第七十一話


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239 : ◆qYEA7rCfag :2008/08/23(土) 03:07:29 ID:1SP26gEK0
【タブー】

あなたの後ろには誰も居ません。
それを信じて疑わないようにして下さい。

怪談とは不思議なものです。
意識しなければ怖くないと知っていても、何故か意識してしまうのです。

逆に、意識してしまった怪談は、もうそこに存在すると言えます。
怪談とは言わば恐怖心の塊であって、心霊現象とは関係の浅いものも多くあります。

髪を洗っているときに背後に女性が立ちませんか?
廊下を歩いている時、恐ろしい形相をした男性が肩を掴むイメージは?
夜の帳が下りた今、窓から何者かが覗いていませんか? ドアの隙間は? 襖は?
台所の暗がり、そう……天上付近からあなたを凝視している目はありませんか?
あなたの足元に誰か潜んでいませんか? 段差ごとの死角から、何か見えませんか?
何かが立てた物音を聞いて「もしかして誰か居る……?」と思ったことはありませんか?

怪談話においてのタブー。
それは、決して想像してはいけないということです。
先の例としても想像してはいけないのです。
想像は創造に転じ、それは呼び寄せる口実にも成り得ます。

だから今、あなたの背後から視線を感じても、決して振り返ってはいけないのです。

【完】