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目を開けるとそこには微笑をたたえたメイドさんがいた
熱に浮かされた頭でまず思ったのは「夢かな、これ」
僕は少なくとも自室で寝ていた筈で一人暮らしの部屋にメイドさんなんて居る筈が無い

「目が覚めて第一声がそれですか?
おはよう、古泉。と言ってももう午後だけど。」

ああ、声が出てましたか

「おはようございます、森さん。」

えーと・・・
何から突っ込んでいいものやら

「尋ねたいことがいろいろあるんですけど・・・
まずはそのスタイルはなんでしょう?
ここは孤島の別荘でも鶴屋さんの別荘でも無い筈ですが。」

そう、夢じゃなかった
起き抜けの目に飛び込んできた映像は
僕の夢でも見間違いでもなく
・・・メイド衣装に身を包んだ森さんだった

「誤解があるようですね。」

営業スマイルでにっこりと微笑み

「これはメイドスタイルではありませんよ。
クラシックスタイルのナース服です。
その証拠に、ほら、カチューシャではなくナースキャップでしょう?」

「・・・そうですか・・・・・・」

僕に何が言えるだろう
あえて藪をつついて蛇を出す愚行など犯したくは無い
気を取り直して次の質問に移る

「ナースはわかりましたがどうやってこの部屋に入ったんです?
僕は確かに昨夜ちゃんと鍵を描けた筈なのですが。」

通常営業の微笑みがやや暗黒面に傾いて

「ふふ、機関の職業訓練の賜物、というところですね。」

うちの機関は構成員に一体どんな技能をどこまで仕込んでるんですか!?
・・・鍵、2~3個増やそうかな・・・
そしていやな予感を抱きつつ一番肝心な質問

「わざわざ不法侵入までして出向いて下さったご用件は、なんでしょうか?」

それまで微笑みをたたえていたメイド、いやクラシックスタイルのナースさんは
彼女にしては珍しくきょとんとしたような表情をしたが、
すぐに何故そんなことを訊くのか、と首をかしげて再び微笑んだ

「この格好で通常の業務報告や指令の受け渡しにきたと?
皆まで言わずともわかっているでしょう?
白衣の天使の看護ですよ?もう少し有難く思いなさい。」

・・・やっぱりそうですか
往々にしていやな予感ほど当たるものだ
先刻から頭痛が酷くなったのは気のせいだと思いたいけど

「気分はどう?」
「頭痛がしてきました。」

素直に現在の状況を伝えると
む、とした顔でぺち、と額をはたかれる

「あいた・・・病人に対して酷いじゃないですか。」
「冗談言ってないでちゃんと自覚症状をいいなさい。」
「だから頭が痛いんですってば。
僕をだしにして遊びたいだけならもうお引取り願います。」

それだけ告げて背中を丸めながら彼女に背を向け頭から布団を被る

(つづく…?)