第九十三話

311 :妖刀 ◆WslPJpzlnU :2008/08/23(土) 06:15:03 ID:LpkJzKar0
【ヒトダマ】

これは俺の爺さんが国民学校生だった頃に体験した話。

爺さんが子供の頃、俺が住んでいる所は藪と田んぼの田舎だったらしい。
そんで、爺さんが行ってた学校と自宅の間には墓があって、
爺さんその横を通って行き帰りしてたらしい。

そんなある日の夕暮れ、何時もの様に下校して墓の横を通った時、
墓石の上で何かがフワフワしていたらしいんだ。
「なんぞ?」と思ってじっと目を凝らして見るとどうやら何かが燃えている。
爺さん曰く「あれは間違いなく火の玉だった!」と。
で、ガキだった爺さんビビっちまって凝視したまま固まってた。
そしたらいきなり『ビュッッッーーーーーーーーーーーッッ』っと
空高く一直線にそれはもう刹那の速さで上昇していったそうだ。
それと同時に爺さん緊張が解けたのか全速力でヤブ道抜けて家まで帰ったらしい。

この話を話した後、
「いやぁ、アレには驚いた。
  多分、”ジン(字は解らない、だがリンではない)”が燃えてたんだろうな。
  今じゃ火葬ん時に一緒に燃えるが、昔は土葬やったからなぁ~。」
ってのたまっておられましたよ。

                            [完]

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最終更新:2008年08月29日 20:35