魔法少女リリカルなのはStrikerS 第14話【Mothers&Children】
なのは「一人ぼっちの切なさと、普通と違うことの寂しさ。きっと、皆知っている。 大切な人がいて、色んなものを分け合えて、支えてもらったから…私は今ここにいる。 だけど、魔法の力以外で、戦うこと以外で、私は何ができるんだろう。行き場のない小さな瞳に、 私は…どう答えればいいんだろう。魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」
なのは「今日は目立ったミスもなく、いい感じでした。今後も、この調子でね」スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「ありがとうございました!」
スバル「セカンドモードも、だいぶ馴染んできたかなぁ~」キャロ「そうですね~」スバル「変化の少ない私とキャロはともかく、ティアとエリオは大変そうだよね~」キャロ「形から変わっちゃいますし」ティアナ「あたしは、別に。ダガーモードはあくまで補助だしね」クロスミラージュ『Yes』ティアナ「複雑なのはエリオのほうでしょ」スバル「ストラーダのセカンド。過激だもんね」ストラーダ『そうでしょうか』キャロ「私はかっこいいと思うよ、ストラーダ」ストラーダ『ありがとうございます、レディ』エリオ「ストラーダと一緒に鍛えていきます。頑張ります!」
なのは「おはよう、ヴィヴィオ。ちゃんと起きられた?」ヴィヴィオ「うん!」なのは「おはよう、フェイトちゃん」フェイト「うん。おはよう、なのは。ヴィヴィオ、なのはさんにおはようって」ヴィヴィオ「おはよー」なのは「…おはよう」フェイト「朝ごはん、一緒に食べられるでしょ?」なのは「うん!」ヴィヴィオ「あさごはん?」なのは「そう。さ、いこっ。…今日のメニューは何だろうね~」
はやて「いやぁ~実はな。今日これから本局に行くんやけど、よかったらティアナも一緒に来とくか?って相談や」ティアナ「あ…はい」はやて「今日会う人は、フェイト隊長のお兄さん。クロノ・ハラオウン提督なんよ」ティアナ「はい」はやて「執務官資格持ちの艦船艦長さん。将来の為にもそういう偉い人の前に出る経験とか、しといたほうがええかなって」ティアナ「! ありがとうございます!同行させていただきます!」
なのは「あれ?ティアナは?」スバル「八神部隊長と同行だそうです。本局行きとか」なのは「そっか」スバル「なのはさんも、今日はオフィスですか?」なのは「そうだよ。ライトニングは今日も現場調査だし、副隊長たちはオフシフトだし、 前線メンバーは私とスバルの二人だけだね」スバル「…あはは…。何も起きないことを祈ります」
ヴェロッサ「しかし、君の依頼通り、内密で地上本部の中身…ゲイズ中将の周りを調べてみたけど…。 なんというか。本当に面白いくらい、豪腕な政略家だよね」クロノ「実力者であり、人を惹きつける牽引力もある。優秀な方だとは思う」ヴェロッサ「本部長からして、彼の後輩だしね」クロノ「黒い噂が絶えないとはいえ、彼が地上の正義の守護者であるのも事実だ」ヴェロッサ「企業や政界からの支援も山ほどあり、管理局最高評議会の覚えもめでたい。 こりゃ、確かに、本局としちゃ、扱いの難しい人物だ」クロノ「そう。うかつな介入はできない。ただでさえ、海と陸。本局と地上本部はことあるごとに仕事…」
クロノ「臨時査察を受けたそうだが、大丈夫だったか?」はやて「うん。即時査問は回避できたよ。あ、そや。紹介しとくな。うちのフォワードリーダー、執務官志望の…」ティアナ「ティアナ・ランスター二等陸士であります!」クロノ「ああ」ヴェロッサ「よろしく~」
クロノ『前線メンバーにまで、今回の全容を?』はやて『予言関連はぼかしてあるよ。地上本部が襲われる可能性だけ』クロノ『なるほどね』
キャロ「テロ行為って…地上本部にですか?」フェイト「まぁ、そういう可能性がある、って程度だけどね」エリオ「でも、確かに…管理局施設の魔法防御は鉄壁ですけど、ガジェットを使えば…」フェイト「そう。管理局法では、質量兵器保有は禁止だからね。対処しづらい」キャロ「しつりょうへいき?」フェイト「ああ。おおざっぱに言えば、魔力を使わない物理兵器…でいいのかな。質量物質を飛ばしてぶつけたり、 爆発させたり、先史時代のミッドや古代ベルカは、そういう兵器がほとんどだったの」エリオ「聞いたことあります。一度作ってしまえば、子供でも使えるとか。指先一つで都市や世界を滅ぼしたりとか」フェイト「そう。管理局は創設以来、平和のため、安全のためにそういう武装を根絶して、ロストロギアの使用も規制し始めた。それが、150年くらい前。でも、色んな意味で武力は必要。さて、どうしたでしょう?」エリオ「あ。比較的クリーンで安全な力として、魔法文化が推奨されました」キャロ「うん、うん」フェイト「正解。魔法の力を有効に使って、管理局システムは今の形で各世界の管理を始めた。 各世界が浮かぶ海、次元空間に本局。発祥の地、ミッドチルダに地上本部を置いて」キャロ「あ~!それが新暦の始まり。75年前」フェイト「そう。で、新暦前後の一番混乱してた時期に管理局を切り盛りして、 今の平和を作るきっかけになったのが…?」エリオ「かの、三提督」キャロ「はぁ~」エリオ「なるほど~」フェイト「と、世界の歴史はおいといて」キャロ「あ、すみません」フェイト「ガジェットが出てくるようなら、レリック事件以外でも六課が出動になるからねってこと。しっかりやろうね」エリキャロ「はい!」
フェイト『本当は、エリオとキャロにはもっと平和で、安全な道に進んで欲しかったんだけど』カリム「情報源が不確定ということもありますが。管理局崩壊ということ自体が、現状ではありえない話ですから」はやて「そもそも。地上本部がテロやクーデターにあったとして、それがきっかけで本局まで崩壊…… いうんは、考えづらいしなぁ」クロノ「まぁ、本局でも警戒強化はしてるんだがな」カリム「問題は、地上本部なんです」クロノ「ゲイズ中将は予言そのものを信用しておられない。特別な対策はとらないそうだ」カリム「異なる組織同士が協力し合うのは、難しいことです」クロノ「協力の申請も内政干渉や強制介入という言葉に言い換えられれば、即座に、諍いの種になる」はやて「ただでさえ、ミッド地上本部の武力や発言力の強さは問題視されてるしなぁ」フェイト「だから、表立っての主力投入はできない、と」クロノ「すまないなぁ。政治的な話は現場には関係なしとしたいんだが」はやて「裏技気味でも、地上で自由に動ける部隊が必要やった。レリック事件だけで事がすめばよし、 大きな事態に繋がっていくようなら、最前線で事態の推移を見守って」なのは「地上本部が本腰を入れ始めるか、本局と教会の主力投入まで、前線で頑張ると」はやて「それが、六課の意義や」なのフェイ「うん」
カリム「もちろん、皆さんに任務外のご迷惑をおかけしません」フェイト「ああ、それは大丈夫です」なのは「部隊員たちへの配慮は、八神二佐から確約を得てますし」
カリム「はい。改めて、聖王教会騎士団騎士、カリム・グラシアからお願いいたします。 華々しくもなく、危険も伴う任務ですが、協力を、していただけますか?」なのは「非才の身ですが、全力にて」フェイト「承ります」
フェイト『地上と海の平和と安全。この子達も含めた部隊の皆の安全と将来。 はやての立場となのはが飛ぶ空。全部守るのは大変だけど、私がしっかりしなきゃ。力を貸してね、バルデッシュ』
スバル「でも、ヴィヴィオって…この先、どうなるんでしょうか?」なのは「ちゃんと受け入れてくれる家庭が見つかれば、それが一番なんだけど」スバル「難しいですよね。やっぱり、普通と違うから」
なのは「そうだね。……見つかるまで、時間がかかると思うんだ。まぁ、だから当面は私が面倒見てけばいいのかなって」スバル「あっ」なのは「エリオやキャロにとってのフェイト隊長みたいな、保護責任者って形にしとこうと思って」スバル「いいですね!ヴィヴィオ、喜びますよ!」なのは「う~ん…喜ぶかな?」スバル「きっと!」
ヴィヴィオ「???」なのは「ほら。やっぱりよく分からない」スバル「えっと…なんていえば分かるのかな?う~んと。つまり、しばらくはなのはさんがヴィヴィオのママだよってこと」ヴィヴィオ「ママ?」スバル「え!?いや~その…」
なのは「いいよ、ママでも。ヴィヴィオの本当のママが見つかるまで、なのはさんがママの代わり。ヴィヴィオは、それでもいい?」ヴィヴィオ「……」なのは「うん?」ヴィヴィオ「ママ」なのは「はい、ヴィヴィオ」ヴィヴィオ「ふぇ……うわぁぁぁん~!!」スバル「え!!ぇ……」なのは「何で泣くの~。大丈夫だよ、ヴィヴィオ」
ヴェロッサ「ティアナだっけ?」ティアナ「はいっ」ヴェロッサ「君から見て、はやては、どう?」ティアナ「それは…優秀な魔道師で、優れた指揮官だと…」ヴェロッサ「うん、そっか。はやてとクロノ君、僕の義理の姉カリム。三人は、結構前からの友人同士でね。その縁で僕も仲良くしてもらってるんだけど」ティアナ「あ、はい。存じ上げています」ヴェロッサ「古代ベルカ式魔法の継承者同士だし、何よりはやてはいい子だ。優しいしね」ティアナ「はい」ヴェロッサ「妹みたいなものだと思ってる。だから、色々と心配でね」ティアナ「はい…」
ヴェロッサ「レアなスキルや強力な魔法、高い戦力。人を使える権限や権力。 そういう力を持つってことは、同時に孤独になっていくってことでもある。僕はそう思う」ティアナ「はい」ヴェロッサ「もちろん、必要とはされる。頼られもする。だけど、それは人間としてじゃない。 その人が持っている力そのものが必要とされてるだけ。ああ、もちろんこれは極論だよ。 実際は、そんなにデジタルじゃない」ティアナ「あ、はい。分かります。強い力を持つ者には、そういった重圧や寂しさが付きまとう、と」ヴェロッサ「そう、それ。コホン。まぁ、つまり、僕の言わんとしてることは、だね。 部隊長と前線隊員の間だと、色々難しいかもしれないけど、上司と部下ってだけじゃなく、 人間として、女の子同士として、接してあげてくれないかな?はやてだけじゃない。君の隊長たちにも」ティアナ「了解しました。現場一同、心がけるよう努めます」
クロノ「部隊データを改めて確認したが、はやては身内と部下に恵まれてるな」ヴェロッサ「だね。ティアナも、いい子だった。でも、罪の意識はなかなか消えないんだろうね。 はやては相変わらず、生き急ぎすぎてると思う」クロノ「この件を無事にクリアすれば、はやての指揮官適性は立証される。闇の書事件についても、言える者は少なくなるさ」ヴェロッサ「うん」クロノ「なのはとフェイトがついているとはいえ、心配ではある。こっちでもフォローしてやりたいが」ヴェロッサ「本局が表だって動いちゃまずいって言ったばかりじゃないか。僕に任せて。 査察官って立場は、秘密行動に向いてるしさ」クロノ「すまないな。頼む」
ギンガ「現場検証とあわせて、改めて六課からデータを頂きました」マリエル「この魔方陣状のテンプレート。使ってる動力反応。これまでのものと桁違いに高精度です」ゲンヤ「間違いなさそうだな」マリエル「はい。この子たち全員、最新技術で作り出された…戦闘機人です」ゲンヤ「ふむ…
ゲンヤ「やっぱりと言やぁ、やっぱりか。まだ何にも、終わっちゃいねぇんだなぁ」
フェイト「そう。なのはがママになってくれたんだ」ヴィヴィオ「うん」フェイト「でも実は、フェイトさんもちょっとだけヴィヴィオのママになったんだよ?」ヴィヴィオ「ん?」フェイト「後見人っていうのになったからね。ヴィヴィオとなのはママを見守る役目があるの」ヴィヴィオ「……なのはママと、フェイトママ?」なのは「うん」フェイト「そう」ヴィヴィオ「ママ」なのフェイ「はぁ~い」
エリオ「それにしても、なのはさんとフェイトさんがママって…」キャロ「ヴィヴィオ…ものすごい無敵な感じ…」
スバル「あはは。それなら二人だって、フェイトさんの被保護者で、なのはさんの教え子じゃない」エリオ「えっと…それはそうなんですけど」キャロ「えへへ」
ギンガ『あの時の事件は、まだ終わってない。…母さんを殺した、戦闘機人事件』
次回予告
ギンガ「真相に近づいていく事件」フェイト「親子と姉妹と、ひと時の平和と…それぞれの絆」ギンガ「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第15話」フェイト「Sisters&Daughters」フェイト&ギンガ「Take off!」
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