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今日もまたあのメールは来るのだろうか。
また下着を脱げとでも言われるのだろうか。
その可能性がどうしても頭から離れないものの
朝から穿かずに登校なんてする気になれるはずも無い。

朝のHRが始まる。今日も欠席者は居ない。
さぁ誰だ。一体この中の誰が僕にメールを寄越しているのか。
教師の声を聞きながら、僕はそればかり考える。
携帯が揺れた。来た、と思った。
周囲に気を配りながら覗き見ると、今度は指示では無かった。
それは、昨日勃起していたが、あれから性処理をしたかという問いだった。
どうせこれも yes か no かで答えなければならないのだろう。
こんな事で人を貶めて何が楽しいのかと、憤りに顔が紅潮するのを感じた。
仮に僕が昨夜何をしていようと、相手がただの一般人のクラスメイトである以上
学外の生活までは踏み込まれるはずが無い。
機関は以前、学内の生徒たちを洗いざらい調べたはずだ。
その事だけが頼りだった。
だから、僕は no と返信をする。
然程間を置かずに再び来たメールに
相手は僕の返事を想定済みだったのかも知れないと思った。
そこには昨日とはまた違った、
けれどもやはり卑猥な内容が述べられていたのだから。

そうして僕は、今日もまた休み時間にトイレの個室へと来る事となった。
昨日は下着を脱げばそれで済んだ。
だが今日はもっと抵抗感のある事柄を要求されている。
この短い休み時間の間に、洋式便器の蓋へ射精し、それを撮れと言うものだった。
何か乳白色のローションでも垂らせば誤魔化せるのでは無いか。
そんな事を考えたが、生憎買いに行く時間すら無い。
だからこそ、この時間を指定しているのか。
出来るだけ人気の無い場所を選んだつもりではあるが
こんな所で自慰行為に耽れる訳が無い。
先日保健室であんな事を行えた自分が遠い昔のように思えた。
それでもやらないといけないのだ。

僕は息を潜めて、そっと自分の性器を取り出した。
それは力無く下を向いている。指を絡めて刺激を与えても
なかなか熱は篭らなかった。
トイレの扉が開き誰かが入ってくる度に、気が削がれて集中も出来ない。
時間は刻一刻と迫ってくる。
昼休みならまだしも、こんな短時間では無理だ。
そう悟った僕は無駄な自慰行為を諦めて、時間が足りなくて出来ませんと返信をした。
思えばこれが、文章での初めての返信だった。
指示を無視した訳ではないと、少しでも伝えておかないと後が怖かった。
またもやメールは直ぐに来た。
こうなる事を想定し、予め無理難題を言ってきているのだろうと自分でも思う。
だが、相手も解らぬ今はそれを受け入れるしか無い。
どんなに嫌な内容でも、だ。
そのメールは、それなら次の休み時間に直ぐに射精出来るよう
授業を受けながら自分で熱を育てておけという物だった。

確かに椅子に座ってしまえば、上着で何とか隠せない事も無い。
だが、教室で自分を曝け出し、直接触るなんて出来る訳が無い。
結局僕は腰掛けながら、周囲に気付かれないように
片手をポケットに差し入れて、もぞもぞと遠くから
もどかしい刺激を与える位しか出来なかった。
それでも学びの場である教室で性器を育てると言う事に
僕は強い緊張と屈辱、背徳感を覚えていた。
ズボンの中で、下着の下で、僕のそれは少しずつ熱を持っていく。
こんな僕を、あのメールの送信者は見ているのだろう。
表情に出さないようにしながら、それとなく室内に視線を巡らせるが
こちらを見ている生徒は居なかった。
「こら!余所見してるなよー古泉」
運悪く教師に見つかってしまったようだ。突然名を呼ばれ、体が震えた。
笑い声と共にクラスメイトの視線が僕へ向く。
片手で布越しに性器を弄っていた僕に。
その事に、熱が一層集まるのを実感してしまう。
「よし、じゃあこれを答えてみろ」
教師がそのまま僕を指す。
この状態で黒板まで行って設問を解けと言うのだ。
いや、傍から見れば何も異常は無いからこそ指されたのか。
そう思い込む事にして、僕は若干ぎこちない動きで席を立った。
半勃ちになっている下腹部はぎりぎり上着で隠れているのだろう。
中途半端に前屈みになるわけにも行かない。不審がられてはいけないのだ。
動揺を出さぬよう、僕は冷静を努めてチョークを手に取る。
背中に視線を感じる。否が応でも鼓動が早まった。

「そうだな。これで正解だ」
答え終えれば、あとは席に戻らなければならない。
後ろを振り返るとクラスメイトたちが前を向いて僕を見ていた。
思わず小さく息を呑む。
表には出さないが、内心這う這うの体で席に戻り腰掛けると
先走りだろうか、僅かに濡れた布の感触が肌に張り付いた。
こんな事で性的興奮を覚えている自分が信じられない気持ちだった。

その後、授業中にメールは来なかった。
今朝の指示がまだ終えていないから、だろうか。
これでまた時間切れになったらどうなる事かと
僕は急いで教室を後にした。
一時間かけて緩やかに育てられた熱は開放を求めていた。
それでも出来るだけ遠くの人気の無いトイレへ入る。
先程とは違い、握った硬く熱い性器は先走りに濡れていて。
教室でここまで勃起させていた事からは敢えて目を瞑る。
そう、今はこの熱を吐き出してしまえば。それを撮れば終わるのだ。
そこへ狙い済ましたかのように携帯が振動した。
性器を支えていない手で携帯を確認する。
案の定あの送信者だった。
一度休み時間を挟んだ今では、射精した後の写真だけでは信用されないのか
勃起させ扱いている性器を一枚撮れという物だった。
強いられる行為に身が震えるが、今の時点で条件は満たしている。
どうせ局部だけなら顔が解る事も無い。
ここまで来たのだ。出さなければならないのは明白だし
要求を拒む訳にも行かない。
片手で性器を持ち、それを自ら撮るという異常な行為に
僕の性器から透明な体液が溢れ、伏せられた便座へと垂れていった。

写真を二枚添付して返信する。
勃起して雫を垂らした自分の性器と
便座の蓋に撒き散らした自分の精液の写真だった。
吐精後の倦怠感と、急激に冷めていく頭が
自分の行為の情けなさを痛感させていた。
射精したものの、この後はどうするのか。
せめてトイレットペーパーで拭き取ってから立ち去るべきか。
この後の行動に思い悩んでいると、またもやメールを受信した。
相手はどこまでも僕を辱めたいようだ。

僕はトイレの中で誰かが来るのを待った。
この時ばかりは人気の無いトイレを選んだ事を悔いていた。
やがて扉が開く音がする。
僕はそ知らぬ顔で個室を後にして、手を洗いトイレから出た。
入れ替わりに入った生徒が個室を使うとは限らない。
だから大丈夫だ。そう必死に自分に言い聞かせる。
もしも今来た男子生徒が個室を覗いてしまったら
そこには精液が散らされたままの便座を目にしてしまう事だろう。
あまりの恥ずかしさに消えてしまいたい程だった。


放課後、僕は文芸部室に居た。
この場においては何も変わる事も無く、僕が不審な態度さえしなければ
不明な相手に昨日今日と何を強いられたのか、彼らに知られる事も無いのだろう。
SOS団の面々を眺めながら、僕は暫しの憩いを得ていた。
だが、そんな中で携帯が連続して揺れた。
向かいに座る彼が、携帯を手に僅かに顔色を変えた僕を見る。
涼宮さんと朝比奈さんは気付いていない。
長門さんの方は……確認するのが気が引けた。
閉鎖空間は発生していない。機関からの連絡でも無い。
それはあの相手からのメールだった。
来たメールは二通。件名で先にこちらを開けと書かれている方を見る。
それは呼び出しのメールだった。
今日これだけの事をさせておきながら、相手はまだ僕に用事があるらしい。
団活の後に何を強いられるのか。緊張が走るが、僕を見つめる彼の視線に
何でもないと言う風に笑顔で応じておいた。

団活を終え、まだ用事があるからと彼らと別れた僕は
教室に戻り自分の席へと急いだ。
一通目のメールの内容はこうだ。
放課後誰も居なくなったら教室に行き、二通目を開けと。

誰も居ない夕暮れの教室。
僕の机の上にはふくらみを持った小さな封筒が置いてあった。
手紙を貰う事はそれなりにある。大抵は下駄箱が多いが
こうして直接机に置いてあっても、然程違和感も無いのだろう。
その封筒を手に取るべきか迷ったが、まずは二通目のメールの開封を優先させた。

メールに目を通せば、緊張に体温が上がったように感じた。
思わず廊下を振り返り、誰も居ないのを確認する。
カッターを取り出し、注意を払いながら封筒を開く。
果たして中から出てきたものは、小さなT字カミソリで。
二通目のメールは、封筒に入っているカミソリを用いて陰毛を剃り
カミソリと剃った毛を封筒に入れ、教卓に置いて帰れという指示だった。
何処で剃れとまでの指定は無いが、この場でやれという事なのか。
いや、それは流石に危険が過ぎる。
だが人気の少なくなった校内を、何度も往復し誰かに見られるのもまずい気がした。

そして初の相手からの形ある接触に、僕は逸る鼓動を抑え切れなかった。
この封筒を機関に持ち帰り、付いているであろう指紋を照合すれば
相手が誰なのか調べる事が出来る。
問題は、何故それが必要なのか問われた時だ。
涼宮さんはこの件に関係が無い。何の為かと問われないはずが無い。
こうやって少しずつ相手は僕に接点を増やしてきているのだ。
機関の力を使わずとも、遠からず実体は掴めるのでは無いか。
何より全てを置いていけと言う指示がある。
相手が何時確認するのか解らないが、これで封筒とカミソリを
証拠物件として持ち帰ったら、それは指示に背いた事になるのでは無いか。
あの保健室での写真の全貌が、即衆目に晒されないとも限らないのだ。
様々な葛藤の末、僕は封筒を手に廊下からの死角へと向かった。

教室に残っている鞄は無い。校庭から運動部の声も聞こえない。
廊下から人の気配も感じない。
そうして僕は、廊下側の壁を背にベルトへと手を掛ける。
見ている者など居やしない。早々にやってしまえば見つかる事も無い。
ファスナーを下げ手を差し入れれば、下着に包まれたそこは熱を持ち
くっきりと形を浮かび上がらせていた。
下着を下ろしそれを露呈する。足が震え、壁伝いに床に座り込んだ。
緩く開かれた両足の間で、性器は首をもたげていた。
教室で僕は今、性器を露出させている。それどころか硬く勃起までさせて。
その事実が僕を苛む。強い羞恥心は体の熱を煽っていた。
浅く呼吸を乱しながら僕はカミソリを手に取り、局部へ近づけていく。
シェービングクリームなどは無いから、きちんと剃る事は出来ない。
肌を傷付けぬよう注意しつつ、剃るというよりは
あまり濃く無い茂みを指先で引き上げながら刈っていった。
手を動かす度に、自らの行為の異常さに先端から雫が滲み出るのが解る。
溢れた雫は音も無く性器を伝い、暗がりに消えた。

粗方剃り終え、失った体毛を封筒に押し込めた頃には
薄暗い中で性器が濡れているのが解る程になっていた。
今日一度出したと言うのに、今直ぐにでも達せそうだった。
この状態で帰るのはつらい。
カミソリも片付けた後、僕は自分の欲望に負け性器に手を伸ばす。

僕の性器は先端から溢れた先走りによってしとどに濡れ
手の滑りを良くしていた。緩く動かす度に小さく水音まで聞こえる。
静まりかえった誰も居ない教室で、強要されたからとは言え
僕は自らの手で陰毛を剃り、更にはそれに興奮して自慰をしている。
恥ずかしさに呼吸は乱れ、思考も散り散りになって眩暈がしそうだった。
あと少しで達せる。そう思い動かす手の力を強めた時。
遠くで音が聞こえた。廊下を誰かが歩く音。
驚きに体が震え、僕の手の中で熱が弾けた。

その後の僕は本当に逃げ帰るようだった。
ぞんざいに手を拭き正常に働かない頭で、言われたままに
封筒へ入れた陰毛とカミソリを教卓の上に置いてきてしまった。
今日中に誰かが見つけるかも知れないし
明日朝一番で来た誰かが見つけるのかも知れない。
残された物から僕に繋がる訳は無い。
気味悪がられて捨てられるのが関の山だろう。
そうと解っては居ても、変態じみた行為に明日を思い緊張が走る。
後始末をきちんと出来なかった湿り気味の下着の中で
中途半端に剃られた体毛が、ちくちくと柔らかな皮膚を刺激して
帰宅中ずっと意識せざるを得なかった。

帰宅し就寝する時間になっても、刈られた体毛の違和感に恥部を意識させられる。
教室での行為がどうしても頭から離れなかった。
明日を思えばとても憂鬱で心配で。
しかしやってしまった以上、考えても仕方の無い事とも解っている。
もう何も考えずに眠ってしまえば良いのだろうと思いながらも、
僕はそっとパジャマの中に手を伸ばした。
カミソリで断面が尖ってしまった体毛は、指先に僅かにちくちくとした感触を与える。
さらに手を下へ動かせば、何もしていないのに半勃ちとなっている僕自身に触れた。
僕は一体一日に何度そこに触れるつもりなのか。
しかし今日の行いを思い返す程に、そこは硬く立ち上がっていくのだ。
噛み締めた口から漏れた息は、既に熱をもっていた。
行き場の無い熱が篭り、情けなくて視界が揺れた。
今日、言われた通り封筒は残してきたが
それをメールの送信者が確認したかどうかは定かではない。
また局部の写真でも撮れと言われるのでは無いか。
その時、剃り残しのある恥部を見せたらどうなるのだろう。
指示に対して不十分として、また学校内で何らかの辱めを強いられるのでは無いだろうか。
そんな気がしてならない。
どちらにしても、このままでは明日落ち着いて過ごせる自信が無かった。
常に陰部が気になってしまうだろうから。
それならば、いっその事不安要素は減らしておいた方が良いような気がして。
逡巡の後に眠る事を諦め、布団から身を起こして浴室へ向かった。
こんな選択をしてしまう僕は、もう正常には戻れないのかも知れない。