ棒によく似た指を吟味する。 まずは右の人差し指を選んで、右掌全体でそれを握り締める。ゆっくり、ゆっくりと、手の甲の方へ、折り曲げ始めた。 最早、少年の両目から零れ落ちる涙は滝のようだ。まるで気違いのようにわぁわぁ喚く。「いやだ」とか「助けて」とか、まともな単語を喋らない。 ぼぐ、と鈍い音が、俺の掌には伝わって来た。同時に、猫を単車で轢き潰した時のような悲鳴が鼓膜を揺らす。 手を離してやれば、無事な左手で痛んだ指を庇いつつ床にへたり込み、肩で息をしていた。 「俺の声、聞こえてるか?」 泣きべそをかきながらだが、糞虫は確かに頷いてはいる。これで駄目だろうと、同じ方法は、後九回は使えるだろう。 「…警察には、何て言ったんだ。」 「言ってませんっ 何も言ってませんっ ほんとうです、ほんと…」 鼻で笑える冗談だ。次は、左の親指がいいだろう。腕を掴むと、鳴き声は更に面白いものに変わった。 これが哀願とか、そういうものなのだろう。「ああぁー」に「うゃぁあ」とか、そういう、訳の分からない音が聞こえるだけだ。 親指を折るのは、もう少しくらいは手間だろうと思っていたが、こいつは余りに骨が脆弱過ぎる。 掌に軽い破裂音が伝った時の叫び声は、途中で酷い咳に遮られた。一時的にだが、軽度の呼吸困難に陥ったらしい。 息が落ち着く頃には、床に涎と涙と鼻汁がたっぷりと撒き散らされてしまっている。どこまでも面倒な物体だった。 「あれからお前…どうなったんだ。どこで何してた。」 「びょ、びょういん、です。 ますいで、動けなくて、気付いたらおなかぜんぶ、包帯で。なのに、お父さんも、お母さんも、お見舞いに…来て…くれなくて…。」 「お前の都合、知るかよ。学校と警察はどうなってんだよ。」 「みんな、何も言うなって、喋るな、黙ってろって…。お願い…せんぱい…、たすけて、たすけてぇ」 「バーカ、ここじゃ処分が面倒だろ。まぁ、今度は…。半身不髄ぐらいは、覚悟しとけ。」 「違う、違うの、違います…。せんぱいの、せんぱいの家に、僕、置かせて下さい…お願いです…」 「………はぁぁああ?」 聞いた事の無い命乞いだ。全く意外な所を突かれた。呆気に取られ過ぎて、思わず半笑いの混じった声を垂れ流してしまう。 本当なら、俺はここでまともに取り合わず、とっととこいつを植物状態にすべきだったのだ。 491 :トリップ忘れた 3/14:2008/12/16(火) 01:06:19 「家に帰れないんです…家に帰ったら、僕、みんなに殺されちゃいます…。ほんとに…死んじゃう…」 訳が分からない。こいつの両親は何者なんだ。仕組まれている芝居にしても、無用に手の込んだ代物だ。 「今日の朝に、退院できたんです。それから…まっすぐ…先輩のご自宅…ここに、来ました…。」 「てめえ、なんで俺の住所知ってんだ。」 「だって、僕、剣道部の、一年で、マネージャーにっ、させて、貰って…」 俺の眉間には更に皺が増えた。こんな一年など、全く知らん。…馬鹿げた話だが、すぐさま法螺とも断定できない。 他人や周囲の細部を気にしない性分と、当てにならない自分の記憶力が、尚の事忌々しかった。 試しに、確認として幾つかの問答を与えても、こいつは誤謬無く即答する。 顧問もフルネームで知っている。更に込み入り、部内で大体有力な奴を聞くが、特徴も姓名も大会の成績に至るまで、俺の知る通りだ。 「先輩の言う事なら何でもします。どんな命令も聞きます。ご飯を下さいなんて言いません。眠る時も、外で寝ます。 だから…匿って下さい…。家に…帰りたく…ないんです…お願い……。」 「何食って暮らすんだよ。そこらの雑草か、虫か、ゴミでも食うのか。どうせすぐくたばるだろ。うぜえ、自分の家で首括れ。汚ガキ。」 「でも…先輩…僕の体、気持ちいいって……一番、良かったって……」 肩甲骨を目掛け、本気に近い拳を振り下ろす。 肺の空気が弾き跳ばされたらしい、ぶげうっ、とか気味の悪い声を吐き、半裸の物体は床の上でのたうち回る。 「馬鹿か。くたばれ。入れる穴は掃いて捨てる程あんだよ。間に合ってんだよ。オスガキの分際で。汚物。生ゴミ。マジ地獄に落ちろ。糞野郎。」 もう手加減をする気分ではなかった。拳を上から滅多打ちに降らせ、一発毎に罵声を浴びせた。 白い肌には次々と拳大の青痣が刻まれる。背中も肩も、腰も腕も脚もお構いなしだ。 反動か反射か区別は付かないが、細い身体を殴打すると、その度に四肢が硬いフローリングの上で跳ねた。 先に音を上げたのは、俺の方だった。拳には鈍い痛みが纏わり付いて離れず、腕も乳酸が溜まって硬くなっている。 それでも少年は頭を覆いながら「おねがいです おねがいです」とかいう、呪詛じみた呟きを一向に止めない。 深い溜息を吐いて立ち上がった。太腿に向けて蹴りを入れても、「ぎぃ」とか「ぐゅう」とか鳴くだけだ。これ以上何を繰り返しても、大した効果は望めないのだろう。 「先輩だけなんです……僕のこと、褒めてくれたの、先輩一人だけなんです……」 蚊の鳴くような声が下から湧いて来る。その内容にも、本当にうんざりさせられた。 頭の痛みを追い払うべく頭を振り、紫と白のまだら模様に染まった身体を眺め下ろすと、おもむろに足首を掴む。 廊下のあちこちに手荷物がぶつかるのも構わず、そのまま寝室まで引き摺って行った。馬鹿みたいに軽い体だった。 まだ宵の口にも入っていないが、とりあえずベッドの脇に放り捨てる。 まだろくに身体が動かないらしいので、態々俺の労力を使って少年の背に後ろ手を回させ、両手首に手錠を嵌めた。 咥内にファストフードの紙ゴミを捻じ込み、腹癒せに軽く蹴転がし、自室を後にする。 冷蔵庫に容れておいたスポーツドリンクを飲み干す。腹立たしく温い。 軽食になるような物は、内部には一切無い。一息吐こうにも、苛立ちと遣る瀬無さを取ることはできなかった。 492 :トリップ忘れた 4/14:2008/12/16(火) 01:35:08 ぐったりと伸びている小柄な身体を、使い込んだシーツに載せる。怒気を孕んだ足音を立てつつベッドに乗り上がると、それの膝を立たせ、尻を持ち上げた。 ベッド脇のサイドテーブルを探り、まだ中身の残っているローションを選んで引っ張り出す。 指の上に垂らすと、尻の中へ捻りこみ、念入りに塗り付けた。汚物の感触は無く、指を抜いても臭いがしない。俺の風呂場で洗ったのだろうか。 …ここは一体、何針縫ったのだろう。それはかつてのように、元通りのそこだった。 色素の薄いセピア色の窄まりは、それでも一度は雄を受け入れた穴らしく怪しくひくつき、溢れるローションが涎のようだ。 口に含ませた紙クズを取ると、染み込んだ本物の涎が月光の下で銀糸を引く。 腰を掴むが、その感触にはやはり違和感を覚える。だいぶ柔らかさの乏しい肉の感触は、これで二回目だ。 その骨盤の小ささに、ぞくぞくと背筋が震える。あの時の、ペニスを押し潰されてしまいそうな強烈な圧迫感を思い起こしてしまうと、鈴口の先がまた潤む。 ガチガチに張り詰めた俺の性欲の権化を、尻の割れ筋に押し当て、上下に擦る。 「ひゃああぁ、はひゃぁあ!ふぅぁあああ!!あああぁ……」 これから味わえる肉にやっと触れられた剛直は、びきりと更に一回りは太く、硬く滾る。亀頭は腹を打たんばかりに反り返った。 腹腔に開いた捻じ込み口は、ほんのすぐ傍に在るのだ。肉の鑢じみた、ざらざらの表面をした亀頭を、そこへゆっくりとメリ込ませる。 ぬかるんだ肉の輪は、まるで生き物のように俺に吸い付いた。 「ふぅああああああぁぁーーーーーっ!!!あぁあ!!んああぁっ!あぅぅ……せんぱいのぉっ、はいって、きましたぁ…!」 少年の肛口はきつくペニスを絞り込む。食い千切られそうにきつい。きついが、腹を裂いていいのならば、男根を食わせるには容易な孔だと知っている。 やっと雁首が潜り込んだ所なのに、そこで感じる少年の卑肉の味わいはこの上なく甘美だ。 肉の一つ一つが勃起に吸い付いて、魂まで抜き取られそうな感覚に眩暈まで覚える。到底、若い牡が我慢し通せる快感ではなかった。 少年はと言えば、枕に顔を押し付けて何をやっているのだろうか。疼きを堪える為だけに、人の物を汚さないで欲しい。 髪を掴んで吊り上げれば、予想とはだいぶ違う、うっとりした甘い声が両の耳孔を嬲った。 「むふぅ…ふぁあぁ…あうぅ…せんぱいぃ…」 「…汚え、涎の、染み作ってんじゃ、ねえよ。」 故意に腰を捻りつつ、残りの長さを埋める動きに入った。こりこりした熱い肉に縊られる。ペニスが窮屈な洞に扱られてしまう。 「ひゃぁあ、ひゃああ!!んぁあああああ!やあうううう!あうう!!わうう!!」 孔の内部は、まるでマッチ棒のようなこいつの外見からは想像も付かない豊満さを持っている。 襞が四方八方から舐めしゃぶる膣とは違い、此方は、柔かい肉の群がもごもごとペニスに纏わり付く。非力な癖に俺を押し潰そうと迫って来る。 手元に掴んでいる肌には薄っすらと汗ばみ、どこか甘い芳醇な匂いがする。それが男の汗の香りだとは、俄には信じられない。 暫くは二人とも犬のような呼吸だけを続けるしかなかった。 …先に言葉を発したのは、人肉の方だ。ゆるゆると首を此方に振り向いて、色欲に潤み切った淫らな視線に、俺は捉えられた。 「…僕、気持ち良過ぎて死んじゃったら、どぶに捨てて、逃げて下さいね。お葬式なんて、いらないからね…。」 口の端が僅かに歪む。返事の代わりは、ペニスの突き入れだった。 493 :トリップ忘れた 5/14:2008/12/16(火) 01:39:16 部屋に満ちている人間の喘ぎ声は、俺よりも少年の方が大きく、高い。 おまけに犯している間はひっきりなしだ。突っ込んでも引き抜いても、喉からの悲鳴は途切れる事を知らない。 少年の臀部と俺の下腹部が打ち合わさる乾いた音。泥濘を激しく抜き差しする、鈍くくぐもった卑猥な音。更にはベッドのスプリングが軋む音。 こいつの締め付けは、尻の両脇にえくぼが出切るほどだ。堪える気力は、すぐに限界を振り切れてしまう。 激しい抽送で捲れ上がった肛肉が、俺の根本を咥えた瞬間、少年の腹の奥底へ、盛った牡の濁流を何の気兼ねも無しにぶち撒けた。 ごぐぅっ!ぶぼおおおぅっ!!どぶるぶうっ!びゅぶばぁああっ! 「あきゃぁあぁあぁあああっ!!!?あついいぃぃ!!あついのおぉっ!こわっ、こわれっ、るぅっ!!おにゃかぁっ!はれつしちゃううう!!!」 精子の塊が溯る度、ゲル状の汁との摩擦で尿道が引き摺られ、睾丸までが引っこ抜かれてしまいそうな気がする。 目玉がでんぐり返りそうだ。堪らず目をぐっと閉じなければ、白目がひりついてしまう。 「う……ぐぅっ……」 指先が埋まるほどの握力で、柔な両肩に掴んで、背を丸めてゆっくりと、更に深々とペニスを打ち込もうとする。 とっくに根本まで埋まっている。それでも、まだ足りない、まだ足りないと、自分でない何かが肋骨の奥で喚いている。これ以上の排泄欲は望まない筈なのに。 無意識的に、あくまで本能に遵って腰を強引に進めれば、確かにずぶりと更なる奥底へ届く。すぐさま、ペニスが一段と伸びあがった。 どぶびゅああああぁあ!!ぐぶぅうううっ!!ごびゅぶぶぶぶっ!ごぶぁぁ!ごぶぐうううっっっ!!! 「うあぁああぁああぁぁああぁあああぁあぁああ!!!!くはああっ!…あっ……がっ、…かはっ……」 少年の咆哮は一瞬で最大に上り詰めると、それから先は続かなかった。 肺の空気はとうに空っぽなのだろう。舌を突き出して、全身の筋肉は収縮と弛緩を出鱈目に繰り返す。背も指先も、関節が許す限界まで弓なりに反り上がっていた。 摩擦の愉悦だけで目玉が飛び出そうな程なのに、劣情の噴射が更に、奔流のように強くなる。 油断をすれば、咆哮を上げつつ、更なる強さで腰を振るってしまいそうだ。 自分の感覚が信じられない。睾丸がバカになったんじゃないか。こんな凄まじい射精感は今までに無かった。 下半身の体液が全て搾り取られたような気分に包まれても、俺の硬度は衰えを知らない。 引き抜こうと思って、腰を離そうとしたが、射精のすぐ後で敏感になった亀頭の雁裏に、ヤスリで削られたような甘い痺れが走った。 手元の少年も甲高く鳴いて、再びぎゅむむぎゅむと竿を食い締める。へとへとになった腰には、荷の重過ぎる事後処理だ。 だが…それでもまだじわじわと快楽を滲ませる、この肉の孔の感触がとても名残惜しい。 抜き去る義務感はいつの間にか頭から消え失せ、代わりに次の陵辱行為への獣欲が、装填されてしまっていた。 淫魔と交わった男は、こうなるのだろうか。 494 :トリップ忘れた 6/14:2008/12/16(火) 01:42:49 ID:UriQuRui 俺の姿勢を維持する為に、手で抑え付けていた腰がじりじりと動いた。 ほんの少しの摩擦だけで「きゃあぁああ!」と歌って、すぐに震えて動けなくなる。 孔の端、捻じ込んでいる俺の焼き鏝との隙間から、こぷりと泡立ったとろみを滲ませた。 少年は、上半身と首だけを器用に後ろに振り向く。 潤んで焦点の合わせを失った瞳は、真っ黒に淀んだ廃油のような汚濁が無限にとぐろを巻いている。 「せんぱい…どうしてこんなに、えっちが上手なの…?また、お尻めちゃめちゃにされちゃって…今度は…すごく…気持ちよかったぁ……。」 小さな赤い舌をちらちらと覗かせながら、涎を滴らせたもう一匹の獣が居た。 獣だが、獲物だった。 栄養たっぷりの柔らかい肉を纏った、若く新鮮な小動物が、内臓の味見をさせた上で、「さあどうぞ、僕を召し上がれ♪」と、卑猥に腰をくねらせている。 こいつ、ぶっ壊してやろう。お望み通り、くたばるまで犯してやろう。 心臓が破裂させて、躯を八つ裂きにして、どぶの底に沈めてやろう。 下腹部の奥底に在るすべすべした肉茎を指で探り当て、握る。こいつ、盛っている癖に毛も生えていないのか。 先走りに塗れるペニスは俺の手の中で跳ねて暴れ回りながら、シーツのそこかしこに青臭い汁を撒き散らし始めた。 掌中で射精の波が撃ち出される度に、こいつの内部はこの上なく快美に震え、俺を締め付ける。 「せんぱいぃっ、いきますぅ、いっちゃいますっ、せーしでちゃうんですっ!あっ!あぅん!んふあああ!」 ずぴゅーっ!ぴゅるるうっ!どぶぴゅううぅうっ! 放出の間、ずうっとキャンキャン鳴いている。明らかに、セックスで初めて味わった射精の快楽に酔い痴れているようだった。 たっぷりと精排泄の愉悦を味わった肢体は、ぽさりとシーツにへたり込む。 休ませてやる気など欠片も無い。再び髪を左手で掴み、平手で頬を張り倒した。 「てめえ、人のベッドに汚えのぶち撒けやがって。」 叩かれた後の数秒は、何をされたか解っていないらしい。目を見開いたまま、ただ混乱しているようだ。 じきに、表情がたった一瞬で蒼白となった。 「ごっ、ごめんなさいっ!ごめんなさい!次はっ、ちゃんとっ」 歯をかちかち鳴らして、搾り出すような声を漏らす唇に向け、軽く拳を打ち込んで、ガキの減らず口を黙らせる。 焼けた砲身の暴走を押し留めるものは、もうどこにも何も無かった。 495 :トリップ忘れた 7/14:2008/12/16(火) 01:46:41 ID:UriQuRui 「汚すなよ、汚したら、解ってる、よな、覚悟、しろよ」 「おちんちん、こわれてるっ、かってにっ、お汁がぁっ、出ちゃう、おしる出ちゃ、よぉ」 二人の呼吸は、俺のペニスの押挿のリズムに支配されている。 犬とそっくりの吸気を合間に挟みつつの、訳の分からない問答は、むしろ自分に言い聞かせているようだ。 懇願をしているようだが、こいつは本当に止めて欲しいのだろうか。 身体が快楽に抗えず、シーツの上に白濁液を撒き散らし続ける少年は、今この瞬間どんな表情をしているのだろう。 交尾の後に訪れる本当の激痛に怯えながら、精と体力が尽き果てるまで、或いは本当に永遠に貪り食らわれてしまう心地など、今すぐ気が狂ってもおかしくなかろうに。 「せんぱいっ、ごめんっ、なざいっ、白いのっ、出ちゃってっ、せんぱいのべっど、よごしちゃってるぅっ!」 ペニスを叩き付ける音はとっくに生易しいものではなくなっていた。骨を殴る音に似た、ごづん!ごづん!という震動が、空気ではなく肉を通って耳に伝わって来る。 少年の尻たぶを腰で打ち据える、ばちばちという音の響く中、今までにない暴力的な突き込みによって齎される機械的な愉悦に抵抗する余力もなく、 喉からは歓喜の嬌声を、陰茎からは白い粘液をとめどなく噴射する。 強く捻むだけで軋みを上げる未発達の関節。細い四肢は今にも砕き折れ、散り散りに裂けてしまいそうだが、とうに麻痺した俺の理性はその光景すらも望んでいる。 喉を枯らすほどの苦鳴も、関節が無理に曲げられる音も、神経を引き攣らされた勢いでぎゅうぎゅうに食い締める孔の中も、全てがこの上無い恍惚を齎す行為だった。 「そんなに…悦いのかよ…。」 「はへっ、はへ……ふぇ?」 「男にケツ掘られるのがっ、そんなに悦いのかって、聞いてんだよ!」 弓を引き絞るように後退った腰を、反動を乗せた肉杭の一撃は、軽く性奴の意識を追い遣り掛けた。 これだけで腹を食い破っていたとしてもおかしくはないが、少年の苦悶の表情はすぐさま、淫靡なモノに塗り替えられる。 「きもちいいよう!きもちいいですぅ!もう、もうどうなってもいいからぁ!ぼくのことなんか、壊してぇ!」 こいつは重症だ。頭なんか、とっくにぶっ壊れているじゃないか。処置は…無しだな…。 軽くほくそ笑んで、肩の白い皮膚に噛みつく、辛抱堪らなかったせいだが、それにも甘ったるい嬌声を上げる半狂乱の神経には、呆れの思いが大きい。 噛み痕は脆弱な皮膚を引き千切っている。僅かだが、表皮の破れ目からは血が滲み始めていた。 「ザーメン垂れ流した回数だけ、ツラ凹ましてやるよ。覚悟しろよ、マゾガキ。」 「やあぁぁ……ぶたないで、ぶたないでぇ……あっ、あっ…んふぅぁああああああ!!!」 496 :トリップ忘れた 8/14:2008/12/16(火) 02:07:56 ID:UriQuRui もう、どれだけの時間が経ったかも分からない。 俺のもので粘膜を散々に捲り返した挙句にようやく二発目の吐精を始めると、少年の儚い意識は即座に熱々の濁流に灼き切られた。 苦労してペニスを引き抜けば、その緩んだ孔から次から次へと止めど無く、俺の精液とこいつの腸液の混合液が溢れ出ている。 やはり、僅かに赤いものが混じっていた。まだ二回目でこれだけの事をやったんだ。出血だけで済んだのに、驚きを感じた。 気付けに風呂場へ引き摺って行き、洗面器に汲んだ水の中に顔を漬せば、三十秒と経たない内にじたばたと暴れ始める。 水中から引き揚げてやれば、喘息のようにぜえぜえと逼迫した息を吐いている。 まだ焦点の合っていない瞳へまず一発目の殴打を加えただけで、奴の目蓋は切れた。 二発三発と続けたのは腹の辺りだった、耳の後ろを目掛けた十発目で失神したので、再度の水責めで意識を戻してやる。 この期に及んでやっと、少年はいつか見た表情を浮かべた。また、息も絶え絶えの腹腔を容赦なく蹂躙する。 昂ぶった男根を尻に捻じ込み突き上げたのに、それでもこいつの性器はびゅるびゅると濁った涙を零して喜ぶのだ。何度も、何度も。 殴りつけ、気絶する度に闇から呼び戻し、犯す。 今のこのサンドバッグ兼精液絞り人形からは、かつての気弱で意思薄弱な、清楚であどけない少年の面影は虚空の彼方へ消し飛んでいた。 497 :トリップ忘れた 9/14:2008/12/16(火) 02:56:40 ID:qw13JdgP 胡座をかいた上に串刺しに腕の中にすっぽり納め、正対して密着する抱き方のまま、もう何時間交わっているのか、記憶がない。 感情に任せきった殴打を続けたせいか、手首の捻りに違和感を感じ始めたせいだ。俺には決して軽くない理由だ。 少しでも腰を動かすと、腸の中で氾濫しきっている白濁汁が『ぶじゅ、ぶじゅじゅっ』、『ごぼぼ、ごぶじゅっ、ごぶぅぅ』、などと 思い思いの下品な音を伴って押し出され、掻き出されて、生温かいゲルが竿の根本と嚢を伝う。 「えぅぅ… ふぇうぅ… あー… あーっ あーー… あぁー… あーー…」 決して眠りに落ちることの許されない、拷問に等しい快楽責めの世界に漬け込まれ続けて、元から快感に脆弱だった理性と意識は完全に破壊されていた。 少年は時折、激しい痙攣が裸体を突き抜ける。尻だけでも絶頂に至った証だ。こいつのまともな意識はいつから飛びっぱなしなのだろう。 さきほどの思い詰めた表情は、今この瞬間には跡形も無い。 涙と鼻水と涎と汗と、おおよそ分泌できるありとあらゆる汁物を顔中に噴き出して、それは紅潮した頬に広がり、まだあどけない顔を為すがままに汚染している。 焦点の合わない瞳はあらぬ方向を彷徨う。狂人じみた恍惚の笑顔、歪んで引き攣った苦悶、魂が抜け切り惚けた無表情を、滅茶苦茶な順番で盛んに繰り返していた。 今抱きしめている、柔らかい肉でできた、俺のペニスに快感を流し込んでいる源ならば、 俺の欲望を昂ぶらせ、射精感を沸き立たせて、欲望の放出を幾らでも腹の奥で受け止めてくれる。 ただペニスを突っ込み、犯せば犯すほど性感を分泌するおかしな何物か。人間未満の奇妙なイキモノにしか見えなかった。 うなじも首筋も肩の稜線にも、口の届く範囲の至る処に毒々しい色の噛み痕が鮮やかな血潮を滲ませ、白い皮膚の上に赤い歯型を創っている。 小鳥の雛みたいに唇を開いて舌を突き出す時がある、俺の気が向いたらだが、唇で貪ってやる。 「あうー あぁ…うー…むぐぅっ。むふぅー!!むぅー!んむぅー!!」 頭を掴んで逃げ道を塞ぎ、口内を舌で犯せば、肌を痙攣させ、身を捩って、顔中から汁を漏らして咽び泣く。 意識的か無意識かは判らない。ただ、そうすると、食い千切られそうなほどぎゅうぎゅうに逸物を締め上げる。 欲望を堪えられなくなり、更に腹の中を深く乱暴に抉り擦れば、やがて灼ける精液の塊を塞き止められなくなって、 噴き上がった溶岩流が、勝手にこいつの腹腔を隅々まで食い荒らしてしまうのだ。 こいつの脳はもう暴力的な快楽で痺れ切っているのだろう。それでも更に、無理矢理にでも快感を詰め込む。 「むぐううっ!ぐうぅっ!ぐふぅぅっ!むぐぎゅうう!ぐぎゅうふっっ!!むうぎゅぐううううううううっ!!!!!!!!」 この期に及んで異物を押し出そうとしてくる腸壁の生理的な圧迫を、むしろ愉しむように突き破る。 牡の慰み者として長時間酷使され、軋みを上げる股関節にも構わず、腰を奮って腹腔を貪り食らう。 啼き呻く声の音色が掠れて、嗜虐心を沸き立たせる嗚咽に変わる頃合を狙い、限界まで引き絞られた鈴口という照準から、子種汁からできたマグマを吐き付けた。 絶頂から更なる絶頂に堕とされたことを示す絹が裂けるような囀り声も、放出の最後までは続かない。 腸粘膜の中に牡精を注ぎ込まれる度、数え切れない絶頂に達する小さな体。 瘧のように四肢を二・三度引き攣らせただけで勝手に弛緩する。虚無を掻いていた指は力尽き、首はかくりと項垂れた。 498 :トリップ忘れた 10/14:2008/12/16(火) 02:58:18 ID:qw13JdgP 夜が白み始める頃には、ゲル状の白濁粘液に塗れた肉人形が風呂場の床に横そべっていたが、その頬はどこか満足そうに歪んでいる。 こいつは俺が昼過ぎに一時帰宅するまで、浴室の中で起きることはなかった。 叩き起こしても、すっかり腰が抜けていて、まともに歩くことができないらしい。三歩と進んでいないのに、床にへたり込んでしまう。 少年は、どこか陶然とした表情で俺を見上げている。 俺はまた一時間と経たぬまま、気付いた時にはこいつを精液漬けにしてしまっていた。 腹の中で荒れ狂う牡のモノ。それに伴う汚液の氾濫を泣いて悦び咽び、声を枯らして鳴いている。 少年は完全に、俺の手篭めになった。 日曜、学校の周囲をうろつき回っても、捜索員やそういう類の人間は、全く見当たらない。 近所でたむろう知り合いに聞いても、特に変わった事は無いらしい。 目星も付けず携帯で呼び出した人間と雑談を続け、或いはメールを遣り取りしたが、時間の無駄だった。 正午を過ぎた頃、「一度だけ試してみろ」と、少年に帰宅を命じた。目の前の何かは、返事を返さなかった。 顔からは感情が消え、小さな背は生気を喪失する。吹けば飛びそうな覚束無い足取りで、無言のまま玄関から出て行った。 その日の深夜。日付けが替わってすぐだっただろうか。やはりと言うか、来客を示すベルが鳴った。 外の人物を確かめ、長い溜息を吐いて、ドアを開けた。 そいつは崩れ落ちるように俺の胸辺りにしがみつき、声を押し殺してさめざめと泣いた。冷え切った体は、迷惑だ。 冬服の学校指定ブレザーが玄関のマットの上に放られている。道中で脱いで、抱えて来たのだろうか。履物も無く、汚れた靴下のままで家に上がられている。 背中でも擦ってやろうと、白いワイシャツを見下ろすと、べっとりと塗り広げられた赤黒いものは既に乾いていた。 ワイシャツと肌着を脱がせ、負傷を診てやる。これは、鈍器だろうか、強い力で肉が抉り取られているが。 「ゴルフクラブで……お父さん、要らないの、いっぱい持ってるから……」 傷口を洗うという尤らしい理由を盾に、怯えて竦み、首を横に振って嫌々をする少年を力尽くで風呂に漬ける。 脂汗と涙と鼻水と涎の泡に歪んだ顔を眺めながら、五体が痙攣を起こすまで、ソプラノの奏でる悲鳴を愉しむ。 風呂上がりに、チューブ入りの練辛子を取り出して見せてやった時の表情などは、更に扇情的なものがあった。 喜悦の飽和には弱く、少しでもよがり狂わせればあっさりと事切れてしまう少年だったが、 痛苦にばかり慣らされ切った体は、そう簡単には気絶の彼方へ逃げられないらしい。 爛れに爛れて異様に膨れあがった傷口は、栄養不足もあってか、治りはとても遅かった。 499 :トリップ忘れた 11/14:2008/12/16(火) 03:00:09 ID:qw13JdgP そうして、奇妙な生き物が家に通い詰める生活が始まった。訪れる時間は、決まっていない。 俺の仕業ではない殴打の痕は、すぐに少なくなった。ただ、窶れが酷い。 近所の中坊に、プラスチックの弾を連射する玩具で追い立てられている姿を見掛けた時も、奴は50mとまともに走れていなかった。 外に放り出した日の昼間、奴はとりあえず学校に行っているらしい。 時折だが校内で姿を見かけることがある。そいつが着ている制服は、いつでも薄汚かった。 部員の名簿を眺めると、確かにそのような名前が目に入った。氏名の上に二本線が引かれ、籍が削除されているのが分かる。 最寄りの部員に、「誰だこいつは」と尋ねれば、「入部一ヶ月も経たず無断で長期欠席をした腰抜け」と説明された。 心底どうでも良い情報だ。適当な生返事を投げ返すと、再び稽古に戻った。 ------------------------------ アルバイト先の賄い物や、女どもの振舞ってくれた食事の残りを稀に、一応の断りを入れて、包んで貰って来る。 小さなタッパーに入れた僅かなものを家まで持ち帰り、こいつの食餌として与える時があった。 今になっても尚、箸使いは歳不相応にたどたどしい。 最初に出してやった時は、何か不思議なものを見るような目をしていた。 戸惑うばかりで一向に手をつけようとしない様子に、俺の方が先に業を煮やし、半ば命令の形で食わせた覚えがある。 小さな口を精一杯働かせる健啖さを見せた後も、俺の欲求が昂ぶるまではまだ間がある。 保育園だか幼稚園だかの頃、園内で熱が出た時わざわざ母親が迎えに来てくれただの、小学校の入学式祝いに与えられたフルーツゼリーが美味かっただのを、 さも至福の思い出のように、何度も俺に話すのだ。 視線は冷え冷えとし、腹の底では諦念と遣り場の無いやるせなさ諸々が、ぐねぐねととぐろを巻いている。 この場で即刻殴り飛ばして、「目を覚ませ」と怒鳴ってやりたかった。未だに実行はしていない。 事実かどうかも判らない出来事に縋り付いてようやく生き延びている人間へ、「それは無価値なものだ」と唾棄してしまった時、 こいつの気が狂わないという保証は、どこにも無いのだ。 俺は、半死人の走馬燈を聞かされているのだろうか。事切れる寸前の人間は、頭に幸福な記憶だけが巡るらしい。 五つにも満たない数の、ドレッシングのかかった小さな鳥の唐揚げを、懸命に口に運び終えると、 薄くはにかんで手を合わせ「御馳走さまでした」と丁寧に礼を述べる。 小さな頭には青痣が幾つも残り、手を合わせて会釈をすると、細かなかさぶたが僅かに零れ落ちる。 学校ではまるで、動く屍体のように生気の無い、夢遊病者のように過ごすこいつの恐らく唯一の例外として、 俺の家の中では、歳よりはやや幼いように思えるも、それはそれは人間らしく、感情豊かに振舞うのだった。 500 :トリップ忘れた 12/14:2008/12/16(火) 03:01:25 ID:qw13JdgP 送っている怜悧な視線に気付いているのかいないのか、こいつは目を丸くして俺を覗き返す。 俺とはたった二個下しか違わない同性の筈が、まるで道場でよく見る中坊どもにも届かない体躯。恐らくこれは、持って生まれたものではない。 できるだけ緩やかに、肩を抱き寄せる。腕の中にすっぽりと納めれば、胸板に肩を預けて、不思議そうに俺を見上げて来た。 こいつは、欠食児童そのものだ。慢性的な栄養失調に、よほど幼い頃から晒されていたのだろう。 からっきし体力も無く、筋肉の付き方も有り得ない程に脆弱で、胸には微かだがあばらが見える。…付き合い始めた当初は、もっと克明に肋骨が浮いていた。 不自然な肌の白さも、血色の悪さも、そもそも陽の当たらない場所にばかり居たのだろう。 そっと頭を撫でると、心地良さそうにうっとりと目を細め、俺の首元に頬を摺り寄せる。強く抱き締めても、抵抗しない。 白い首筋には、産毛の生えていない部分がそこかしこに在る、サイズは、煙草の径と同じ位か。 あからさまな溜息を吐いて、俺も目を瞑った。 「お前、この歳まで、なんでまだ、死んでないんだ。…首でも、吊れよ…。」 「何度も試しました。でも、怖くて…。」 「最近…学校は、どうしてんだ。」 「…もう、僕の机…壊れて…どこかに、無くなっちゃいました。」 「バカだからな。」 復讐の腹積りがあったなら、ここで首筋の動脈でも噛み千切られれば、俺は助からなかっただろう。 そんな、余りに無防備で致命的な筈の時間は、五分は無かったと思う。 家では孤独と空腹と暴力に苛まれ、学校では侮蔑に怯え続けたこいつにとって、 牡に自分の内臓を食い破られる倒錯した行為は、あまりにも強烈な快楽と幸福感を齎したらしい。 麻薬に蝕ばれるように性欲に溺れ、無言のまま向こうから望み、男根を求めて来るのだった。 失うものが無い人間は、こうまで堕ちるのだろうか。 レイプの被害者である事が、親に知られてない筈がない。学校は庇わず、級友も然りだろう。 身体を捧げて金を掴むにしても、既にお手付きの中古品だ。それすら、名士の家にとっては端金だ。 それこそ、内臓を抜かれるか、破滅的なビデオの主演として人生を終えるか、そんな未来しか、俺には思い浮かばない。 心が壊れて当然だと思う。なんにせよ、まともな人間らしい生活など、後にも先にも用意されてはいないのだ。 逃げ場の無い所で、産まれてこの方、鑢で心身を削られ続ける生活など、俺ですら耐え忍べる自信は無い。 501 :トリップ忘れた 13/14:2008/12/16(火) 03:03:25 ID:qw13JdgP 丁寧に抱き上げて、風呂場に連れ込み、全身もろとも洗い流してやる。今日もまた、腸に内容物は無かった。 身体の水分を拭いてやる手間ももどかしい。頭が半分皮に埋まったこいつのペニスは今やしっかりと屹立し、切なげにヒクついている。 軽い身体は、抱え上げてベッドまで往復するのも苦ではない。何時もの様に投げ込む形ではなく、載せるように横たえる。 ローションを含ませるのももどかしい。前戯もそこそこに、華奢な体に覆い被さった。 浅い箇所を亀頭で抉り擦られるのは、初めての筈だ。 腰の最初の一往復では驚いたように目を丸くしていたが、すぐに身を震わせて、俺の耳に溶ける、心地よい囀りを喉から溢れさせる。 尻の肉があからさまな吸い付きを見せるほどに乱れ狂えさせれば、ようやくペニスの本体を進ませてやる。 「あ…あ、あっ、あああっ!ふあああああああぁぁぁぁ………」 いつものような、ハンマーで焼けた鉄の楔を叩き込むような突き入れではない。 じわじわと長く長く焦らし、肉同士を擦りつけ続ける。絶頂には寸止めの浅い快楽で限界を飽和させる。 熱くぬらつく腸壁のあちこちが、俺の牡茎に艶かしく纏わり付いて来るが、動きには明らかな痙攣も混じっていた。 あらゆる所に柔肉が溢れ、包み込み、弄り、舐めしゃぶって吐精を促す。まだ俺は動いていないのに、もうこれだ。 密着感を味わいたいが為に肩を顎で噛んでいたが、上体を離して、奴の表情を窺った。 少しの苦悶と涙を零しつつ、息苦しそうな呼吸をしている。 俺の視線に気付くと、奴はこちらの腰に脚を絡み付かせて、淡く微笑むのだ。 「せんぱい、ありがとう…だいすき。世界でいちばん、すき…」 無駄口を叩く桜色の唇を塞いだ。長い長い射精が始まる。 ぶぐぐっ!ごぐぐっ!ごぐんっ!ごぐんっ…!ごぐん…! 俺のペニスが瘧のように打ち震える感触が、こいつの薄い腹を伝わる。欲望の吐き出し具合が、分かってしまう。 どうも、臍の裏辺りまで突き刺さっているのだろうか。 余す所無く、体を密に触れ合わせる。唇も塞ぎ、舌を深くまで犯す。歯を磨かせるようになってからは、こいつの粘膜は蜜菓子より甘くなった。 どくっ…、どくん…、とく、とく……とくん… やっと、一回目の吐精が小康する。唇を離し、二人一緒に熱い深呼吸を吐いた。 少年は、どこか物足りなそうな顔をしながら、膨らみ気味の自分の腹を撫で擦る。 「…せーえき、のみたいなぁ…。せんぱいのせーし、おくちに、ほしいよ…」 「馬鹿。お前、咥えるの下手だろ。口は小さ過ぎるし、すぐ顎が疲れたとか言うしよ。」 「あぅぅ……」 「俺がちゃんと仕込んでやるから、まだ我慢してろ。」 僅かな遣り取りの合間に、ペニスはすっかり硬度を取り戻していた。 ぐいぐいと押し込み、内臓の柔肉に半個体のゲルを塗り込んでやれば、発情した猫にそっくりな声を上げた。 弛緩を知らない粘膜がいつまでも男根に奉仕を続ける。ぴっちりと吸い付いて離れないそこは、俺を教えれば教えるほど肉茎に馴染んで来る。 普通の恋人同士は、このような睦み合いをするというイメージがある。 こいつの孔は牡の忍耐力を狂わせる猛毒を分泌し、俺のペニスに余す所無く塗りこんでいるのだろうか。 502 :トリップ忘れた 14/14:2008/12/16(火) 03:04:02 ID:qw13JdgP 気付けば、互いの性器を蕩けさせる行為に、東の空が明らむ頃まで没頭してしまっていた。 最後の最後で小刻みに腰を動かすと、それだけで俺のは暴発する。 できるだけ長く放出の余韻を味い尽くすと、とてもとても名残惜しいその場所から、自分自身を引き抜いた。 「あ…すごい。ちゃんと自分で、歩けます。」 腹の中に溢れていた体液を浴室で掻き出してやった後、寝室に戻る途中に、そんな呟きを聞いた。 昨夜はこいつにとって、今までで最高の一夜だったらしい。 いつか本当に、俺の子供を孕ませたいと思った女ができた時にやろうと思っていた抱き方だった。 予行練習の機会に不意に恵まれたから、そうしたに過ぎない。 まだ日は低く、部屋の空気は肌寒い。二人して毛布にむぐり、ぼんやりとまどろむ。 冷える朝でも、こうして手頃な暖気具を抱いていれば大して苦ではない。向こうも俺から離れようとしない所だけは、唯一最大の欠点かも知れない。 毛布の端がもそりとした膨らみを与えられると、その中からは、いつになく真摯な瞳が此方を覗いていた。 「あの…先輩…。」 未だ睦事の温もりが抜け切っていないのか、少年の頬には珍しく、仄かな赤みが差している。 「…僕、いつか絶対…先輩に何か、恩返しします。絶対です…。約束します。」 …やはりこいつは…頭がイカレている…。何が、恩だ。 自分が何をされているのか、分からない知能でもあるまい。 俺はただ、殴って、犯して、餌だと言ってただの残飯を食わせているだけだろう。 あからさまに呆れの溜息を見せ付け、できるだけ乱暴な手付きで、頭を撫でるふりを装った。 「…何か…食いに行くか。欲しい物、言ってみろ。」 返事は即答されない。毛布の下から俺を見上げる瞳は、怪訝の感情を隠そうとしない。 「食いたい飯を言えっつってんだ。早くしろ。」 「あ…あの…甘いもの、食べたい、です。」 「…そういや、蕎麦屋が在ったな。」 「んん?…お蕎麦って、甘いんですか?」 「甘いもん、嫌いなんだよ。」  -[[:第5話>:無題 672-678]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー