魔法少女リリカルなのはStrikerS 第16話【その日、機動六課(前編)】
スバル「戦闘機人戦以降、緊急出動は何故だか全然無くなっちゃいました。
六課に出向してきたギン姉と一緒に私たちは、訓練、訓練、また訓練の日々。
ヴィヴィオも元気に笑うようになって、なのはさんも、何だか嬉しそうで。
フォワードチームも副隊長たちも、皆凄く元気。何か、どんな事件が来ても絶対無敵!
な、気がするんだ。だから父さん。私たちは大丈夫ですよ。じゃあ、またメールするね。スバルより」
はやて「明日14時の開会に備えて、現場の警備はもう始まってる。
なのは隊長と、ヴィータ副隊長、リイン曹長とフォワード四名はこれから出発。ナイトシフトで警備開始。
私とフェイト隊長、シグナム副隊長は…明日の早朝に中央入りする。それまでの間、よろしくな!」
「はい!」
なのは「あれ?ヴィヴィオ。どうしたの?ここは危ないよ?」
アイナ「ごめんなさいね、なのは隊長。どうしてもママのお見送りをするんだって」
なのは「ん~。駄目だよ、ヴィヴィオ。アイナさんに我侭言っちゃ」
ヴィヴィオ「ごめんなさい」
フェイト「なのは、夜勤でお出かけは初めてだから、不安なんだよきっと」
なのは「あ~、そっかぁ。なのはママ、今夜は外でお泊りだけど、明日の夜にはちゃんと帰ってくるから」
ヴィヴィオ「絶対?」
なのは「絶対に絶対」
ヴィヴィオ「う?」
なのは「良い子で待ってたら、ヴィヴィオの好きなキャラメルミルク作ってあげるから。ママと約束ね」
ヴィヴィオ「うん!」
スバル「それにしても、ヴィヴィオ。ほんとに懐いちゃってますね~」
ティアナ「全く」
なのは「そうだね。結構厳しく接してるつもりなんだけどなぁ~」
キャロ「きっと分かるんですよ。なのはさんが優しいって」
なのは「あははは…」
リィン「もういっそ、本当になのはさんの子供にしちゃうとか!」
なのは「受け入れてくれる家庭探しはまだまだ続けるよ。良い受け入れ先が見つかって、
ヴィヴィオがそこに行くことを納得してくれれば」
エリオ「納得しない気が…」
キャロ「うん」
なのは「え~!」
スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「うん、うん」
なのは「あぁ…そりゃ、ずっと一緒にいられたら嬉しいけど、本当に良い行き先が見つかったら、ちゃんと説得するよ?
良い子だもん。幸せになって欲しいから」
なのは「ぁ…まぁ!えーと。そんな家庭が見つかるまでは、私が責任もって守ってくよ。それは、絶対に絶対」
スバル「ですね!」
キャロ・エリオ「はい!」
六課の待舎にいるフェイトのところへリンディから連絡
ヴィヴィオ「リンディママはフェイトママのママ」
フェイト「うん」
ヴィヴィオ「こっちのママも、フェイトママのママ…」
フェイト「そうだよ。テスタロッサのお家の、プレシア母さんとアリシアお姉ちゃん。
ハラオウンのお家のリンディ母さんとクロノお兄ちゃんたち。プレシア母さんが私に命をくれて、
リンディ母さんが今も私を育ててくれてるの」
ヴィヴィオ「う~ん?」
フェイト「うっふふふふ。ごめん、難しかったね。どっちの母さんもフェイトママにとっては母さんなんだよってこと」
ヴィヴィオ「ヴィヴィオといっしょ?」
フェイト「うん。一緒」
ヴィヴィオ「へへっ」
ティアナ「実は…失礼かとは思ったんですが。ヴァイス陸曹のこと、ちょっと調べちゃいました」
ヴァイス「んあ?」
ティアナ「数年前まで、エース級の魔道師だったって」
ヴァイス「なんだそりゃ。エースなもんかい。俺の魔力値なんざ、おまえの半分以下だっつうの」
ティアナ「それでも、アウトレンジショットの達人で、優秀な狙撃手だったって」
ヴァイス「はぁ。…昔はどうあれ、今の俺は六課のヘリパイロットだ。おまえが聞いて参考になる話なんぞねぇぞ」
ティアナ「……」
ヴァイス「っぁ。だいたいおめーは、よけいなこと考えてる場合か?ぼけっとしてっと、またミスショットで泣くぞ、バカタレが」
ティアナ「すみませんでした」
ヴァイス「昔の話さ、そうだろ?ストームレイダー」
ストームレイダー「I think so.」
なのは「内部警備の時、デバイスは持ち込めないそうだから、スバル。レイジングハートのこと、お願いしていい?」
スバル「ぇ、あ、はい!」
なのは「前線の皆で、フェイト隊長たちからも預かっておいてね」
スバル「はい!」
アナウンサー「本局や各世界の代表によるミッドチルダ地上管理局の運営に関する意見交換が目的のこの会。
今回は特に、かねてから議論が絶えない、地上防衛用の迎撃兵器、
アインヘリアルの運用についての問題が話し合われると思われます。
ヴィータ『それにしても、だ。いまいち分からねぇ。予言通りに事が起こるとして、内部のクーデターって線は薄いんだろ?』
なのは『アコース査察官が調査してくれた範囲ではね…』
ヴィータ『そうすっと、外部からのテロだ。だとしたら、目的はなんだよ』
なのは『う~ん』
ヴィータ『犯人は例のレリック集めてる連中。スカリエッティ一味だっけか?』
なのは『うん』
ヴィータ『やつらだとしたら、更に目的が分からねぇ。局を襲って何の得がある』
なのは『兵器開発者なら、自分の兵器の威力証明…かな。管理局の本部を、
壊滅させられる兵器や戦力を用意できるって証明できれば、欲しがる人はいくらでもいるだろうし』
ヴィータ『威力証明なら、他にいくらでもできる場所がある。リスクが高すぎるだろ』
なのは『…だよね』
ヴィータ『どうも読めねぇ』
なのは『まぁ、あんまり考えてもしょうがないよ。…信頼できる上司が命令をくれる。私たちは、その通りに動こう』
ヴィータ『そうだな』
ウーノ「楽しそうですね」
スカリ「ああ…楽しいさ。この手で世界の歴史を変える瞬間に、研究者として、技術者として、
心が沸き立つじゃあないか。そうだろ?ウーノ。「我々のスポンサー氏にとくと見せてやろう。
我らの思いと、研究と開発の成果をな。さぁ、始めよう!」
ウーノ「はい」
レジアス「会の中止はせんぞ。迅速に賊を捕らえよ」
局員「はっ!」
レジアス「地上本部の防衛は鉄壁だ。進入できるものなどおらん」
クアットロ「別に~。中まで進入する必要はな~いもん。囲んで無力化してしまえば」
はやて「閉じ込められたか!」
シグナム「AMF濃度が高い。魔力が結合できなくなっています」
はやて「通信も通らへん。……やられた!」
シャーリー「外からの攻撃はひとまず止まってますが、中の状況は不明です!」
グリフィス「……っ」
スバル「副隊長!私たちが中に入ります!なのはさんたちを、助けにいかないと!」
フォワード「うん」
ヴィータ「……っ」
ヴィータ「リイン!ユニゾン、行くぞ!」
リイン「はいです!」
なのは「会議室や非常口へ道は、完全に隔壁ロックされてるね。中とも連絡がつかない」
フェイト「エレベーターも動かないし、外への通信も繋がらない」
なのは「とにかく、ここでじっとしてるわけにはいかない。ちょっと荒技になるけど…
フェイトちゃん、付き合ってくれる?」
フェイト「当然」
フェイト「こんなの、陸士訓練校以来だけど、色んな訓練やっとくもんだね」
なのは「だね!緊急時の移動ルートはしっかり指示してある。目標合流地点は地下通路、ロータリーホール!」
フェイト「うん!」
リイン「こちら、管理局。あなたの飛行許可と個人識別票が確認できません」
アギト「ん?この声…」
リイン「ただちに停止してください。それ以上進めば、迎撃に入ります!」
リイン「やっぱり!融合型!」
ヴィータ「あたしたちと同じか…。管理局機動六課!スターズ分隊副隊長!ヴィータだ!」
ゼスト「……ゼスト」
ウェンディ「ノーヴェ。作業内容忘れてないっすか?」
ノーヴェ「うるせぇよ。忘れてねぇ」
ウェンディ「捕獲対象三名。全部生かしたまま持って帰るんすよ?」
ノーヴェ「旧式とはいえ、タイプゼロがこれくらいで潰れるかよ」
スバル「戦闘…機人…」
ルーテシア「こっちはもういいね。次にいくよ」
ウーノ「はい、お嬢様。未確認のレリックと聖王の器が保管されていると思われる場所」
ルーテシア「機動六課」
次回予告
スバル「守らなきゃいけなかったもの」
キャロ「壊されてゆくもの。消えてしまうもの。次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第17話」
スバル「その日、機動六課(後編)」
スバル・キャロ「Take off!」