第十六話

「第十六話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第十六話」(2008/08/23 (土) 00:06:05) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

65 名前: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 22:20:41 ID:xWLnFyo+0 吉国様代理投稿「磐越道車道」 磐越自動車道のトンネル工事が沿線のいたるところで行われていた頃。 現場にバックを忘れた現場監督が、建設途中のトンネルに戻ってきました。 その現場は事故が多く「型枠」がはずれ骨折する者、パイプですねを打つ人などがいました。 工期も遅れ、監督もなんとなく作業員全体の雰囲気がおかしいと思っていたそうです。 その発電機の止まり明かりの無いトンネルの中は暗闇で、ヘルメットのライトを頼りに 300mほど先の資材保管庫(プレハブ)へ向かいました。 半分を過ぎた辺りから「ワーー」と歓声とも耳鳴りとも聞こえる音が聞こえ始め、怖いながらも進んで行くと、 とつぜん「バババ」大量の爆竹を鳴らしたような音がしました。 びっくりした彼は、持てる力の限り車に向かい走り、車に駆け込むと現場を後にしたそうです。 後日、ふとしたことから原因が分かりました。トンネル入り口の山の掘削場に苔むした岩を作業員が見つけ、 裏返してみるとそこには戊辰の役での戦死者32名の名前が彫ってありました。 掘削中に気付かず碑のあった山ごと削ってしまい、滑り落ちたまま放置されていた様です。 急遽、慰霊祭が行われ滞り無く落成を迎えることがました。 この話は慰霊祭に参加した際、私が監督から聞いた話で戊辰の役と無関係では無い私は、 悲しい気持ちになったのを覚えています。 監督は磐越道開通後、妻子を残し行方が分からなくなり十数年たった今「死亡認定」されています。 【完】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: