ブチ切れ寸前の進次郎氏 慰安婦問題 記者のしつこい質問
産経新聞 5月19日(日)9時52分配信
ポスター撮影に臨む小泉進次郎自民党青年局長(中央)=17日、東京・永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
今週は口が重かった-。
自民党の小泉進次郎青年局長は、14日の衆院本会議後、記者団の取材に応じた。
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日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の慰安婦をめぐる発言が国内外で大きなニュースになったが、小泉氏はノーコメントを貫いた。「言うべきことははっきり言うべきだ」が持論の小泉氏も、歴史認識にかかわる話をメディアの前で話すと「大やけど」をすると判断したようだ。しつこく聞くテレビ記者の質問に「歴史というのは政治家だけが議論をするべきことじゃなくて…」とブチ切れ寸前だった。
平成25年度予算が15日に成立し、永田町はいよいよ参院選モードに突入した。小泉氏も18日から秋田県を皮切りに全国遊説を開始する。自民党遊説局によると、安倍晋三首相と石破茂幹事長、それに小泉氏の3人を「参院選遊説3本の矢」という。
17日は党本部8階ホールで、青年局幹部らと参院選のポスター撮影を行った。殺風景なステージ上で、上を見上げたり右手でガッツポーズを見せたりとカメラマンの要求に笑顔で応じていたが、どのようなポスターに仕上がるか。定例の昼食会はなく、午後の本会議も途中で退出したため、この日はぶら下がり取材が実現しなかった。(山本雄史)
■14日午後 衆院本会議終了(国会内)
--日本維新の会の橋下徹共同代表の慰安婦をめぐる発言が波紋を呼んでいるが受け止めを
「特にありません」
--橋下氏は自説を曲げていないが
「ご本人に聞いてみてください」
--「風俗活用」発言は沖縄県でも反発の声が出ている
「ご本人に聞いてみてください」
--慰安婦の問題について小泉氏はどう考えているか
「まあ、この議論というのは、どう議論をしてもね。その結末をね、どうするのか考えたときに、一体誰が得をする議論になるのかね。これは非常に難しいところ、ありますしね。この前(大型連休中)、イギリスの会議に行ったときも、やはりこの歴史の問題というのは、おそらく日本で報じている以上に、(諸外国では)関心を持ってみてますよね」
「そういった中で、この歴史というのは政治家だけがね、議論をするべきことじゃなくて、有識者だったり歴史の専門家だったり。そういったところで、しっかりと研究をして、いろんな方と議論して判断していただく問題もありますから。これはもう、そちらの手に委ねた方がいいんじゃないですか」
--海外では、最近日本がナショナリズムに傾いているのではないかという指摘もある
「日本の右傾化とか、例えば、戦後の秩序に対する挑戦とか。そういったことというのは、中国のプロパガンダ的なこともありますから。それに対しては、的確に、そして明確に反論する広報戦。これをやっていかないといけませんから。これは(相手の主張に)乗る必要まったくないですよ」
「明らかに、そういった世界での広報戦をやってますから。これ日本負けちゃいけない。ちゃんと言うことは言って。明らかに違う、と。それは言っていく必要あると思う。ただ、それと今、安倍政権がアベノミクスの第3本の矢をちゃんと射ろうと。そういうときに、やっぱり(アベノミクスに)集中してね。やるところは集中した方がいいと。そんなふうに思いますね」
--橋下氏は自民党の憲法草案に批判的だが
「憲法観というのはそれぞれ違うと思いますから。批判はあって当然じゃないですか」
--憲法96条改正の部分で自民党と同調するような姿勢を見せていた日本維新の会だが、参院選を見据えて変化してきたようにも見える
「まあ、いろいろ(橋下さんは)考えた上でメッセージを発信する方と思いますから。その意図は本人に聞いてみてください」
--96条の先行改正については自民党内にも慎重意見がある
「僕もこの前も言ったが、もちろん、憲法改正は必要なことだと思ってます、僕自身も。だけども、発信の仕方というのは、それはすごくよく考えてやらないと。目の前の問題よりも、なんか生活から遠いところ、自分たちの関心事とは違うところで政治が行われているんじゃないかというね。そういった思いを抱かれてしまったら、結果として、国益につながることをやろうとしていても、なかなかその方向で理解を得られないという、そういった方向になりかねませんから」
「私は今、毎月東北の被災地に行っている中で、被災地を歩いているとき
に憲法の問題の話が出たことは1度もありませんし、とにかく目の前の生活の再建、新たな街づくり。そういったところで、それに集中してやっている被災地の方々からすると、最近ぜんぜん被災地の話でないなあと。復興の話どこ行ったんだろうな、というふうに・・・そんなことないんですけどね、安倍総理も。毎月ちゃんと行ってますから。そういうふうな間違った取られ方をすると、非常に損だなあと。そんなふうに思ってます」
--憲法改正を参院選の争点の中心にするべきだという首相のトーンに少し変化が出てきた
「今の日本の状況というのは、私自身は有事平時の間にいると思ってますから。被災地だって今も有事だし、安全保障の環境だって北朝鮮、中国、決して平時とはいえないし。その中で憲法のことをどうしても考えざるを得ない、今の日本の環境ってあると思うんです」
「だけど、それならば、なぜそうなのかを、しっかりと議論して説明しないと。そう簡単に、理解を得られる問題ではないのかなと。簡単に理解を得られたら、いままで一度も改正できなかったなんてわけないですから。頭でみんな、どっかで改正の必要性がわかっていたとしても、その一歩に踏み込めなかった戦後なんですから。それだけできなかったことをやろうとしているのであれば、できなかったことをできる説明を、環境をつくること。それがすごく大切なのかなあと。ただ、憲法改正は必要だという認識、これは完全に一致しますね」
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最終更新:5月20日(月)14時41分
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