第九話

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43 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:52:31 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】 1/3 ちょうど今頃の季節、父が九州・博多へ出張に行った時のことです。 急な出張で事前にホテルの予約が出来なかったらしいのですが、運悪く近くで大きなイベントがあって、 なかなか空いたホテルが見つからなかったそうです。 そこで地元に住む友人を頼って、ようやく宿泊先を紹介して貰いました。 紹介された宿はホテルではなく、古い旅館でした。 ずいぶん古いな…と感じたそうですが、通された部屋はとても広く『ひょっとして一番良い部屋かも?ラッキー!』 などと暢気に喜んでいたそうです。 夜も更け、そろそろ寝るか…ということになり、TVとエアコンを消して布団に潜り込みました。 本当はエアコンは消したくなかったそうなのですが、タイマーの設定方法が分からず、 一晩中つけっぱなしにするわけにもなぁ、と思って消してしまったのでした。 ところが布団に入って間もなく、どういうわけか、部屋のある一カ所…足を向けている方側の隅っこが気になって 眠れなくなってしまったそうです。 44 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:53:32 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】2/3 部屋の隅から漂ってくる異様な気配。 その場所が気になるけれども、怖くて見ることが出来ない。 布団を頭からかぶって何とか眠ろうとしましたが、季節は8月、汗びっしょりになって、とても眠るどころではありません。 涼を取るための手段を考えましたが、エアコンはリモコンが壁に作り付けになっているタイプで、 スイッチを入れるためには布団から出なければなりません。 更に布団に戻る際に、『気になる隅っこ』の方を向かなければならないので、怖くて無理。 窓にはなぜか簾が括りつけられて、開かないような状態になっていたそうです。 迷ったあげく、結局猛ダッシュでエアコンのスイッチを入れ、目を閉じて また猛ダッシュで布団に潜り込んだらしいのですが、わずかな瞬間に例の『隅っこ』に何かの影がいるのが見えてしまったそうなのです。 父は外が明るくなるのを待って慌てて部屋を飛び出し、宿を紹介してくれた友人が迎えに来てくれるまでロビーで時間を潰し たそうです。 友人はその旅館の馴染み客らしく、父が前夜のことを話すと、旅館の人に父が泊まった部屋について聞いてくれました。 旅館の人がしぶしぶ話してくれた話はこうでした。 45 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 21:54:17 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】3/3 父の宿泊した前日、隣の部屋に宿泊していたグループがいました。 夜通し麻雀をしていたそうなのですが、その中の一人が突然気分が悪いと言って倒れ込んでしまったそうです。 後で分かったことによると、その人は心臓が悪かったらしいのですが、グループはその人を隣の部屋… つまり父の泊まった部屋に寝かせ、そのまま麻雀を続けてしまいました。 結局その人は誰にも気づかれぬまま、亡くなってしまったそうです。 そしてその人が寝かされていた場所こそ、父が気になって仕方がなかった例の『隅っこ』だったのです。 いくら部屋がいっぱいだったからと言って、人が亡くなったばかりの部屋に泊めるなんて! とその友人が文句を言ってくれたおかげで宿代はタダになったとか。 ちなみにその旅館、大昔は『遊郭』だったそうです。 -終わり-

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