2007年度通信方式

第1回 信号解析1

全体的に資料が少ないので、あまり自信ないですが…

・周波数スペクトル

 周波数スペクトルは各周波数の振幅と位相の複合したものとして表されるが、多くの応用においては位相情報は重要ではないので、位相情報を捨てると周波数領域を表現する情報は簡略化でき、これが一般に周波数スペクトルと呼ばれるものとなる。周波数スペクトルは、周波数、色、音声や電磁波の信号などと関係の深く、周波数を横軸として、それぞれの光の成分の強さをグラフに示したものが光の周波数スペクトル、信号においては受信機のアンテナが受信した全周波数について、周波数毎の強さをグラフに表せば、それが信号の周波数スペクトルとなる。

・信号の時間領域表現と周波数領域表現

・信号の時間領域表現

時間領域とは、数学的関数や物理的信号の時間についての解析を意味している。時間領域には信号あるいは関数値が連続的な実数で表される連続時間と、ある間隔で値が示される離散時間がある。信号の時間領域表現とは、信号が時間と共にどう変化しているかを表す関数であり、そのグラフは横軸が時間、縦軸が時間による変化量を表す。

・信号の周波数領域表現

周波数領域とは、関数や信号を周波数に関して解析することを意味している。周波数領域のグラフにはその信号にどれだけの周波数成分が含まれているかを示す。また、各周波数成分の位相情報も含まれており、それによって各周波数の正弦波を合成することで元の信号が得られる。よって、信号の周波数領域表現とは、上記のように信号にどれだけの周波数成分が含まれているのかを表す関数である。また、グラフ化する際は、縦軸に振幅または位相、横軸に周波数をとる。

・信号の直交

直交信号は解析信号とも呼ばれ、解析信号を扱うことは、「事象を解析する」ために有効な手段であるので、現代における情報通信の多くは、信号の直交性を利用している。2つの信号f1,f2が直交している場合、ある区間[t1,t2]での信号の類似性はt1からt2間のf1とf2を掛けたもの0になる(すなわちf1,f2の内積が0になる)ので0になる。
または、信号が三角関数で表せることから、三角関数の任意の時間の係数m,nがm = nの場合にのみ三角関数の積分値は、sinどうし、またはcosどうしを掛けた物が非0となり、その他の場合には必ず0になる。これら2つのことを用いて信号のフーリエ級数のフーリエ係数(a0an,bn)が求められる。

・信号のフーリエ級数表現

周期信号x(t)は、直流成分(a0)およびcos(an)とsin(bn)のような三角関数の合成として表現できる。それらにより表現された関数のことをフーリエ級数と呼ぶ。ここで、anはcos波成分との類似度、bnはsin波成分との類似度を表している。また、複素形のフーリエ級数を求める場合には三角関数と指数関数の関係式を用いてフーリエ級数を指数関数の形式に書き換えて求める。

第2回 信号解析2

・フーリエ変換

ある周期関数を三角関数や指数関数の級数を
用いて表すことをフーリエ級数展開という.
フーリエ変換とは,非周期関数に対してフーリエ
級数に相当するものを求めることをいう.
関数をその周波数成分の連続スペクトルに分解すること
に用いられる.

 

第3回 標本化定理

・有限帯域伝送

標本化定理を用いて原信号を再元できるように
,伝送する信号の周波数の上限を定めること.
例えば電話は4KHzで帯域制限しているので,
4KHzを超える周波数を持つ鈴の音は,電話では伝えることができない.
もし帯域制限をしなければ,エイリアシングが発生する.

・標本化定理

信号の中に含まれている有効な信号成分の中
で,最も高い周波数がfの時,ナイキスト周波数
2f以上の頻度での観測により,元の信号を一意
に再現できるというもの.もし,サンプリング
周波数が2f以下であった場合,エイリアシング
が発生し,原信号にはない波形が復元信号に
現れる.

・畳み込みの定理

実空間の畳み込みのフーリエ変換は,元の関数のそれぞれのフーリエ変換の単純な積
F(f*g) = F(f)・F(g)
になること.但しF(f)は関数fのフーリエ変換である。
従って,結果を逆フーリエ変換することで,畳み込みの演算結果を得ることができる.

・おまけ

 以前,標本化定理に関して,高橋先生が出した問いについて解答する.
内容は,
「sin波のような関数を標本化する際,
ちょうど振幅が0となる点をT/2ずつサンプリングしたら
元の波形を再現できないが,どうするのか」
というものだった.
解答は,
「そうなったらどうしようもなく,標本化し直すしかないが,
現実的にそうなることはほぼない.」
である.

そもそも標本化定理の定義が異なっていて,
「2f以上の周波数で標本化」ではなく,
「2fより大きな周波数で標本化」(ウィキペディアより)
と定義してあるものもみられる.この定義ならT/2より
小さい標本化を行うので,必ず0以外のサンプリングが存在する.

定義がどうであれ,現実的にまず,sin波のような関数を
標本化することはあまりない.また,仮に標本化するとしても,
振幅がちょうど0となる点をサンプリングすることは
ほとんどないといっていい.万が一0点のみをサンプリング
したとしても,もう一度サンプリングし直せば良い.

なので,「2f以上」か「2fより大きい」かという定義の違いは,
問題にならないのである.

従って,上記の解答に至る.

・おまけ2

「ラジオ放送にPMが用いられない理由」の自分の解答

「PMとFMは本質的には同じである上、PMは位相同期が必要で、
、その分FMよりも受信機にかかるコストが高くなるから。」(56字)

・おまけ3

「共通線信号方式の概要と個別線信号方式に対する利点」の自分の解答

「共通線信号方式とは、通話網と制御網とを分離したものである。
個別線信号方式に対して、輻輳が回避できる、通話中にも信号の伝送ができる、
構成を簡単化できる、フリーダイヤル等の様々なサービスを提供できる、
等の利点がある。」(104字)

・おまけ4

「たたみ込み積分について100字で説明」についての自分の解答

「入力信号を平行移動しながら,インパルス応答を重ね足し合わせる二項演算のことを,
畳み込み積分と呼ぶ.また,その結果は出力信号となる.
複数の系を通したときの信号応答は,それぞれの周波数特性の積にて表されるとも言える.」(104字)

第4回 雑音とフィルタ

整合

電気信号の伝送路において,相互(送端側と受端側)のインピーダンスを合わせ、効果を最大にすることを整合あるいはインピーダンス整合という。
伝送路の特性インピーダンスZ0と回路要素のインピーダンスZtの値が異なると、入力信号(入射波)の一部が受端で反射し、送端方向へと流れてしまう(反射波)。このようにそれぞれのインピーダンスの値が異なり、反射波が生じてしまう場合を不整合という。 逆に整合の場合,この反射波は生じない。  反射波が発生すると,伝送路を通る電力の一部が戻ってきてしまうため、受端側へ十分な電力を送れないなどといった不具合が生じたりする。

 

デシベル

デシベル(dB)は電力の比を扱う単位のことをいいます。
常用対数をもとに、送端と受端における入力電力Pinと出力電圧Poutの比をとって、

                                                            10 log10(Pout/ Pin) [dB]

として表される。
このデシベルは、増幅回路の増幅率を表したり、伝送回路の損失(伝送喪失)を表したりするのに用いられる。

例:

真値   常用対数 デシベル
2倍 10 log102  3 dB
4倍 10 (log102 + log102)  6 dB
1/2倍 10 log10(1/2)

  -3 dB

ここでいう真値とデシベルは表記の仕方がことなるだけである。例えば、増幅率を2倍というのと、3dBというのは同じことである。(なお、デシベルの値はT先生いわく、おおまかな値をとればよいらしく、書いてもせいぜい小数点第1位までで十分とのことです

 

熱雑音

熱雑音とは、抵抗体内部の電子が不規則な熱運動することにより生じる雑音のことであり、その雑音の量を熱雑音電力という。
熱雑音電力(ノイズ)N[W]は、絶対温度T[K]と帯域幅B[Hz]に比例し、以下の式から求めることができる。

                                                          N = kTB  [w]

上の式において、kはボルツマン定数であり、1.380662×10-23[J/k]で表される。
また、この熱雑音電力をデシベルで表すと、以下の式になる。

                            P= ― 174 + 10log10B  [dBm]

上の式において、Pは熱雑音電力をデジベルで表したもので単位はdBm(1mWを基準とした単位)である。

 

信号対雑音比

電気通信分野では処理対象の情報を信号 (シグナル) と呼び、雑音(ノイズ) との量の比率によって通信の品質を表現する。
これを信号対雑音比(S/N)といい、対数表現の dB(デシベル)を用いて表す。
(S/N)の算出式を以下に記す。

                                             RSN= 10 log10{ (PS+ PN) / PN}[dB]

上の式において、RSNは信号対雑音比、PSは信号電力[W]、PNは雑音電力[W]のことである。

 

雑音指数

雑音指数の基本的な定義は、入力側のS/Nに対して、出力側のS/Nがどれだけ劣化するかを示すものとして、下記で表されます。

                                              F = (Sin/ Nin) / (Sout/ Nout)

このFの値が小さいほど、回路の性能が良いということになります。
また、雑音指数をデシベル[dB]で表現すると、上記の式の対数をとる形で下のような式になります。

                             NF = 10log10(Sin/ Nin) - 10log10(Sout/ Nout)  [dB]

上記のデシベルの式のNFはN×Fという意味ではなく、エンエフという雑音指数を表すものです。
詳しくは→www.wdic.org/w/SCI/NF  もしくは、 第7章の中村さんがまとめてるのを参照でw(ちょw

 

負帰還増幅

負帰還(NFB)とは、出力信号の一部を入力に戻し、入力信号と逆位相で合成する事によって、出力の振幅を抑えて増幅回路の特性を安定させる事である。増幅回路において、回路の特性を改善するために用いられることが多い。負帰還によって回路の増幅度は低下するが、広い周波数帯域にわたって均一な増幅度が得られるようになる。これを負帰還増幅という。

 

整合フィルタ

フィルタの役割について、まずまとめる。

  • 送信フィルタ

     変調信号を帯域制限する。

  • 受信フィルタ

     符号判定時点のS/Nを最大にする。

 

フィルタの種類は取り出す周波数によって分類される。以下に主なフィルタの種類をまとめる。

  • 低域通過フィルタ(LPF)

     低周波を良く通し、遮断周波数より高い周波数の帯域を通さない(減衰させる)フィルタ。

  • 高域通過フィルタ(HPF)

     高周波を良く通し、遮断周波数より低い周波数の帯域を通さない(減衰させる)フィルタ。

  • 帯域通過フィルタ(BPF)

     必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数は通さない(減衰させる)フィルタ。

  • 帯域阻止フィルタ(BEF)

     必要な範囲の周波数のみを通さず(減衰させ)、他の周波数を通すフィルタ。

 

以下にこれらのフィルタを図としてまとめる。


理想的なフィルタ回路の周波数特性

なお、フィルタに関してはまとめたが、整合フィルタをいう言葉に対しての詳しい資料は見つからなかった。なので、あまり詳しくはないが、以下資料を参考として掲載する。↓
www.yobology.info/text/matched_filter/matched_filter.htm

 

第5回 電波伝搬と光ファイバ伝送

・電磁波と電波

電磁波は直進、反射、屈折、回折の4つの性質を持ち、周波数と波長の違いによって
名称がことなる。中でも一般的に電気通信で用いられているものを電波という。

ITU-R(国際電気通信連合)の定義
人工的な導体のない空間を伝搬する当面3000GHz(波長0.1mm)以下の周波数の電磁波

周波数、波長による電波の分類

周波数帯の名称 周波数の範囲 波長の範囲 主な用途
VLF (超長波) 3~30kHz 100~10km  船舶通信、海上の無線標識
LF  (長波) 30~300kHz 10~1km  同上
MF  (中波) 300~3000kHz 1000~100m  放送、船舶・航空などの通信
HF  (短波) 3~30MHz 100~10m  中・長距離の国内、国際間の各種通信
VHF (超短波) 30~300MHz 10~1m  テレビ放送、FM放送、船舶・航空などの通信
UHF (極超短波) 300~3000MHz 100~10cm  テレビ放送、多重通信
SHF (センチ波、マイクロ波) 3~30GHz 10~1cm  多重通信、衛星通信、レーダーなど
EHF (ミリ波) 30~300GHz 10~1mm  同上
名称なし 300~3000GHz 1~0.1mm  同上 

・電離層伝搬

 ・種類

超短波帯以上の周波数は、直接波、大地反射波などの空間波がよく伝わり、長・中波では地表波と呼ばれる
大地表面波によって伝わる。これらの通路を伝わる電波を
地上波と呼ぶ。また、超短波帯以上の電波で、
対流圏における屈折波や散乱波が伝わることがあり、
これらの電波を対流圏波という。

短波帯以下
の周波数は、
電離層という電波を反射する性質をもつ層を利用し、電離層屈折波といった
電波が通信に利用される。
これらは電離層波と呼ばれ、電離層波と対流圏波を併せて上空波と呼んでいる。

 

 ・電離層

地球上層部の薄い気体分子が電離している領域。地上約100km上空にE層が存在する。
このほかにF層、D層があり、一般的に長・中波はE層、短波はF層で反射し、長短波以上の
周波数の電波は電離層を突き抜ける性質をもつ。

・マルチパス 

 異なる複数の電波が干渉すると、受信点の電波の強度は数秒から数分の周期で変動する。
このような電波の強度が変動する現象をフェージングという。主に30~3000MHzの周波数の
電波で発生する。

・光ファイバ伝送

  光ファイバーは屈折率分布と光の伝送方法の違いでSI、GI、SMの三つに分けられる。
・SI(ステップ)形
コアとクラッドで構成されており、コアの屈折率がほぼ一定でクラッドの屈折率に対して階段状に変化させたもの

・GI(グレーデッド)形
放物線状の屈折率を持たせたもの

・SM(シングルモード)形
SI、GIは光の伝わり方がいくつかあり、マルチモードといわれている。これに対して光の伝搬経路を単一化したもの

 光ファイバー通信は同軸ケーブルなどと違い、信号を光の強弱に変換して伝送する通信システムである。
送信側では情報を変換・変調を行う送信回路で電気信号に置き換え、さらに電気・光変換回路で光の強弱に
変換されて送り出される。受信側では逆の方法で各信号に戻される。

第6回 アナログ通信方式1
  • 変調

伝送しようとする信号を、それよりも高い周波数の信号(=搬送波)を使って伝送すること。
これによって媒体上に信号を効率良く伝送する事ができ、雑音に対しても強くなる。ちなみに
搬送波には余計な周波数成分を含まない正弦波が使用される。
この搬送波の内、変化させる事の出来る要素は振幅、周波数、位相の3つ。
また、変調した信号からもとの信号を取り出すことを復調という。
 

  •  振幅変調 (AM)

振幅の変化によって信号を送る方法。
特徴として変調、復調が容易であることが挙げられる。
現在はAMラジオ、航空無線、アナログテレビ放送の映像信号等に使われている。

  • 周波数変調 (FM)

周波数の変化によって信号を送る方法。
特徴としては、雑音に強いことや、搬送波電力が少なくてすむこと等が挙げられる。
現在はFMラジオ放送やテレビの音声信号等に使われている。

  • 位相変調 (PM)

移送の変化によって信号を送る方法。
元の信号を微分回路に通したあとに周波数変調回路に通すことでPM波に変調できる。
復調はPM波をFM復調したあとに、積分回路を通すことで元に戻せるが、位相同期を
行わなくてはならない。(PMラジオが無い理由のひとつ)
変調方法からも想像できる通り、雑音に強いといったFMと非常に似た性質を持つ。
現在は無線通信などに使われている。

※周波数変調と位相変調を合わせて、角度変調とも呼ぶ。

第7回 アナログ通信方式2
  • ショット雑音

増幅器などに使われるトランジスタの素子内での粒子の荷電粒子の発生のばらつきによって発生する雑音のこと。
絶対温度には依存せず、ガウス分布、雑音指数に従う。

  • 雑音指数


信号を増幅器などに通した時の、信号対雑音比(S/N)が小さくなる度合いのこと。
雑音指数をFで表すと

(Sout/Nout)=1/F(Sin/Nin)

となり、これをデシベルでの計算式に置き換えると

[Sout/Nout]=[Sin/Nin]-[F]
 
となる。つまり、Fが大きいほど雑音が多く入ることになる。
i番目の増幅器の増幅度をGi、雑音指数をFiとあらわしたときに、増幅器を直列にn個並べると、全体の増幅度Gと雑音指数Fは


G=G1×G2× … ×Gn

  F=F1+ {(F2-1)/G1} + {(F3-1)/G1×G2} + … + {(Fn-1)/(G×G2× … ×Gn-1)}


と表すことができる。

この式から、1個目の増幅器に利得の大きなものを使用することで、
2個目以降の雑音指数が全体の雑音指数にほとんど影響を及ぼさない様にする事が出来る。

  • 側波帯

搬送波の振幅を変調した場合、搬送波を中心に上側波帯(USB)下側波帯(LSB)ができる。
それぞれが元の信号と同じ帯域幅を占めるので、AM波の帯域幅は元の帯域幅の2倍となる。
これをそのまま送ることを両側波帯伝送(DSB)という。
上側波帯と下側波帯は対照的であるため、帯域幅の有効利用のために
帯域フィルタ(BPF)を用いて、どちらか一方の側波帯のみを送ることも可能であり、これを単側波帯伝送(SSB)とよぶ。

また、全てをカットせず、カットしたい側波帯の1部分だけを残す方法を残留側波帯(VSB)と呼ぶ。

注意:単側波帯、残留側波帯は復調の手間が増す。(したがって簡便さ重視のAMラジオは最も単純な両側波帯を採用している。)

参考までに⇒www.wdic.org/w/WDIC/%E5%81%B4%E6%B3%A2%E5%B8%AF

第8回 ディジタル通信方式1
  • 符号化(PCM)

PCM(Pulse-Code Modulation:パルス符号化変調)。
アナログ信号波をパルス列(2進符号)に変換する。(例えば1と0の列)
信号波の振幅を、一定の約束に従った2進符号に変換する方式であるから、レベル変動や雑音の妨害が無く、安定した通信が出来るのでよく用いられる。

  • 同期と多重化

一つの伝送路を用いて、多数の信号をそれぞれ異なった時間位置に配列して、時間を分けて伝送する方式をTDM(時分割多重方式)という。
送受信の両側で一定周期の同じ速度でチャネルを切り替えていくことで、各チャネル混信なく通話が行える操作を同期という。
(詳しくは教科書P28~31参照)

  • ディジタルシステムにおける雑音

(※該当するメモが手元に無いので自分でまとめることにした(教科書4.1.2-2:ディジタルの利点))
記録・再生機器が発生するモータの音や、電源が発生するハム雑音(商用周波数の雑音)、
モータ回転のむら、LSIなどが発生する高周波雑音が伝送中の信号に加わる。

  • ディジタル変復調の基礎

ディジタル信号の変調の場合は以下の通りである。
ASK…振幅偏移変調
FSK…周波数偏移変調
PSK…位相偏移変調

この3つを組み合わせ・派生したものが多い。

2値ASK…1bit(0,1・OOK:on-off keying)
4値ASK…2bit(0,1,2,3)
(ASKはETCやキーレスエントリ等といった近距離での通信に用いられている。)

FSKを周波数変化2値…1bit
FSKを周波数変化4値…2bit
FSKを連続させる…CFSK(Continuous FSK)
FSKを最小限にする…MSK(Minimum FSK)
(FSKは伝送路での雑音やレベル変動の影響は受けないが、伝送速度は高くとれない(1200bps以下の低速通信用))

PSKかつ位相変化を2値1bit…BPSK(2PSK)
(単純に位相反転させただけなので、受信側において、どちらの位相が1なのか判別できない時がある)

PSKかつ位相変化を4値2bit…QPSK(4PSK)
PSKかつ位相変化を8値3bit…8PSK
(これらの方式は、回路は複雑になるが、同一周波数帯においては伝送速度を上げ、高能率の伝送を可能にする)

 

~増幅位相変調~
4ASK+4PSK:振幅4段階位相4段階…16QAM
16ASK+4PSK:振幅16段階位相4段階…64QAM

第9回 ディジタル通信方式2

・信号空間ダイヤグラム

ディジタル変調によるデータ信号点を複素平面上(位相-振幅空間、2次元)に表現した図。実軸,虚軸はI軸,Q軸と表される。
信号点の形や位置がぶれて無いほど良好な信号。信号点の符号はグレイコード(00,01,11,10等 カルノー図でおなじみ)で割り当てる。→誤りを抑えるため。

 

↓にQPSK等の信号空間ダイヤグラムが載っているので参考に…。

 過去問にQPSK等の信号空間配置と二進シンボルを書く問題有り。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E5%A4%89%E8%AA%BF

・ディジタル変復調の大まかな流れ

マッパーで入力信号とI,Qアナログ値を対応づける
→D/A変換→直交変調→伝送→直交検波(復調)→A/D変換
→デマッパーでデジタル信号を出力。

※直交検波

受信した二つの信号のうち一方の位相を1/4サイクルだけずらして
復調する検波方式。

位相をずらした信号とそのまま受信した信号を加算し乗算して信号の大きさを数倍にして復調する。
この際ノイズも倍加されるが、信号の方が増幅率が高く、結果雑音を雑音を低減できる。


第10回 ディジタル通信方式3

・再生中継機能

信号を…

整形          (等価機能。劣化したパルスをパルスの有無が判定できる程度まで増幅)
リタイミング   (パルスの有無を判定する点を設定)
識別再生  (波形の振幅の判別し、その値がしきい値を超えた際にパルスを発生)


する機能の総称。

信号劣化は長距離伝送の際に起こりやすいため、中継器のこの機能にて補整。
2006年度 電話システムの問題に出題。

 

・アイパターン

波形の評価方法の一つ。
デジタル信号は方形波のようになるのが理想だが
0 1が不規則に変化し、波形が重なりあって見える。
波形が重なり合って見える図形を目に見立てて、それが大きく見開いているほど良好な信号と評価する。

参考

http://www.orixrentec.co.jp/tmsite/know/know_eye17.html

 ・誤り率

ランダムなデジタルデータを伝送し復調した際に、送ったデータの中の誤りデータの比率。

また、信号が誤った時、信号空間配置図では、信号の位置がランダムな方向に動かされる。

◆ディジタル変調の派生種

 

・GMSK

周波数変調方式FSKを改良したもの。
FSKの欠点は必要となる周波数帯域が大きくなることであったが、
GMSKはガウスフィルタを用いて、スペクトルの拡散を抑えた後
MSK変調する。

世界で標準で使われている携帯電話方式GMSに使用されている。

・π/4シフトQPSK

QPSKの信号点を1符号ごとにπ/4だけ回転させたものを、QPSKの信号空間に加えたもの。
一回の変調ごとに異なるQPSKを交互に用い、位相偏移時に零点を通る事が無く、
振幅変動に強い。PHS等多くの移動体通信の変調方式に採用されている。

・OQPSK(offset-QPSk)

I軸とQ軸の時間を1/2シンボルずらして変調したQPSK。
I,Q成分を同時に変化させないため偏移時に零点を通らず、振幅変動が小さく
増幅器の線刑性があまり良く無くても扱える。

振幅変動はπ/4シフトQPSKより小さいのだが、受信に遅延検波が使えなく
π/4シフトQPSKの方が日本ではメジャーである。
CDMA携帯電話等に使用される。

第11回 テレビジョン

遅れてすいません。

・テレビジョンの基本概念

放送あるいは通信や遠隔監視に使用される、遠方へ映像を送る技術、または映像機器。
語源を、遠方を意味するTeleと、視力を意味するVision、にもつ代表的な動画像通信メディアである。
特徴として、滑らかな動画(1秒間に30枚)、ちらつき(フリッカー)軽減、飛び越し走査(インタレース)、上位・下位の互換性などがある。
日本では1953年(昭和23年)にテレビ放送が始まった。

互換性の例:  白黒・カラー
単一音声・バイリンガルステレオ
通常放送・文字放送
通常放送・クリアビジョン

 

・白黒テレビジョン
1920年、米国に世界初のラジオ局KDKAができる。
1926年、日本でブラウン管に「イ」の文字を写す実験に成功。
1945年、米国で白黒テレビジョン方式(走査線525本)が生まれる。
1947年、放送が開始される。


・カラーテレビジョン
赤、緑、青の三色(光の三原色)の光線を混合することですべての色を表現する。
撮影装置で得た赤、緑、青、各色に応じた信号を色信号といい、赤をR,緑をG,青をBで表す。
実際のカラーテレビジョン信号では、白黒テレビジョン信号との両立性を考慮して、
色信号ではなく、明るさを表す輝度信号、と、色信号と輝度信号の差である色差信号、を伝送する。

輝度信号Y : Y=0.30R+0.59G+0.11B
色差信号I,Q : I=0.74(R-Y)ー0.27(B-Y)
Q=0.48(R-Y)+0.41(B-Y)

  ・アナログカラーテレビジョン方式の種類
1、NTSC:米国生まれ、日本・米国で採用、走査線525本 30枚/秒
あまり評価が良くない。Never Twice the Same Colour(同じ色は二度と出ない)というジョークがある。
2、PAL:ドイツ生まれ、ドイツ・英国で採用 走査線625本 25枚/秒
走査線毎に色信号の位相を反転さして、ある程度の位相エラーを自動的に補正して色を出すことができる。
3、SECAN:フランス生まれ、フランス・ロシアで採用、走査線625本 25枚/秒
色信号を周波数変調で多重している。

 

・高画質テレビジョン
・EDTV:1987年生まれ、愛称「クリアビジョン」。
フレームバッファ、輪郭強調、ゴースト除去、3次元YC分離(クロスカラーを防ぐ)などの特徴がある。
SDTV(標準解像度のテレビ方式)の上位互換である。
・HDTV:1988年生まれ、高精細度テレビジョン放送、従来のテレビ方式の二倍程度の走査線を持つ。
互換性がない。RGB独立伝送?。
・MUSE:1982年生まれ、NHKが作ったHDTVのひとつ。
アスペクト比: 16:9  走査線1125本 60枚/秒

 

・ディジタルテレビジョン方式
信号を符号化、復号することでディジタル伝送する方式。
安定した受信により混信に強い、
番組情報や番組表などの情報を受信できる。
データ放送(天気など)をテレビ放送と同時に見ることができる、
高画質、電波の有効利用ができる、などの特徴がある。
混信が大きな問題であってヨーロッパで早く採用された。

  ・ATSC:米国で開発された地上波におけるディジタルテレビ規格。カナダ、メキシコ、韓国、台湾などでも採用されている。
・DVB-T:国際的に承認されたデジタルテレビ放送のための公開標準規格(DVB)の地上デジタル放送用の規格。
・ISDB-T:日本においてHNKが中心となって開発され、放送されているディジタル放送の規格(ISDB)の地上波向け。
DVB-Tと比較して優れているといわれている。


・アナログ停止とサイマルキャスト
日本では2006年12月1日から地上デジタル放送がすべての県庁所在地を含む一部地域で開始され、
2011年7月24日に現在放送されている地上アナログテレビジョン放送は全国で終了する。
これは、国民にデジタル放送のための準備をするためであり、
現在のアナログ放送局の周波数を変更してデジタル放送のための周波数を空ける作業(アナアナ変換)を行うための期間である。
当然この期間はアナログ放送とデジタル放送で同じ内容の放送が見れるようになっている。(サイマルキャスト)
これは地上アナログ放送が大きく広まっていた日本ならでは問題で、
世界で初めてアナログ放送を停止したドイツでは瞬時にアナログ放送からデジタル放送に移行した。(Berlin Switch)
ドイツでは多くの家庭がケーブルまたは衛星を受信していたので市民への影響が小さかったからである。


*サイマルキャストの意味は同時放送であり、これはアナログ放送・ディジタル放送に限った話ではない。(AM・FMの同時放送など)

第12回 電話システム

1月16日分、とりあえずこんな感じ…。

2006年の試験では、単語1つ2点*15の点取らせ分野!赤字は去年出た単語。

簡単に言えば、線と線を交換機で繋いで、通信網を構築している。

(参考http://www.ntt-east.co.jp/databook/2007/pdf/2007_06-02.pdf)

・加入系

電話の加入者を収容する回線のため、加入者線と呼ばれる。(むしろコチラが一般的)
加入者宅の電話機から、最寄りの電話交換機(加入者線交換機)までの通信路を指す。(要するに末端の部分)
配線方法には、維持が大変なメッシュ網と、故障に弱いスター網がある。
(メッシュ網 = 通信者がn人なら、線はn(n-1)/2本必要)
以前は通信路にメタル(銅)線を使用していたが、最近では一部に光ファイバーを利用することもある。(光収容という)
余談だが、家までの通信路で一部でも光収容されると、ADSLは使えない。理由は、光収容の際、ADSLが利用している高い周波数帯域がカットされるため。


・交換系

通信網は階層構造をもち、そこで用いられる交換機にもレベルがある。
講義ではほとんど説明が無かったかと思う。

加入者線交換機 LS(Local Switch)
加入者線と、上位あるいは同位の通信網の線とを繋ぐ。(言い換えれば、電話機が先っちょに繋がってる)
GC(Group Center:群局のこと)に設置される。
なお、GCは上位のZCに繋ぐだけでなく、GC同士を繋ぐこともある。市内電話の場合など。
また、電話機に対して、状態検出など様々な機能を持ち、頭文字をとってBORSHT(ボルシット)という名称がつく。
(一般的にはBORSCHT(ボルシュト)が正しいらしいが、テストで書いたら駄目だ)
B (Battery feed)                  加入者線給電制御(電源供給のこと。48V程度の直流電圧がかかる)
O (Overvoltage protection)    過電圧保護(電子部品のための保護機能)
R (Ringing)                          呼出信号の送出
S (Supervision)                   加入者線状態監視(発呼信号や終話信号を検出するため)
C (Codec)                          符号器・復号器 (アナログ信号とデジタル信号の符号化・復号化)
H (Hybrid)                          2線-4線変換(2線がアナログ信号、4線がデジタル信号)
T (Testing)                         加入者線の試験(加入者線を試験回路につなげる)
(参考http://www.nec.co.jp/press/ja/9411/1401.html)

中継線交換機 TS(Transit Switch)
GCとGCの間、GCと他のZCへの中継交換を行う。
GCを束ねる役目もある。GC同士を直接接続しようと思うと、接続数が膨大になるため。
ZC(Zone Center:中継局のこと)に設置される。
(この中継線交換機が、後述する再生中継を行っているのかは不明)
(激しく余談だが、信号を再生および中継するための装置のことをリピータという。このへん紛らわしい)

関門交換機 GS(Gateway Switch) ←いらないかも
上記のLSとかTSと区別するために名前がついている。
他の電気通信事業者の通信網と相互接続したり,別の通信処理システムと接続する交換機。
だから、この交換機はPOI(回線相互接続点)といえる。
GCあるいはZCに設置される。


・交換系&中継伝送系

分類が微妙なところ。
通信網は上記のように階層構造をもっているが、電話番号などの制御信号をやり取りする制御網は別に用意される。
一昨年は、下の方式の利点などについて100字(15点) ↑これに関して第3章に有益なことが書いてありますよ。

「昔」→個別線信号方式
制御信号は、通信網に乗せて送られていた。
情報が少ししか送れない。
「今」→共通線信号方式
制御信号は別の線(制御網)で送る。
共通とは、制御信号を共通化するという意味。
通信の集中(輻輳-フクソウという)を回避。情報を多く送れるので、キャッチホンフリーダイヤルなどのサービスが行える。


・中継伝送系

上記のCenter間を結ぶ通信路のこと。

長距離伝送を行うと信号の波形にひずみが生ずるため、再生中継にて補正する。
信号と雑音の識別が可能な信号対雑音比(SNR)の得られる距離内で3R中継を繰り返せば、誤りのない伝送ができる。

再生中継に求められる機能=3R
整形(Re-shape)
整時(Re-time)
識別再生(Re-generate)

電話システムだけでなく、他の有線による通信方法でも、上記3つの分け方を用いる。


ISDN(Integrated Services Digital Network)

交換機・中継回線・加入者線まで全てデジタル化された電話網のことを指す。
今まで個別の網で行っていた、電話やFAX、インターネットなどの通信を時分割ディジタル信号伝送により、統合して行う。
余談だが、回線種別に略号ABCDを用いていて、A=アナログ、B=ディジタル、C=ハイブリッド、D=制御と決められている。
[ISDNの規格]
☆N-ISDN
家庭向け(INS64)では、回線交換により通話・通信を行う64kbit/s回線を2回線分(2B)+パケット交換による制御用の16kbit/s回線(D)で構成。
だから、1つの電話回線で合計144kbit/sを確保し、2回線を束ねれば128kbit/sの通信が行え、1回線ずつ使えば、電話をしながらFAX送信とかができる。
企業向け(INSネット1500)では、64kbit/s回線を23回線分(23B)+(D)で構成。
☆B-ISDN
N-ISDNの発展型。


・ディジタルハイアラーキー(Digital hierarchy)

通信において多重分離を行なう速度階層のこと。カナ読みならヒエラルキー。
通信路群をまとめて変調(群変調)し、それを何回か繰り返して出来あがる。
(ハイアラーキは上手くまとめられないorz 講義でもあまり説明無かったような)

・おまけ

携帯電話の章にて。
一昨年はHLRとVLRの役割について50字(10点)…大変だ

課金情報保持:HLR(Home location resister)
位置情報保持:VLR(Visitor location resister)
これらを分離する理由は、異なる事業者間で相互接続(ローミング)を行うため。
例:A社の携帯で、B社のネットワークを使用。
→HLRはA社、VLRはB社にある。B社のネットワークを使ったのだから、B社にも利用料を払う。
そのとき、利用側はA社へまとめて払うことができる。(この分離する理由も聞かれた)
最終更新:2008年01月29日 17:36