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TEMPO酸化」(2011/10/31 (月) 23:19:24) の最新版変更点

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*TEMPO酸化 #right(){[[戻る>酸化・還元反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}| #center(){&ref(THP01.png)}  アルコールに対する酸化反応。 触媒量のTEMPOを共酸化剤として、二層系で反応を行う。 1級アルコールに対してはアルデヒドを,2級アルコールに対してはケトンを与える。 酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いることと、 分液操作のみで試薬由来の不純物を除くことができるため、大量合成に向いている。 -反応機構 -反応の特徴  DMPを用いた酸化や、Swern酸化と比べ、試薬が非常に安価である。 反応終了後に分液操作のみで目的物を得られること、反応が速いこと、 官能基選択性が高いことなどから、非常に有用な反応である。 ただし、添加する試薬の種類が多いため、反応を仕込むのは面倒。 -類似の反応  酸化剤としてヨードベンゼンジアセテートを用いる場合、均一系で反応ができる。 また、立体障害の大きなアルコールを酸化できる試薬として、AZADOなどが知られている。 **実験プロトコル |BGCOLOR(#ffdddd):中性|BGCOLOR(#ffffff):0 ℃|BGCOLOR(red):&color(white){水-ジクロロメタン二層系}| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.00| |TEMPO|0.01| |KBr|0.25| |NaHCO3|xx| |NaClO aq.|2.0| |CH2Cl2|0.5 M| |H2O|5 M for KBr| -実験  反応容器にアルコール&bold(){SM}を秤り取り,攪拌子を入れて0.5 Mになるよう,CH2Cl2に溶解し,0 ℃に冷却する。TEMPO 0.01 当量、5.0 M KBr水溶液0.25当量、NaHCO3 xx当量を順次加え、最後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液2.0当量を加え、1時間激しく撹拌する。反応液ははじめ茶色を呈するが、次第に黄色、反応終了時には無色となる。  反応終了後、反応液を分液ろうとに移し、有機層を分ける。水層をジクロロメタンで2回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を減圧留去する。得られた残渣を必要に応じて精製し、目的物を得る。 (たいていの場合、生成を必要としないほどきれいに目的物が得られる。) &anchor(0) **Tips -[[Swern酸化を行ったところ,副生成物が得られた。>Swern酸化#1]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Swern酸化を行ったところ,副生成物が得られた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                副生成物として,methyltiomethyl体や-chloroketone が考えられる.副反応を抑えるため,DMSOをジクロロメタン溶液にして加える.| -概要   -原因  反応剤であるDMSOが系内で凍ったため,methyltiomethyl化が進行した. Swern酸化は通常 -78℃で行われる.反応剤であるDMSOは,融点が16-19℃であるため,そのまま加えると反応系内で固体になってしまう.固体のDMSOは表面のみでしかoxalylchlorideと反応しないために,反応系内に未反応のoxalylchloride が残存.結果,反応系内が酸性に傾き,副反応であるmethylthiomethyl化が進行した. -解決法  DMSOを加える際,等容積のジクロロメタンと混合し,ジクロロメタン溶液として加えれば固化しない.   #right(){[[上へ>Swern酸化#0]]} ----
*TEMPO酸化 #right(){[[戻る>酸化・還元反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}| #center(){&ref(THP01.png)}  アルコールに対する酸化反応。 触媒量のTEMPOを共酸化剤として、二層系で反応を行う。 1級アルコールに対してはアルデヒドを,2級アルコールに対してはケトンを与える。 酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いることと、 分液操作のみで試薬由来の不純物を除くことができるため、大量合成に向いている。 -反応機構 -反応の特徴  DMPを用いた酸化や、Swern酸化と比べ、試薬が非常に安価である。 反応終了後に分液操作のみで目的物を得られること、反応が速いこと、 官能基選択性が高いことなどから、非常に有用な反応である。 ただし、添加する試薬の種類が多いため、反応を仕込むのは面倒。 -類似の反応  酸化剤としてヨードベンゼンジアセテートを用いる場合、均一系で反応ができる。 また、立体障害の大きなアルコールを酸化できる試薬として、AZADOなどが知られている。 **実験プロトコル |BGCOLOR(#ffdddd):中性|BGCOLOR(#ffffff):0 ℃|BGCOLOR(red):&color(white){水-ジクロロメタン二層系}| -試薬 |CENTER:試薬|CENTER:当量| |アルコール&bold(){SM}|1.00| |TEMPO|0.01| |KBr|0.25| |NaHCO3|xx| |NaClO aq.|2.0| |CH2Cl2|0.5 M| |H2O|5 M for KBr| -実験  反応容器にアルコール&bold(){SM}を秤り取り,攪拌子を入れて0.5 Mになるよう,CH2Cl2に溶解し,0 ℃に冷却する。TEMPO 0.01 当量、5.0 M KBr水溶液0.25当量、NaHCO3 xx当量を順次加え、最後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液2.0当量を加え、1時間激しく撹拌する。反応液ははじめ茶色を呈するが、次第に黄色、反応終了時には無色となる。  反応終了後、反応液を分液ろうとに移し、有機層を分ける。水層をジクロロメタンで2回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムにて乾燥して溶媒を減圧留去する。得られた残渣を必要に応じて精製し、目的物を得る。 (たいていの場合、生成を必要としないほどきれいに目的物が得られる。) &anchor(0) **Tips -[[立体障害の大きなアルコールを酸化したい。>TEMPO酸化#1]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                    立体障害の大きなアルコールを酸化したい。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                    AZADOなどの酸化力の強い酸化剤が開発され、市販されている。| -概要   -原因  今のところなし。 -解決法  AZADOなどの試薬を用いると、嵩高いアルコールも酸化できることがある。 [[和光純薬「Organic Square」>http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/org/pdf/org29.pdf]]   #right(){[[上へ>TEMPO酸化#0]]} ----

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