第六十二話


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210 名前: 夜歩き ◆TaMs2P7CR2 [sage] 投稿日: 2008/08/23(土) 02:32:40 ID:a7UDBJHn0
「挨拶」

自分の体験した話。

小学生の頃、○君というクラスメイトが交通事故にあった。
その日は、偶然○君の近くに住んでいる子と遊ぶ約束があり、
遊んでいる最中に「そうそう、○君帰りに車にぶつかったらしいよ」と言う話を聞き、
大丈夫かなー、明日学校来られるかなー、お見舞いに行かなくちゃなー、
と、小学生らしくそれくらいの心配しかしていなかった。

その晩夢を見た。
小学校の校庭でいつものように休み時間ドッジボールをする自分たち。
そこへ担任に伴われてやって来る○君。
「みなさん、突然ですが○君は今度、遠くへお引っ越しする事になりました」
えー、何で、どうして、と騒ぐクラスメイト。
「本当に急で御免ね」と済まなそうに言う○君。
「今度遊びに行くからさ、住所教えてよ」
多分、自分が言った言葉に、○君が応える。
「うーん、でも、みんなが来られないくらい遠くなんだぁ……」
そこで、目が覚めた。真夜中だった。


もう其の先は予想がつくと思うけれど、
○君はその事故で本当に遠くに行ってしまっていた。真夜中に、独りで。
その話も、翌日どこに入院してるのかなーと言いながら登校した朝に、
泣きはらした顔の担任から聞いた。
予め彼の事故を聞いていたから、見た夢なのかもしれないが、
あれは、○君が別れの挨拶に来てくれたのだと今も思っている。


【完】