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『ぃっ…あ…ぁ……うあぁ…っ…』
 明るいとも暗いともつかない光に、見上げる四つの顔が照らされる。
 SOS帝国軍きっての無敵艦隊「古泉くん艦隊」。霍乱戦術と交渉術に長けることから、その戦の殆どが無血勝利を誇り、味方から敵にまで広くその名を知られる頭脳明晰容姿端麗な幕僚総長、古泉一樹。
 その率いる艦隊が、敵の奇襲に撃破され、艦長自らが捕虜となった報を受けたのは、正にSOS軍にとって晴天の霹靂と言えた。
 頭脳の要であった古泉を欠いた俺達は、早速敵軍との交渉ルートを確保し、今正にその救出へ向けての作戦会議を行うべく、作戦参謀である俺の艦隊へと集まったところだった。
 攻撃防御の要を受け持つ俺の艦隊は、他の艦に比べても、外部からの干渉に強い。にも関わらず、まるでここに全員が揃ったのを見はからうように、艦隊のメインスクリーンに映し出されたのは敵からのメッセージと…。
『ひ…っ、ぐぅ……ぐぁっ!あっ、あっ、ひっ…』
 いとも簡単に回線がジャックされ、おまけに艦全ての機能がロックされてしまった。勿論、スクリーンを消したくても消す事もできない。

『ひぃぎっ!うああああああああ!!!』
「きゃ…」
 朝比奈さんが、小さく怯えた声を上げる。
無理もない、こんな映像を見せられては、
彼女でなくとも驚愕し震え声を上げるだろう。
「…嘘よ…、こんなの…こんなのっ…」
 視界の隅で、ハルヒの手がわなわなと震えて握りこぶしを作るのが見えた。
 恐らくその顔は怒りで真っ赤になり、歪んでいることだろう。
 それを確認することはできない。隣で青ざめて震えている朝比奈さんや、いつもよりも剣呑な空気を纏った長門だって、今は気にとめる気にもなれない。
『や…めて……も…、おねが…です……みない…で…っ』
 画面に映し出された古泉の体に巻き付く無数のコードは、意思を持ったように蠢き、腕を拘束し、衣服を裂いて、その白い肌に細かな傷を作っていた。
 そして、画面に向かって見せつけるように開かれた下肢に突き刺さり、性行為を模すように抽送を繰り返すグロテスクな機械の群れ。
 無理に割り入られ、裂けたそこから滴る鮮血さえも、はっきりと映し出す高性能なスクリーンに吐き気が込み上げてくる。
 俺は、目の前に無情に映し出された「それ」を凝視したまま、ハルヒと同じように固く拳を握りしめた。胸の中で暴れ狂う怒りと焦燥で、体中の血が激しく脈を打ち、血管を突き破りそうだ。
『いかがだね諸君。彼はもう、我々の手に落ち、性奴隷となったのだよ』
 古泉のすすり泣きに重なる耳障りな男の声に虫酸が走った。
「…っよくもっ…あたしたちの大切な古泉くんを…許せない…」
 同感だ、ハルヒ。
「お前ら……楽に死ねると思うなよ」