第十一話

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50 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 22:03:23 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】1/3 以前、ちょっとだけ自転車通勤をしたことがありました。 自分が乗るようになると、それまで気にも止めていなかった他の自転車乗りの人達の姿が、急に目につくようになりました。 それで気がついたのですが、幼稚園くらいの子供を伴走させているお母さんを時々みかけるのです。 そのくらいの歳なら面白がって自転車と競走する子もいるかもしれませんが、 真夏の炎天下に汗まみれで死にそうな顔をしながらヨロヨロ自転車について走る子を見かけるたびに、 『あれって虐待じゃないのかなぁ…?』と思わずにはいられませんでした。 そんなある日、通勤の途中で見かけた自転車の親子連れ。 前籠に1才くらいの幼児、後ろの荷台には5才くらいの女の子、そして自転車について走る3才くらいの女の子。 3人の子供は姉妹なのでしょうか?上の二人は幼稚園の体操着のようなおそろいの服を着ていました。 見た瞬間あれっ?と思いました。 一番上のお姉ちゃんが走るならまだ分かりますが、走っているのは真ん中の子です。 荷台に座ったお姉ちゃんは、ニコニコしながら妹?と手を繋ぎ、 妹の方は繋いだ手を頼りに引き摺られるようにして走っているのです。 51 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 22:04:50 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】2/3 心配になって暫くその家族の自転車のすぐ後ろを付いて走ったのですが、公園脇の遊歩道を200メートルほど走ったところで 繋いだ手が離れてしまいました。 お姉ちゃんの方は、楽しそうに『あ~、離れちゃうよ~~』と笑って手を差し伸べますが、 どんどん自転車と女の子の距離は離れ、やがて女の子は走るのを諦めて立ち止まってしまいました。 汗びっしょりで肩で息をしているその子を残して、自転車は止まることなく、先へ進んで行きます。 その子に声をかけようか、暫く迷ったのですが、朝で人通りも多かったし、 お姉ちゃんも妹がついて来てないことが分かっているし、きっと母親もすぐ気づいて自転車を止めるだろう…と 言い聞かせてその場を離れてしまいました。 何より母親らしき人が一度もその子を振り返ることもせず、自転車のスピードを緩めることもなかったのが恐ろしかったので す。 後になって声をかけなかったことを後悔したのですが、その話を姉にしたところ、 同じような経験があると言ってこんな話をしてくれました。 姉が自分の夫や子供達と一緒に家族旅行に行った時のこと。 4人でバイキング式の朝食をホテルのレストランで楽しんでいると、後から小さな男の子3人を連れたお父さんが 向かいのテーブルにやって来ました。 子供達はみんなお揃いの地味な柄のアロハシャツを着ていて、一目で兄弟ということが分かったそうです。 何故かお母さんらしき人は一緒ではありませんでした。 52 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 22:05:35 ID:xWLnFyo+0 4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】3/3 子供達をテーブルに待たせると、お父さんは子供用の椅子を二つ持って来ました。 当然下の二人の子のために持って来たのだと思ったら、座ったのは一番上の子と一番下の子。 あれっ?と思い、姉は気になってチラチラそちらを見ていたらしいのですが、 その後も父親は、料理を上と下の子だけに取ってやり、真ん中の子には食事も取らせず全く無視しているのです。 真ん中の子は誰にも声をかけて貰えず、椅子に座ることもなく、ただ寂しそうにテーブルの周りをウロウロしています。 姉は、虐待??いやいや、先にお母さんとご飯を食べていたのかも…と、なんとか良い方に考えようとしたそうです。 席が近かったこともあり、その場では姉は黙っていたそうなのですが、レストランを出た後で夫に 『さっきのあれって虐待かしら?』 と話を振ったところ、夫はキョトン…。 『えっ、気がつかなかった?隣のテーブルで、子供3人連れたお父さんが…』 『子供3人?子供は2人しかいなかったよ?』 姉以外の家族には、子供は2人しか見えなかったそうなのです。 姉が絶対もう一人居たと言い張っても、 『あんなに近い場所で長い時間居合わせたんだから、見間違うはずがない』 と全員に口を揃えて言い返されたとか。 姉に『あんたが見た自転車の女の子も、案外他の人には見えてなかったんじゃない?』 と言われ、確かに3才くらいの女の子が結構スピードの出ていた自転車に数百メートルも 伴走するというのもおかしいような気がして来ました。 でも、霊だった、と思いたいだけかもしれません。 もしあの子達が生身の子供だとしたら… そっちの方が恐ろしいと思いませんか? -終わり-

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