原作 都築真紀 対談 作画 緋賀ゆかり
「StrikerS(ストライカーズ)」「X(イクス)」を経て3年後の世界へ――第4期シリーズ「Force」誕生までの秘話を明かす!
―「なのは」の新シリーズとして「Force」が始動するまでの経緯を教えていただけますか?
都築リリカルなのはシリーズをTVアニメシリーズで続けていまして、今まで角川書店さんとはあまり接点がなかった状態だったんですけど、劇場版に合わせて作品を取り上げていただけることになりましたそれで、なのはに関して何かやれたらいいですねということで、どちらからともなくコミックのお話に。だから、今回のコミックについては、なのはの続編をやりたいのでそれを、と言うようなお話ではなくて、角川書店さんとのめぐりあいとご縁があってのお話で、さらに「Force」に関しては緋賀先生との出会いで生まれた作品になります。
緋賀いえいえ、そんな……。
都築単行本、全部買っています(笑)
緋賀私は最初、すごく不安だったんですよ。やっぱり「なのは」は大きい作品なので、作家の中にもごまんとファンがいるんじゃないかって。だから、私よりも適任者がいるのでは?と思い、一度はお断りしようとも思ったんですが……。
都築緋賀先生のお名前が挙がった時点で自分が「緋賀先生が描いてくださるならこれで!」と言うふうに、内容や展開周りを一気に作って、編集さんにお送りしてしまって。
緋賀そこまでしてくださったので、それなら私も自分にできる限りの範囲で頑張ろうと思って、お引き受けさせていただきました。キャラクターデザインに時間がかかって、さっそくご迷惑をおかけしてしまったんですけど(笑)。「『なのは』に出てくるキャラに見えますか?」みたいなことは、最初のうちはよく話していたような気がしますね。
都築見えますよ!と(笑)。でも新主人公3人に関しては、緋賀先生の絵柄やキャラクターを規律にイメージしていったところが大きいです。今までのチームで普通に「なのは」の新作を作ったとしたら、この子たちや「Force」の物語は生まれていないですね。
―なのはが主人公ではないということで、驚かれた読者も多いのではないかと思いますが……。
都築なのはは主人公とはひと言も言ってないんですけどね。まだ現役です、というだけで(笑)。
緋賀私もなのはが新しい主人公だと想像していたので、「新しい主人公たちで」と聞いたときにはびっくりしましたし、しかも男の子と聞いて「大丈夫なのか?」って(笑)。
都築なのはは「StrikerS」のとき以上に、見守る・導く・救い出す、という役割で、はっきりと師匠系キャラの立ち位置です。「force」では物語を作っていくのは新主人公のトーマたちに任せる形で、なのはやスバルらシリーズキャラは物語の進行に合わせて順次、それぞれの立場で出てきて、物語に関わります。
―では、「Force」の今後の展望について教えてください。
緋賀読者の方に、「この人なら大丈夫かもしれない」と思ってもらえるくらいに、ちゃんと描いていきたいと思っています。だからといってファン心理炸裂で描くのではなくて、冷静な目で見ていきたいですね。都筑先生のイメージをうまく拾えるように、頑張っていきたいです。
都築 物語的にはもう「第一部完」の部分までほぼ固まっています。あとはそれを形にしていきながら、同時に読者のひとりとして、緋賀先生が作ってくれる新しい「Force」を楽しみにしようと思います。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――少女から戦記へ
「リリカル」シリーズ第4シリーズとしてスタートしたこの漫画。完全新主人公、なおかつシリーズ初の少年主人公なわけですが…。Force・ViVidの「ダブル4期」には、どちらも「新メンバーで原点回帰」という目標があったりします。
そして「Force」がピックアップする「原点」は「戦う力を持たなかった主人公が、大きな力を手にすることで自分自身の世界が変わってゆく、周囲を変える影響力を持つようになってゆく」という部分です。
本作のアニメシリーズにおける主人公達とその周囲の主要人物達は、いずれも「力そのもの」を望んでを手に入れたわけではありませんでした。目的があって、それを叶えるために必要な術(すべ)として手に入れ、磨いた力です。
出会った少女を、愛する母を救いたいと願って空を駆ける力を手にした「1st」の2人のエース。幼い頃に定められた力を、否定することなく受け容れるために使う事を決めた「A's」の夜天の主。弱い自分を変えるため、助けを求める誰かの声に答えるために、壊す力と向き合う事を決めた少女と自分の夢に向かうため、夢を夢で終わらせないために強さを求めた「StrikerS」の2人のストライカー。
トーマは、そんな歴代主人公達とは少し違った形で「力」と向き合う事になります。それは「ViVid」のヴィヴィオが「競技者としての強さ、心の強さ」を目指してゆくのとまた違った、新世代……そしてトーマという少年ならではの「力」への向き合い方でもあります。
「少女」ではなく「戦記」のタイトルを冠した「Force」では、魔法の力や戦いを「怖いもの」として描いてゆきます。そしてそれは、緋賀先生の「絵」でしか描けない物語でもあります。
序盤のトーマは、力や状況や自分の過去、敵対勢力……いろんなものに振り回されたり困ったりしてゆくことになると思います。
でも、シリーズ中随一の「等身大に近い主人公」として、きっと四苦八苦しながら生きてゆくトーマと、トーマのそばで、これから関係性を作っていく事になるリリィやアイシスそんな3人の前に立ちふさがるフッケバイン一家や元機動六課メンバー達の様子を見守っていただければ嬉しいです。緋賀先生と一緒に精一杯、この物語を描いてゆきます。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あとがき
はじめまして、こんにちは。緋賀ゆかりと申します。「魔法少女リリカルなのはForce」1巻をお手に取ってくださりありがとうございます!
「リリカルなのは」シリーズはとても大きな作品で自分にとっても特別な作品でしたので、Forceのお話をいただいた当初は自分なりに不安もありましたが、原作の都筑真紀先生をはじめ編集部の方々、読者の皆様、身の回りの方々の温かいサポートのおかげでこうして無事に発売をむかえる事ができました。感謝の気持ちでいっぱいです。「リリカルなのは」ファンとして、「都筑真紀先生ファン」としてこうして公式の場で関わらせていただく機会に恵まれ、とても光栄に思います。
作画面は至らない点も多いのですが、日々精進し努力してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします…!
それではまたお会いしましょうー。
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