蹇々録

蹇々録』(けんけんろく)は、明治時代の外交官陸奥宗光が執筆した外交記録。『蹇蹇録』と書く場合もある。

陸奥の晩年の1892年以降に執筆されたが、外務省の機密文書を引用しているため長く非公開とされ、1929年に初めて公刊された。明治外交史上の第一級史料である。

内容

甲午農民戦争(東学党の乱)から三国干渉までの陸奥宗光自身の外交の経験・苦労・感想が書かれている。たとえば、日清戦争開戦の動機については、内村鑑三は当初、中国の不当な朝鮮支配を打破するための義戦であると唱え、日本の世論もだいたいにおいてこれに一致していたが、『蹇々録』にははっきりと日本の国益のための戦争であって義侠の精神はまったくないと書かれている。

日朝関係については三期に分けて記述されているが、日清戦争までの第一期、井上馨による韓国の改革のいきさつを記す第二期と異なり、第三期の記述は自ら省略すると書かれている。これは失敗の歴史であった当時の韓国統治の顛末を書くに忍びなかったためと言われている。

参考文献

  • 中塚明 『蹇蹇録の世界』 みすず書房、1992年3月。
  • 中塚明校訂 『蹇蹇録』 岩波書店〈岩波文庫〉、ワイド版同。




出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年10月3日 (金) 11:44。












     

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最終更新:2009年01月09日 22:31
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