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404 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:00:48.48 ID:aAwK/KxVO 律「もうお前なんかしるか!」 唯「ちょっとりっちゃん……」 澪「ああ私だって律なんかしるか。なんで私はこんなやつと友達になってしまったんだか」 紬「ま、まぁまぁ…澪ちゃん」 律「うるせーそれはこっちのセリフだ!」 澪「もう律には心底愛想が尽きたよ」 律「ちっ……もういい…今日は帰る」 澪「どうぞどうぞ。あちらが出口ですよ」 律「どこまでもむかつくやつだな……」ガラッ 406 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:02:17.00 ID:aAwK/KxVO 律「はぁ………また澪にあたってしまった……」 律「澪、怒ってるだろうなぁ……ゴホッ」 澪「ふん!もうなんだあいつは!」 澪「もう二度とここにくるな!」 唯「でもりっちゃんは軽音部の部長だから…」 澪「そんなのしるか!あいつがやめないなら私がやめる」 澪「私は今まで散々心配してやってたのに……」フルフル 澪「あいつはなんだか最近ずっと冷たいんだよ」 408 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:03:47.37 ID:aAwK/KxVO ―一週間前― 澪「おーい律ー。帰らないのかー?」 律「ああ、うん先に帰ってt…ゲホッゴホッ」 澪「大丈夫か?律」 律「大丈夫だって!ちょっと咳き込んだだけだ」 澪「んー、でも本当に大丈夫か?」 律「大丈夫っつってんだろ!いいから帰れよ」 澪「な、なんだよ…こっちは心配してやってんのに」 澪「もういいよ。じゃあな、律」 律「あぁ、じゃあな…」 律「………ゴホッゴホッ」 409 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:04:52.01 ID:aAwK/KxVO 律「なんだか最近イライラしちゃうんだよなぁ」 律「澪にあたってばかりで…今度謝らなきゃ……ゲホッゲホッ」 律「はぁはぁ……なんか息苦しいな…」 律「……あ、澪のやつちゃんと他の友達と帰ってるじゃん」 澪「あははーそれでね」 律「はは、よかったよかった。澪は私に頼ってばかりだからな」 律「……そろそろ私も帰るかな」 411 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:05:57.74 ID:aAwK/KxVO 律「…はぁ…澪がいないといないでつまらないもんだな」 律「結局澪から離れられないのは私のほうかもしれないな…」 律「ただいまー」 ―翌日― 律「ゲホッゲホッ…あぁなんだろ…風邪でもひいたかな…」 澪「あ、おい律ー!おはよー!」 律「おー澪、おはよう」 澪「昨日はどうしちゃったんだよ…機嫌でも悪かったのか?」 律「ん、あぁちょっとなー」 412 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:07:27.90 ID:aAwK/KxVO ―放課後― ~♪~♪ 律「はぁーみんなお疲れー」 唯「はぁー疲れたームギちゃーんお菓子ー」 紬「はい、唯ちゃん。あーんして」 唯「うー…」パクッ 唯「おいしい!!!!!」 ワイワイガヤガヤ 澪「……それより律。今日はどうしたんだ?ちょっとモタってたぞ」 律「ははは、そうかな?でもいつもハシり気味だし、それくらいでちょうどいいだろ」 澪「んまぁそれはそうだけど……ここ最近元気もないし、なんかあったのか?」 律「だからなんもねーっつってんだろ。いいから早く練習するぞ」 澪「ちぇ…なんだよ律…」 413 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:08:39.53 ID:aAwK/KxVO 律「よーしじゃあ今日は解散なー」 みんな「おつかれさまー」 唯「よーし早く帰ろう、みんな!」 律「唯は練習中より帰るときの方が元気あるんだな…」 唯「ぶぇー、だって練習は疲れるもん!」 律「いや普通は練習した後のほうが疲れてるだろ…」 紬「まぁいいじゃないですか」 澪「………(ちぇ…律のやつ私にだけ冷たくあたって…)」 澪(私のこと嫌いなのかなぁ……) 414 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:09:54.32 ID:aAwK/KxVO 唯「じゃあ私とムギちゃんあっちだから」 紬「じゃあまたね」 律「あぁじゃあなー」 澪「また明日な、二人とも」 律「………ゲホッ」 澪「…そういえば体調が優れないのか?」 律「………」 澪「あまり無理はするなよ?私だって律のことを心配して」 律「……うっせぇな…澪には関係ないだろ…」 澪「………うん、そっか…そうだよね。ごめん律」 律「あぁ、じゃあまたな」 415 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:10:58.71 ID:aAwK/KxVO 律「ただいまー」 律「飯何ー?」 律母「あ、お帰り。もっと女の子らしい喋り方しなさいよ」 律「まぁいいだろ。それより飯まだー?」 律母「もうすぐできるから」 律「はーい…ゲホッゲホッ」 律母「ん?律、大丈夫?」 律「んー大丈夫だって。風邪ひいただけ……あれ…」 律母「ちょっと律!血が出てるじゃない!」 416 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:12:30.12 ID:aAwK/KxVO 律「たいしたことないって…ゲホッゲホッ」 律母「…ちょっと病院に行きましょう。まだ6時だしやってるはず」 ―病院― 医者「えー、まぁただの肺炎ですね」 律母「大丈夫ですか?治りますよね?」 医者「ええ、大丈夫ですよ。」 医者「まだ症状もそこまで酷くはないようですし」 律「そっか!いやーよかったよかった!」 医者「あ、お母さん…ちょっと」 律母「あ、はい…」 律「?…どうしたんだろ?」 427 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/14(日) 23:59:16.27 ID:aAwK/KxVO 律母「ごめん、律。」 律「あ、お母さんどうしたの?」 律母「いやなんでもなかったよ。じゃあ帰ろうか」 律「うん!」 ――――――――――――――――――― 律「いやーでもほんとにたいしたことなかったみたいでよかったよ」 律「今日はもう寝よっかな」 律「………」zzz 428 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:00:27.48 ID:EEjGcp0xO 律「あ、澪。」 澪(うっ、律だ……) 律「おはよう、澪。この前はごめん」 澪「ぷぃっ……」 律「あっ…澪……なんだよあいつ…」 ―放課後― 律「よーし、部活行くかー!あっ澪!部活行こうぜ」 澪「ふんっ…」 431 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:04:22.19 ID:EEjGcp0xO 律「……なぁー澪、この前はごめんって…」 澪「………」 唯「ま、まぁまぁほらりっちゃん。あーん」 律「…なぁ話聞けよ」 紬「ほらほら澪ちゃんも!何飲みます?」 澪「……なによ…今まで散々私に冷たくあたっといて…」 律「だーかーらーごめんって言ってんだろ!」イライラ 澪「ふんだ………」 432 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:06:42.67 ID:EEjGcp0xO 律「……ちっ…もうお前なんかしるか!」 唯「ちょっとりっちゃん……」 澪「ああ私だって律なんかしるか。なんで私はこんなやつと友達になってしまったんだか」 紬「ま、まぁまぁ…澪ちゃん」 律「うるせーそれはこっちのセリフだ!」 澪「もう律には心底愛想が尽きたよ」 律「ちっ……もういい…今日は帰る」 澪「どうぞどうぞ。あちらが出口ですよ」 律「どこまでもむかつくやつだな……」ガラッ 433 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:07:40.02 ID:EEjGcp0xO 律「はぁ………また澪にあたってしまった……」 律「澪、怒ってるだろうなぁ……ゴホッ」 澪「ふん!もうなんだあいつは!」 澪「もう二度とここにくるな!」 唯「でもりっちゃんは軽音部の部長だから…」 澪「そんなのしるか!あいつがやめないなら私がやめる」 澪「私は今まで散々心配してやってたのに……」フルフル 澪「あいつはなんだか最近ずっと冷たいんだよ!」 436 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:08:34.00 ID:EEjGcp0xO 紬「まぁなんだかりっちゃんも最近様子がおかしいようですし」 唯「そうだよ!きっと何かあったんだよ!」 澪「あぁ…でも私がそれを聞いたらお前には関係ないって言われたんだ」 唯「うっ…でもそれもきっとなにか理由があって…」 澪「いーや違うね。律は私のことを鬱憤を晴らす道具としか考えてないんだよ」 紬「澪ちゃん…あなたはりっちゃんのことそういう風に考えてるの?」 紬「私にはりっちゃんが澪ちゃんの事をそんな風に思ってるようには見えない」 紬「確かにりっちゃんも言い過ぎてるところはあると思うわ…でも」 澪「ああそうか…二人とも律の仲間か……もういいよ、私も帰る」バタン 437 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:11:01.63 ID:EEjGcp0xO 唯「あぁ澪ちゃん!…行っちゃった」 紬「……でもやっぱりりっちゃんは…何かあると思うわ」 澪「ちぇ…みんなして仲良しごっこしてればいいんだ」 澪「馬鹿らしい…もう絶対にあんな部活行くか」 律「ゲホ…ゲホッ……なんか…まだちょっと息苦しいかな…」 律「…でも先生も大丈夫って言ってたしなんとかなるよな」 律「ゲホ、ゲホッ………ガハッ」ビチャ 律「はぁ…はぁ……まただ……」 439 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:13:15.75 ID:EEjGcp0xO 律「やべぇ……苦し………」フラッ バタッ 律母「ただいまー」 律母「律?!ちょっと律、大丈夫?!…大変」 ―病院― 医者「まずいですね……まさかここまで進行が早いとは…」 医者「この前よりもかなり症状が酷くなっています」 医者「なんとか今は一命はとりとめられました…が、やはりいずれ…」 律母「そんな…じゃあ律は…」 医者「はい……助かる見込みはないでしょう…」 442 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:14:40.89 ID:EEjGcp0xO 律母「そ、そんな…」 医者「…はい………」 律母「……あの、律には限界まで黙っててあげられますか?」 医者「あぁ…はい、わかりました」 律母「あの子のことだからきっと現実を受け止められないと思う」 律母「それにあまり辛い思いをさせたくないので……」 ――――――――――――――――――― 律(いやーまさかこんなことになるなんてなぁ) 律(それにしても入院なんて初めてだから緊張するな…) 443 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:17:03.75 ID:EEjGcp0xO 律「うっげぇ…まず……」 律「病院の給食はまずいと聞いてたけどここまでとは……」 ――――――――――――――――――― 律「ふぅー食った食った」 律「ん、あぁメールが着てる。澪からかな…」 律「なぁんだ唯とムギか…なになに」 『学校休んだけどなにかあったの?』 律「んー入院してるってあんまり言いたくないな」 『ちょっと休みたかったんだよ』 律「よし、もう寝よう」 445 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:18:35.07 ID:EEjGcp0xO 澪「……そういや今日律学校休んでたな…」 澪「いいや私には関係ないもん…」 澪「……でもやっぱり最近おかしかったしなぁ…」 453 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:41:22.19 ID:EEjGcp0xO 律母「あ、律…」 律「あ、お母さん。どうしたの?」 律母「あのね、今学校に電話してきたから」 律「えっ?なんて?」 律母「学校辞めますって…」 律「えぇっ?どうして?!」 律母「あのね、今のあなたの病気は長引くかもしれないらしいの」 律母「だからね、ずっと行かないまま二年生にあがったりしても勉強についていけなくなるでしょ?」 律「まぁ確かにそうだけどさ!なんでだよ!もう余計なことするな!」 律母「…うんごめんね律…」 455 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:43:14.68 ID:EEjGcp0xO 律「はぁはぁ…お母さんにまで当たっちゃったよ…」 律「騒いだらまた苦しくなってきたな…」 ――――――――――――――――――― 律「あぁー暇だなぁー……あ、そうだ」 律「澪から前に借りたCD持ってきてたんだっけ」 律「んとここらへんに…あったあった……」 律「ちょっとおっさん臭いぞ」 律「…ん~なんか渋いなぁ」 律「しかし…澪の趣味はよくわからないな」 律「でも…なんかいい曲だ」 456 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:45:18.37 ID:EEjGcp0xO 律母「律ー?元気だった?」 律「うん、まぁまぁだよ」 律母「あ、そうだ…暇だと思ってこれ持ってきたから」 律「あっ、PSPだ!暇だったんだよね!ありがとうお母さん」 律母「んーん、喜んでくれて嬉しいわ。じゃあね」 律「うん、じゃあねー……っと、ソフトは…」 律「げっ…モンハンか……これ苦手なんだよね」 ジュバジュバギャー 律「ちくしょー…またやられちまった…」 459 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:47:41.12 ID:EEjGcp0xO ザシュザシュッ グエーーーーーーーッ 律「おっしゃ!初めて一人で倒せたぜ!」 律「ゲホッゲホッ……今日はもう寝るか」 律「それにしても澪から借りたこのCDいいな」 ――――――――――――――――――― 律「やっとこのゲームコツ掴んできたよ…あ、唯からメールだ」 『学校辞めちゃったの?!どうして?』 律「心配してくれてんだなぁ…」 『実はなんか病気らしいんだ… 結構治るまで時間がかかるって』 律「よし…じゃあ次はこのクエストを…」 ブルルルルルル 律「お、早い…」 『ほんとに?じゃあお見舞いに行っていい?』 律「んーまぁいいかな…」 461 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:48:58.00 ID:EEjGcp0xO 唯「やっほー!りっちゃん!」 紬「りっちゃん、久しぶりね」 律「おお二人とも!…やっぱ澪は来てないのか…」 紬「あ、うん……」 唯「実はね…あの日から澪ちゃん、部活にも顔を出してないの…」 律「?!澪、部活やめたのか?」 紬「うん…そうみたい……」 唯「さわちゃんもそれらしいこと言ってたし…」 律「ごめんな二人とも…部長の私がこんな…」グスッ 463 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:50:55.76 ID:EEjGcp0xO 唯「ううん、りっちゃんは悪くないよ」 紬「早く治して戻ってきてね!」 律「いやでも…もう学校も辞めちゃったし…いつ治るかもわからないよ…」 唯「あっ…そっかぁ…でもいつでもお見舞いに来るからね!」 律「おう!待ってるからな」 紬「じゃあ今日はこの辺で」 律「あ、最後に一つだけ…澪にはこのこと言わないでくれ」 唯「…うん、わかった…じゃあねりっちゃん」ガチャ 律「おう、またなー………ゴホッゴホッ」 唯「…あわわっ、ムギちゃん!りっちゃん咳き込んでるよ?」 紬「うん…でも私たちにどうすることもできないわ…」 465 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:52:21.99 ID:EEjGcp0xO ――――――――――――――――――― 律「はぁ…暇だなぁー…」 唯「りっちゃん元気だったー?」 律「よー!また来てくれたか!」 紬「はい、これよかったらどうぞ」 律「おっ!お菓子か。ありがとう」 唯「それじゃー食べよう!りっちゃん!」 律「おい、唯!それはムギが私に持ってきてくれたんだぞ」 唯「えーいいじゃーん!ね、ね?一個だけ」 律「ははは、仕方ないな………今日も澪はいないか…」 唯「あぁ…うん…」 紬「ま、まぁ楽しくやりましょう!」 467 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:55:27.67 ID:EEjGcp0xO 律「……あのな、二人とも…」 唯「…?どうしたの恐い顔して…りっちゃんらしくないよ」 律「…もう私…長くないかもしれないんだ…」 紬「……お医者さんに言われたの?」 律「いいや、でも…なんとなくそれっぽい空気が伝わってくるんだ」 唯「………」 紬「………それじゃあ、その時間の中でたくさん思い出を作りましょう」 唯「…そうだよりっちゃん!澪ちゃんも呼んでさ!」 律「ははは、ありがとう…でも澪は来てくれるかな」 唯「大丈夫!」 紬「きっときてくれるわ!」 468 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:57:55.23 ID:EEjGcp0xO 律「そうかな?ならいいんだけど……うっ、ゲホッ……ガハッ」ビチャ 唯「ちょっと…りっちゃん?」 律「…あぁ…またやっちまった」 唯「ちょっとりっちゃん…血が……」 律「うん…う、ゲホッ…カッ…カハッ…」 紬「りっちゃん?りっちゃん?まずいわ…唯ちゃん!ナースコールを」 唯「あっ、うん!」 紬「呼吸困難をおこしてる…」 ――――――――――――――――――― 医者「まずいな…すぐに集中治療室に運べ」 470 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 00:59:05.65 ID:EEjGcp0xO 紬「集中治療室って…りっちゃんはそこまで酷かったの?」 医者「…いや…まさかここまで酷くなるとは…」 医者「おい早く運べ!」 紬「…澪ちゃんに電話しなきゃ…」 プルルルルルル 澪「ん…ムギか……出たくないなぁ」 紬「澪ちゃん…何やってるの…」 澪「…あぁしつこいな」 471 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:00:22.10 ID:EEjGcp0xO ―――留守番電話サービスに… 紬「……澪ちゃんすぐに病院へ来て!りっちゃんが…大変なの!」 ブツッ 唯「早く私たちも行こう!ムギちゃん!」 紬「ええ、急ぎましょう」 澪「…なんだよ…ご丁寧に留守電まで残して…」 澪「………えっ?!律が……?どうして…」 澪「……考えてる場合じゃない…急いでいかなきゃ…」 病院で携帯使っちゃダメなはずじゃ…… 473 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:02:17.12 ID:EEjGcp0xO 紬「……」 唯「……はぁ…りっちゃん大丈夫かなぁ…」 紬「……わからないわ…でも私たちは祈ることしか…」 唯「……りっちゃん…」 澪「はっはっ……ここらへんか……あっ」 澪「…おいムギ!律は?律は大丈夫なのか?」 紬「……わからないわ…」 唯「……ねえ澪ちゃん…」 澪「ん?…なんだ、唯」 475 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:04:08.73 ID:EEjGcp0xO 唯「…澪ちゃんだってりっちゃんがどういう状態だったか」 唯「…少しくらい気付いてはいたんでしょ?」 澪「…まぁ……でも心配するなとか関係ないって言われたし」 唯「関係ないって言われたって澪ちゃんとりっちゃんは親友でしょ!」 唯「どうして学校辞めたって言ってたときに来てあげなかったの!」 紬「まぁ…唯ちゃん……」 唯「りっちゃんがどれほど澪ちゃんのこと心配してたかわかる?」 唯「私たちがお見舞いに来たとき、りっちゃんはいつも澪ちゃんの話をしてた」 唯「澪は怒ってないかな、とか澪は元気かな、って」 澪「……うぅ…律…」グスッ 476 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:05:15.02 ID:EEjGcp0xO 唯「それなのに澪ちゃんは…この馬鹿!ハゲ!在日!サラサラ黒髪!」 紬「まぁ唯ちゃん落ち着いて……」 澪「…律がそんなことを……」 澪「それなのに私は…勝手に律を悪く言って…」 澪「ごめんね…律……」 唯「とりあえず澪ちゃん」 紬「今、私たちは待つことしか出来ないわ…」 478 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:06:56.64 ID:EEjGcp0xO ここから澪視点が多くなる パアッ 紬「あっ!ほら唯ちゃん!澪ちゃん!」 ガシャー 医者「……」 唯「せ、先生!りっちゃんは…」 医者「……」 おそらく医者の男なのだろう、その男は首を横に振っていた 医者「残念ながら……」 澪「…お、おいそんなはずは…」 澪「だって律は幼稚園の頃から風邪一つひいたことなかったんだぞ…」 澪「その律が…私より先に……なぁ、何かの冗談だよな?」 480 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:08:59.78 ID:EEjGcp0xO 医者「……いいえ…とりあえず中に入ってください…」 そう言われて私たちは中へ案内された 何かの薬の匂いが私の鼻をさす 案内された先に…律はいた…… たくさんの管につながれ何に使うのかすらわからない機械に囲まれて 澪「おい!律?私だよ!!起きてくれよ!」 しかし律のその目は開かない 私の呼びかけにも反応してないようだった 医者「今の彼女はこのたくさんの機械につながれようやく生きているといった状況です」 481 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:11:00.42 ID:EEjGcp0xO 私は御託を聞きたいんじゃない 澪「おい!律!もう一度、もう一度だけ私のほうを見てくれ」 澪「律には言いたいことはたくさんあったんだ!」 澪「まだ…武道館どころか学祭ですらライブしてないだろ!!」 澪「二人で…このメンバーで頑張ろうって言っただろ!!!」 澪「だから、律!死なないでくれ…神様、律を…律を助けてやってくれ!」 ようやく…私の呼びかけに律の瞼が僅かに揺れた 律「み……お…?」 澪「りつ?大丈夫だったのかりつ?」グスッ 律「え……へへ…み…お……き…て…たん……だぁ…」 485 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:15:03.20 ID:EEjGcp0xO 澪「うぅ…りづ……死ぬなよ…」ポロポロ 律「な……く…なよ……み…お…」 律「で…も……みお…に……こん…な…なさけ……ない…すがた……みら……れちゃう……なん…て…ね」 澪「ううん、律!無理はしないで…辛かったよね…ごめんね」 澪「でももう私がついてるからな!」ポロポロ 律「…が…」 澪「えっ?!律?どうした?」 律「あ…り…が…と…」 搾り出すような声で律がそう言う 律は会心の笑みを浮かべていた。目からは涙が…零れていた 澪「律!頼む…死なないでくれ!また二人で…」 私がそう言ったのと同時だろうか ピーーーーーー-ッ その音に周りの空気は凍りつく 487 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:16:47.29 ID:EEjGcp0xO 澪「り…つ……?」 医者「……残念ながらご臨終です」 澪「……そんな…おいお前ら医者だろ!!?何してたんだよ?!」 澪「まだどうにかなるだろ!おいどうにかしろ!!」ポロポロ 医者「……」 唯「ちょっと澪ちゃん!ダメだよ」 澪「おい!なんとか言えよ!!」 澪「お前らが無能だから律は死んだんだろ!!」 医者「…返す言葉もありません…」 澪「何が返す言葉もないだ…すましてんじゃねーよ!!」 紬「澪ちゃん…一度出ましょう」 澪「てめぇら律を返せよおぉぉぉぉーーーーーーーーーー」 494 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:36:35.97 ID:EEjGcp0xO 澪「ごめんな二人とも…取り乱してしまって…」 澪「うぅっ…律…」グスッ 唯「澪ちゃん……」 澪「なんで律が死ぬんだよ……」ヒック 紬「でもりっちゃん…やっぱり最期まで澪ちゃんを心配してたじゃない」 ――――――――――――――――――― 澪「ここが律の病室…か…」 澪「私も来てやりたかったな…」 澪「…はぁ…あ、おばさん。私も手伝います」 律母「あ、ごめんね。澪ちゃん…」 律母「あと…これなんだけど…多分澪ちゃんに見せたほうがいいかな」 澪「ん?なんですか?」 律の母親の手には真新しい、でもどこか古ぼけた感じのする一冊のノートが握られていた 498 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:38:16.93 ID:EEjGcp0xO 澪「あの…これは?」 律母「いや、実はね…律が入院中につけてた日記みたい…」 律母「みんなと読んでみて」 ――――――――――――――――――― 澪「あ、二人とも。」 紬「どうしたの?澪ちゃん」 唯「いきなり呼んだりして~びっくりしたよ!」 澪「いや実はな…」 唯「ふむふむ…」 紬「なるほどね…でもそれは澪ちゃんが読んでみて」 499 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:41:47.64 ID:EEjGcp0xO 澪「私が?」 紬「ええ、きっとりっちゃんのお母さんも澪ちゃんに渡したのは」 紬「その中身が澪ちゃん、それに私たちに宛てたものだからだと思うの」 紬「澪ちゃん…りっちゃんはきっと特にあなたのことを強く思って書いたと思うの」 紬「だから…澪ちゃん、お願い」 澪「あぁ、わかった」 10月12日 飯がすげーまずい… そういや唯とムギからメールがきてたな 澪からはこないかな… 紬「その日は最初にりっちゃんが休んだ日ね」 唯「澪ちゃんからのメールを待ってたんだね…」 澪「ごめんな…律……私もメールしてやればよかった…」 500 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:43:22.22 ID:EEjGcp0xO 唯「じゃあ次は?」 10月14日 今日で私は学校をやめたらしい みんな心配してるのかなぁ… 澪は心配してくれてないだろうな 澪「そういや…私は律の話を聞いたのに気にもとめてなかった…」 10月15日 とてつもなく暇だ…… そういや前に澪から借りてたCDがあったな 澪のやつ案外おっさん臭い曲聞いてるんだな 澪「これは…そういえば律に貸してたな…」 澪「どこにいったのか探してたよ…」 澪「でも律、ちゃんと聞いててくれたんだ…」 唯「なんか澪ちゃんのことばかりだね!」 502 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:44:58.27 ID:EEjGcp0xO 10月17日 お母さんが家からPSPを持ってきてくれた モンハンも持ってきてくれた ドスランポスすら倒せなくってよく澪に馬鹿にされたっけな 澪「はは、懐かしいな…確か私が手伝って倒してやったんだよな」 澪「でも今度はイャンクックに勝てないって涙目になりながら頑張ってたっけ」 唯「それで手伝ってあげたの?」 澪「ん?いいや、私は手伝ってやるって言ったのに…」 澪「律は一人でやるって頑なに拒んでな」 10月22日 夢が叶うのは他の誰かのおかげじゃない。自分が頑張ってきたから 私も自分のことを信じてなきゃよくならないのかな 澪の恥ずかしがり屋も治らないかなぁ…なんてね 澪「う…うるさいな!私だって治したいよ!」 503 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:46:23.57 ID:EEjGcp0xO 10月23日 今澪のやつはどこで何してるのかな 唯「ほんとに澪ちゃんのことばっかりだね」 澪「律…」 10月25日 今日はムギと唯が来てくれた。へへっ嬉しいな でもやっぱり澪はきてくれなかったなぁ… 紬「これは私と唯ちゃんが初めてお見舞いに行った日ね」 澪「…ごめん…律。私も行ってやっていっぱい話したかったよ」グスッ 11月2日 澪は元気かなぁ…澪に会いたい 唯「澪ちゃんは本当に愛されてたんだねぇ…」 澪「うっ…律……」グスッ 504 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:47:29.28 ID:EEjGcp0xO 11月4日 また唯たちが来てくれた! 澪も来てくれたっていいのに… 澪「ごめん…ごめんね、律…」 11月5日 やっぱり私は澪に最低なことをしたなぁ あんなこと言ってごめんなさい、澪 澪「グスッ…謝るのは私のほうなのに…」 11月9日 ダメだ…苦しい……ちゃんと治るのかなぁ 澪にちゃんと会って謝りたかったのに 澪「私だって…律に言いたいことたくさん……」 508 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 01:52:48.46 ID:EEjGcp0xO 11月12日 私の病気はなんかとても酷い病気でもうすぐ死ぬらしい 先生も酷だなぁ…ただの肺炎ですぐ良くなるなんて嘘付いて 薄々気づいてはいたけどね。そういう運命なんだって受け止めようと頑張ったよ でも私はやっぱりまだ生きたかった。ははは、まぁ普通はそうだよな もっと軽音部のみんなと演奏がしたかったな 今よりずっと上手になって、みんな揃って武道館で演奏がしたかったなぁ 唯ともっとじゃれて遊んでいたかった、ギターの成長も見届けてあげたかった。 唯は上達が早いけど忘れるのも早いから大変だったよ ムギともっと一緒にお茶したかった、いつもいれてもらってばかりだったからなぁ 一度くらい私がムギにお茶をいれてあげたかった そして…澪にもちゃんと謝ってまた前みたく二人で笑っていたかったな ちょっとイライラして冷たくあたってて…ごめんね、澪 でも、もう私はこんな状態だし…もう無理だよね… 澪にもお見舞いに来て欲しかったなぁ。いろいろと話したいことがあったのに 510 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:00:13.80 ID:EEjGcp0xO 軽音部のみんなと…もっともっと思い出を作りたかった ライブもたくさんして、来年には一年生も入ってきて 唯は二年になったら先輩風吹かせてそうだなぁ でも唯よりもずっと上手な子が入ってきて一生懸命練習してるところが目に浮かぶな まだ死にたくないよ 私はまだ16歳なのにどうして死ななきゃいけないの? 汚い文字でそう書きなぐられていた 苦しかったろう…ペンを握るのでさえ精一杯だったろう、律… ところどころに染みのようなものもついてる 涙が止まらなかったんだね…ごめん律…私も一緒についててやれなくて 澪「本当に…ヒック……本当にごめん…律………」 512 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:05:04.66 ID:EEjGcp0xO 11月13日 多分今日でこの日記も最後だと思う、読み返してみると澪のことばっかだな 結局澪から離れられなかったのは私のほうだったんだな ムギ、お嬢様ってことを鼻にかけないで私たちと仲良くしてくれてありがとう いつもお世話になりっぱなしだったよ 唯、お前の天然はちょっと度が過ぎるぞ これからも憂ちゃんと仲良く頑張っていけよ 澪、お前には言いたいことがたくさんありすぎる 私はもう死んじゃうと思う…けどお前は幸せになってくれよ これから彼氏も作って新しい友達も作って楽しく生きてけよ でも澪は恥ずかしがり屋だからな 澪の彼氏、結婚相手、見たかったなぁー そして澪は徐々に私のことも忘れていくと思う 私はそっちの方がうれしいな 澪には私のことは忘れて楽しく生きて欲しいから 513 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:07:25.73 ID:EEjGcp0xO 武道館でライブできるくらい頑張る 恥ずかしがり屋を克服する そして…私のことはもう忘れて生きていく これが私との約束 ちゃんと守るんだぞー!部長命令だからな! あはは、もうダメだ…もう手が動かないや… まだまだ言いたいことはたくさんあるのに… 私の分まで、楽しく生きてくれよ ありがとう 澪「ううん…忘れられるはずないじゃない…グスッ……私たちは親友だろ」 澪「どんなことだって二人で乗り越えていこうって…そう言ったじゃないか」グスッ 澪「バンドだって…私がベース、律がドラムでやろうって言ってたのに…」ポロポロ 澪「律がいなくなったら…律…どうして死んじゃったんだよぉー…」 澪「やだよ…律……ヒック…」 516 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:10:26.40 ID:EEjGcp0xO 紬「この日記は…どうするの?」 澪「………」 だめだ…この日記を持っていたら私はこれからも律に甘え続けてしまうだろう 律、あなたはずっと私を思っててくれていた…… 後ろを向いてばかりじゃダメだよね 進まなきゃ...律のいない未来へ 澪「これは、律と一緒に燃やしてもらおうと思う」 澪「律も私たちを忘れないようにね」 紬「うふふ、私もそれがいいと思う」 517 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:11:54.35 ID:EEjGcp0xO ―一年後― ポチャン 澪「ふぅ…」 澪「今日で律が亡くなってから一年が経ったのか…早いもんだなぁ、律」 澪「あの日から私はずっと自分を責めてた。なんで私は最後の最後に律に冷たく接しちゃったんだろう」 澪「あんなことになるなら…ごめんね、律」 そう言ったのと同時に強い風が吹き荒ぶ 強く、けど暖かく心地よい風。私はその風に律を感じた きっと律がそんな事は気にするなと吹かせてきた風なのだろう 518 :こまけぇことは良い人 ◆2IQHFwnzsc :2009/06/15(月) 02:13:51.91 ID:EEjGcp0xO 澪「……あっ、もうこんな時間!」 あれから私は新しい友達もできた。 練習も毎日欠かさず頑張った けど律との約束を一つだけ守れないでいる 澪「私は律のこと…絶対に忘れないからな」 今度は甘く柔らかい風が吹いた おわり

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