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*Birch還元 #right(){[[戻る>保護・脱保護反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}&br()Strategic Applications Of Named Reactions In Organic Synthesis:&br() Background And Detailed Mechanics: 250 Named Reactions p.| #center(){&ref(THP01.png)}  一電子還元反応。  ベンゼン環やオレフィンなどのπ電子系に対して還元反応が起こる。  特に有用なのはベンゼン環を有する保護基の脱保護反応であろう。 -反応機構  1電子付加によって生じた&color(red){ラジカルアニオン}がプロトンを拾ってラジカルとなる。生じたラジカルがさらに1つ電子をもらい,アニオンを生じ,プロトンを拾う事で反応が終了する。 -反応の特徴  低温で行うために反応が穏やかである。しかし強力な還元反応であるため,π電子系を持つ化合物には注意が必要である。  手間がかかる反応だが,非常に収率が高く,安定した反応である。 **実験プロトコル |BGCOLOR(#ddddff):塩基性|BGCOLOR(#ffffff):-78 ℃|BGCOLOR(red):&color(white){禁水}| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.00| |オキサリルクロリド (COCl)2|1.05| |DMSO|1.1| |Et3N|2.0| |CH2Cl2|0.5 M| -実験   &anchor(0) **Tips -[[Birch還元反応を行い,反応が終了したのでクエンチ操作を行った。後処理後,クルードのTLCをうってみると,基質が大量に残存していた。>Birch還元#1]] -[[Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。>Birch還元#2]] -[[Birch還元反応を行ったところ,望みとは異なる生成物を与えた。どんな副反応が考えられるか。>Birch還元#3]] -[[Birch還元反応を行ったが,反応の進行が遅い。>Birch還元#4]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,反応が終了したのでクエンチ操作を行った。後処理後,クルードのTLCをうってみると,基質が大量に残存していた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                キャピラリ内反応を疑う。| -概要  Birch還元反応を行った。反応混合物を一部採ってTLC分析を行ったところ,減量が消失していたため,反応終了をとみなした。そこでクエンチ操作をし,クルードとした後に再度TLC分析を行うと,先ほどは消失していると思われた原料が大量に残存している事が分かった。 -原因  Birch還元反応は,-78 ℃,液体状のアンモニアを溶媒とした反応である。従って,キャピラリで反応混合物を採取すると,TLCをうつまでの間にキャピラリ内が室温に昇温してしまう。その結果,キャピラリ内で反応が急速に進行し,あたかも系内の反応が終了しているかのようなTLCを与える事がある。 -解決法  まず,Birch還元反応の反応チェックにキャピラリを用いるのは間違いである。急激に室温に昇温を受けた反応溶液は,キャピラリ内で突沸し,跡形も無く飛び散ってしまう。  パスツールピペットを用いてサンプルを取るのが好ましい。採ったサンプルは,速やかに冷却したメタノールに滴下して反応を終結させる。その後,落ち着いてTLCをうてば良い。   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                金属としてカルシウムを用いるとより温和な条件となる。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(3) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行ったが,反応の進行が遅い。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                アンモニア還流条件まで昇温が可能である。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(4) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                金属としてカルシウムを用いるとより温和な条件となる。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} ----
*Birch還元 #right(){[[戻る>保護・脱保護反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}&br()Strategic Applications Of Named Reactions In Organic Synthesis:Background And Detailed Mechanics: 250 Named Reactions p.| #center(){&ref(THP01.png)}  一電子還元反応。  ベンゼン環やオレフィンなどのπ電子系に対して還元反応が起こる。  特に有用なのはベンゼン環を有する保護基の脱保護反応であろう。 -反応機構  1電子付加によって生じた&color(red){ラジカルアニオン}がプロトンを拾ってラジカルとなる。生じたラジカルがさらに1つ電子をもらい,アニオンを生じ,プロトンを拾う事で反応が終了する。 -反応の特徴  低温で行うために反応が穏やかである。しかし強力な還元反応であるため,π電子系を持つ化合物には注意が必要である。  手間がかかる反応だが,非常に収率が高く,安定した反応である。 **実験プロトコル |BGCOLOR(#ddddff):塩基性|BGCOLOR(#ffffff):-78 ℃|BGCOLOR(red):&color(white){禁水}| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.00| |オキサリルクロリド (COCl)2|1.05| |DMSO|1.1| |Et3N|2.0| |CH2Cl2|0.5 M| -実験   &anchor(0) **Tips -[[Birch還元反応を行い,反応が終了したのでクエンチ操作を行った。後処理後,クルードのTLCをうってみると,基質が大量に残存していた。>Birch還元#1]] -[[Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。>Birch還元#2]] -[[Birch還元反応を行ったところ,望みとは異なる生成物を与えた。どんな副反応が考えられるか。>Birch還元#3]] -[[Birch還元反応を行ったが,反応の進行が遅い。>Birch還元#4]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,反応が終了したのでクエンチ操作を行った。後処理後,クルードのTLCをうってみると,基質が大量に残存していた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                キャピラリ内反応を疑う。| -概要  Birch還元反応を行った。反応混合物を一部採ってTLC分析を行ったところ,減量が消失していたため,反応終了をとみなした。そこでクエンチ操作をし,クルードとした後に再度TLC分析を行うと,先ほどは消失していると思われた原料が大量に残存している事が分かった。 -原因  Birch還元反応は,-78 ℃,液体状のアンモニアを溶媒とした反応である。従って,キャピラリで反応混合物を採取すると,TLCをうつまでの間にキャピラリ内が室温に昇温してしまう。その結果,キャピラリ内で反応が急速に進行し,あたかも系内の反応が終了しているかのようなTLCを与える事がある。 -解決法  まず,Birch還元反応の反応チェックにキャピラリを用いるのは間違いである。急激に室温に昇温を受けた反応溶液は,キャピラリ内で突沸し,跡形も無く飛び散ってしまう。  パスツールピペットを用いてサンプルを取るのが好ましい。採ったサンプルは,速やかに冷却したメタノールに滴下して反応を終結させる。その後,落ち着いてTLCをうてば良い。   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                金属としてカルシウムを用いるとより温和な条件となる。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(3) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行ったが,反応の進行が遅い。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                アンモニア還流条件まで昇温が可能である。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} &anchor(4) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Birch還元反応を行い,脱ベンジルを行おうとしたが,同時にアリルエーテルが分解した。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                金属としてカルシウムを用いるとより温和な条件となる。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Birch還元#0]]} ----

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