第三十四話

125 名前: テンプレ0/0 ◆tbxFW3dsZU [sage] 投稿日: 2008/08/22(金) 23:54:06 ID:cRRqw+Sx0
【亡くなった叔父さん】

 私の叔父さんは、数年前に亡くなりました。
 私にいつも笑顔で接してくれる、優しい叔父さんでした。

 叔父さんは亡くなる数ヶ月前から、鬱病のようなものを患っており、嫁である叔母さんに色々と文句を言う等、少々異常な行動が目立っていたようです。
 そして、ある日の夜、叔母さんの家から電話がありました。…叔父さんが、家から居なくなったとの事でした。

 叔父さんの家では畑を持っており、その脇には小さな物置があったのですが、一度、叔父さんが「その物置で首を吊って死にたい」と口にした、という話を聞いた事があり、叔母さんと、私の両親が探しに行きました。
 夜も遅く、仕事もあった為、私は自宅に残り、その日は寝ました。

 その日、私の夢に、その叔父さんが出てきました。
 叔父さんは、私にお小遣いを渡すと、「お父さんとお母さんには内緒だよ。」そう言いました。

 それだけの、短い夢でした。

 次の日、話を聞くと、やはりその物置の中で、叔父さんは亡くなっていたそうです。


 叔父さんは、最後の最後まで、優しい叔父さんでした。

「完」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年08月23日 00:22