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898 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:08:31.52 ID:4V+9SkY20 「寿命計測 オリキャラ男×唯」 ――― ザワザワ…ザワザワ… 唯「うわ~、やっぱり人多いね~」 男「そりゃ、イベントがイベントだからなぁ。……ってほら、唯のことだから、手ぇつないどかないと迷子になんだろ」キュッ 唯「えへへ……//」キュッ 男「(やべ、可愛い……)ほ、ほら、もうすぐ始まるみたいだぞ? はやく列にならぼうぜ//」 唯「うんっ!」 ――― 899 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:10:21.28 ID:4V+9SkY20 ――― 司会者「えー、本日は会場にお越しいただきまして、誠にありがとうございます」 司会者「では、さっそく当社の開発した『寿命計測機』の一般公開を行いたいと思いますので、整理券をお持ちの方は各ブースにお並びください」 司会者「各々の診断結果は、本人以外には非公開としますので、安心してご利用ください」 ――― 900 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:11:58.76 ID:4V+9SkY20 ――― 男「まさか、本当に俺たちも『寿命計測』出来るなんて思わなかったよなぁ」 男「ほんと、科学もどこまで進めば気が済むんだか」 唯「そだね~」ニコニコ 男「そういや聞いてなかったけど、どうやって整理券を手に入れたんだ?」 唯「へ?」キョトン 男「だって、あれ、確かすごく高いんだろ? なんでも聞くところによると、政治家でもなかなか手に入れにくいとか」 唯「え、ええっと……//」 唯「実はその、ムギちゃんにダメモトで頼んでみたら……その次の日にハイ、って……」ポリポリ 男「え、なにそのブルジョワジー」 ――― 901 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:13:35.72 ID:4V+9SkY20 ――― テクテク…テクテク… 唯「(……ふぅ。でも、いざ寿命を計るとなると、やっぱり心配だな……)」ドキドキ 唯「(私の寿命も気にかかるけど、それよりも男くんの寿命が気になる……)」 唯「(もし、私よりも寿命が短かったりしたらどうしよう……)」 唯「ううん、それどころじゃなくて、もし、もしも、後一年とか二年の命だったとしたら……)」 唯「……」グスッ ――― 910 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 23:31:14.46 ID:4V+9SkY20 ――― 唯「(こ、こんなこと考えたら駄目だよね! 男くん、いつも元気だし、それにもしそうだとしても……)」 唯「(あ、愛の力で運命を乗り越えるてやるぞー! みたいな……!)」 唯「//」ボフッ 男「ん……。何してんだ、唯? 調子でも悪いのか?」ジー 唯「な、ななな何にもないよ! ど、どどうしてそう思ったの!?」アセアセ 男「いや、何もないのならいいけど。(お前どう贔屓目に見ても怪しすぎだろ)」ジト ――― 912 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 23:33:22.93 ID:4V+9SkY20 ――― 係員「では、寿命計測を始めます」 唯「はぁーい」 係員「まずは血液検査、それから遺伝子計測と全脳計測を行うといった順番で、寿命の計測を行います。少々長くなるかもしれませんが、お手洗いなどは、もう済ませていただきましたか?」 男「唯?」 唯「うん」コクリ 男「二人とも大丈夫です」 係員「では、さっそく始めさせていただきます。まずは血液を採取するため、注射の方を……」 唯「(ちゅ、注射……!)」ビクッ ――― 951 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:24:10.67 ID:FMnfi3gi0 ――― 30分後 唯「ふ~……。注射怖かったよぉ……」グスン 男「ははは、ほんっと唯は、なんだか赤ちゃんみたいだよなー」 唯「え?」 男「いや、なんつーか、さっきの注射の時も含めて、普段の唯を見てるとそう思ってさ。小っちゃい子見てるみたい」プクク 唯「むむむ……それどーいう意味……?」プンプン 男「言葉どおりの意味」ニヤッ 唯「うぅ、なんか傷ついたー……! 男くんひどぉーい!」ガーン 男「ははは、軽い冗談だって。唯、本気にしすぎ」ナデナデ 唯「ぅ~……//」プシュー 男「(あはは、照れてる。うつむいて顔が赤いの隠してるところとか、ほんと可愛いな……)」チラッ ――― 952 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:25:15.51 ID:FMnfi3gi0 ――― 男「(……あ。そういや)」 男「なあ唯、まだ時間あるみたいだけど、どうする?」 唯「あ、ほんとだ。後30分くらいあるねー」 男「んじゃ、計測の結果が出るまで向こうの喫茶店で時間つぶそうぜ」 唯「了解!」キラリン ――― 953 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:26:00.63 ID:FMnfi3gi0 ――― カランカラン 男「唯……。お前、さすがに食いすぎ」 唯「だって、おなか減ってたもん……。腹が減っては戦が出来ぬ!」ズン 男「誰と戦してるっていうんだよ、ほれ」デコピン 唯「あぅっ! ちょ、ちょっと今の痛い……」キュウ 男「4050円もおごらせた罰だ」 唯「もぉ~……!」 男「もぉじゃありません」 唯「はいー……」 ――― 954 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:27:07.75 ID:FMnfi3gi0 ――― 唯「(でも……本当に、男くんとこうして話してると楽しいなぁ)」 唯「(男くんとは、ギターショップで偶然出会って、それからアドレスを交換して、次第に仲良くなっていって……)」 唯「(いつの間にか付き合ってた……//)」 唯「(まだ手をつないだだけで、キスもまだだけど……)」 唯「(それでもいつか壁を乗り越えて)」 唯「(……ホワーン……)」 唯「(……ウフーン……アハーン)」 ――― 955 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:28:46.96 ID:FMnfi3gi0 ――― 唯「(…………)」 唯「(はっ! いつの間にか脱線を……)」 唯「(と、ともかく!!)」 唯「(いつまでも、いつまで、こうして一緒にいたいな……)」 唯「(男くん……)」キュン ――― 956 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:29:26.74 ID:FMnfi3gi0 ――― 5分後 係員「お待たせいたしました。計測の結果が出ました」 唯「おぉ~! 待ってましたー!」ニパー 男「それで、結果はどうだったんですか?」 係員「今からお伝えします」 係員「ちなみに、プライバシーの保護のため、個別に口頭で数値をお教えすることになっています。というのも、紙媒体や電子媒体を使用しないのは、履歴が残るからです」 係員「では、まずは平沢唯さんからこちらへどうぞ」 唯「わぁ……私からかー……。緊張するなぁ……!」ドキドキ 男「唯ならきっと大丈夫だって」 唯「えへへ// ありがと~」テレッ ――― 957 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:30:08.31 ID:FMnfi3gi0 ――― 10分後 唯「ありがとうございました~!」 男「で、どうだった……?」ドキドキ 唯「うーん。普通かなぁ」 唯「死ぬのは76歳と2か月と49日で、後60年くらいはまだまだ生きられるって」ニコッ 男「へえ、よかったな。後60年は大丈夫なんだ」 唯「うん」 ―――
898 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:08:31.52 ID:4V+9SkY20 「寿命計測 オリキャラ男×唯」 ――― ザワザワ…ザワザワ… 唯「うわ~、やっぱり人多いね~」 男「そりゃ、イベントがイベントだからなぁ。……ってほら、唯のことだから、手ぇつないどかないと迷子になんだろ」キュッ 唯「えへへ……//」キュッ 男「(やべ、可愛い……)ほ、ほら、もうすぐ始まるみたいだぞ? はやく列にならぼうぜ//」 唯「うんっ!」 ――― 899 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:10:21.28 ID:4V+9SkY20 ――― 司会者「えー、本日は会場にお越しいただきまして、誠にありがとうございます」 司会者「では、さっそく当社の開発した『寿命計測機』の一般公開を行いたいと思いますので、整理券をお持ちの方は各ブースにお並びください」 司会者「各々の診断結果は、本人以外には非公開としますので、安心してご利用ください」 ――― 900 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:11:58.76 ID:4V+9SkY20 ――― 男「まさか、本当に俺たちも『寿命計測』出来るなんて思わなかったよなぁ」 男「ほんと、科学もどこまで進めば気が済むんだか」 唯「そだね~」ニコニコ 男「そういや聞いてなかったけど、どうやって整理券を手に入れたんだ?」 唯「へ?」キョトン 男「だって、あれ、確かすごく高いんだろ? なんでも聞くところによると、政治家でもなかなか手に入れにくいとか」 唯「え、ええっと……//」 唯「実はその、ムギちゃんにダメモトで頼んでみたら……その次の日にハイ、って……」ポリポリ 男「え、なにそのブルジョワジー」 ――― 901 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/16(火) 23:13:35.72 ID:4V+9SkY20 ――― テクテク…テクテク… 唯「(……ふぅ。でも、いざ寿命を計るとなると、やっぱり心配だな……)」ドキドキ 唯「(私の寿命も気にかかるけど、それよりも男くんの寿命が気になる……)」 唯「(もし、私よりも寿命が短かったりしたらどうしよう……)」 唯「ううん、それどころじゃなくて、もし、もしも、後一年とか二年の命だったとしたら……)」 唯「……」グスッ ――― 910 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 23:31:14.46 ID:4V+9SkY20 ――― 唯「(こ、こんなこと考えたら駄目だよね! 男くん、いつも元気だし、それにもしそうだとしても……)」 唯「(あ、愛の力で運命を乗り越えるてやるぞー! みたいな……!)」 唯「//」ボフッ 男「ん……。何してんだ、唯? 調子でも悪いのか?」ジー 唯「な、ななな何にもないよ! ど、どどうしてそう思ったの!?」アセアセ 男「いや、何もないのならいいけど。(お前どう贔屓目に見ても怪しすぎだろ)」ジト ――― 912 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 23:33:22.93 ID:4V+9SkY20 ――― 係員「では、寿命計測を始めます」 唯「はぁーい」 係員「まずは血液検査、それから遺伝子計測と全脳計測を行うといった順番で、寿命の計測を行います。少々長くなるかもしれませんが、お手洗いなどは、もう済ませていただきましたか?」 男「唯?」 唯「うん」コクリ 男「二人とも大丈夫です」 係員「では、さっそく始めさせていただきます。まずは血液を採取するため、注射の方を……」 唯「(ちゅ、注射……!)」ビクッ ――― 951 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:24:10.67 ID:FMnfi3gi0 ――― 30分後 唯「ふ~……。注射怖かったよぉ……」グスン 男「ははは、ほんっと唯は、なんだか赤ちゃんみたいだよなー」 唯「え?」 男「いや、なんつーか、さっきの注射の時も含めて、普段の唯を見てるとそう思ってさ。小っちゃい子見てるみたい」プクク 唯「むむむ……それどーいう意味……?」プンプン 男「言葉どおりの意味」ニヤッ 唯「うぅ、なんか傷ついたー……! 男くんひどぉーい!」ガーン 男「ははは、軽い冗談だって。唯、本気にしすぎ」ナデナデ 唯「ぅ~……//」プシュー 男「(あはは、照れてる。うつむいて顔が赤いの隠してるところとか、ほんと可愛いな……)」チラッ ――― 952 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:25:15.51 ID:FMnfi3gi0 ――― 男「(……あ。そういや)」 男「なあ唯、まだ時間あるみたいだけど、どうする?」 唯「あ、ほんとだ。後30分くらいあるねー」 男「んじゃ、計測の結果が出るまで向こうの喫茶店で時間つぶそうぜ」 唯「了解!」キラリン ――― 953 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:26:00.63 ID:FMnfi3gi0 ――― カランカラン 男「唯……。お前、さすがに食いすぎ」 唯「だって、おなか減ってたもん……。腹が減っては戦が出来ぬ!」ズン 男「誰と戦してるっていうんだよ、ほれ」デコピン 唯「あぅっ! ちょ、ちょっと今の痛い……」キュウ 男「4050円もおごらせた罰だ」 唯「もぉ~……!」 男「もぉじゃありません」 唯「はいー……」 ――― 954 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:27:07.75 ID:FMnfi3gi0 ――― 唯「(でも……本当に、男くんとこうして話してると楽しいなぁ)」 唯「(男くんとは、ギターショップで偶然出会って、それからアドレスを交換して、次第に仲良くなっていって……)」 唯「(いつの間にか付き合ってた……//)」 唯「(まだ手をつないだだけで、キスもまだだけど……)」 唯「(それでもいつか壁を乗り越えて)」 唯「(……ホワーン……)」 唯「(……ウフーン……アハーン)」 ――― 955 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:28:46.96 ID:FMnfi3gi0 ――― 唯「(…………)」 唯「(はっ! いつの間にか脱線を……)」 唯「(と、ともかく!!)」 唯「(いつまでも、いつまで、こうして一緒にいたいな……)」 唯「(男くん……)」キュン ――― 956 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:29:26.74 ID:FMnfi3gi0 ――― 5分後 係員「お待たせいたしました。計測の結果が出ました」 唯「おぉ~! 待ってましたー!」ニパー 男「それで、結果はどうだったんですか?」 係員「今からお伝えします」 係員「ちなみに、プライバシーの保護のため、個別に口頭で数値をお教えすることになっています。というのも、紙媒体や電子媒体を使用しないのは、履歴が残るからです」 係員「では、まずは平沢唯さんからこちらへどうぞ」 唯「わぁ……私からかー……。緊張するなぁ……!」ドキドキ 男「唯ならきっと大丈夫だって」 唯「えへへ// ありがと~」テレッ ――― 957 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 07:30:08.31 ID:FMnfi3gi0 ――― 10分後 唯「ありがとうございました~!」 男「で、どうだった……?」ドキドキ 唯「うーん。普通かなぁ」 唯「死ぬのは76歳と2か月と49日で、後60年くらいはまだまだ生きられるって」ニコッ 男「へえ、よかったな。後60年は大丈夫なんだ」 唯「うん」 ――― 55 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 19:49:13.34 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「えっとさ、その、俺……もし唯の寿命が30歳までだったらとか考えて、心配してたんだからな? やっぱずっと一緒にいたいし」ポリポリ 唯「あ、ありがとー//」 男「あ……でも、俺の寿命が短ければ、一緒にいられる時間も少なくなるのか」ガーン 唯「ぅ……で、でも男くんも大丈夫だって! きっと!」 唯「係員の人に聞いたけど、寿命が極端に短い人は滅多にいないんだって。……だから、男くんも絶対大丈夫だよ!」ズバッ 男「そうか……」 男「そうだな。……そうだといいな」ニッ 唯「うん、大丈夫大丈夫! 私もこうやってずっと祈ってるから!」ナムアミダブツナムアミダブツ 男「いや、それはさすがに恥ずかしいからやめてくれ」 ――― 59 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 19:55:48.39 ID:vQE9q1FC0 ――― ガラッ 係員「では、男さんこちらへどうぞ」 男「は、はい……」 男「(やっぱ緊張するなぁ……)」 男「(なんせ、この機械一つで、俺のこれからの寿命が分かっちまうんだからなぁ」 男「(俺の寿命って、どうなんだろ)」 男「(今考えてみれば……普段からポテチとかワサビーとか食いまくってたし。猫背だし。バイトで寝不足気味だし)」 男「(それに、最近俺ちょっと体調崩し気味だったし……)」 男「(ううむ、ちょっと心配だ……)」ドキドキ ――― 62 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:01:40.65 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「(でも、唯もああ言ってたんだよな)」 男「(まあ、唯がああ言うなら……大丈夫だろう。うん、考えすぎると逆によくない!)」キリッ 男「(クールになれ俺!)」 係員「では、男さんの寿命ですが……」 ――― 63 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:03:10.68 ID:vQE9q1FC0 ――― 係員「ええと、少々申し上げにくいのですが……」 男「え?」 係員「あらかじめ言わせていただきます」 係員「寿命計測の説明欄にも書いていました通り、寿命を知るということは、ご自分でそのことに責任を持つということなのです」 係員「ですから、覚悟して聞いていただきたいと思います」 男「は、はい」 ――― 65 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:10:34.83 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「(…………)」 男「(いきなり、なに言いだしてるんだ……? 少々申し上げにくい? まさか、まさか……)」ゴクッ 男「(いや、そんなはずはない)」 男「(これは、ただ単に、この人の前置きみたいなもんだよな)」 男「(くそ、案ずるな俺)」 男「(大丈夫だ大丈夫だ大丈夫だ……!)」 係員「男さんの寿命は」 男「……」ゴクリ ――― 66 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:14:25.35 ID:vQE9q1FC0 ――― 係員「後一週間です」 男「    」 男「    」 男「    」 男「…………」 男「…………(い……今……なんて……言った……?)」 男「…………(い、い……っ、いっしゅ……うかん……?)」 男「ええと、い、い今の、俺の聞き間違いですよね!? そうですよね!?」 ――― 67 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:15:31.62 ID:vQE9q1FC0 ――― 係員「いいえ、残念ながら違います」 係員「最新の遺伝子科学とDNA解析から導き出された結果」 係員「あなたの寿命は、16歳と7か月と23日――つまり今から約一週間後であることが判明しました」 男「…………」 男「…………」 男「……う、嘘だよ……な?」 男「嘘だ……嘘だろ……?」カタカタ ――― 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/17(水) 20:19:46.01 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「はは、はははは……今は21世紀だぜ? じゅ、16歳と7カ月って……いくらなんでもそんなわけねえだろ!」ガッ 係員「お、落ち着いてください! 結果は結果ですから!」アセアセ 男「嘘だ……嘘だ……んなもの信じられるかよ! 信じられるわけがねえだろが!」 男「だいたい、何が悪いってんだよ! 俺は今までずっと健康だったんだぞ!?」 係員「表面上はそうでしたが……どうもあなたには、先天的な遺伝子異常があるようなのです」 ――― 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/17(水) 20:23:49.30 ID:vQE9q1FC0 ――― 係員「それは国内でも極めてまれな例だ」 係員「一定程度の細胞成長にかんする情報はあるのですが、それがある段階を超えた時点で存在しない」 係員「つまり、16歳と7カ月と23日より先の分の情報が、あなたには欠落しているのです」 男「…………」ゴクリ 係員「ですから……誠に言いにくいことですが、16歳と7カ月と23日より先からは、遺伝子によって細胞の成長がまったく制御されなくなる」 係員「つまり――細胞が暴走し、後はわかりますね」 男「…………」 男「…………嘘だ……。嘘……だよな……?」 男「……くそっ! うっ……! ううっ……」ガクガク ――― 76 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:33:14.18 ID:vQE9q1FC0 ――― ガラリ 男「…………」 唯「あ、どうだった? 男くん」ニコニコ 男「(正直、話はまだ飲み込めていない。信じきれていない)」 男「(いや、信じたくもない……! くそっ!)」 男「(でも、仮にそうだとして。唯にはこのことをどう話そうか……)」 男「(一応、万が一のことを考えて、本当のことを話すべきなのか? なにもかも、言ってしまった方がいいのか?」 ――― 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/17(水) 20:39:32.98 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「(…………)」 男「(いや……駄目だ)」 男「(そんなことを面と向かって言っても、唯は信じてくれないだろうし、なにより俺は、唯を悲しませたくない)」 男「(俺が死んだら……唯は誰が守ればいいんだよ)」 男「(だからいつか、終わりが来るとしても……)」 男「(俺は、笑顔のままの唯を見ていたい)」 男「(……最後まで)」 ――― 78 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:43:23.76 ID:vQE9q1FC0 ――― 男「んっと、俺も普通だったかな。なんか、75歳ぐらいだってさ。唯より一年短い」 唯「えーっ!? じゃ、じゃあ、私より先に死んじゃうの?」 唯「そんなのいやだよぉ……」グスン 男「(…………!)」 男「(…………)」 男「……大丈夫だって。一年くらい、どうってことなるさ」ニコッ 唯「そうかな~?」グスン 男「ああ……」 ――― 82 :無名 ◆d3ybGZknKU :2009/06/17(水) 20:50:16.65 ID:vQE9q1FC0 ――― 唯「男くんが言うなら、そうだよね!」 唯「じゃあ、約束。ぜーったいに、私より先に死なないでね!」ニコニコ 男「あ……ああ……」 ―――

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