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撮影初日――

「ほ、本当にキョンくんとするんですかぁ?」
「当たり前でしょ。でも、怖がることなんてないわ。キョンのなんてそこらのウマイ棒と思っておけばいいのよ」
俺はハルヒに言われるがまま朝比奈さんのお相手をすることとなったわけだが、生まれたままの姿になった朝比奈さんは下と胸を両手で隠しながら辺りを見渡す。
それもその筈で、パイプ椅子に座って足を組んでいるハルヒ、無機質な表情でレフ板を持ったままの長門、そしてこんな状況にも関わらず終始笑顔でビデオカメラのレンズを覗いて撮影している古泉が見守る中とあっては、盛り上がるものも盛り上がるわけがない。
しかし、男というのは困った性で、朝比奈さんの裸体を拝めた俺の息子は元気だから居たたまれずにいる。
だが、ここで余計な時間を費やすわけにはいかない。折角立ち上がった俺の息子が無駄になってしまう。
そこで俺は朝比奈さんにヒソヒソと囁いた。
「ハルヒはともかく、長門や古泉は田んぼに突っ立っているカカシと思って下さい」
「で、でも…」
「ここは上手く切り抜けないと、また例の空間が発生してしまいますよ」
その単語を耳元でささやいた途端、朝比奈さんは青ざめ、「わ、わかりました。これも任務の内です、頑張ります!!」
通常の朝比奈さんに比べて気合いが入った口調で断言した。

こうして俺は朝比奈さんとヤったわけだが、この辺りの詳細は省かせて頂く。
何故なら、
「うーん、今ひとつというか普通のAVよねえ」
超監督こと涼宮ハルヒは終始不機嫌だったからだ。
「そりゃ、普通の男女の営みなんだから自ずと普通になるだろ」
俺にしろ朝比奈さんにしろ、こういった経験は無きに等しい。
よって普通の正常位でヤったわけだが、それがハルヒのお気に召さなかったようだ。
「アンタはそうだろうと思っていたけど、みくるちゃんは知識だけは豊富だと思っていたのよね」
「ご、ごめんなさい……」
一方の朝比奈さんは、ハルヒの期待に添えなくて申し訳なさそうに俯いたままだ。
「気にしなくていいですよ。一日でどうにかなると思えませんし」
折角の機会だから一日で終わるのも勿体ないしな。
ただ、あまりハルヒの不興を買うと例の空間が発生してしまうから、そこらの兼ね合いは必要だが。
そう思って辺りを見渡すと、終始表情を変えないままレフ板を床に置いている長門と、ビデオカメラから顔を離していつも通りの笑顔でいる古泉の姿が目に映る。
長門はともかく、仮にも俺と同じ男である古泉が、朝比奈さんの裸体を見て欠片も反応しないというのは如何なものだろうか。撮影中も横目で見ていたが、ビデオカメラ越しに映る顔は終始笑顔だったし、股間に至っては無反応のままだ。……お前、男としてそれでいいのか?
「……どうかしましたか?」
「いや、何でもねぇよ」

――こいつの股間を反応させるぐらいでないと、ハルヒのお眼鏡にかなったAVは出来そうにないかもな。

 

撮影二日目――

「今日は有希とね。あ、みくるちゃん、肩揉んで頂戴」
簡素なパイプ椅子に座っているハルヒが言い放つ。
「わ、わかりましたぁ~」
朝比奈さんはほっとした様子でハルヒの肩を揉み始める。
……そんなにほっとされると、昨日お相手した俺が傷つくんですが。
いやいや、俺が相手だったからではなく、第三者が見ている前だったからだと思うことにしよう。
そのほうが精神上よさそうだ。
そんなわけで、パイプ椅子に座っているハルヒ、そのハルヒの肩を揉んだりお茶を差し出している朝比奈さん、そして終始笑顔を振りまいたままビデオカメラで撮影している古泉が見守る中、俺と長門のプレイが始まった。

結果は――
「やっぱり色気が足りないわねえ」
超監督であるハルヒは腕を組んで唸っている。
今日は長門が相手だったこともあり、昨日よりはバラエティに富んだ性行為を営むこととなった。
そちら方面でハルヒのお眼鏡にかなったものの、当然の如く相手が長門なだけあって表情やその他情緒面においてハルヒはお気に召さなかったらしい。何ともまあ贅沢な奴だ。
「仕方ないわ。こうなったら明日はみくるちゃんと有希の3Pプレイにするしかないわね。みくるちゃんの色気に有希の性技があれば間違い無い筈だもの!」
「了承した」
「ふぇぇぇ~ん、またですかぁ~?」
相変わらずの無表情なままの長門と、怯えた様子の朝比奈さんが並ぶと対照的だ。
そして、横目で古泉を見ると、股間をびくともせず相変わらずさわやか笑顔のままである。
……お前も蚊帳の外な状態とはいえ、少しはこの状況に狼狽えろよ!

 

撮影三日目――

「昨日言った通り、今日はみくるちゃんと有希の二人で3Pね!」
「了承した」
「ふぇぇぇ~ん」
淡々と応じる長門に涙目の朝比奈さんを交互に見比べる。
何となく不吉な予感が漂う中、傍から見たら役得とも思えるプレイが試行された。

結果は――ここまでくると言うまでもないだろう。
「何かありきたりな3Pよねえ」
何ともまあ贅沢な台詞をのたまったのが我らが超監督こと涼宮ハルヒだ。
そして、その言葉を肯定するかのように、古泉の股間もピクリとしない。
ハルヒのリアクションより古泉の股間を気にしている俺もどうかと思うが、如何せん同じ男としてここまで反応されないと決まりが悪い。
「お前なあ、何でも『ありきたり』の一言で済ませるなよ」
「仕方ないじゃない、今まで見てきたAVと同じような内容なんだもの」
「だったらお前も参加して、今までにないプレイとやらを俺たちに指導すればいいだろ」
「あら、キョンにしてはまともな事を言うのね」

――ガシャン!

その瞬間、古泉が手に持っていたビデオカメラを床に落とす。
それが、古泉がここ数日に渡ってから、始めて笑顔を崩した瞬間だった。
「あ……すみません!」
古泉は床に屈み込むと、床に落ちたビデオカメラを持ち上げ周囲の埃を払う。
「幸い壊れてはいないようですが……本当に申し訳ありません」
「いいわ、あたしも何度か落としたことがあるし、そう簡単に壊れないものよ」
「そ、そうですか……」
……俺が落としていたら、間違いなく烈火の如く怒っていただろう。
副団長と平団員の格差はそう簡単に埋まらないものだと痛感する。
「ま、仕方ないわ。本来ならあたしの出番は第三弾辺りにとっておきたかったんだけど、第一弾が売れないと話にならないものね。いいわ、明日はあたしも加わって4Pよ!!」
声高らかに宣言するハルヒと、若干顔を引きつらせながらも笑顔を保持しようとする古泉の様子を見て、少なくても今日よりはハルヒのお眼鏡に適ったものが撮れるだろう――と思った。