2ちゃんねるオカルト板 百物語弐〇〇八まとめ@ ウィキ
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ja
2008-08-29T20:46:41+09:00
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第百話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/110.html
333 :ジジイ ◆c7mNR5EDjs :2008/08/23(土) 06:44:51 ID:Y1DvZzAH0
1/4
第百話 「 家 」
あまり大きな声では言えないことですが、私の実家の下は墓場でした。
墓場と言ってもみなさんが思う墓場ではなく、古墳でした。
家を建てる時に、土台を作るために掘り起こし気づいたのですが、
勾玉や鏃(ヤジリ)、土偶などたくさんの古代の物品が掘り出されました。
通常、古墳などが出土してしまった場合は、市や県などにその旨を伝え
研究的な事柄も含めて、しっかり調査などされた後に家を建てられる、
もしくは、重要なものであれば代替の土地へ移動させられる…ということらしいのですが
うちの両親は、そんなことしていたらいつまで経っても家が建たない!ということで
出土した物はとりあえず自分たちで保管して、出てきた古墳は埋め立て
そのまま家を建ててしまいました…。
そんな事もあり多少の遅れはありましたが工事も無事に終わり家が建ちました。
そして、私たち家族はその家へ引越し住むことになりました。
334 :ジジイ ◆c7mNR5EDjs :2008/08/23(土) 06:46:34 ID:Y1DvZzAH0
2/4
やはり新築の家はとても快適でした。
私にも念願の自分の部屋ができ、当時中学生だった私は本当に上機嫌でした。
長男だった私は、6畳出窓付きの二階角部屋クローゼット有りという家の中でも
一番いい場所を自分の部屋として使うことを許され、当時本当に喜びました。
しかし、住み始めてすぐ私は毎夜金縛りに合う様になりました。
金縛りという現象はしっていましたが、聞くと体験するでは大違いです。
姿は見えない誰かが、いつも自分の寝ているベッドの周りで苦しそうな咳払いをし、
うめいているのです。
うぅうぅぅぅ…うぅうぅぅぅ…。ゴホゴホッ!うぅうぅぅぅ…うぅうぅぅぅ……。
数日我慢してはみたものの怖くて堪らなくなった私は思い切って
両親にそのことを話しました。
しかし、両親はそんなこと歯牙にもかけず、寝ぼけて夢をみたんだろ?の一点張りでした。
私の訴えはあっさり流され、私はその夜も自分の部屋に寝なければなら
2008-08-29T20:46:41+09:00
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第九十九話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/109.html
329 :あさぎ ◆/OMy2/7irg :2008/08/23(土) 06:39:29 ID:v2yC3azOO
第九十九話【かくれ鬼】
1/3
私がまだ小学校に上がったばかりの頃の話です。
その頃に住んでいたのは、漁村と農村が一緒になったような田舎でした。
今みたいにゲームとかネットとかもろくにない時代。
子供たちは自然の中で遊び回るのが普通でした。
ちょうど今頃の季節。
夏の終わりが近付いて、夕立の多い時期の事。
その日も私は二人の同世代の友達A・Bと一緒に、海辺の松林で戯れていました。
木登りをしたり、追い掛けっこをしたり、他愛もないお喋りをしたり…
その辺りは殆ど人の来ない、私たちだけの秘密基地みたいな場所。
だから、見慣れない女の子が松林の間から、じーっとこっちを窺っている事に気付いた時には、少し驚きました。
その子は同い年くらいで、大人しそうな雰囲気。
長いおさげ髪を結んでいたピンクのリボンが可愛いかったのを覚えています。
彼女は『マナ』と名乗り、夏休みで祖父の住むこの町に来たと言いました。
大人しいながらも気さくな少女で、歳も近かった私たちはすぐに仲良くなれました。
やがて話にも飽き、一緒に遊ぼうという流れに。
Bの提案で、かくれ鬼をする事になりました。
かくれ鬼というのは、かくれんぼに鬼ごっこが組み合わさったようなものです。
鬼が100数える間に他の参加者は隠れ、鬼がみんなを捜す。
かくれんぼは見付かった時点で負けになるが、かくれ鬼では見付けられた者が走って逃げる。
鬼がそれを追い掛けて、隠れていた者が鬼にタッチされたら負け。
今度は負けた者が次の鬼になり100を数え、鬼だった子は隠れる側に回る…そんな遊びです。
330 :あさぎ ◆/OMy2/7irg :2008/08/23(土) 06:41:15 ID:v2yC3azOO
2/3
まずジャンケンで負けたAが最初の鬼になり、かくれ鬼が始まりました。
でも、何度繰り返してもマナだけ見付かりません。
段々おかしいと思い始め、私とAとBは遊びを中断してマナを捜し始めました。
三人掛かりで捜すのだから、マナもすぐに見付かるはず。
…でも、いくら捜してもマナは見付
2008-08-29T20:44:11+09:00
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第九十八話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/108.html
324 : ◆Nz6ToYHZIo :2008/08/23(土) 06:33:55 ID:DCy9E+TA0
第九十八話「鳩の話」1/4
友人が近所で聞いた話。
近所の公園の近くにある夫婦が住んでいた。
旦那は動物が好きだった。
公園にいる鳩に餌をあげることを日々、日課としていた。
妻は動物が嫌いだった。
旦那が公園にいる鳩に餌をあげることをあまりよく思ってなかった。
ある時、旦那が出張で一週間ほど家を空ける事になった。
仕方なく旦那は妻に公園の鳩に代わりに餌をやってくれるよう頼んだ。
妻は心の中では嫌だったが、旦那の頼みなので仕方なく引き受けた。
325 : ◆Nz6ToYHZIo :2008/08/23(土) 06:34:41 ID:DCy9E+TA0
2/4
旦那が出張に行った初日、妻は群がる鳩に怖がりながらもきちんと餌をやった。
「ぽっぽー」と鳩は喜んだ。
次の日、動物嫌いと面倒臭さも手伝って妻は鳩に餌をやらなかった。
「ぽっぽー」と公園から聞こえたがあまり気にしなかった。
また次の日、餌をやっている人は他にもいるだろうと思い、妻は餌をやらなかった。
「ぽっぽー」と公園から聞こえ、悪いなとも思ったがすぐ忘れた。
また次の日、餌をやらなかった。
泣き声は聞こえなかった。その事も手伝って妻はすっかり気にも止めなかった。
326 : ◆Nz6ToYHZIo :2008/08/23(土) 06:35:29 ID:DCy9E+TA0
3/4
また次の日、餌をやらなかった。
夜寝ている時に窓の外から「ぽっぽー」と聞こえた。
妻は寝ぼけながらも、まあいいやと思った。
旦那が戻る前の日、やはり餌をやらなかった。
妻が夜寝ている時にどこからか「ぽっぽー」と聞こえた。
妻はまた、まあいいやと思ったが、もう一度「ぽっぽー」と聞こえた。
自分の寝ている部屋の中からだった。足元のほう。
また「ぽっぽー」と聞こえた。妻の足に何か乗った。
また「ぽっぽー」と聞こえた。妻のふとももを何かが上ってきた。
自分が餌をやらなかったから鳩が仕返しにきたと思った。
また「ぽっぽー」と聞こえ
2008-08-29T20:43:01+09:00
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第九十七話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/107.html
320 :万夜 ◆NMnaoT1HrA :2008/08/23(土) 06:29:27 ID:Y5r+kRqz0
【ピンポンダッシュ】 1/3
ある夏休み、夜中にパソコンをしていて時計を見るとちょうど1時。
さあ寝るかと思い、立ち上がった瞬間『ピンポーン』とチャイムが鳴った。
背筋がゾクっとした。誰だってこんな深夜にチャイムが鳴ったら驚くだろう。
慌てて暖かい布団に頭から潜り込んだ。
しかし『ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン』となおもチャイムは鳴り響く。
最初は布団に篭りながら無視していたが、だんだん恐怖よりも怒りの感情のほうが大きくなっていった。
(うるせえよ) 心の中でそう呟きながらチャイムを鳴らしてる奴の顔を確認するため
居間の壁についている玄関モニターの前に行った。
このモニターは玄関付近から突き当たりのエレベーターまでを映すことができる。
(どんな奴なんだろ) モニターのスイッチを押すとエレベーターまでの廊下を含めた玄関付近が映し出された。
チャイムはまだ鳴り響いている。
だが玄関付近には誰もいない。
(え、なんで!?)と思ったのもつかの間、突如チャイムが鳴り止んだ。
静寂がモニターの前に立ち尽くす俺を包み込む。
数十秒ほどボーっとモニターの画面を見ていたその時、画面の中で変化が起きた。
俺の部屋(706号室)よりエレベーターよりの隣の部屋(705号室)のドアが勢いよく開けられたかと思うと
住人のおじさんが何か叫びながら出てきたのだ。そしてしばらくして不思議そうに辺りを見渡すとまた部屋に戻っていった。
この異様な光景を目の当たりにした俺は不思議に思いながらも結局睡魔には勝てず布団に戻り眠ってしまった。
321 :万夜 ◆NMnaoT1HrA :2008/08/23(土) 06:30:12 ID:Y5r+kRqz0
2/3
次の日、1階のエントランスホールで
昨夜モニター内で不審な様子を見せていた705号室のおじさんと管理人さんが深刻そうな顔で話しているのを見かけた。
「どうかしたんですか?」と事情を尋ねると、
おじさんは疲れた顔をしながら
「いやそれがな。 昨日夜1時ごろやったかな、寝ようと思ったんや
2008-08-29T20:41:20+09:00
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第九十六話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/106.html
318 :グレゴリー ◆yNuURBcNkQ :2008/08/23(土) 06:27:52 ID:Dm5O7tk80
5階
友達の話なんだけど、そいつが住んでるのは4階建てのマンションの、405号室なんだ。
エレベータがないマンションで、部屋に帰るには階段を昇らなきゃならない。
一番上の階だから、そいつはいつも階段が終わるのを目印にして昇ってたんだって。
その日もいつもと同じように、階段を昇ってたんだそうだ。
階段が終わって、廊下を進んで、5番目の部屋の前について鍵を差し込んだ。
ところが、鍵が回らなかったんだそうだ。
確かに一番上まで昇ったはずなのに、おかしいなと思って部屋番号を確認したら、
505って書いてある。
そのマンションに5階なんてないのに。
怖いというより、妙な気分になって、何度も鍵を回そうとしたけどやっぱり回らない。
仕方がないから、階段を一階分だけ降りて、今度はちゃんと405号室の前に来た。
鍵を差して、まわすと、かちっと鍵の空く音がしたんだって。
ちゃんとドアも開いて、自分の部屋だった。
変だなって思ったけど、どうしようもないから、その日はそれで部屋に戻ったんだ。
次の日、仕事にいく前に階段を確認すると、階段は4階でちゃんと終わってたんだって。
5階に行ったのはそれっきりだそうだ。
完
2008-08-29T20:40:17+09:00
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第九十五話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/105.html
315 :蕨 ◆grZCWCboXg :2008/08/23(土) 06:21:08 ID:/76O1pUN0
「磨りガラスに映る何か」1/2
父方の親戚の話です。
そこは、自分からすると判らない、祖母の妹の夫の母の…みたいな遠い親戚も
田舎独特のコミュニティに含まれているような土地柄。
昔ながらの山間の農村そのもので、幼い頃一度しか行った事は無いけれど
道端にある古い幟の立った祠を見て「八つ墓村みたいだなぁ」と思ったのは憶えている。
そんな中、70そこそこの女性の親戚(仮にAさん)が闘病の末に亡くなった。
良くある話だがその人は長男の嫁と折り合いが悪く、かなりやり合っていた事は
あまり近くない親戚の自分にも聞えてくる程だった。
亡くなる原因の病は胃の病で、死ぬ直前は殆ど何も食べられなかったらしい。
Aさんの通夜が終わり、葬式が済み、客が帰った後。
田舎の葬式だけに、やたらと人が多く来るので終わった後はぽっかりと
空洞のようにひっそりとするらしい。
山間だけに、夜中も街灯で明るいという事はなく
一歩家を出ると、都会暮らしには想像がつかないほど異様に暗い。
昔の家なので基本的に和室に障子で、家中の障子が
真ん中にグラデーション状の磨りガラスをはめ込んだ戸になっている。
茶の間と、昔ながらの板の間の台所は隣接していて
茶の間からガラス越しに台所が見えるそうだ。
316 :本当にあった怖い名無し:2008/08/23(土) 06:26:11 ID:/76O1pUN0
2/2
葬式というものは意外と家族はする事がなく、手持ち無沙汰になるものだが
そのお嫁さんも、夜に茶の間でぼーっとしていた。
すると、亡くなったAさんの部屋の方から、スーッ…スーッ…という
足袋の擦るような足音が聞えてきた。
嫁さんが台所の方を見ると、磨りガラス越しに髪を振り乱したAさんが
おひつの中から手掴みでご飯を食べている姿がおぼろげに見えたそうだ。
これは、一緒に居た親戚のおばさんにも同じものが見えたらしい。
周囲から聞く話だと、若い頃に散々Aさんと揉めていたお嫁さんは
Aさんが病を得て寝込んだ後に、その鬱憤を晴らすような行動をしていたらしい。
食
2008-08-29T20:37:00+09:00
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第九十四話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/104.html
313 :テンプレ0/0 ◆tbxFW3dsZU :2008/08/23(土) 06:16:25 ID:GW0lqxDt0
【聲(こえ)】
私が高校生の頃の話。
部室で、私の友人、後輩、いつも集まるメンバーで語り合っていました。
私が帰り支度を始めた頃。後輩の一人が、携帯に留守番電話が入っている事に気付きました。
何だろうと思いながら留守電を聞く後輩。すると突然
「うおぉ怖えぇぇ!」
そう言いながら、あわてて携帯を耳から話しました。
「おい、どうした(笑)」
私が聞くと、「先輩、怖いですよ(笑)!」そう言いながら、私に携帯を差し出してきました。
私もその留守電を聞きました。留守電には…
数秒の無音の後、子供の、小さな声で、
「……おかぁさぁん……」
ゾッとしました。
悪戯か間違い電話だと、そう信じています…。
「完」
2008-08-29T20:35:48+09:00
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第九十三話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/103.html
311 :妖刀 ◆WslPJpzlnU :2008/08/23(土) 06:15:03 ID:LpkJzKar0
【ヒトダマ】
これは俺の爺さんが国民学校生だった頃に体験した話。
爺さんが子供の頃、俺が住んでいる所は藪と田んぼの田舎だったらしい。
そんで、爺さんが行ってた学校と自宅の間には墓があって、
爺さんその横を通って行き帰りしてたらしい。
そんなある日の夕暮れ、何時もの様に下校して墓の横を通った時、
墓石の上で何かがフワフワしていたらしいんだ。
「なんぞ?」と思ってじっと目を凝らして見るとどうやら何かが燃えている。
爺さん曰く「あれは間違いなく火の玉だった!」と。
で、ガキだった爺さんビビっちまって凝視したまま固まってた。
そしたらいきなり『ビュッッッーーーーーーーーーーーッッ』っと
空高く一直線にそれはもう刹那の速さで上昇していったそうだ。
それと同時に爺さん緊張が解けたのか全速力でヤブ道抜けて家まで帰ったらしい。
この話を話した後、
「いやぁ、アレには驚いた。
多分、”ジン(字は解らない、だがリンではない)”が燃えてたんだろうな。
今じゃ火葬ん時に一緒に燃えるが、昔は土葬やったからなぁ~。」
ってのたまっておられましたよ。
[完]
2008-08-29T20:35:04+09:00
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第九十二話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/102.html
309 :マイペット:2008/08/23(土) 06:11:59 ID:w+kqgFi/0
「黒い物」
つい最近、祖母の家で母が金縛りにあったと言ってきた。
その金縛りというのは、体が動かなくなり、しばらくすると
お腹の上に黒い物が。のしかかってきて顔の中に、吸い込まれるように
入っていくというものだったといいます。
そして、次の日の朝母の顔が、殴られたようになっていました。
そして今までの事を、祖母に言うと、祖母もまったく同じ体験をしたこと
があるというのです。
どうしてこんな事が起こるのだろうと考えていたとき祖父の言っていた
言葉を思い出してゾッとしました。祖母の家の土地は、
むかいにある、お寺の土地の一部がはいっているのです。
母と祖母が体験した事は、お寺の祟りなのでしょうか?
それとも別の何かなのでしょうか?
深追いするのは怖いので本日はここで終わりにします。
【完】
2008-08-29T20:34:22+09:00
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第九十一話
https://w.atwiki.jp/hyakuwa08/pages/101.html
306 : ◆100mD2jqic :2008/08/23(土) 06:10:36 ID:0E6uFjYC0
『赤いワンピース』 1/2
もう10年以上前、バイトの同僚(当時30代)から聞いた話です。
彼女はその日友人と2人で、札幌近郊のとある山へ行っていたそうです。
山といっても小さな、一般人が気軽に山菜など採りに入れるような山ですが
短い夏を一斉に謳歌する北海道の植物達、その生命力をなめてはいけません。
ワッサワッサと生い茂る草を、木の枝葉を、避けながら引っ掛かりながら
山道をひぃこら進んでいた時のこと。
「?」
何か音が聞こえた気がした。
人の声のようにも思えたが、もしもヒグマの唸り声だったら…!
少々焦りながらそちらの方角を見遣ると、チラッと一瞬赤いものが見えた。
髪の長い女性のようだった気がする。赤いワンピースか何かを着た。
それにしてもすごい声だったな。あんな格好だし足もハイヒールみたいな、
山歩きには適さない靴だったのかもしれない。それでコケたのかも。
「ねぇねぇ、今の聞こえた?」友人に尋ねてみる。
「あーなんか聞こえたねー」
「見た?赤い服着た女の人っぽくなかった?」
「えー、何も見てないよー。女の人だったの?」
残念。あの派手な格好を話題にしようと思ったのに。
308 : ◆100mD2jqic :2008/08/23(土) 06:11:25 ID:0E6uFjYC0
『赤いワンピース』 2/2
その後、他の人間の声を聞くことも、姿を見ることもなく、もちろん
ヒグマに出遭うこともなく、2人は無事何事もなく山を下りたそうです。
翌日。
朝のニュースを見ていた彼女は驚きました。
昨日行ったあの山で女性の焼死体が見付かった、と報じられているのです。
そういえばあの声は、最初ヒグマかと思ったほどすごい声だった。
ワンピースか何かだと思ったあの「赤い服」は本当に服だったか?
実はあの方角は崖などになっていて、だから声も姿も一瞬だったのでは?
いや、もしかしたらあの時あの女性は既に死んでいたのかもしれない。
だから友人には見えなかった-霊だったのではないだろうか。
「真相はわからないけどねー。今思い出し
2008-08-29T20:33:44+09:00
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