「あなたも強情ですよね、古泉さん」拘束されて芋虫のように床に転がる彼を見下ろしながら、わたしは冷たく言い放つ。「素直にあなたの組織の事を話した方が良いと思いますよ?」靴先で古泉さんの顎を持ち上げると、彼はわたしを睨んできた。彼は表向き温和な態度を取っているけれど根は信念を強く持った強情な人である事を、わたしは知っている。彼の機関への忠誠心もなかなかのものだとも。でも、時と場合って言葉がありますよね。「どうなっても知りませんからね」わたしの合図で、組織の尋問担当者が室内へ入ってくる。あの機関に属する彼を、わたしたちと違いずっと表舞台に居た彼をこれから自由に出来るなんて、なんて楽しい事でしょうか。
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