第二話

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27 名前: 徳島ヴォルティス@@サポ ◆K6QUBu7wQQ [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:27:37 ID:Vdl6qBan0 『建物(1/2)』 私が小学校の低学年だった頃。 いつものように授業が終わり、学校からの帰り道を一人で歩いておりました。 すでに自宅が見えており、もう100メートルも歩けば帰り着くというところ。 何の理由があったわけでもないのですが、ふと、左手側を見ました。 遠方に山が見え、中腹辺りには建物があります。 白い壁に囲まれており、距離が遠いため詳細は分かりませんが、一番目立っているのが 巨大なパラボラアンテナ。電波望遠鏡のようなその巨体(と言って、実際に電波望遠鏡を見た 事は無いのですが)を取り囲むように、白い壁やら、建物やらが建っておりました。 それを視認した後、私はまた前方を見ました。 そこで浮かぶ疑問。 ……なんだ、あれ? 昨日まで、そんな建物、そこには無かったはず。いつの間にあんなものが建ったんだろう。 足を止め、また左手側を見ます。 ……そこにはもう、何も無く。 ただ木が生えているばかりの山が、いつもの様に見えておりました。 さて、あの建物は一体なんだったのか。 あれから二十年近くが経ちますが、そのような建物が建つという話は聞きません。 ましてここは、四国の、何の変哲も無い田舎町。巨大なパラボラアンテナを建てても、 使い道が無いように思います。 そしてもう一つ、私は何故、それから目を逸らせてから、違和感を感じたのか。 ……やはり、見てはいけないものだったのでしょうか。 (完)

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