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撮影四日目――

「うーん、今までよりはいい出来だと思うんだけどねえ」
撮影終了後、息絶え絶えな朝比奈さんが横たわり、長門がちょこんと正座している中、超監督兼主演女優で有らせられる涼宮ハルヒが、あぐらをかいて不満げにぼやく。
撮影四日目にしてハルヒが参入したこともあり、今日はいつにないカオス状態――ハルヒが俺の息子を加えたり長門が朝比奈さんを弄りまくったりと色々あったが、それでもハルヒはお気に召さなかったようだ。
今も俺も含めた四人が丸裸な状態であり、今現在まともな服をまとっているのは古泉ただ一人である。
その古泉というと、ハルヒの裸を見て顔を赤くしていたものの、股間のほうは相変わらず無反応なままだ。
俺としてはいい加減ヤり疲れた感はあるが、ハルヒならずとも物足りない感は否めない。
「やっぱり主演男優に問題があったのかしら」
不満げなハルヒが俺と古泉を見比べる。
「キョンの顔なんてカメラワークで殆ど隠れるから別にいいと思っていたけど、やっぱり主演男優は古泉くんのほうがいいわよね」
「ええっ!?」
古泉がカメラを落としかねない勢いで、慌てながらハルヒのほうを振り向く。
「じょ、冗談ですよね!?」
奴は顔を真っ赤にして驚いているが、至極最もな意見だと思う。
むしろハルヒが今まで言い出さなかったことのほうが驚きだ。
……まあ、俺から言い出さなかったのは、速攻で了承されたら惨めな気分になるからたが。
「あたしが冗談を言うと思っているの? いい加減、みくるちゃんや有希もキョンの相手は飽きてきたと思うし、古泉くんもビデオカメラを持ちっぱなしで大変だったでしょ?」
「い、いえ、僕は裏方のほうが好きな性分なので、そういったことはお気になさらず……」
「キョンに遠慮しなくていいのよ。何しろ副団長なんだし、平団員にばかりいい思いさせることはないわ」
「で、でも、僕では皆さんをご満足させることは出来ないかと……」
尚も顔を真っ赤にしながら狼狽える古泉に対し、ハルヒは古泉の無反応な股間をちらりと見てつぶやく。
「……まあ、無理にとは言わないけど、明日はその可能性もあるってことだけは覚悟しておいてね」
ハルヒはその場をすくっと立ち上がると、片手を掲げて人差し指を立てて宣言した。
「じゃあ、今日はこれで解散! 明日こそは超AVを撮るわよ!!」
困った様子でハルヒから視線を逸らす古泉の様子を見て、俺は確信めいたものを感じる。
明日はハルヒの言う通り、超AVが撮れそうだと。

「おい、古泉。ここ数日お前一人だけ先に帰っていただろ。たまには部室の掃除を手伝え」
ハルヒの超宣言が終わった後、俺は古泉に近寄って小声で囁く。
「解りました」
即答した奴は傍目には笑ってはいたが、幾分その笑顔が引きつっていたように見えたのは気のせいではないだろう。
そんな俺たちの様子を目ざとく見つけたハルヒが、
「古泉くんもビデオ撮影で疲れているんだから、わざわざキョンの手伝いをしなくていいのに」
などと言い出す。
確かに数日もの間、生で人様の痴態を見せつけられている状態は色々な意味で疲れるだろうが、だからといって馬車馬の如く絞り出されている俺も俺で疲れていないわけがない。
ハルヒはそれすらも『役得』と思っているのだろうか。……思っているだろうな、絶対に。
「いえいえ、ここ数日は一人だけ先に帰宅していましたから。彼だけ一人残って掃除というのはさぞ辛かったことでしょう」
ここ数日、ハルヒの独断によって俺一人で事の後始末をしていたわけだが、別段その作業自体が辛いわけではない。確かに好き好んでやる作業とは言えないが、他人に任せるよりは自分で片付けたほうがいい類のゴミ類であるのは間違いないからだ。
「もう、古泉くんは真面目なんだから。キョン相手にそこまで気を使わなくてもいいのに」
……頼むからお前はもう少し気を使ってくれ。

「じゃあ二人とも戸締まりには気をつけて帰ってね」
「キョンくんに古泉くん、お先に失礼します」
「……また、明日」
こうして、三人の女性陣は三者三様の台詞を残して部室を去って行った。
「それでは、掃除の前に窓を開けて換気致しましょうか」
三人の足音が消え去った後、古泉は颯爽と窓ガラスへと歩き出す。
この部屋の空気は俺と女性陣がヤり尽くした淫靡な匂いで満ち溢れており、とてもじゃないが窓を開けないと掃除なんざしていられない。現に俺もここ数日は窓を開けて掃除をしていた。
だが、
「まだ開けなくていいぞ」
俺は窓ガラスへ手を置いた古泉を止める。
「……どうしてですか? 窓を開けないと掃除し辛いと思いますが」
古泉は俺に背を向けたまま、恐る恐るといった口調で言葉を紡ぐ。
「また後で換気する羽目になるんだ、今する必要はないだろう」
古泉が咄嗟に振り向いたのと、俺が古泉へ足早に近づいたのはほぼ同時だった。
「えっ!?」
普段の古泉ならいざ知らず、今の古泉なら俺でも押さえつけられる――そう思ったのは正解だったようで、俺は左手で古泉を身体ごと窓ガラスへ押しつけると、余った右手で古泉の股間を軽く触った。
「な、何を……」
奴は頬を真っ赤に染めて俺を睨み付ける。
「あなたはいつからそんな変質者になったんですか?」
「それはこっちの台詞だ」
俺は古泉に顔を近づけ、その証拠とも言うべき股間を今度は強く撫で回す。
「もうネタはあがってるんだ。自分でズボンを脱ぐか、それとも俺に脱がされるか、好きなほうを選べ」
観念したのか、古泉は頬を染めたまま俯き加減でつぶやく。
「……解りました。自分で脱ぎます」
俺は古泉が逃げないよう警戒しながら――まあ、この状況で逃げたとしても捕まえるのは容易だが――奴が脱ぎやすいようにゆっくりと距離を取る。
「………」
古泉が恐る恐るズボンを脱ぎ捨てたその下にあったのは――黒い本革で作られた貞操帯だった。
「……何時から気づいていましたか?」
古泉は弱々しい口調で問いかける。
上半身は白いシャツにネクタイのまま、下半身は貞操帯と靴下に上履きといった状態で、何とも言えない妖しげな雰囲気を醸し出している奴の姿は、普段の颯爽とした様子からは想像も付かない。
「確信したのは今日だが、撮影初日から何か変だったからな」
「そう…ですか……」
「ああ、あまりにも股間が無反応に見えたんで、最初は去勢でもしているのかと思ったんだが、さすがにそれはないと思ってな。で、昨日の撮影終了後の様子から、もしかして――と思った」
「………」
「あの時、お前がハルヒに過剰反応する割には股間がさっぱりだったからな。思い起こせば、ここ数日はやたらハルヒを気にしていたり、撮影が終わった後は誰よりも早く慌てた様子で部室を後にしていたし。大方、我慢出来なくてトイレで抜いていたんだろ」
古泉は顔を真っ赤に染めて視線を泳がせる。
「何でそこまで……」
「俺は写真で見ただけだったが、確か貞操帯って勃起していない状態で装着するんだろ? だったら、装着している間は勃起出来ない状態になってるわけだ。去勢でもしていない限り、健全な男子高校生が愛らしくも美人な女子の裸を見て――しかも性行為をしている姿をまざまざと見せつけられていたんだ、普通なら平常心でいられるわけがない。誰かの命令で装着しているならまだしも、自分の意志で装着しているなら自宅まで我慢する必要もないからな」
尚、どこでその写真を見たかは敢えて言わないでおく。
「ちなみに、その貞操帯は誰が用意したんだ? 初日からそれ装着していたんだろ? まさか『機関』が速攻で部室へ受け渡しに来たとも思えんが」
俺は素朴な疑問を口にする。
放課後その手の店へ買いに行って翌日から装着したとも思ったが、初日の朝比奈さんの裸体を見て何も反応しない男子は居ないだろう。
「……あなたと涼宮さんが部室から出た後、どうしたらいいものやら思案に明け暮れていたところ、長門さんがどこからか差し出してくれたんです。彼女も僕がお二方の淫らな行為に反応して『古泉一樹』という人物設定を崩してはならないと考えたのでしょう。後はあなた方が戻って来る前にトイレで手早く装着しました」
こいつの様子を見る限り、絶対に長門の目的は違うところにあったと思われるが、敢えて口に出さないでおく。
「しかし、これ、どう見ても本革だよな」
俺は純粋な好奇心から古泉が身につけている貞操帯に――流石に直接でないとはいえ股間部分は気が引けたから、腰から太ももにかけて触ってみる。
「――ひゃっ!?」
うん? どこから聞こえてくる声だ?
と思って古泉の顔を見ると、顔を真っ赤に染めて片手で口を塞いでいた。
「……えっと、今の声の主って、もしかしてお前?」
「ぁ……うっ……」
古泉は顔を真っ赤にしたまま、今にも泣きそうな表情で俺を見つめる。
「あ、あまり触らないでもらえると有り難いのですが……」
「たかだか腰を触られたぐらいで大げさだな」
舌先で舐め回したとかならまだしも、触っただけでこれじゃあ他はどうなるんだろうか。
ちょっとした悪戯心もあって、俺は古泉の胸へと手を伸ばし、布越しだが右胸の辺りを軽く触ってみた。
「ちょっ……」
俺の指先に何やら硬いモノが当たり、中指の腹でソコを撫で回す。
「ふぁっ、あぁんっ!」
あまりにもの甲高い声に俺は撫でていた手を止める。
男でも乳首で感じる奴が居るとは聞いていたが、まさか身近に居るとは思わなかった。
「で、出来ましたら、胸から手を退けてくれると……」
息絶え絶えな口調でつぶやく古泉の顔を見ると、もはや涙目といった感じで俺を睨み付けている。
ううむ、少々からかい過ぎたかな。まさか乳首一つでここまで過剰反応されるとは思わなかった。
「ああ、悪かったな。お前もこんな窮屈なものを装着していて大変だっただろう。今脱がしてやるから」
「なっ……!」
どうも古泉が身につけている貞操帯は本革のせいか身体にフィットし過ぎて締め付けがきつそうだ。
別の写真であったプラスチック製のやつだと軽そうなんだがな。見た目が安っぽいから無理すると壊れそうだが――などと余計な思考で気を紛らわせながら、奴が脱ぎ捨てたズボンのポケットを漁る。
案の定、ポケットの中には財布やハンカチといった物の間に小さな鍵が挟まれるようにあった。
「やめて下さい! やめて……」
古泉の制止する声は軽く無視し、鍵を開けて貞操帯を脱がせる。
「あぁっ……!」
ゆっくりと古泉の一物を狭苦しい空間から解放させると、俺が見ている前で瞬く間に膨張していった。
「あ、あまり見ないで下さい…」
古泉は恥ずかしいのか弱々しくつぶやくが、それに反して一物は立派な物だった。
……正直に言ってしまえば、俺よりもでかい。
「こんな立派な物を持っていて恥ずかしそうにするなよ」
「で、でも……」
古泉は手で隠そうとするか、隠しきれないと思ったのか再び手を戻す。
「それに、これだけの物を持っていながらハルヒ超監督のAVに出演しないってのは考えものだしな」
よもや偽物ってことはないよな――とあり得ないことを思いつつ、右手で古泉の一物を軽く握りる。
「やぁぁんっ!」
今まで聞いた古泉の声の中で、一番甲高い声だっただろうか。
何となくこの声を聞き続けたくなって、俺は上下に動かし始めた。
「う、動かさ……い…でぇ……」
ふと古泉の顔を見ると、羞恥で真っ赤にした顔に潤んだ目で俺を睨み付ける一方、口は半開きになって涎を垂れ流している。
……結論から言おう。既に何回もヤった後で助かった。
普段の俺なら間違いなく息子が反応していただろう。
だが、いくら色っぽくて淫らな雰囲気を漂わせていても、相手は男でしかも古泉だ。
俺とて男で反応するわけにはいかないし、古泉とて男の俺に反応はされたくないだろう。
例え男の俺の手によって快楽を得ていても――だ。
「んんっ……」
古泉は口から漏れる声を聞かせたくないのか、片手を口に加えて声を殺しているが、時折耐えきれなくなるのか、時折手の隙間から甘い嬌声が漏れる。
「はぁ……んっ」
古泉の表情をじっと見ていたが、手の感触といいそろそろ頃合いだろう。
そう思った俺は、一気に手の動きを早める。
「も、もう…ダメぇっ!」
この叫びにも似た声と同時に、俺の手に古泉の精液が大量に溢れ出た。
無論、俺の手に収まるわけもなく、溢れ出す精液はポタリポタリと床下へと落ちて行く。
「はぁ……はぁ……」
古泉は暫くの間、興奮状態で息絶え絶えだったが、やがて荒い呼吸を落ち着かると、弱々しい声でつぶやいた。
「ご、ごめんなさい……」
「何がだ?」
「……その……手を汚してしまって……」
「ああ、こんなの不可抗力だ、気にするな」
最も、ここまで大量に出るとは思わなかったが。
そして、俺は古泉が落ち着いたのを見計らって奴の一物から手を離す。
「あっ……」
その声が名残惜しそうだったのは気のせいだろうか。
……気のせいだと思うことにして、俺は机の上に無造作に置かれているタオルを手に取って自分の手を拭く。続いて古泉の一物とその周辺にまとわりついている精液を拭き取るべく、身を屈ませて片手で触れた瞬間、
「……んっ!」
古泉はビクッと腰を揺らし、それと同時に一物が再び膨張した。
「あっ……」
古泉は再び顔を真っ赤に染めて、先ほどより幾分大きくなった自分の一物を恨めしそうに見つめる。
抜き足りなかったかな、と呑気なことを考えていたが、俺は再び古泉の一物を片手で握ると、前より激しく――だが緩急を付けて上下に動かす。
「ちょ、ちょっと……」
古泉は慌てて俺の手を退かそうとするが、
「一回既に抜いているんだ。萎えるまでやらせろ」
「で、でも……」
「このままじゃ部室の外に出られんだろ。それとも俺が見ている前で自分で抜くか?」
「うっ……」
古泉は言葉を詰まらせたまま下を向いている。
俺はそれを肯定のサインと受け取り、再び片手を動かし始めた。

あれから三回ほど抜いて、ようやく古泉の一物も落ち着いた格好となった。
それなりに刺激をすれば、あと二、三回はいけそうではあるが、それだとこの部室で徹夜をする羽目になってしまうし、何より明日にも響くから止めておく。
「あなたの手を煩わせることになってしまい、本当にすみません……」
古泉は恥ずかしそうに俯き加減でつぶやく。
脱ぎ捨てられたズボンと下着を履き直し、三回もの行為の間に乱れまくったシャツを元通りに整えた奴の姿は、傍目にはいつもの古泉一樹といっていいだろう。そう、奴の表情を見なければ。
「気にするな。お前も俺らの行為を見せつけられていたんだ、自分で抜くだけじゃ物足りなかっただろう」
「そ、そんなことは……」
「いいって、そう気を使うな。明日はお前に主演男優として出てもらうことになるんだから」
「えっ!?」
古泉は驚きの声をあげて俺のほうに顔を向ける。
「で、でも、こんな僕では涼宮さんが望む理想の……」
「このAVにおいては超監督の理想通りなんじゃないか?」
確かにあの淫らな様子は、お前自身が主張するところの『ハルヒが望む古泉一樹』ではないと思う。
だが、肝心のハルヒはどう思っているんだろうか?
「お前はハルヒのことを『奇抜な言動に反し常識的な思考を持っている』と言っていた記憶があるが、事このAVに関して普通の行為を望んでいないってのは、今までダメ出しされた内容を振り返ると明らかだ」
正常位から始まって後背位に騎乗位と俺が知り得る限りのことを試してみた上に、複数プレイもする羽目になったわけだが、いずれも『どうも今ひとつよね』の一言で片付けられてきた。こうなったら四十八手でも調べて試すぐらいしか手は残されていないんじゃないかと思ったぐらいだ。
だが、ハルヒが望んでいる『ありきたり』ではない何かが、相手の女性や行為における体位ではなく、実際にヤる男性側のほうだとしたら?
正直に言おう。俺は御免被りたい。
だったらどうすればいいか――答えは簡単だ。
同じ男としては非常に申し訳ない気分で一杯だが、こいつをハルヒへの人身御供にするしかない。
「で、ですが……」
視線を泳がせて躊躇する古泉に、俺はズバリと言い放つ。
「要はお前がハルヒにさっきのような姿を見せたくないだけなんだろ?」
「くっ……」
図星だったらしく、古泉は顔どころか耳まで真っ赤に染めている。
「そりゃそうだよな。幾らご機嫌取りの一環とはいえ、仮にも好きな女性相手に、男として無様な姿は――少し身体を撫で回しただけで顔を真っ赤に染めたり、乳首を弄ったぐらいで簡単に喘ぎ声を出したり股間が反応したりする様は見せたくないだろう。俺は正直な所、ハルヒを好きなお前の思考回路は解らんが、好きな女性に対して普通の男として振る舞いたい気持ちはよく解る」
「………」
古泉は苦虫を噛み潰したような顔をしているが、構わず俺は言葉を続ける。
「だがな、古泉。ハルヒが満足しない限り、いずれは例の空間が発生するんじゃないのか? 明日で撮影五日目にもなるんだ。そろそろ何とかしないとヤバイと思うんだが」
「それはそうですが……」
「いい加減、腹をくくれ」
「でも……」
古泉は不安げな面持ちで俺を見つめる。
「もし、僕が参加しても涼宮さんが納得しなかったら……」
「その場合は俺が責任を取って何とかするさ」
俺はドンと自分の胸を叩いて安心させるポーズを作る。
奴は数十秒ほど躊躇していたが、
「……解りました。明日は僕が出演します」
覚悟を決めたのか、やや緊張した面持ちで言った。
「なーに、大丈夫だって、そう心配するな」
「だといいのですが……」
俺は古泉を元気づけるために背中を二度ほど叩くと、奴は弱々しくも安心しきった表情を見せて言った。
「解りました、明日は共に頑張りましょう」
ああ、俺は一カメラマンとして見守りつつ頑張ることにしよう――と喉から出かけた台詞を押さえ込む。
そして、部室の掃除をし終えた後、お互い先程の行為に触れることはなく、何事もなかったかのように部室を後にした。