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実験の準備

ここでは,合成反応を行うのにあたって,実験前に考察すべき準備について述べる。

仕掛ける反応の種類を決定する

 合成反応のまず最初の手順は,仕掛ける反応を決める事である。
どのような官能基変換が行いたいのか,カップリング反応を行いたいのかを決める。
反応を決める際には,SciFinderが役立つ。

参考となる文献を準備する

 反応開発の研究でない限りは,これから行おうとする実験には必ず参考となる実験手順が存在する。つまり,過去に全く類似の反応例が存在しない反応をいきなり行うというのは無謀である。まずは,参考となる類似の実験例を探す。

  • 科学論文
 論文には実験項が記載されている。したがって,類似の反応を探し当てたならば,その論文の実験項に従って実験を行うのが第一選択である。

  • 実験化学講座
 化学実験のほとんど全てを網羅する実験書。この本に紹介されている方法は一般的に知られる反応であり,この本に記載される方法を組み合わせればほとんどの化合物が合成できる。この本の実験項には全て参考文献がひかれている。したがって,この本の実験を参考にする場合,必ずその参考文献をひいておく事。


自分の系に合わせて参考文献の実験項をアレンジする。

 参考とする文献のうち,おそらく最初にアレンジするのは 基質の種類基質の量 である。
  • 基質の種類
  できる限り似た基質を選ぶべきである。 重要なのは,反応性の官能基のひとつを選択的に反応させるような場合,自分の基質に含まれる反応性官能基が参考文献の基質にも含まれているかどうか,さらにはその反応に官能基が持つかどうかである。

  • 基質の量
  用いる基質の量に応じて試薬等の量を変化させる。 基質が参考文献の1/2ならば,試薬の量も1/2とする。
変化させるパラーメーターとそうでないパラーメーターを区別する事。

変化させるもの 変化させないもの
基質の質量 反応の時間
試薬の質量 反応の温度
溶媒の体積 分液操作の回数
試薬を加える速さ  

基質・試薬の精製

 化合物の純度は反応の成否を決定する重要な要素である。不純物として混入し得る化合物と,その除去法は様々であるが,一般的に考慮すべき要素は限られている。
なお,試薬の精製にはPerinが詳しい。

  • 異性体
 異性体の混入は,収率を大きく低下させる原因である。それは,異性体が基質とそっくりな官能基を持ち合わせているからである。特別な理由がない限り,異性体混合物で反応を仕掛けることはしない。

  • 前回の反応の試薬カス
 次に行う反応に邪魔をしないかどうか,吟味が必要である。

  • 残留溶媒
 分液操作やカラム精製,移し変えの際に用いた溶媒の混入である。

 禁水反応において,水の混入は致命的である。
 ベンゼン共沸で取り除く。