第五十話

175 名前: 影虎 ◆OTL/VNUGLY [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:24:00 ID:ayCqAQPk0
「へんないきもの」

祖母から聞いた話。

いつもの様に畑仕事をしていると、ふと何かの視線を感じた。
後ろを向くと、へんないきものがこちらを見ている。
猪位のサイズで、尻尾と鼻は豚、体は灰色の毛むくじゃらで、足は狸の様。
頭は猿の様な色で耳は無く、目は山羊、口は裂け、牙が生えていた。
よだれをだらだら垂らし、「ヴー…ヴー…」とうなりながらこちらへ来る。

しばらく、睨み合ったそうだ。

ふと、その変な生き物が「ヴオっ!」と一声鳴いた。
それと同時に我に帰り、腰に下げていた蚊取り線香入りの缶を思いっきり投げつけた。
人間を燃やす様な嫌な臭いが充満し、そのいきものは山へと消えた。

私は怖い。いつか家に来るのではと。

【完】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年08月23日 01:46