第七十一話

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236 : ◆100mD2jqic :2008/08/23(土) 03:04:46 ID:0E6uFjYC0 白比丘尼 様 代理投稿 『雨夜の出来事』 1/2 母子家族で母と二人きりで暮らしていた17歳の雨の夜の話です。 夜中の3時ぐらいに「ピーー」と玄関のチャイムが鳴りました。 母と話していた私は「こんな遅くに誰だろね」なんて言いつつ、インターフォンをとると女性の声で 「あの…あの…突然すみません…。今晩、あの…泊めて頂けませんか」と言われました。 いきなりの事に「え?」と聞き返すと 「…あの…私近所のマンションに住んでまして あの…私会社をクビになって…あの…もう住む所がなくて…だから泊めて頂きたいと…」 母が私に代わってインターフォンで話はじめてくれたので、玄関の窓越しに訪問者を見てみると女性が一人立っています。 顔はもうどうみても50代なのに金髪の長髪。 白い帽子をかぶっていて、明るい緑のブラウスに赤地に白の水玉のふわっとしたスカート。 右手にはたくさんの物が入った紙袋を持っていました。 その様子をみた私は母に「玄関に来てる人、絶対変!怖いからもうやめよう! 相手にしないで『駄目です』っていって断ろう!」とまくし立てました。 そしたら母は「ははははは」と笑って 「この雨の中、傘もなく歩いてきたんだって。傘だけでも貸してあげよう」 と言うじゃありませんか。 私はもうその人の外見をみてるので泣きたくなって、こういう事にだけは度胸がある母をうらみました。 私はリビングで玄関の様子を伺っていたんですがしばらくすると 「家には入れられません!帰ってください!」 と母の怒鳴り声が聞こえました。 玄関ではガチャガチャガチャガチャ!!とチェーンの付いた扉を無理やり開けようとする音と、閉めようとする母が 出す音が大きく響き渡り、17歳の私を泣かせるだけの迫力がありました。 237 : ◆100mD2jqic :2008/08/23(土) 03:05:49 ID:0E6uFjYC0 『雨夜の出来事』 2/2 やっとバタン!と玄関が閉まる音がして、母がふぅふぅ言いながら部屋に帰ってきました。 「あの人、やっぱり○○(私の事)の言うとおりだね。頭おかしいみたい。怖かったでしょう、ごめんね。」 と母が言うので、 「なんかされたの?大丈夫??」 と聞き返しました。 すると母はまた笑って 「いやいや、全然大丈夫。今日はもう寝なさい」と。 しかし、この話をしている最中にまた玄関のチャイムが「ピーーピーーピーーピーーー」と物凄い勢いで鳴り始め、今度は玄関のドアがドンドンドンドン!!と叩かれました。 玄関の音は30分ぐらいで止みましたが、それ以来しばらくは夜中のお客さんは怖くて怖くて仕方ありませんでした。 その夜の出来事から5年後、私は一人暮らしを始める事になりました。 明日から新しい部屋で暮らす事になった晩に母と話をしていて 「そういえば、あんな事があったね〜私怖くて怖くてめっちゃ泣いた記憶がある(笑」 と話したら、母が 「う〜ん、あれだけで怖がってるようじゃ大丈夫かしらね、一人暮らし。」 というので、「あれだけで?」と聞いたら母が言うには。 私ね、あの時あなたが物凄い怖がってたから、言わなかったけど、まずあの人ね、雨が降ってる中歩いてきたっていったのに、全然雨にぬれてなかったのよ。 で、左手にバットを持ってたの。しかも、あの人、男の人だったよ。 私が腰を抜かしたのは言うまでもありません。 「なんで警察呼ばないの〜!!!」と言ったら「なんだか逆恨みされそうじゃない、家はもう知られてるし」と。 みなさんも夜中の来客にはお気をつけください。 「 完 」
239 : ◆qYEA7rCfag :2008/08/23(土) 03:07:29 ID:1SP26gEK0 【タブー】 あなたの後ろには誰も居ません。 それを信じて疑わないようにして下さい。 怪談とは不思議なものです。 意識しなければ怖くないと知っていても、何故か意識してしまうのです。 逆に、意識してしまった怪談は、もうそこに存在すると言えます。 怪談とは言わば恐怖心の塊であって、心霊現象とは関係の浅いものも多くあります。 髪を洗っているときに背後に女性が立ちませんか? 廊下を歩いている時、恐ろしい形相をした男性が肩を掴むイメージは? 夜の帳が下りた今、窓から何者かが覗いていませんか? ドアの隙間は? 襖は? 台所の暗がり、そう……天上付近からあなたを凝視している目はありませんか? あなたの足元に誰か潜んでいませんか? 段差ごとの死角から、何か見えませんか? 何かが立てた物音を聞いて「もしかして誰か居る……?」と思ったことはありませんか? 怪談話においてのタブー。 それは、決して想像してはいけないということです。 先の例としても想像してはいけないのです。 想像は創造に転じ、それは呼び寄せる口実にも成り得ます。 だから今、あなたの背後から視線を感じても、決して振り返ってはいけないのです。 【完】

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