戦史叢書

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『'''戦史叢書'''』(せんしそうしょ)とは防衛研修所戦史室 (現在の[[防衛省]][[防衛研究所]]戦史部の前身)によって[[1966年]]([[昭和41年]])から[[1980年]]([[昭和55年]])にかけて編纂され、'''[[朝雲新聞|朝雲新聞社]]'''(あさぐもしんぶんしゃ)より刊行された公刊戦史である。 == 概要 == 陸軍68巻、海軍33巻、共通年表1巻、全102巻から構成され、別に図・表類が付属する。一時期、『大東亜戦争叢書』『太平洋戦史叢書』とも呼ばれたが、その後単に『'''戦史叢書'''』と表記され、一般では『'''公刊戦史'''』と呼ばれる。 記述の元となったのは、戦中に占領軍の接収から秘匿されて残された[[大本営]]内部の文書(大本営陸軍部戦争指導班『機密戦争日誌』など)と、引き揚げてきた部隊の関係者が執筆を求められて執筆した準公式の報告書、及び、自発的に執筆された私的な回想録が主である。 刊行された年代が古いため、現在から見ると若干の誤りも指摘されているが(特に対ソ関係や[[ノモンハン事件]]に関する箇所)[[満州事変]]・[[日中戦争]]から[[太平洋戦争]]について研究する者にとっては最重要の基礎史料の一つとされる。ただ、現代から見ると、師団以下のレベルの細かな要所要所の作戦経過が記述の中心を占め、戦略全般に渡る大本営レベルで展開されたであろう作戦指導の根本的なあり方や、それをめぐる議論とその経過分析については不足の観を免れない。 国会図書館を始めとして防衛研究所史料閲覧室や大学図書館、都道府県や[[政令指定都市]]レベルの中核となる図書館、および[[靖国神社]]靖国偕行文庫室等に全102巻が保管され閲覧可能のほか、一般に流れたものが[[古書店]]で売られている。 なお、2003年8月に防衛研究所戦史部はこれまで知られていなかった史料・資料(主に[[ソビエト連邦|ソ連]]の崩壊に伴う旧東側のもの)が利用可能になったため、これらに基づいて戦史叢書の全面的な増補改訂を行なう計画があることを発表している。 == 巻目 == {| class="wikitable" ||巻番号||書名||発行年月||巻番号||書名||発行年月 |- ||1||マレー進攻作戦||昭和41年10月||52||陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで||昭和46年12月 |- ||2||比島攻略作戦||昭和41年10月||53||満洲方面陸軍航空作戦||昭和47年2月 |- ||3||蘭印攻略作戦||昭和42年1月||54||南西方面海軍作戦 第二段作戦以降||昭和47年3月 |- ||4||一号作戦(1)河南の会戦||昭和42年3月||55||昭和十七・八年の支那派遣軍||昭和47年5月 |- ||5||ビルマ攻略作戦||昭和42年5月||56||海軍捷号作戦(2)フィリピン沖海戦||昭和47年6月 |- ||6||中部太平洋陸軍作戦(1)マリアナ玉砕まで||昭和42年7月||57||本土決戦準備(2)九州の防衛||昭和47年7月 |- ||7||東部ニューギニア方面陸軍航空作戦||昭和42年8月||58||南太平洋陸軍作戦(4)フィンシュハーヘン・ツルブ・タロキナ||昭和47年8月 |- ||8||大本営陸軍部(1)昭和十五年五月まで||昭和42年9月||59||大本営陸軍部(4)昭和十七年八月まで||昭和47年10月 |- ||9||陸軍軍需動員(1)計画編||昭和42年10月||60||捷号陸軍作戦(2)ルソン決戦||昭和47年11月 |- ||10||ハワイ作戦||昭和42年12月||61||ビルマ・蘭印方面第三航空軍の作戦||昭和47年12月 |- ||11||沖縄方面陸軍作戦||昭和43年1月||62||中部太平洋方面海軍作戦(2)昭和十七年六月以降||昭和48年2月 |- ||12||マリアナ沖海戦||昭和43年2月||63||大本営陸軍部(5)昭和十七年十二月まで||昭和48年3月 |- ||13||中部太平洋陸軍作戦(2)ペリリュー・アンガウル・硫黄島||昭和43年2月||64||昭和二十年の支那派遣軍(2)終戦まで||昭和48年3月 |- ||14||南太平洋陸軍作戦(1)ポートモレスビー・ガ島初期作戦||昭和43年3月||65||大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(1)||昭和48年5月 |- ||15||インパール作戦 ビルマの防衛||昭和43年4月||66||大本営陸軍部(6)昭和十八年六月まで||昭和48年6月 |- ||16||一号作戦(2)湖南の会戦||昭和43年5月||67||大本営陸軍部(7)昭和十八年十二月まで||昭和48年8月 |- ||17||沖縄方面海軍作戦||昭和43年7月||68||大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(2)||昭和48年9月 |- ||18||北支の治安戦(1)||昭和43年8月||69||大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(3)||昭和48年10月 |- ||19||本土防空作戦||昭和43年10月||70||大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(4)||昭和49年5月 |- ||20||大本営陸軍部(2)昭和十六年十二月まで||昭和43年11月||71||大本営海軍部・聯合艦隊(5)第三段作戦中期||昭和49年3月 |- ||21||北東方面陸軍作戦(1)アッツの玉砕||昭和43年12月||72||中国方面海軍作戦(1)昭和十三年四月まで||昭和49年3月 |- ||22||西部ニューギニア方面陸軍航空作戦||昭和44年1月||73||関東軍(2)関特演・終戦時の対ソ戦||昭和49年6月 |- ||23||豪北方面陸軍作戦||昭和44年2月||74||中国方面陸軍航空作戦||昭和49年7月 |- ||24||比島・マレー方面海軍進攻作戦||昭和44年3月||75||大本営陸軍部(8)昭和十九年七月まで||昭和49年8月 |- ||25||イラワジ会戦 ビルマ防衛の破綻||昭和44年4月||76||大本営陸軍部 大東亜戦争開戦経緯(5)||昭和49年8月 |- ||26||蘭印・ベンガル湾方面海軍進攻作戦||昭和44年5月||77||大本営海軍部・聯合艦隊(3)昭和十八年二月まで||昭和49年9月 |- ||27||関東軍(1)対ソ戦備・ノモンハン事件||昭和44年7月||78||陸軍航空の軍備と運用(2)昭和十七年前記まで||昭和49年11月 |- ||28||南太平洋陸軍作戦(2)ガダルカナル・ブナ作戦||昭和44年7月||79||中国方面海軍作戦(2)昭和十三年四月以降||昭和50年1月 |- ||29||北東方面海軍作戦||昭和44年8月||80||大本営海軍部・聯合艦隊(2)昭和十七年六月まで||昭和50年2月 |- ||30||一号作戦(3)広西の会戦||昭和44年10月||81||大本営陸軍部(9)昭和二十年一月まで||昭和50年2月 |- ||31||海軍軍戦備(1)昭和十六年十一月まで||昭和44年11月||82||大本営陸軍部(10)昭和二十年八月まで||昭和50年3月 |- ||32||シッタン・明号作戦 ビルマ戦線の崩壊と泰・仏印の防衛||昭和44年12月||83||南東方面海軍作戦(2)ガ島撤収まで||昭和50年8月 |- ||33||陸軍軍需動員(2)実施編||昭和45年1月||84||南太平洋陸軍作戦(5)アイタベ・ブリアカ・ラバウル||昭和50年8月 |- ||34||南方進攻陸軍航空作戦||昭和45年3月||85||本土方面海軍作戦||昭和50年6月 |- ||35||大本営陸軍部(3)昭和十七年四月まで||昭和45年6月||86||支那事変陸軍作戦(1)昭和十三年一月まで||昭和50年7月 |- ||36||沖縄・台湾・硫黄島方面陸軍航空作戦||昭和45年7月||87||陸軍航空兵器の開発・生産・補給||昭和50年8月 |- ||37||海軍捷号作戦(1)台湾沖航空戦まで||昭和45年8月||88||海軍軍戦備(2)開戦以後||昭和50年10月 |- ||38||中部太平洋方面海軍作戦(1)昭和十七年五月まで||昭和45年10月||89||支那事変陸軍作戦(2)昭和十四年九月まで||昭和51年2月 |- ||39||大本営海軍部・聯合艦隊(4)第三段作戦前期||昭和45年11月||90||支那事変陸軍作戦(3)昭和十六年十二月まで||昭和50年11月 |- ||40||南太平洋陸軍作戦(3)ムンダ・サラモア||昭和45年12月||91||大本営海軍部・聯合艦隊(1)開戦まで||昭和50年12月 |- ||41||捷号陸軍作戦(1)レイテ決戦||昭和45年12月||92||南西方面陸軍作戦 マレー・蘭印の防衛||昭和51年1月 |- ||42||昭和二十年の支那派遣軍(1)三月まで||昭和46年2月||93||大本営海軍部・聯合艦隊(7)戦争最終期||昭和51年3月 |- ||43||ミッドウェー海戦||昭和46年3月||94||陸軍航空の軍備と運用(3)終戦まで||昭和51年5月 |- ||44||北東方面陸軍作戦(2)千島・樺太・北海道の防衛||昭和46年3月||95||海軍航空概史||昭和51年6月 |- ||45||大本営海軍部・聯合艦隊(6)第三段作戦後期||昭和46年4月||96||南東方面海軍作戦(3)ガ島撤収後||昭和51年8月 |- ||46||海上護衛戦||昭和46年5月||97||陸軍航空作戦基盤の建設運用||昭和54年4月 |- ||47||香港・長沙作戦||昭和46年7月||98||潜水艦史||昭和54年6月 |- ||48||比島捷号陸軍航空作戦||昭和46年8月||99||陸軍軍戦備||昭和54年7月 |- ||49||南東方面海軍作戦(1)ガ島奪回作戦開始まで||昭和46年9月||100||大本営海軍部 大東亜戦争開戦経緯(1)||昭和54年8月 |- ||50||北支の治安戦(2)||昭和46年10月||101||大本営海軍部 大東亜戦争開戦経緯(2)||昭和54年9月 |- ||51||本土決戦準備(1)関東の防衛||昭和46年11月||102||陸海軍年表 付・兵器・兵語の解説||昭和55年1月 |} == 参考文献 == * 宗像和広『戦記が語る日本陸軍 <small>日本陸軍ブックコレクション</small>』(銀河出版、1996年) ISBN 4-906436-73-0 * [[杉之尾孝生]]「二つの公刊戦史『大東亜戦争開戦経緯』」 : [[軍事史学会]] 編『第二次世界大戦(一) <small>-発生と拡大-</small>』(錦正社、1990年) ISBN 4-7646-0301-2 p395 - p407 == 関連項目 == * [[陸軍成規類聚]] * [[海軍諸例則]] * [[大東亜戦争全史]] : 1953年初版、戦時中大本営陸軍部作戦課長を務め、戦後は[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]戦史課に勤務した[[服部卓四郎]]が編著。戦史叢書の刊行以前、実質な公式戦史として米仏伊などの軍付属研究機関で翻訳もなされた。 == 外部リンク == * [http://www.nids.go.jp/ 防衛省防衛研究所] [http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%88%A6%E5%8F%B2%E5%8F%A2%E6%9B%B8 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年10月12日 (日) 05:38。]     

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