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甚平」(2009/08/16 (日) 07:38:58) の最新版変更点

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それは、夏休みも終わり、残暑が残る時期のことだった。 「どうですか? これ」 目の前に颯爽とした古泉の甚平姿が映る。 どうかと問われたら似合うとしか言い様がないが、 「じじむさい趣味だな」 と言わざるを得ない。 今日日高校生が甚平なんぞ着るのだろうか? そもそも、いつこの甚平を買ったんだ? 「それが……心当たりはないのですよ」 心当たりがない? 突然甚平が生み出されたと言うのだろうか。 「何と言いますか……気が付いたら箪笥の中に収まっていたというか」 そりゃ、家族か『機関』の人間が買っておいたやつとかじゃないか? 「それが、誰に聞いても心当たりはないとおっしゃられまして」 だったらお前が買ったはいいが忘れたとかじゃないのか? 「ですが、甚平を買う理由が思い当たらなくて」 まあ、男子高校生が甚平を自費で購入するとは思えんな。 「しかし、何で甚平なんだかなあ……」 「……似合いませんか?」 古泉は少しションボリした面持ちで俺を見つめる。 いやいや、確かに古泉にこの甚平は似合う。 だが、しかし! 「浴衣のほうが脱がせやすい」 「なっ……!」 俺は動揺する古泉をそのまま抱きしめ、 「ちょっ……夏休みの疲れがまだ……」 「まあまあ、こうして久々に会ったんだ。少しぐらいいいだろ」 なんてことを言いながら甚平を脱がしにかかる。 「本当に少しだけですか?」 「少しだけのほうがいいのか?」 古泉は頬を染めて俺から目を逸らしてつぶやく。 「……お任せします」 GOサインだと確信した俺は、そのまま雪崩れ込むように肌を重ねた。

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