第五十六話

192 名前: シムラ ◆DreCPnUqGg [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:53:38 ID:6kQB30MW0
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この話に出てくる人物の名前は基本的に仮名です。
少女の名前は実名ですが。

「胸・・・触って欲しいの」

これは、俺が小学校5年生の時の話です。
俺のクラスには、窓際の一番後ろの席に、お寺の住職の娘だと言う
薄幸で大人しめな一人の少女が座っていました。
いつも、薄い青色のワンピースを着た、他の同級生と口をきいてる所を
一度も見た事が無い、そんな少女でした。

ある日、委員会の活動が長引き、16時を過ぎた頃に教室にランドセルを取りに戻ると
その少女が、窓際の席に座ったまま本を読んでいました。
他には教室に誰も居ません。

俺「何・・・してるの?」
少女「本・・・読んでるの。」
一瞬驚いた表情を見せた後、いつもの幸薄そうな表情でこちらを見つめる少女。
本なんか、家に帰ってから読めば良いのに・・・と思いつつ机の脇にかけてあったランドセルを
取ろうとした時、その少女は、席を立ち・・・こっちに近付いてきました。
少女は、俺の目の前に立つと、ワンピースの胸元のボタンを外し始め・・・
俺「な、な、な、何、やってるんだよ?」
少女「あのね・・・シムラ君に・・・・・・あの、ね・・・恥ずかしいんだけど・・・お願いがあるの。」
少し俯き、赤面した表情でそう呟く少女。


193 名前: シムラ ◆DreCPnUqGg [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:54:50 ID:6kQB30MW0
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少女は、ワンピースの胸元のボタンを外し終えると
少女「あの・・・ね・・・胸・・・触って欲しいの・・・。」
俺だって、小学校5年生・・・そりゃ、異性の胸に興味が無い訳はありませんでした・・・が、突然
そんな意味の解らない申し出をされたら驚きます。
俺に向かって胸をさらけ出しながら、目をつぶって、小さく体を震わせている少女
俺は、その少女が冗談や遊びでそういう事を言っている様には思えず
俺「・・・いい・・・の?」
少女は、コクンと小さく首を縦に振りました。
体を震わせている少女の、まだ真っ平らと言える貧乳に手を添え、そっと撫でる俺・・・。

その時から始まり、約半年の間、一週間から二週間に一度、放課後の教室で俺は
その少女と二人きりになり、少女の胸を愛撫する日々が続きました。
6年生になってからはその少女は同じクラスにいませんでした。
多分違うクラスになったんだろう・・・そう思っていました。

大学生になった頃、ふとその少女の事を思い出し、あの少女は何故あんな風に胸を触らせたんだろうと思いました
俺は、あの少女に好かれていたんだろうか・・・と。


195 名前: シムラ ◆DreCPnUqGg [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 01:59:48 ID:6kQB30MW0
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大学を卒業する少し前、今から数年前ですが小学校の同窓会がありました。
5年生の時同じクラスだったその少女と再会できるかも、そう思って同窓会に行った俺は驚きました。
「宮本佳子(みやもとよしこ)さんは?」
少女の名前を口にして、来てるのかを聞いた俺に
同級生1「誰、それ?」
同級生2「そんな名前の子居たっけ?」
同級生3「誰だ、それ?」
同級生が皆、その少女の事を覚えていないのです。

俺「ほら、あのお寺の住職の娘の・・・」
と、同級生3に俺が言いかけた瞬間、そのお寺の近くに住んでいた同級生4に、俺は腕を引っ張られ
同級生4「ちょっと来い」
と、他の人が居ない所に連れて行かれました。

そこで同級生4から聞かされた話は、実に驚く物でした。

同級生4「お前、佳子さんが見えたんだな・・・。」
俺「どういう事だ?」
同級生4の意味の解らない発言に、俺は疑問系でしか言葉を返せませんでした。

何でも、同級生4が言うには、俺達が小学校5年生になるよりも10年近く前
そのお寺の近くの家で火事があり、その家に住む夫婦と、その夫婦の一人娘で、当時小学校5年生だった少女が
焼け死んだそうです。


196 名前: シムラ ◆DreCPnUqGg [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 02:08:50 ID:6kQB30MW0
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その家の夫婦は、そのお寺の檀家であり、お寺の裏にあった、お墓に
その家族の遺骨は埋葬されたそうです。

俺「その焼け死んだ娘が、まさか。」
同級生4「宮本佳子という名前だったそうだ。」
更に聞くと、俺達が小学校5年生の時使っていた5年2組の教室は、その
宮本佳子さんが5年生当時在籍していたクラスの教室だったそうです。

同級生4「子供の頃・・・近くのお寺の墓場に、夜中になると薄青色のワンピースを着た
      少女が走り回ると言う噂を聞いてたけど・・・。まさか、教室にも現れていたとはな。」

同級生4が子供の頃に聞いた噂と、俺が教室で遭った佳子さん・・・。
もしかして、佳子さんは死んだ後、お墓に住み着き、何年もの間毎日、学校に通ってたのかも知れません。
それも、死んでから10年経っても、ずっと同じ教室に。
もしかしたら、彼女は今でも墓場と学校を行き来しているのかも・・・。

そして、偶々佳子さんの存在に気付いた俺が、佳子さんに気に入られたのかも知れません。

同級生4からそういう話を聞いて驚きました。
ただ、あの時触れた佳子さんの胸の感触は、幽霊だとは今でも思えません。

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最終更新:2008年08月23日 21:07