「はぁ・・・っは、ぁっ・・・!」ぴちゃぴちゃと響く水音が部屋中に響いていた。その音の元は、僕の・・・アナル、だった。
最初は、本当に軽い気持ちだったのだ。自慰をしている最中にほんの少し、触れてしまった、それだけで。「ぁあっ、ひ、やぁっ・・」なのに僕は、さっきから指をどんどん奥へ奥へ進めて、そこから得られる快楽に夢中になっていた。「あっ!く、は、ぁあっ!」ある一点を突くと凄まじい波が押し寄せて、可笑しくなるほど身体がびくびくと反応した。「も、っと、・・もっとぉ・・・!」もっと、欲しい。その刺激が。気が付けば男性器にはほとんど触れなくなり、片手で穴を広げ、もう片手で中を弄るという行為に熱中していた。「ひぅ・・・っ!は、ぁ・・・あ・・・」触れてもいないのに、前からはどんどん透明な粘液が溢れてくる。「ぁ、ゃ、ひぁ・・っああぁぁ!」大袈裟に体が震えて、僕は白い精液を放出した。
もっと、欲しい。その欲は、醒めることなく僕の中に渦巻いていた。
結果、こんなところに来てしまった訳だが――・・・
今足を踏み入れたのは、所謂『大人の玩具』の店。ネットで買うという手も無いことはなかったのだが、ページを開くと、どれもなんだか良い、という感じになって選ぶことができなかった。かといって、まとめ買いはなんだか抵抗がある・・・。というわけで、実際に見てみようという気になったのだ。店に入ると、いきなり衝撃的なイロモノが目に飛び込んでくる。思わずうわ、と声をあげそうになった。こんなので、ちゃんと見て回れるんだろうか・・・。身近な棚に奥に入ると、深呼吸して、鼓動を落ち着かせた。
そして棚から出ると、僕はいきなり息を飲むことになった。――――彼だ!なんで、こんなところに・・・!
丁度この棚のスペースに入ってくる。どうしよう・・・!
この奥は、行き止まりだ。
(視点交代)
「ん?」ふと視線を感じて、俺は立ち止まった。なんとなく、古泉の匂いがした気がした。な、わけないか。俺はまた何事もなかったかのように歩を進めた。
本当にマズい!僕はいざという時のために着てきたフード付きパーカのフードを被った。息をできる限り潜める。彼は僕の横まで近寄ってきた。うわ・・・。僕は咄嗟に傍にあったものを見ているフリをした。・・・・・。何も声をかけてこないことから、なんとか気付かれていないらしい。心臓の音がヤバい。「古泉?」うわっ!バレた!何て返せばいいんでしょう!?「違うよな・・・すまん」僕が何も言えずに心の中でしどろもどろしていると、彼はそう言って商品の物色に戻った。僕は居辛くなって、何もいわずにそのまま店を出た。
・・・ああ、恐かった。バレてしたらどうなっていたことか。それにしても・・・。折角勇気を出していったのに、無駄になってしまった。どう悔やめばいいのだろう・・・なんだか恥ずかしいな。視線をやや下に下げた僕は、そのままてくてくと家路を辿った。・・・はあ。
その週の金曜日、彼が声をかけてきた。「なあ古泉」「はい、なんでしょう」その頃にはもうすっかりこの間の緊張感は抜けており、特に何も意識せずに答えた。「今日、うちに寄っていかないか?」「いいですよ、ぜひ。」明日は休日。ということはきっと、泊まることになるだろう。一人暮らしなので特に連絡する必要はないが、それとなく心の準備をする。早く彼に触れたい。放課後が楽しみで仕方ない。
そして放課後、僕は彼と一緒に手を繋いで歩き― 一応鞄で隠しましたが―、彼の家についた。「久しぶりですね。あなたの家」「ああ、そういえば、そうだな」リビングに着くと、彼がいきなり抱きしめてきた。「わ・・・っ!」「かわいい、古泉」ソファに押し倒される。彼は僕の髪の毛に顔を埋めた。「いい匂いがする・・・」そのまま僕に唇を重ねた。「ん・・・っ」くちゅ、と舌が入り込んでくる。「は、ぁ・・・っ、ん・・・っ!」僕の口の奥にある何かを求めているように奥まで絡み付いてくる舌。互いの口の隅から隅までを味わい合う。いつもより激しく。舌が絡み合って、もうどこかに行ってしまいそうなほどの幸福を感じる。唇が離れても、お互い愛しそうに見つめあっている。そしてもう一度軽く口付けると、彼が僕の制服のボタンを外し始めた。そしてカッターシャツだけになった僕の乳首に、唾液たっぷりに口付ける。「んっ!ぁ・・・・」水分で透けたシャツが僕の乳首を目立たせる。しばらくそうされていると、布地を通しての独特の快感を感じてしまう。「ぷっくりしてきたな」吸われていると、少しずつ乳首が立ってきたようだ。恥ずかしいのだが、なんとも彼相手だと抵抗はしたくなくなる。「ぁ・・・」今度はボタンを第三まであけられ、直接なめられる。「はぁっ!ん・・・」空いているもう一方の方は手でいじられる。「ん・・・っ!ふっ、ぁぁ・・・」「声、我慢するなよ」耳元で囁かれると、背筋がぞくぞくする。「へ、ぁっ!?」「全部、聞いてやるから」「ん、はあぁっ、ぁあっ」途端に我慢できなくなった僕が大きく喘ぐ。「可愛い・・・」まだ脱いでいないズボンの上から、彼が僕のモノに手をかける。「ひゃぁ、あっ、らめ、らめぇっ・・ん・・・っ!」「乳首だけで、ここまで・・・?」その手にかかる力が少し強まる。「本当エッチだな、一樹は・・・」「ふぅ、んん・・・っ!ぁ!」「声、我慢すんなって」「らって、恥ず、恥ずかしく、て・・・っ」「俺しかいないから」うまく開けていられない眼を、真っ直ぐに見つめられる。「俺だけを見ろ」彼はそう言うと僕のズボンとパンツを一気に脱がせた。「ん・・・っ!」起ち始めたそれを、直接全体的に扱かれる。「ぁあ、っん、ひぁ・・ん」「なあ、古泉」彼がいつもと変わらぬ口調で声をかけてきた。「ちょっと、足開け」そう言って僕のものを扱きつつ、片足首をぐっ、と掴むと思い切り広げさせる。「ゃ、やだ・・っ!」恥ずかしいところが全部見えてしまう。すっかり起ってしまっている性器や、すでにヒクついているであろう、そこも。「絶景だな・・・」人の下半身見てそんな感想漏らさないでください!と心では思いつつも、性器からくる強すぎる刺激で、僕の口からは喘ぎ声しか出なかった。「あ、や、だ・・・っひぁ、」「なあ、一樹。 今日は・・・ちょっとしたプレゼントがあるんだ、喜べ。」「へ・・・っ?なに、ですか・・・?」すると彼はごそごそとズボンのポケットから、僕が欲していたその物があった。断じて言うが彼の性器ではない。そこにある物は、「バ、バイ・・・ブ・・・?」「うーん、ちょっと惜しいな。コレはな、ローターっつーんだ。 というかなんで一樹が・・・」と言って彼は、何か言いたげな視線を僕に送った。ああ、墓穴。「い、今の、な、無しにしてくださ・・・っ・・・やっ!!」そして彼は、何の前触れも無しに彼のものと比べれば随分小振りであるそれを僕の穴に挿れた。ローターが指とともに深く、深く僕の中に入り込んでいく。「や、やだ、ぁ・・・っいれないで、あっ!」途中でトーンの上がった声は、それが前立腺に触れたことの証明となった。僕が声を上げて、彼は満足気に微笑む。・・・今の僕には悪魔の笑みにしか見えなかったが。僕の叫びの返事の代わりに、カチ、とスイッチの入る音がした。「や、ぁあぁぁああ!ぁ、あ、あ、やだぁ、あ、ぁ・・・だめ、ひぁっ」そして彼はじたばた暴れる僕を押さえつけて耳元で、気持ち良い?、と囁いた。~・・・っ!この悪魔・・・!体がびくりと震える。この感覚・・・!
(続く)
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