第一話

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23 名前: 影虎 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:15:56 ID:xWLnFyo+0 「またか」 1/2 私はトイレが怖い。 恐らくトラウマなんだと思う。 前回の百物語でも書いたが、「トイレの花子さん」らしき人(でいいのか?)と友達になってしまっているから。 でも、いい大人なのでまさか連れションなんか出来る筈も無く、大体は頭の中で下らない事を考える様にしてやり過ごす。 そして「長居したくないトイレ」は雰囲気で分かる。 そこがいくら綺麗だろうと、出来立てピカピカだろうと、慌しく用を足し、ベルトも半分締めた様な状態でトイレを飛び出す事になる。 「長居出来るトイレ」ならそれこそ本とか持ち込んじゃってかなりゆっくりする。 しかし稀に「長居出来るトイレ」だったはずの場所が「長居したくない(というか出来ない)トイレ」に変わる事がある。 一瞬で肌にぞわぞわ感が走り、私はトイレから飛び出す事になる。 前置きが長くなった。オチを言おう。 「トイレの花子さん」遭遇二回目。 しかも会社のトイレ。 会社の女子トイレなんか、ストレスを抱えた若い女性しか入らないから元々「長居したくないトイレ」だった。 でも先日、残業中にトイレに入ったら突然話しかけられた。 ド ● ● ● ¦○¦○¦ ア ●=洗面台 ○=個室 私は右端の個室にいた。 で、突然「お疲れ様です」と言われた。 24 名前: 影虎 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:17:24 ID:xWLnFyo+0 「またか」2/2 最初、アメリカンジョークの 個室A「やぁ」 個室B「…?やぁ」 個室A「元気だったかい?」 個室B「えぇ、まぁ…」 個室A「…後でかけ直すよ、隣の個室にいちいち返事する馬鹿がいるんだ!」 な話かと思い、返事をしなかった。 そしたらご丁寧に私と彼女(でいいのか…?)の間の壁を「コンコン」とノックして 「こんなに遅くまで大変ね」と仰られる。 仕方ないので「まぁ仕方ないですよ。仕事ですからね」と答えて、トイレのドアを開けた。 こんなに親しげに話してくるのだから、きっと普段から割りと親しくしている人だと思っていた。 私がトイレのドアを開けた瞬間、彼女は「そうですね」と言った。 しかし左側の個室には誰もいない。 誰かがドアから出ていったという事も無い。 そしてぶわぁ、と体中に広がる鳥肌。 あぁ、またですか。またなんですね。このビル新築したばかりなのに、やっぱり何かいるんですね。 そして私はまだトイレの花子さんのお友達なのか…? 【完】

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