第1章 自責の念
授業が終わった夕方。
ハリーは寮へ戻らず、1人で庭に出た。
そして、その場に腰を下ろした。
(…シリウス……)
ハリーはまだ、シリウスが死んだという現実を受け入れることができなかった。
頭ではわかっていても、気持ちの整理ができていなかった。
「シリウス… 僕はまだ信じられないよ。あなたがいなくなってしまったなんて…。 だけど、僕がヴォルデモートの罠にはまりさえしなければ、あなたはあんなことにはならなかった。 ごめんなさい。 シリウス」
次の瞬間、頬から一筋の涙がこぼれ落ちた。
ハリーはひざに顔をうめて泣き出した。
数分後。
ハリーの肩に、そっと手が置かれたような感覚がした。
泣いていたハリーは、涙を拭いて 振り向いた。
そばには誰一人いなかった。
(気のせいかな…?)
ハリーは立ち上がり、ホグワーツへと戻っていった。