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町中に注意報が放送される。  ◆PzD3ftv2xo - (2009/09/13 (日) 15:10:33) のソース

147 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 09:10:42.43 ID:PcmOQwJtO 
謎の小袋投下(中身は   ) 



町中に注意報が放送される。 
連続発砲事件の容疑者が未だに捕まっていないのだという。 
その放送を流す広報スピーカーの上に、やたらと長いマフラーを首に巻いた少女が立っている。 
男「唯お嬢様!」 
足下から少女-唯-を呼ぶ男。 
唯「な~に~?」 
男「約束のお時間です。」 
唯「ほいほ~い。」 
唯は広報スピーカーから降りる。 
男「…やはりあのような連中に依頼するのは反対です。」 
男は、この発砲事件の調査協力を頼んだ者達が気に入らない様子だ。 
唯「そうも言ってらんないよ~。解決出来るならどんな事もしなきゃだし、猫の手でも借りるよ?それと何度も言わせないで。」 
唯はそれまでより強い口調で言う。 
唯「公務中は『町長』と呼ぶよーに!」 
男「は、申し訳ありません。」 
149 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 09:30:18.66 ID:PcmOQwJtO 
少女「澪ー!」 
1人の少女が先を歩く少女-澪-を呼び止める。 
少女「カラオケ行こーよー。」 
澪「ごめん。今日バイトだから。物騒なんだし遊んでないで帰ったら?」 
少女「えー、でも怪我人出てないって言うじゃん。乱射事件なのに変な話だよねー。」 
澪「……。」 
澪は難しい顔で黙り込む。 
少女と別れた時、澪は泣き声を聞いた。 
その方向を見ると、凧が木に引っかかってしまって困っている子供がいる。 
澪「あらら…『風』でも吹いたら、外れるのにな。」 
その時、まるで澪の言葉に反応する様に風が吹き、凧が木から外れた。 
澪は、いたずらに舌を出しながら、その場を離れる。 
150 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 09:51:12.61 ID:PcmOQwJtO 
公園にて。 
イタズラっ子が女の子からアメを取り上げて返さないでいる。 
帽子を被った少女がそれを微笑みながらたしなめる。 
イタズラっ子は何かを思いつくと、両手をグーを握って女の子に突き出す。 
イタズラっ子「ほらっ、どっちに入ってるか当てたら返してやるよ!どーっちだ?」 
イタズラっ子(ホントは後ろのポケットだもんね。) 
イタズラっ子を見つめる少女。 
少し考えた後に、女の子に何かを伝える少女。 
女の子「え?どっちでもない?ホントは後ろのポケット?」 
イタズラっ子「えええっ!!な、何でわかったんだよ~…。」 
イタズラっ子が悔しがってじだんだを踏む。 
その光景を見て微笑む少女。 
151 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 10:07:10.10 ID:PcmOQwJtO 
そこに、男を連れた唯と澪が現れる。 
唯「ムギちゃん、りっちゃん…所長いる?」 
事務所を見ながら所長-律-の所在を告げる少女-紬-。 
澪「例の事件の事か?ウチの事務所に頼むと区のお偉方がうるさくないか?唯。」 
唯「関係ないよ~。うちの町の問題だもん!自治会と警察だけじゃ心配なんだよ~。」 
男「しかし…『田井中生活相談事務所』……いつ見てもボロい…。ここの事務員達の生活の方が心配です。」 
公園の一角に建てられた古いプレハブ小屋。 
そこに、『田井中生活相談事務所』との表札が掲げられている。 
澪「歴史があるって言ってやってくれ…私とムギも一応事務員だから。」 
トホホと言いたげな顔で事務所を見つめる澪。 
154 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 10:26:22.04 ID:PcmOQwJtO 
唯「ボロいけど今回みたいな事件に関してのウデは確かだよ!りっちゃんの事だからもう嗅ぎ取って動き出してる筈!」 
唯はドアノブに手をかけ…蹴破る。 
唯「毎度!りっちゃん!例の事件…。」 
律「ん、よう。事件がどした?」 
そこには、簡易プールで女の子とくつろぐ律がいた。 
唯「……。」 
数分後。 
服を着て、顔にラケットの物らしいあざをつけて言い訳をする律。 
律「だーってさあ……発砲事件なのにケガ人でてねーんだろ?大した事件じゃねーったら。」 
唯「…これ。今回の事件の容疑者だよ。」 
唯はムスッとしながら、容疑者の資料を差し出す。 
律「へ、何?そこまで分かってんの? 」唯「重軽傷者13人を出した乱射事件により、2年前から服役中…真性の乱射魔だね。」 
158 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 10:46:05.43 ID:PcmOQwJtO 
澪「って事は脱走か?」 
唯「うん。看守さんの話をまとめるとね。夜半急に苦しみ出し昏倒。その後医務室へ運ぶ途中で逃走。10mの塀を軽々とこえたんだって。」 
律「……人間技じゃねえな。って事は……。」 
唯「うん。」 
唯は窓を開け、外にそびえ立つ巨木を見る。 
唯「この町に根付く7本の霊桜……『七郷』…にまつわる事件に間違いないね。」 
静まり返る一同。 
その後、出前を取って夕食を食べてテレビを見ていると。 
レポーター役のナース服の女性医師が、偶然にも件の乱射魔に出くわしてしまう。 
乱射魔はカメラに向かって、自分が被害者を殺さなかった理由を語ると、今度は被害者を殺して回ると宣言する。 
それを見た唯達は、早速現場に急行する。 
162 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 11:01:31.44 ID:PcmOQwJtO 
唯「待て待てー!そこまでだよ小悪党!」 
乱射魔は唯達に向かって発砲する。 
一般人に銃弾が当たる可能性を考慮し、人通りがない所へ逃げる唯達。 
紬の帽子に銃弾が掠めて、まるで猫耳のようなその頭髪が露わになる。 
澪「ムギ!」 
紬「いけますわ!」 
紬は何かを念じると、広範囲に読心術を展開する。 
人々の心の声を聞き、人のいない場所を探す。 
紬「ありましたわ!!次を右…6丁目交差点です!」 
律「よしきた!」 
唯達は、言われた場所を目指す。 
乱射魔を誘導するのに成功する。 
紬は力の使いすぎでバテてしまい、それを律が抱える。 
そこに向けて乱射魔が発砲する。 
168 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 12:02:21.44 ID:PcmOQwJtO 
唯がとっさにラケットで弾丸をはじく。 
唯「ああああああああ!折れたあー!!」 
律「そりゃそーだろ!」 
乱射魔は更に撃つ。 
唯はその弾丸を素手でことごとくはじく。 
乱射魔は懐からショットガンを取り出す。 
が、直後に唯がそれを蹴り上げる。 
乱射魔「銃はまだまだあんだよ!!乱射魔なめんじゃねえぞ!!」 
乱射魔、という単語に澪が反応する。 
澪『凍』 
澪がそう言うと、周囲が突然凍りつく。 
滑って転んだ乱射魔を踏みつけ、澪は言う。 
澪「あらいやだ……その程度の火力で乱射魔気取りだなんて…乱射魔が、聞いてあきれるわ!!」 
澪の舌先に電気がはしる。 
すると、周囲に大量の弾丸が浮かび上がり、乱射魔に襲いかかる。 
170 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/09/13(日) 12:17:10.74 ID:PcmOQwJtO 
なんとか生き延びた乱射魔は、隙をついて紬を人質に取る。 
律「おい…あんまあたしらを怒らすな!」 
そう言うと律は、一枚の紙を取り出す。 
乱射魔「寄るなバケモノども!!うわああああああ…!」 
………………… 
乱射魔「…あれ?」 
律「……わりーな。あたしは真人間だ。」 
律が取り出した紙は、ただの紙切れと化した出前の領収書だった。 
力なくへたり込む乱射魔に、紬が思い切り頭突きを食らわせる。 
すると、乱射魔の額から霊体が出てくる。 
律「ついてたついてた。」 
唯「大当たりだね!どうすんのコレ?」 
律「大丈夫。ほっときゃ散るだろ。」 
澪「そろそろ4分だぞ。」 
枯れた声でそう言う澪。 
律「だな。んじゃ、今日のところは。」 
唯「これにて……一件落着!」 



終わり