民法_過去問


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総則

1 一般社団法人の設立に関しては、平成18年の改正前の民法における公益法人と同様に、主務官庁の許可を条件とする許可主義が採用されている。

× 平成18年の改正前の民法では、公益法人の設立には許可主義が採用されていたが(旧34条)、一般社団法人および一般財団法人に関する法律では、法定の条件を備えれば法人となれる準則主義が採用され、一般社団法人は、主たる事務所の所在地において登記をすることによって成立することになった(22条)。

2 本人が無権代理人の行った無権代理行為の追認を拒絶した後で死亡し、無権代理人が本人を単独相続した場合には、当該無権代理行為は有効となる。

× 判例は、本人の追認拒絶後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効にはならないとする(最判平10・7・17)。

3 後順位抵当権者は、先順位抵当権者の被担保債権の消滅時効を援用することが出来る。

× 判例は、後順位抵当権者は、先順位抵当権者の被担保債権の消滅時効を援用することが出来ないとする(最判平11・10・21)。

4 契約上の債務の履行不能に基づく損害賠償請求権の消滅時効については、当該債務の履行を請求しうるときから起算される。

○ (最判平10・4・24)。履行不能による損害賠償請求権が発生したときから起算されるのではない。


物権・担保物件
5 甲土地がBからCへ譲渡され、その譲渡時に甲土地がAによって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、Cはそのことを認識していた場合でも、AはCに対して登記なくして地役権を対抗することが出来ない。

× 判例は、通行地役権の存在が客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識することが可能であれば、譲受人は、特段の事情がない限り、地役権設定登記の不存在を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらないとするから(最判平10・2・13)、Aは登記なくして譲受人Cに地役権を対抗できる。

6 被相続人による「相続させる」趣旨の遺言によって不動産の権利を取得した相続人は、その権利を登記なくしてその不動産を差し押さえた第三者に対抗することが出来ない。

× 判例は、「相続させる」趣旨の遺言によって不動産の権利を取得したものは、その権利を登記なくして第三者に対抗できるとする(最判平14・6・10)。

7 Aの所有する甲土地を占有するBが時効取得した後で、背信的悪意者であるCがAとの売買契約によって甲土地を譲り受けた場合、BはCに対して登記がなければ甲土地の所有権を対抗することが出来ない。

× 判例は、時効完成後に登記を経由した第三者が背信的悪意者である場合には、登記がなくても対抗できるとする(最判平18・1・17)。

8 盗品の被害者が盗品の占有者に対してそのものの回復を求めたのに対し、善意の占有者が民法194条に基づき、支払った代価の弁償があるまで盗品等の引き渡しを拒むことが出来る場合には、占有者は、その弁償の提供があるまで当該当品の使用収益を行う権限を行う権限を有する。

○ (最判平12・6・27)

9 不動産の共有者の1人は、その持分権に基づいて、全く実体上の権利を有しないのに共有不動産の登記簿上の所有名義者となっているものに対して、単独で、その持分移転登記の抹消登記手続きを請求することが出来ない。

× 判例は、不動産の共有者の1人は、その持分権に基づいて、全く実体上の権利有しないのに共有不動産の登記簿上の所有名義者となっているものに対して、単独で、その持分移転登記の抹消登記手続きを請求できるとする(最判平15・7・11)。

10 動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することは出来ない。

○ (最判平17・2・22)。なお判例は、登記によって公示されている抵当権については、目的債権が譲渡された後でも物上代位権の行使が可能であるとする(最判平10・1・30)。

11 債権が質権の目的とされた場合において、質権設定者は、質権者に対し、当該債権の担保価値を維持すべき義務を負い、質権設定者が、当該債権の担保価値を害するような行為を行うことは、同義務に違反するものとして許されない。

○ (最判平18・12・21)。

12 抵当権設定後に抵当不動産の所有者から占有権限の設定を受けてこれを占有するものについて、その占有権限の設定に抵当権の実行としての競売手続きを妨害する目的が認められ、その占有によって抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態がある場合であっても、抵当権者は、当該占有者に対し、抵当権に基づく妨害排除請求として、その状態の排除を求めることは出来ない。

× 判例は、抵当権者は、当該占有者に対し、抵当権に基づく妨害排除請求として、その状態の排除を求めることが出来るとする(最判平17・3・10)

13 抵当権が設定された不動産が賃貸され、さらに転貸された場合には、抵当権者は、賃借人(転貸人)が転借人に対して有する転貸賃料債権に対して、原則として物上代位権を行使することが出来る。

× 判例は、抵当権者は、転貸賃料債権に対しては、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除いて、原則として物上代位権を行使できないとする(裁決平12・4・14)。

14 土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後、甲抵当権が設定契約の解除により消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において、当該土地と建物が、甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは、法定地上権が成立する。

○ (最判平19・7・6)。

15 不動産を目的とする譲渡担保において、被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ、その旨の登記がされたときでも、設定者は、差押え登記後に債務全額を弁済すれば、第三者意義の訴えにより強制執行の不許を求めることが出来る。

× 判例は、被担保債権の弁済期後に譲渡担保保険者の債権者が目的不動産を差押え、その旨の登記がされたときは、設定者は、差押え登記後に債務の全額を弁済しても、第三者意義の訴えにより強制執行の不許を求めることは出来ないとする(最判平18・10・20)。


債権総論
16 遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が権利放棄の確定意志を外部に表明するなどの特段の事情がある場合を除いて、債権者代位権の目的とすることが出来る。

× 判例は、遺留分減殺請求は、遺留分権利者が権利行使の確定的意志を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除いて、債権者代位権の目的とすることは出来ないとする(最判平13・11・22)。

17 建物賃貸借における賃料債権について、当該建物の抵当権者が物上代位権を行使して差し押さえた後でも、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権と賃料債権との相殺を抵当権者に対抗することが出来る。

× 判例は、差押え後は、抵当権の効力が物上代位によりその目的となった賃料債権に及ぶことは抵当権設定登記により公示されていると見ることが出来るから、抵当権設定登記の後に生じた賃借人の相殺への期待を抵当権の効力に優先させる理由はないとして、賃借人は賃料債権との相殺を抵当権者に対抗できない。

18 不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し、そのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権にかかる残債務全額につき代位弁済した場合は、当該抵当権は債権者と保証人の準共有となり、当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときには、債権者と保証人は特段の合意がない限り、上記売却代金につき、債権者が有する残債権額と保証人が代位によって取得した債権額に応じて案分して弁済を受ける。

○ (最判平13・3・13)。


債権各論
19 敷金が授受された建物賃貸借における賃料債権を当該建物についての登記を有する抵当権者が物上代位権を行使して差し押さえた場合、賃貸借契約が終了して当該建物が明け渡されたときでも、賃借人による未払いの賃料債務と敷金返還請求権との相殺は民法511条によって妨げられるため、賃借人は未払いの賃料全額の支払いを免れることは出来ない。

× 判例は、敷金が授受された建物賃貸借における賃料債権について、当該建物の抵当権者が物上代位権を行使して差し押さえた後でも、賃貸借契約が終了して建物が明け渡された場合には、目的物の返還時に残存する賃料債権はその限度で敷金の充当により当然に消滅するとする(最判平14・3・28)。

20 賃貸借契約が終了した場合、賃借人に本件賃貸借から生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるためには、賃借人が補修費用を負担することになる通常尊皇の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されている場合か、賃貸人による口頭の説明に賃借人その旨を明確に認識した上で合意の内容としたことが必要である。

○ (最判平17・12・16)。

21 消費貸借契約の借主Aが貸主Bに対して貸付金を第三者Cに給付するよう求め、Bがこれに従ってCに対して給付を行った後Aがこの契約を取り消した場合、Bからの不当利得返還請求に関しては、Aは、特段の事情のない限り、BのCに対する給付により、その価値に相当する利益を受けたものと見るのが相当である。

○ 

22 良好な景観は適切な行政政策によって保護されるべきであるから、良好な景観に近接する地域内に居住し、その恵沢を日常的に教授しているものが有する良好な景観の恵沢を教授する利益(景観利益)は、法律上保護に値する利益とはいえないため、景観利益が侵害されたとしても不法行為を構成し得ない。

○ (最判平10・5・26)。
× 判例は、良好な景観に近接する地域内に居住しその恵沢を日常的に教授しているものは、良好な景観が有する客観的な価値の侵害に対して密接な利害関係を有するものというべきであり、これらのものが有する良好な景観の恵沢を教授する利益(景観利益)は、法律上保護に値するものと解するのが相当であるとするから(最判平18・3・30)、景観利益の侵害は不法行為(709条)を構成しうる。

23 建物の建築に携わる設計・施工者等は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者等に対する関係でも、当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、設計・施工者等がこの義務を怠ったために建築された建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体または財産が侵害された場合には、特段の事情がない限り、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。

○ (最判平19・7・6)。

24 一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる性質の損害のように加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合でも、不法行為の時が発生したときが除斥期間の起算点となる。

× 判例は、724条後段所定の除斥期間の起算点は「不法行為の時」と規定されているが、一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる性質の損害のように加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部または一部が発生したときが除斥期間の起算点となるとする(最判平18・6・16)。


家族法
25 AB間の内縁関係がAの死亡により解消した場合、BはAの遺族に対して離婚に伴う財産分与の規定を類推適用して、財産の分与を請求することが出来る。

× 判例は、離別による内縁関係の解消の場合とは異なり、死別による内縁関係の解消の場合には、768条の財産分与の規定を類推適用することは出来ないとする(裁決平12・3・10)。

26 民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻がこの子を懐胎すべき時期に既に夫婦の実態が失われ、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存する場合には、嫡出否認の訴えを提起できる期間が経過した後であっても、夫は、この子との間の父子関係の存否を争うことが出来る。

○ 判例は、本文のような事情が存在する場合には、この子は実質的に772条の推定を受けない嫡出子(推定の及ばない子)に当たるということが出来る(最判平12・3・14)事を理由とする。

27 男性Aが死亡した後で、凍結保存していたAの精子を用いて人工生殖によって懐胎・出生した子(死後懐胎子)とAとの間には、法律上の親子関係の形成を認めることが出来る。

× 判例は、本文の両者の間には、法律上の親子関係の形成は認められないとする(最判平18・9・4)。

28 現行民法の解釈として、母とは、出生した子を懐胎・出産した女性だけでなく、懐胎・出産していなくても卵子を提供した女性も含まれるから、出生したこと懐胎・出産せずに卵子を提供したのみの女性との間にも、母子関係の成立を認めることが出来る。

× 判例は、現行民法の解釈としては、出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるをえず、その子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることが出来ないとする(最判平19・3・23)。

29 遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権である賃料債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得され、この賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない。

○ (最判平17・9・8)。

30 遺言(原遺言)を遺言の方式に従って撤回した遺言者が、その撤回遺言を遺言の方式に従ってさらに撤回した場合は、遺言書の記載に照らし、遺言者の意思が原遺言の復活を希望しないものであることが明らかな時を除き、遺言者の意思を尊重して原遺言の復活が認められる。

× 判例は、撤回遺言をさらに撤回した場合において、遺言書の記載に照らし、遺言者の意思が原遺言の復活を希望するものであることが明らかなときは、1025条ただし書きの法意にかんがみ、遺言者の真意を尊重して原遺言の効力の復活を認めるのが相当であるとする(最判平9・11・13)。すなわち、判例は原則として原遺言の復活を認めているわけではない。
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