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薬漬け(会長×古泉)」(2008/12/11 (木) 05:30:36) の最新版変更点

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「……まだ起きていたんですか」 夜半をとうに回った頃。 鍵を回す音に次いで、小さく声を掛けながら古泉が帰ってきた。 ソファに腰掛けたまま、俺はそちらをちらりと見やる。 「遅かったな」 「すみません。思いの外長引きまして」 答える声は穏やかながらも、硬質な響きがあった。 こいつはまだ俺に打ち解けてはいない。 まぁそれも当然だろう。 俺と古泉が一つ屋根の下にいるのは、単にそういう契約だからだ。 一日中動き回ってこいつも疲れている事だろう。 そうと解っているのに、俺はこいつを休ませてやる気がしなかった。 「明日は、あのいかれた女や一年ボウズ達と出掛けるのか?」 週末ともなれば、古泉はSOS団とやらの活動に駆り出される事が多い。 俺は傀儡の生徒会長となる代償に古泉を求めたが、古泉は常に多忙だった。 昼夜問わずあの女と機関に振り回されているのに、不平不満を言う事も無い。 あまつさえ俺がこんな報酬を求めても、黙々と従う奴だ。 古泉の仕事を優先させ、あとは壊さなければ良いと。そんな条件のみで。 こいつも機関も余程の馬鹿なのか。馬鹿なんだろうな。 「……いえ、明日はお休みです」 暫し間を置いて古泉が答える。その表情は硬い。嘘でもつけばマシだろうに。 それとも嘘と知られたら咎められるとでも思っているんだろうか。 「そうか。じゃあゆっくり出来るな」 呟いて俺は重い腰を上げる。古泉は未だ立ち尽くしたままだ。 戸棚から小さな薬瓶を取り出すと、目に見えてその表情が緊張に強張っていく。 「折角時間があるんだからな。……たっぷり良い夢見せてやるよ」 そうして俺は小瓶を開いた。 最初、他人に体を触れられる嫌悪感と緊張からか、古泉は使い物にならなかった。 その責任は古泉自身にあるとされ、与えられたのがこの薬だ。 大事なお抱え超能力者だろうに、得体の知れない薬なんざ使って良いのかと思ったが 機関の連中が良いと言うのだから、俺はそれに乗るまでだ。 古泉もただ従っているだけで。 薬を使い、何もかもを忘れて快楽に善がるこいつを見るのは嫌いではない。 だが使えば使う程、古泉の心は俺から離れていく。 最中の古泉に何を囁いたとしても、こいつに残るのは 逆らえぬ状況下で薬に因って体を開かれたという事実だけだ。 もしかしたら機関は、古泉が俺に絆されぬようにこんな薬を与えたのかも知れない。 いや、そもそも俺のやり方も間違っているのだろうと解っている。 しかし今更無かった事には出来ないのだから。 全く抵抗を見せない古泉の唇を自らの口で塞ぐ。 小瓶から取り出し咥内に含んでいた薬を、古泉の方へと舌先で押し込めば 古泉は二人分の唾液と共に、大人しくそれを飲み下した。 機関も古泉も、そして俺も相当の馬鹿だった。

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