第五十五話


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189 名前: 不動 ◆V5OnBvuVPk [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:49:12 ID:L5jzxjx/0
土建屋の社長さんから聞いた話。 1/2

今から数年前、公共事業の受注がごっそり減り同業者が次々と廃業してゆく、そんな時期。
このままでは会社がもたない。そう思った社長は県内の仕事だけではなく、県外の仕事も請けることにしたのだという。
丁度、隣県まで国道が開通した事もあり、隣県の仕事を請け負った。
仕事の内容は『住宅用地の造成』雑木林を切り開いて更地にする、何という事はない仕事である。
隣県の現場までは車で数時間かかる距離にあり、仕事終わりに帰ってこれる距離ではない。
そこで、現場近くにプレハブを建て現場事務所兼宿泊所としていた。

地元の仕事が全く無い訳ではなく、かといって人員をさけるわけでもない。
幸い、重機は仕事をこなせるだけ揃っており、社長は地元での仕事をこなしていた。
着工から数週間、現場事務所の電話が鳴った。
「社長! 大変です!」
電話の相手は現場事務所を任されている現場監督だった。
しかし、妙に慌てているようだった。
とにかく慌てる現場監督を落ち着かせ、話を聞いた。
現場事務所が全焼だ、という。
詳しく事情を聞くとどうもおかしいのだと言う。
出火当時、現場事務所内には誰も居らず、火の気も無かった。
ありえない火事だった。


190 名前: 不動 ◆V5OnBvuVPk [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:50:25 ID:L5jzxjx/0
しかし一度請け負った以上、やめてしまう訳にも行かず「暖房を付けっぱなしにしていたんだろう」という事にして工事を再開した。
それから更に数週間後、また、事故が起こった。

重機が倒れた。
運の悪い事に重機に乗っていた作業者はキャビンに挟まれて、腰の骨を折る重傷。
普通、重機というものは45度まで傾かないと倒れないように設計されている。
無論、地面が液状化していたら倒れるだろうが、現場は只の平地。例え45度まで傾いていたとしても、重機が45度になる前に滑って落ちるはずなのだ。

重機が壊れ、工事の目処が立たなくなり、工事の中止をせざるを得なくなった。
社長は自ら現場に出向き、撤収の作業を行っていた。
そこで、近隣住民と話す機会があったそうだ。
「あー・・・やっぱりね。あそこの木、あるでしょ。あそこねぇ、数年前に女の人が首吊って亡くなってるんだよね・・・。」