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久しぶりに会った古泉は、仕事とは言え
同世代の彼らに囲まれて明るく楽しそうに笑っていた。
日中にはこの孤島の砂浜で、海水浴をしてきたらしい。
あの白い肌が眩しい日光に照らされる姿はとても絵になっていた事だろう。
見てみたかったと言うのが正直な所だが、共に海水浴を楽しむような設定には
今回はなっていないので仕方が無い。
そもそも以前あれだけの事をした俺を、良くこの計画に参加させた物だと思う。
まぁ古泉のポーカーフェイスは今に始まった事では無いし
それは俺にも当て嵌まるのだが。

年若い高校生たちとの晩餐は、楽しく微笑ましいものだった。
古泉も楽しそうで、見ているこっちも和んでくる。
その顔はあの性欲に爛れた日々の面影なんて全く感じさせず
見るからに清廉潔白な優等生然としていて、その差が面白い。
鍵となる少年を介抱している古泉を眺めていると、
視線に気付いたのか、ちらっと俺の方を見やった。
にっこりと微笑み返してやる。
今ここにいる俺は、古泉の遠い親戚である金持ちの弟役だ。
それ以外の何者でもない。
古泉も表情を崩す事なく、酔って前後不覚になった少年の世話に
いかにも手を焼いているという風に苦笑を浮かべた。



日常から隔離された孤島の夜はとても静かだ。
しかし決してそれは静寂に支配された物では無く、
遠くから細波の音、風の音が聞こえる。
あの時の密室とは違うのだ。
だから、俺は指定されたキャラクターから外れる事も無く
その通りに演じて、宛がわれた部屋で一人静かに眠る支度をしていた。
そこに遠慮勝ちに扉を叩く音がした。
「誰かな? 鍵は掛かっていないよ」
この島は俺たち機関の管理下にある。全ては予定通りで、何一つ危険は無い。
鍵を掛ける必要も無い。
俺の予想通りと言うべきか。はたまた予想外と言うべきなのか。
「……古泉です。入ります」
緊張した面持ちでそっと扉を開くのは、
明日に備えて既に寝ていなければならない人物だった。

「こんな夜中にどうしたんだい?」
優しく問い掛ける。今夜俺の部屋を訪れるような事は
古泉のシナリオには入っていないはずだ。
彼らに見られでもしたら、どうするつもりなのだろうか。
言外に問われているのに気付いたのだろう。
古泉は躊躇いながらも口を開く。
「大丈夫です。涼宮さんと朝比奈さん、それに彼はもう寝てしまいましたし。
長門さんは全てを知っていても、それを口に出す事はしないでしょう」
同じ機関に属する俺を相手に、呼び捨てでは無く、敬称を付けて呼ぶ。
どうやら随分と彼らと過ごすのが楽しいらしい。それは別に良い。
「上手くやっているようで何よりだよ」
軽く笑ってやれば、古泉も気付いたのか少し表情を硬くした。
「失礼しました」
「いや良いよ。それよりも僕に何か用なのかい?」
今度こそ古泉は口篭った。
寝巻きの裾をその手で掴み、目を伏せて言い辛そうにしている。
「予定外の事でもあったのかい? それともシナリオの変更?」
重ねて問えば、古泉は小さく首を振った。
「こうやって二人で会うのも久しぶりだからね。
何か相談事があるのなら聞いてあげるよ。……鍵を掛けてこちらへおいで」
そう言って促せば、古泉はその通りにしたのだ。

俺はベッドに腰掛けながら、傍らで立ち尽くす古泉を眺めていた。
薄暗い室内の間接照明で照らされた顔は、長い前髪の影で隠れて表情が読み辛い。
「それで。話は何かな」
古泉は何も言わない。言えないのかも知れないが。
何かを思いつめたように、時折口を開き掛けては閉じるのを繰り返している。
しかしこれでは埒が明かない。以前とは違い、時間は限られているのだ。
古泉が言い出すまで待ってなんて居られない。
「何も用事が無いのなら、明日も早いんだろう? 寝た方が良いと思うよ」
言葉で突き放す。今の古泉は俺のペットでは無いのだ。
お互いこの島へは仕事で来ている。優先すべきはそちらだ。
「……なんで、そんなに……平気そうなんですか……」
古泉の声が少し震えている。
前髪の間から睨んでくる目は潤んで照明に濡れ光っていた。
「何の事か、ちゃんと言ってくれないと解らないな」
欲しいのなら口に出して言え。もしくはきちんと行動で示せと俺は思う。
「…………今度……二人切りで会う時があったら……と……」
その言葉に、暗い喜びが俺の胸の内で湧き上がるのを感じた。
だが、まだ足りない。
「あったら? 何て言ったかな、僕は」
以前手渡したメモの番号へ古泉からの連絡は一度も無かったのだ。
飼い主の手を離れた野良へ、請われぬのに施しをやる謂れは無いはずだった。
「……普通に……しよう、と……」
「ふぅん? 普通、にね。普通に何をするのだろうね」
「!…………すみません、戻ります」
ショックを受けたように顔を上げ、すぐさま古泉は踵を返そうとする。
俺はその背を呼び止めた。
「一樹くん。ちゃんと示さないと相手には伝わらないと教えなかったかな」
足を止めた古泉の肩がぴくりと揺らいだ。
「君は僕に何をして欲しいんだい?」
ゆっくりと古泉が振り返る。
口を開かずとも、濡れた瞳には情欲の色が垣間見え、その頬は朱に染まっていた。
「……質問を変えようか。あれから、君は直ぐ元に戻れた?」
平凡とは言い難いが、俺たちなりの日常生活に戻るのは容易いだろう。
何せ毎日が飛ぶような忙しさだ。
古泉も機関と学校での日々に忙殺されて、プライベートな色欲等は
何処か遠くへ行ってしまうかと思っていたが。
諦めたように古泉が静かに首を振った。
「……いえ、戻ったつもりでは居ました。
……でも、多丸さんの、……裕さんの顔を見たら……」
まだ若い身に、あの日々が残した物は大きかったのだろう。
俺は自分が刻み込んだ傷跡を古泉の中に見つけた。
俺が覚え込ませた躾はまだ活きていたのだと嬉しくなってくる。
「見たら? どうしたのかな」
古泉が泣きそうに眉を寄せる。その顔はあの頃と全く変わらない。
「……これも全部……あなたのせいです……」
笑みを抑えるのがこれ程までに大変だとは思わなかった。
「…………抱いて、くれませんか……」
「……それは、君が今言ったように、普通に?」
この問答は、確実に古泉に当時の快楽と羞恥を思い出させている。
俺はそう思った。あとは古泉からの確約があれば良い。
古泉は目を閉じて、抑えきれない欲望に掠れた声で呟いた。
「……あの頃みたいに、して下さい……」
手放したペットが自分から戻って来たのだ。
俺は歓喜に震えた。
戻ってきたペットに即手を出したい衝動に駆られる。
だが、俺にはまだ確認したい事があるのだ。
「今、君はあの頃みたいしてくれと言ったけど。僕はあの時の君を
ある意味愛玩動物のように扱っていたのは解っているのかな」
問えば古泉は頷いた。
自覚はあったようだ。まぁあれだけの事をしていれば当然だろうか。
「君は快楽には従順だったけれど
ああ言う扱いは嫌がっていたとばかり思っていたよ」
当時の俺たちには、言葉での意思疎通はあまり無かった。
古泉の意思を聞くのが怖かったと言うのも有る。
最初から最後まで俺の為すがままだったが、元々はあまりの多忙な日々に、
疲労の色を濃くしていた古泉を、俺が唆しただけだったのだから。
監禁していた期間は決して長くも無く、それについて上からのお咎めも何も無かった。
機関での生活に嫌気が差した少年が、ある日断りも無く飛び出し
暫くして戻ってきた。そう言えば通った。
あの頃の古泉は、最年少の超能力者と言うだけで、今のように
涼宮ハルヒの近くに居た訳では無く、監視の目はそこまできつく無かったのだ。
もしくは気付かれていても、個々のプライベートとして黙殺されたのかも知れないが。

「……嫌ではありました……けど……」
ぽつりぽつりと古泉が口を開く。
「あの時の僕を、超能力者という色眼鏡以外で見てくれたのは……あなただけでした」
その言葉に、俺は思わず噴出しそうになる。
超能力者どころか、欲望の対象として見る方が酷いような気がするのだが。
「……そこまで、酷い事は……されませんでした、し……」
古泉の言う酷い事の定義が俺には良く解らない。
無理矢理体に快楽を覚え込まされるのは、酷い事では無いのだろうか。
痛い事は全くと言って良い程しなかったが
それ以外なら、短期間のうちにやり尽くした感はある。
当時の俺がした事は、古泉を外界から切り離したいと思いながらも
自分の欲望の餌食にしただけのはずだ。
「……ずっとは……確かに困りますが……」
そこまで古泉の話を聞いていて、俺は突如理解し、思い出した。
俺が思っていたよりも、古泉は遥かに性への欲望に素直で我儘だったのだと。
「ああ、つまり。君はたまになら……あれらを好むと言う事か」
俺が呟くと、古泉は顔を真っ赤に染めて俯いた。
英雄色を好むとは良く言ったものだ。
今の古泉は涼宮ハルヒの側に居て、機関に所属する者たちの中では
一種独特の立場にある。そんな彼の欲望を目覚めさせたのは俺になるのか。
これには苦笑してしまう。

笑いを堪えきれない俺を、古泉が赤い顔でじっと睨んでくる。
欲望に忠実ながらも、こういう所は可愛らしいものだ。
「いや失敬。僕の中でも納得が行ったので少々可笑しくなってしまったよ」
「……どういう意味ですか」
「心配しなくて良い。どうせ今夜限りだ。君の好きな事をしてあげよう。
ただ、こうなるとは予想もしていなかったので、当時のような道具は無いけどね」
道具と言う単語に、古泉は明らかに動揺した。
ああ見えてそんなに気に入っていたのか。
古泉の様子に、もしも次があるのなら
その時は買い与えてやっても良いかも知れないと、つい余計な事まで考えた。
赤い顔で立ち尽くす古泉を見やる。
何か切欠が無ければ動けないのだろう。なら、それを与えてやれば良い。
「本当に、あの時みたいな扱いで……良いんだね?」
俺が尋ねれば、古泉はこくりと頷いたのだ。
つまり、これから始まる全ては、古泉の意思の下で行われる事だ。
「じゃあ、そうだな。……ペットが何時までも服を着ていて良いと思うか?」
僅かに口調を変えて問えば、古泉は身を硬くし、静かに寝巻きを脱ぎ始めた。
俺は別に脱げとは言っていない。勝手に解釈したのは古泉自身だ。
あの時のような扱いとは言ったものの、同じに扱う気は元より無い。
所詮一夜限りなのだ。自分から戻ってきた古泉に嫌な思いはさせたくない。
俺は古泉に酷い事をした自覚はあるが、古泉の方はそうは思っていないらしい。
あれらは古泉にとっては許容出来る範囲の事、好きな事で。
快楽に弱いと思ったのは本当だったのだ。
それならば、今夜出来る限りの快楽を与え、古泉の欲望を満たしてやろうじゃないか。

一体何処まで脱ぐのだろうかと興味深く眺めていると
やがて古泉は一糸纏わぬ姿となった。思い切りが良い事だ。
確かにあの頃は何も着せてはいなかったしな。
薄闇の中で弱い間接照明に照らされて、白い体躯が浮かび上がる。
久しぶりに見たその体は、程良く筋肉の付いた均整の取れた物になっていた。
「おいで」
優しく声を掛ければ、古泉は何処か熱に浮かされたような目で俺を見つめ
ベッドへと近寄ってくる。その手を掴んで引き寄せた。
凭れてくる体を支えて、その局部へ手を伸ばす。
そこは既に熱を持ち硬くなっていた。
「なんだ。脱ぐだけでその気になったのか?」
問えば羞恥に体を震わせ、古泉は陰茎を更に硬くする。淫らなものだ。
「先に言っておくが、今夜は以前とは違う。お前がして欲しいと言い
俺がそれに応じただけだ。だからその代わり、お前の嫌がる事はしない。
欲求をぶつけてくれて構わない。まぁ道具が要るような事は無理だけどな」
古泉が一夜のペット役を演じたいのなら、俺はその飼い主を演じてやるつもりだった。

古泉の潤んだ眼差しが俺を見つめ、唇が承諾の言葉を象った。
素直で良い事だ。俺はその唇に口付けを落とす。
あの頃はしなかった行為の一つだ。
ねっとりと唇を舐め上げ、舌を忍ばせ歯列をなぞる。
慣れない刺激に古泉が身を固くしているのが解った。
だがそれも、緩やかに片手で陰茎に触れてやれば次第にほぐれた。

俺は唇を重ねたまま古泉をベッドに仰向けに寝かせた。
胸元へ手を這わせる。指先で触れれば嘗てのように簡単に乳首を立たせた。
軽く摘むと、古泉は鼻から息を漏らす。感度は変わっていないようだった。
俺は自分の呼吸が苦しくなる前に口を離した。
「……なぁ。あれからどうやって欲求を処理してたんだ?」
あれ以来、古泉があの部屋に入った形跡も
残された道具類を使った形跡も見当たらなかったのだ。
もう不要だろうと思い、俺は全てを処分していた。
誰かと体を重ねていたとしたら、キス一つでここまで緊張しないような気もするのだ。
いやこれは、見知らぬ誰かには触れていて欲しくないと言う俺の幻想かも知れないが。

「……自分の……指、で……」
古泉の返答に俺は喜びを抑えきれない。
仮にそれが偽りとしても、相手を乗せるのが上手いのは良い事だ。
「指で、どうやっていた?」
鏡の前で乱れていた古泉を思い出す。
恥ずかしがらせるのも効果的だとあれで実感したのだ。
「…乳首、触って……中に、指入れて……」
案の定、古泉は羞恥に顔を染めて震える声で答え、自らの陰茎を濡らした。
俺はその答え通りに手を動かしてやる。
片手で乳首を摘み、サービスで顔を寄せてもう片方を軽く食む。
溢れる先走りの滑りを借りて肛門へ指を差し入れた。古泉の口から甘い声が漏れる。
しかし滑りを借りたとは言え、そこは随分と簡単に指を飲み込んだ。
「……そんなに頻繁に自分でしていたのか?」
「な…、ちが……っ」
「じゃあなんでこんなに解れている?」
余程の頻度か、もしくは事前に慣らしでもしないと、こうはなっていないだろう。
俺の疑問に、古泉はまたもや予想外の返答を返してきた。
「…………さっき、自分で……掃除して、き…た、から……っ」
一体何なのだろうか、この子は。
「……そこまでして欲しかったのか?」
「汚いと……、裕さん、ダメだと……思ったから……」
確かに古泉の体を隅々まで洗っていた覚えはあるが。
自分からそこまで用意してくるとは思ってもいなかった。
あまりの事に眩暈がしそうだ。
驚きが顔に出ていたのだろうか。
「…………軽蔑、しますか……?」
古泉の顔が不安げに歪み、濡れた目が俺を見つめ揺れている。
しかし本来軽蔑されるべきは俺の方だろう。
嘗て古泉の体を散々玩んだのだから。
「いや、軽蔑なんてしないさ。……ただ、そうだな。
我慢させて出させた後の、恍惚としたお前を見るのも好きだったから
少し勿体無く思っただけだ」
そう言うと、古泉は恥ずかしそうに視線を逸らした。
実際軽蔑する気など微塵も無いのだ。
寧ろ俺に触れられる為に、自らここまでしてくる古泉が愛おしくて仕方が無い。
古泉の全身全てに触れた事があると言うのに、
それでも尚羞恥に身を震わせる様も堪らなかった。

すっかり解れている肛門は、俺の指を容易く飲み込み
誘われるように俺は指を増やして行く。
感触の違うそこを指の腹で攻め立てれば、硬く勃たせた茎の先から
とろとろと引っ切り無しに先走りが溢れるのだ。

濡れて震える陰茎が目に付き、俺は胸元を弄っていた片手をそちらへ移した。
軽くカリ首を掻いてやると、一際高い声が上がる。
「ひぁっ!……ゃあ…で、出ちゃ……っ」
しかし言葉とは裏腹に古泉は自分で根元を押さえていた。
もしやと思う。
「イきたくないのか?」
古泉の涙に濡れそぼった瞳が俺を見た。目尻を赤く染め何か言いたげな表情で。
そうだ。毎回射精を許さなかったのは他ならぬ俺だ。
普通に出すより癖になると言うのも本当だったのかも知れない。
「自分でする時も押さえてたのか?」
だが、押さえるその手は弱々しくあまり力が入っているようにも思えない。
これでは軽い刺激で直ぐ達してしまうだろう。
「焦らされるのが好きなら……そうだな。少し待っていろ」
陰部から両手を離せば、物足りなさそうな微かな声が古泉の口から漏れた。

さて。以前はゴム紐を用いたが、そんな物は当然今は無い。
あまり変な物では傷が付くかも知れないし。痛みを与えたくは無い。
俺は鞄を漁り、ハンカチを取り出した。それに後の事を考えてのど飴も。
それらを手に古泉の側へと戻る。
くったりとベッドに身を投げ出しながら、泣き濡れた目で古泉が俺を見上げていた。
「待たせたな」
髪を撫で、口付ける。古泉は何処か嬉しそうに目を閉じた。
そう思えただけかも知れないが。
俺はハンカチを幅広に畳み、古泉の陰茎の根元に結び付けた。
それだけで次々と溢れてくる透明な体液に、布の色が濃く染まる。
「結わえられて喜ぶなんて本当に淫乱だな」
思わず声に出してしまったが、別に蔑んだつもりでは無い。
俺が教え込んだ事が、未だに古泉の中でしっかりと根を張り
息づいているのが嬉しいのだ。
そして言葉で指摘してやれば、淫らな自分を恥じる古泉は
更に燃え上がるのだから。
ハンカチ越しに茎を強く指で押さえつけて支え、
俺は再び指を中へと差し挿れた。
普通に抱けば良いのかも知れないが
そもそも最初にあの頃のようにと言ったのは古泉だ。
俺は自分の快楽よりも、保護欲と好奇心を優先し
古泉を弄り倒して反応を眺めて楽しんでいた。
これがもし自分本位の快楽を追い求め、最初から古泉を犯していたら
今日のような事にはならなかったのかも知れないとも思う。
まぁ、ifを考えても過ぎた事には意味が無いのだが。

三本の指を中で蠢かせ、時に開いて時に押し上げて。
きつく根元を押さえたまま亀頭を咥えてやれば、
古泉の口からはもう意味の無い声しか漏れなくなった。
思えば、口でしてやるのも初めてだ。


当時は思いつく限りの事をやり尽くした気で居たが、
実際にはそうでも無かったらしい。

当時と違い、全身自由なままの古泉は、
だらしなく口から喘ぎ声と涎を零しながら
その手で自分の乳首を摘んでいた。その様はとても淫らだ。
もっとしろとでも言いたいのか、下腹部にある俺の頭にも時折手を伸ばす。
しなやかな両足が俺の肩にかかって絡んでくる。
古泉の全身で強請る様な態度に俺は応じて。
溢れ出る先走りを舐めて亀頭をしゃぶり、尿道口を舌先で突付いて啜り上げ
頃合を見計らい中を強く指の腹でえぐった。
古泉は嬌声を上げてベッドの上で激しくのたうった。
精の開放は許さずきつく掴んだままだ。
その方が気持ち良いんだろう?

びくびくと痙攣を繰り返した後、古泉の体から力が抜ける。
快楽に惚けた眼差しが俺を見ていた。
俺はその視線に誘われるように体を起こし、古泉へと顔を寄せる。
そのまま口付けて、咥内に溜まっていた俺の唾液と古泉の先走りを
その唇に含ませてやった。
濡れた音を立てて舌を絡め合い、やがて口を離せば
古泉は様々な体液でどろどろの顔に、恍惚の表情を浮かべたまま
もっとして下さい、と。そう呟いた。



あの頃は室内での行為に限っていた。
監禁していたのだから当たり前だ。
だが今は違う。古泉は俺のペットでは無い。
戻ってきたと言っても、それは一夜限りだ。
夜が明ければ再び俺の手を離れていく。
「……外へ行かないか?」
貪欲に続きを強請る古泉に、そう提案してみた。
俺の意図が解らないのだろう、不思議そうに見上げてくる。
「いつも室内ばかりだったからな」
古泉はもう俺の物では無いのだ。
餌を請われれば与えてやっても良いが、それは一時の物でしかない。
それなら出来る範囲で最上級の餌を与えたい。
「この状態で出歩くのも、きっとお前には良い刺激だろう?」
古泉の体が震える。
小さく笑って顔を見下ろせば、戸惑いの中に僅かな期待の色が見えた。
本当に何処までも淫らで欲望に正直だと思う。
ベッドの脇に置いたままののど飴の袋が目についた。
予定には無かったが、ついでにあれも使おうか。
「ビー球遊びも好きだったな?」
俺の言葉に、古泉の目が驚いたように大きく開かれた。
当時を思い返しているのだろうか。縛られた陰茎の先が震えて濡れ光る。
「嫌ならそう言え。返事をしないと肯定と取るからな」
一応尋ねてやるが、否定の言葉が無いのはもう解っていた。

ビー球と違って飴玉なら、仮に体内に残ってもそのうち溶け出すだろう。
俺はそう思い、のど飴を一粒ずつ中へ押し込んでいく。
やがて全てを飲み込み、荒い息をつく古泉の根元を結わえ直して。
万が一誰かに遭遇した事を考えて、一見普通に見えるようにと
衣服を整えさせ、顔を拭ってやる。
「下着は要らないな?」
静まりかえった廊下で、漏らしたり飴を落とす危険性を思えば
さぞかし古泉は楽しめる事だろう。
用意を終えて、俺はベッドから離れた。
古泉は上気した顔を隠す事も無く、ベッドの上に座り込んで俺を見ていた。
「さぁ、行こうか」
古泉の前へ手を差し伸べる。
強制はしない。決定権は委ねてある。それを選ぶのは古泉だ。

暫しの間を置いて、震える手が重なった。



隔離されたこの島で、今夜二人何処まで行こうか。
館内に限る必要も無いだろう。
都会から遠く離れた夜空は、さぞや綺麗に違いない。
お前の好きな星空の下で出来る限りの快楽を与えてやろう。
朝日が昇れば全ては元に戻るのだ。
俺はまた人の良い笑みを浮かべて、お前の考えたシナリオ通りに動く。
お互いペルソナを被って演じてやろうじゃないか。
だから今は、安心して好きなだけ乱れれば良い。