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346 :女装するなら心まで飾れ! 2/5? 2010/05/20(木) 22:07:10 ID: N5+CWUV4
友人にしろ家族にしろ、自分と繋がりを持ってくれる人間は大事だと、俺、双田憐(ソウダレン)は思っている。
早々と俺の人生に見切りをつけやがった親を無視して俺に懐いてくれた可愛い妹。
卑屈になっていた俺を見捨てず今も親友として扱ってくれる一樹(カズキ)。
妹の彼氏という微妙な立ち位置だが、何かと俺に良くしてくれる弥生(ヤヨイ)。
……上げればもっといるんだが、俺の身の上なんかどうでもいいだろうから割愛。
「なぁ、俺は含まねーの?」
軽薄そうな男が見た目通りの口調で俺に訊いてくる。
またいつも通りのやり取りが始まるか、と一度ため息をして、深呼吸をして。
「俺が言う繋がりは精神的なものだ」
「精神的な繋がりじゃ腹は膨れないんだぞ」
「お前の精液でボテ腹なんてごめんだ」
「男が妊娠できるわけ無いだろ。病院行くか? 頭の」
「毎回あんだけヤられりゃ孕む気無くても孕むわ! 責任を取れ!」
「想像妊娠で人を責めるな、110番するぞ」
「お前が逮捕されろこのショタコン!」
「違う、ペドフィリアだ」
「もっと問題だー! ……って、どっちかって言うとエフェボフィリアじゃないか?」
「そんな言葉があるのか。じゃあ今度から俺の二つ名は『エフェボ鳥山』にしよう」
「何それウイルスみたい。どっちにしろ俺の年齢は20です残念でした」
「その見た目で20は詐欺だ、14の間違いだろ」
「俺どんだけ幼いの!?」
「年齢詐称するなよ、どーせ酒飲みたいがためについた嘘なんだろ」
「確かにコンビニでは身分証明させられてるが本当に20だ!」
「よし、じゃあ合法ショタだな。ヤろう」
「やっぱりそこに結びつくんだな!?」
ここで、息継ぎ。ついでに会話終了を狙う。
「‥‥」
無言。よし、ステージクリア。
説明が凄く遅れた感が否めないが、こいつは俺の恋人以上親友未満の変態、鳥山紅葉(トリヤマクレハ)。トリヤマってかトリアタマな奴である。
紅葉が家を飛び出して来て勝手に住み着いた1週間後ぐらいに「あらあんなところに酔いどれショタがいるわ」→「アッー!」と親友と呼べるほどの付き合いをする前に襲われたから未だ親友未満である。これだから最近の若者は順序が逆なんだ、なんか俺と同い年みたいだけど。じゃあ俺が逆なのか? でも紅葉も逆だから……もういいやキリ無い。
「なー憐ちゃん」
「ちゃんを付けるな鳥頭」
「妹ちゃんの制服が手元にあるのはなんでだと思う?」
「お前俺の妹に何をやらかした理由によってはお前を警察に突き出すことになる」
「弥生ちゃんに頼んだら貸してくれた」
「よしちょっと弥生の奴シメてくる」
「落ち着けフィーバーモード。お前に着せるって言ったらくれた」
「連チャンじゃねぇよ。弥生の奴やっぱシメてくる」
「着ろよ。着ないとお前がこないだ一樹と浮気してたこと俺に言うぞ」
「してないってか既に知ってるだろその言い草じゃ」
「着てくださいお願いします。これでいいだろ」
「惜しい、1文目だけなら着てやったのに。余計な言葉まで付けたので」
「脱ぐだけに留めておく?」
「いや脱がn離せええええええ!」
……はい、ゲームオーバー。
347 :女装するなら心まで飾れ! 3/5? 2010/05/20(木) 22:08:12 ID: N5+CWUV4
華奢な俺がこの男に敵うはずもなく、あえなく俺の着衣は下着だけにされた。脱がされた服は部屋の隅に放られた。
「よし、それじゃあおとなしく着替えようか」
「脱がすだけじゃなかったのか」
「マジな話をすればこのまま襲いたい、が、勿体無いだろ?」
紅葉がブラウスを手に取り、俺の右腕に袖を通す。
いっそ暴れて破いてやろうかと思ったが、そういえばこの制服は妹のもので、勝手に貸し出された上にボロボロになって返ってきたら確実に泣くだろう。考えたな、トリアタマの癖に。
「あ、おとなしくなった。もしかして結構乗り気だったりするのか?」
「そんなわけあるか……妹を、美紗(ミサ)を泣かせたくないだけだ」
「いいお兄ちゃんだな。あ、もうすぐお姉ちゃんか」
普段ならここで殴ってるところだが、今回は出来なかった。暴れて服を破くのが嫌とか、体格的にガチファイトに持ち込まれたら勝てない上にその後の扱いがひどくなるとか、そういう理由もある。が、何より紅葉の慣れた手つきに俺は無意識に見とれていたのだ。
少し気を散らした間に、俺は(胸部を除く)上半身だけ女学生にされていた。
「スカート、どうする?」
紅葉は、この期に及んでそう尋ねてきた。問答無用で着せられると思っていたのに、もしかしてどうにか最底辺で留めた俺への気遣いなのだろうか。
「だってほら、スカートに出したら妹ちゃんが怪しむっていうか……」
「その考えがあるなら最初から美紗に借りるな、そもそも女装という発想を取りやめろ」
「ま、せっかく借りたんだし、着せるけどな」
「お前は勿体無い精神に溢れすぎてんだよ」
しかし、自分が女装した姿っていうのはどういう風に映るものなのか気になっていたのは事実だ。紅葉が調子に乗るので勿論言わないが。
紅葉が俺の上からどく。逃げようと思えばここで逃げられたのだが、やっぱり、俺は逃げなかった。こんな姿を見られるのは恥ずかしいなんてのは言い訳で、やっぱり、紅葉に抱かれることが好きだった。俺、やっぱ、変態なんだろうな。
「よし、出来たぞ。立ってみろ」
その場に立ち上がり、恐る恐る鏡に向かう。そして、
「……嘘だ」
思わず呟いた。鏡に映っていたのは、軽薄ながらも顔の整った男の手が肩に置かれた女子高生、いや、女子中学生。
自分の顔を指差す。鏡の中の少女も同じ動作を行った。それでも、その少女を自分と認識するのに、数刻必要だった。
「憐ちゃん、やっぱ似合うな」
紅葉の声で現実に引き戻される。しかし少女は変わらず俺だった。
「――紅葉」
今まではただ忌々しいだけだった幼い高い声も、少女の外見によく合っている。
もしかしたら自分はこの服を着るためにこの容姿を与えられたのかもしれない、と錯覚させられる程だった。
「な、なんかさ。援助交際みたいだな」
紅葉のボケる声がどこか上擦っている。予想外の完成度だったんだろう、自分でやったくせに。
「……お兄ちゃんなら、いいよ」
顔を上げて、紅葉の顔を見つめる。
紅葉が珍しく驚いたような反応をしたのが、上下反転してても分かった。
「おにーちゃんっ」
調子に乗って、もう一度呼んでみた。
348 :女装するなら心まで飾れ! 4/5? 2010/05/20(木) 22:09:20 ID: N5+CWUV4
ベッドに引き倒された。
「……え?」
自分の目の前には鏡。きょとんとした顔の少女が映っている。
どうやら首の後ろを掴まれてそのまま、らしい。
「お前はエフェボ鳥山をその気にさせた」
紅葉がベッドに飛び乗ってくる。
「な、何行上の話だ! 大体87行ぐらいか!?」
「いいな、憐ちゃん。日本には据え膳食わぬは男の恥という格言がある!」
「日本の格言が誤解されるような発言をするな! いや確かにあるけどさ!」
調子に乗って据え膳を用意したのも俺だけど。うん、完全に自業自得、誘い受け。
「憐ちゃん……キス、していい?」
今更過ぎる質問に、黙って目を閉じて返す。
「お前の優先順位がよく分からん。俺はもっと先まで許しただろ」
最後まで言えず、紅葉の唇が重なったことに気づく。優しく入り込んでくる舌は普段とは違う感覚で、少しだけもどかしい。
今の自分は女子中学生なのだ、と、そう思うだけで何かが背を駆け上がってくる。自分が男であったことよりも強い背徳感。知らず知らずの内に紅葉の頭を自分から寄せていた。
流石に苦しくなったのか、紅葉が口を離し、銀糸を切りもせず笑った。
「ん、……憐ちゃん、今日いつもより乗り気だな」
「紅葉が、悪いんだ」
「違ぇよ、憐ちゃんが可愛いから俺がこんななってるんだって」
紅葉がスカートの中に手を差し込んでくる。下着は既に液体でぐちゃぐちゃになっていた。自分の姿を鏡で確認したときから、興奮が治まらなかったのだ。
「ここは女の子みたいだけどさ」
勃ち上がっているソレを握られ、体が跳ねる。
「――やっぱこっちは男の子かー。いやむしろ男の娘?」
「ふ、ふざけんな……あっ」
そのまま弄ばれる。
「憐ちゃん、男の娘になった気分を一言でどうぞ」
最悪だ。気持ちいいのが、余計悔しい。
「っ、く……」
「無理しなくてもいいんだって、ほら」
もう片方の手が、胸の頂点をなぞる。
「上半身はロリで、下半身はショタ。どっちも楽しめるなんて流石憐ちゃん」
ふざけんな、と言おうとしたが、今口を開けば喘ぎ声が抑えられなくなってしまう。仕方なく唇を噛んで声を抑えるほうを選択した。
「もしかしてもうイっちゃう? それなら、ほら、目開けて、男の娘がイく所しっかりと見届けろ」
嫌々ながらも目を開けると、とろけきった表情をした少女が、しかしスカートの一部を不自然に盛り上がらせていた。
そのアンバランスさにますます興奮が高まり、俺は呆気なく達した。
俺がようやく呼吸を整え始めた時、紅葉は俺の精液を潤滑油代わりにして穴に指を挿し入れていた。それも1本でなく、一気に3本。
普段から慣らされていても、いきなり3本、それもイったばかりの体にはキツい。そのせいで俺のモノはまた屹立し、中もすっかり解されてしまっていた。
「憐ちゃんのここ、凄いやらしい音立ててる……」
指を動かされる度に立つ水音が、耳にはっきりと届く。分かりきってたことなのに認めたくなくて、首を振って否定した。
「憐ちゃん、俺そろそろ我慢の限界かも。挿れるよ?」
「いいよ……」
く、で言葉が詰まる。どうせなら、
「いいよ、お兄ちゃん」
体を反転させ、ベッドにうつぶせになる。
ぐっ、と、紅葉が俺に押し入ってきた。
349 :女装するなら心まで飾れ! 5/5 2010/05/20(木) 22:10:20 ID: N5+CWUV4
そのまま勢い良く突かれるかと思いきや、紅葉は俺を起こし、鏡に向き合わせる。
鏡に映った俺は、さっきまでの純粋そうな少女とは違う蠱惑的な表情を浮かべた男の娘になっていて、自意識過剰かもしれないが凄く可愛かった。
その男の娘は今、紅葉に突き上げられ、快楽を得ている。そうだ、今の俺は男の娘なんだ。『お兄ちゃん』に鏡の前でこんなことされて感じてる、変態な男の娘なんだ。
「お兄ちゃんっ……もっと、もっと突き上げてぇっ」
感情の高ぶりが、言葉を滑り出させた。紅葉がますます激しく俺を揺さぶる。
「お兄ちゃん、ねぇ、お兄ちゃん、」
俺を、女の子にしてよ。
――呟いた瞬間、胸が締め付けられた。俺、なんて中途半端なんだろう。ロリでもあってショタでもあって、だからこそロリじゃないしショタじゃない。
「憐、俺は、俺は、双田憐が好きなんだ」
え? と聞き返そうとした。が、紅葉が中に出し、俺もそれでイかされ、結局聞き返すことは頭からすっぽ抜けてしまった。
「……憐ちゃん、ごめん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫。でも、制服が大変なことになったな……」
まあ洗えば何とかなるか……なるよな? なると言ってくれ!
「つーことで洗濯、ついでにシャワーでも浴びてくる」
「あーうん、俺も……」
立ち上がろうとした瞬間。がちゃり、と、鍵をかけていなかったらしいドアが開き。
「ねぇ、なんかさっきからなんかギシギシ言ってるけどどうしt……」
……一樹が、立っていた。
「く、紅葉……?」
一樹はまず紅葉、次に顔を伏せた俺を確認し、震える声で、
「――中学生に手を出すのは犯罪だよ! 憐に怒られちゃうよ!」
いや、俺がその憐です。とは言い出せず、この場は紅葉に任せて俺は他人のフリをすることにした。
「って、あれ、憐? なんで美紗ちゃんの制服着てるの?」
当然、一発でバレた。
――その後の展開については、また今度話に来ようと思う。
正直、あんまりいい体験では無いんだけど。今日は聞いてくれてありがとう。
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