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41 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 12:45:08.82 ID:wDi+eE52O 唯ちゃんの恩返し どんっ 唯「あっ!ごめんなさい!」 チンピラ「ワレェ!どこみて歩いとんのじゃあ!」 唯「すっ、すみません…」 チン「すみませんで済んだら警察はいらんよのぉ~」 チン「ちょっと顔かせや!ワイがヤキいれたらぁ!」 唯「誰か助けてー!」 43 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 12:49:51.77 ID:wDi+eE52O 黒服「おいお前。おれ様のナワバリで何大声出してんだ?」 チン「あー?なんだテメーわ?」 黒服「なんだ…俺を知らないほど最底辺ゴミ構成員かよ」 チン「あんだとぉ?言ってくれたなぁ!」 黒服「おい、こいつに裏の法ってもんを教えてやれ」 取り巻き「はっ」 チン「なっ、なんなんだ!離しやがれ!」 黒服「やれ」 チン「ウボァー」 唯「!」 46 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 12:57:17.49 ID:wDi+eE52O 黒服「……」 唯(こ、この人もしかして《ボス》っていう人なのかな…) 唯(私も殺されちゃうかも…) 黒服「おい小娘」 唯「はっ、はい……(ダメだダメだ私死んじゃうよぉ~………澪ちゃんりっちゃん皆さようなら…)」 黒服「おい何泣いてんだよ……怪我はないか……」 唯「あ……う………(怪我はないかって……そうか、新鮮できれいな私の体をきっと外国に売り飛ばすつもりなんだ……)」 黒服「なんかもうダメだな…」 黒服「おい斎藤、このガキをホームに帰してやれ」 斎藤「は。」 斎藤「さ、こちらへ」 唯(ホーム………この人たちのアジトの事だきっと……) 47 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:02:07.71 ID:wDi+eE52O 斎藤「後ろへどうぞ」 唯「う…………」ガタガタ 黒服「おいおいさっさとしてくれよ。斎藤ちゃんだって暇じゃないんだからよ」 唯「ぅあ………(言うこと聞かないと…殺されちゃう…)」 黒服「うんじゃ、あとよろしく、斎藤」 斎藤「は。」 ⊂( ^ω^)⊃ブーン 50 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:12:04.54 ID:wDi+eE52O >>48 kwsk ―あの後、斎藤とかいう人に車に連れていってもらった先は私の自宅でした。 ほぼ放心状態だった私の荷物から携帯とか生徒手帳とか勝手に出して、調べたみたいです。(私だって若い女の子なのに失礼しちゃうよ!) おうちに着いたときはもう何がなんだかわかんなくて……… ………あれ? 私、生きてるや… 和「…ねぇ、聞いてるの?唯…」 唯「え、うん……えっ?」 和「あの後、結局何時ぐらいに家についたの?」 唯「な、何時かなぁ~…ははは…」 和「若い子が深夜にウロウロしてちゃ狙われるよ?」 52 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:21:26.87 ID:wDi+eE52O 教師「~よってA∪Bが成り立ち、A={1、2、5、7}であることが…」 唯(あの人、私を助けてくれたんだ……黒服の……名前聞いてなかったな…) 唯(黒服さんありがとう……黒服さんありがとう……) 唯(………そうだ!) 深夜唯宅 憂「お姉ちゃんおやすみ☆」 唯「おやすみ憂☆」 唯「…さて」 53 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:25:13.76 ID:wDi+eE52O ガチャガチャ バタン 唯「黒服の人に会いにいこ~!(>ω<)/」 唯「黒服さ~ん!チンピラさ~ん!斎藤さ~ん!誰か出てきてー!」 黒服「おいお前。おれ様のナワバリd…お前か」 唯「私だ」 黒服「まったく気付かなかった」 54 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:29:17.79 ID:wDi+eE52O 黒服「何しに来た」 唯「私は平沢唯!あなたは?」 黒服「は?」 唯「名前おせーて!」 黒服「断る」 唯「なんで!><」 黒服「帰れ」 唯「答えになってないよ!」 黒服「知らん。帰れ」 唯「やだやだ!名前おせーてくれるまで帰らないモン!≧∀≦」 57 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:36:32.53 ID:wDi+eE52O 黒服「フザけたこと抜かしてんじゃないぞこのクソガキがッ!」 黒服「ここはオメーみたいなマトモな人生を送ってる奴が来るところじゃねぇんだ!」 唯「う……………で、でも…」 唯「昨日の事であなたに恩返しがしたくて…」 黒服「………」 黒服「あれしきの事で恩義なんか感じる必要はねーよ…」 黒服「おうちに帰りな、唯」 唯「あ………名前!名前で呼んでくれた!」 黒服「あ、いや………むう………」 58 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:41:27.66 ID:wDi+eE52O 唯「明日もまた来るからね!バイバイ黒服のおじさん!」ノシ 黒服「あッ!テメー待ちやがれ!」 黒服「誰がおじさんだクソッタレ!畜生!」 黒服「唯………………」 斎藤「ボス、あの方からモシモシです」 黒服「ん…代われ」 黒服「モシモシ、平沢さん?」 60 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:45:16.86 ID:wDi+eE52O 唯(恩返し♪恩返し♪) 唯(何したら黒服さん喜んでくれるかな…) 唯(新しい帽子をプレゼントするとか?) 唯(はあぁ…黒服さんになら私だってあげてもいいや…) 黒服『お前を俺の女にしてやる…』 唯「はわわわわわわ//////」ぽふー 澪(唯のやつ、私の十八番を…) 61 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:48:55.53 ID:wDi+eE52O 唯「うんたん♪うんたん♪」 唯「くろふく♪くろふく♪」 唯「くろたん♪くろたん♪」 唯「くろふく時間!≧∀≦」 律「何かあったのか…?」 紬「さあ…」 澪「……」 66 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:55:50.54 ID:wDi+eE52O 下校中 男「お前が平沢唯だな?」 唯「あっ、もしかして黒服さんのお友達?」 唯「ねぇ、黒服さんの名前教えt…」 唯「ちょっと、どこつれてくの!?」 唯「だれか~助けて~!」 69 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 13:59:22.02 ID:wDi+eE52O 黒服「唯の奴、遅すぎるな…」 79 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:09:23.75 ID:wDi+eE52O 深夜、いつもの場所 黒服「唯の奴きやがらねえな…」 黒服「おい斎藤、平沢さんにモシモシしろ」 斎藤「は。」 斎藤「どうぞ」 黒服「あー、あー、モシモシ平沢さん?今日は唯の奴どうしたんですか?」 黒服「え?まだ家に帰ってないのかよ!」 黒服「おいおいおいおい………こっちにも来てねえぞ………」 黒服「すいません平沢さん……学校の帰りをいつも通り見守るつもりだったんですが、どうも今日は見つからなくて……ん」 男「よぉ…久しぶりだな…」 82 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:17:10.12 ID:wDi+eE52O 黒服「オメーか………何しに来た」 男「平沢唯はあずかった。帰してほしくば明日の《午前一時五十五分》に身代金一千万円を持ってキサマ一人で俺たちの所へこい。以上だ。」 黒服「なんだと…!テメー唯をどこへやった!」 男「私がその質問に答える必要はない」 黒服「フザけやがって……!!!ぶっ飛ばすぞこの野郎!!!」 男「万が一私に危害を加えれば、平沢唯の命は無いものと思え」 斎藤「なぜ一時五十五分なのですか?」 男「けいおん!が始まる時間だからだ」 83 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:23:54.66 ID:wDi+eE52O 男「待っているぞ…」 黒服「平沢さん!今の聞いてたか!?唯が………!」 黒服「い、いや……唯は友達の家に…泊まってる………らしい……」プルプル 黒服「今日はもう安心してください……では」 斎藤「どうしてあんな嘘を」 黒服「本当の事を言ったら平沢さんもついてきちまう…」 黒服「平沢さんを危険な目にゃあ遭わせられんだろーよ」 黒服「俺に二度目は無い……明日が俺の最後だな」 斎藤「ボスがそこまでおっしゃるなら、私は止める術を持ちません」 85 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:30:55.18 ID:wDi+eE52O ―翌日 黒服「金の準備は?」 斎藤「は、既に。」 黒服「それとアレの用意は?」 斎藤「………本当になさるおつもりなんですか?もしかしたら、唯さんを助けた後身代金を渡せばボスも助かるかもしれない」 黒服「そんなにヌルイ奴らじゃねーだろ。それに、もし逃げ延びたとしても奴らはいつまでも俺たちに付きまとってきやがる」 黒服「俺が消えた後は全てをお前に託す。だから、お前にとっての障害も取り除いておきたい…」 斎藤「私はボスをいつまでも待ち続けます」 86 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:37:44.43 ID:wDi+eE52O 悪い奴らのアジト 唯「………………」 男「なんだ、飯は全部平らげてるんじゃないか」 唯「助けて……黒服さん……」 男「あぁなに、安心しろ、あいつが来ればお前に危害を加えたりはしないよ。それが掟だ。」 唯「黒服さんはどうなるの…?」 男「残念だけど死んでもらう」 唯「そんなの…ヤダ!」 男「お前はあいつに関わりすぎた…上手く利用させてもらうよ」 手下「奴が来たようです」 88 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:40:43.15 ID:wDi+eE52O 黒服「おい!唯はどこだ!」 男「ここだ」 黒服「唯!」 唯「黒服さん!」 男「待て。金が先だ。」 ドサッ 黒服「このアタッシュケース二つに一千万が入ってる!さあ約束だ!唯を解放しろ!」 男「確認しろ」 手下「間違いありません、本物です」 89 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:44:04.71 ID:wDi+eE52O 黒服「さあ唯をこっちへ!」 男「断る。」 黒服「何ィ!」 男「この娘は逃がしてやる。だがお前の所へではない。」 男「さあ鎖を外してやったぞ。好きに逃げるがいい。」 唯「黒服さん…」 黒服「俺は良い…さっさと逃げろ?」 唯「ごめんなさい…!」 93 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:49:02.90 ID:wDi+eE52O 男「さて……お前には今までの礼をしなくては、な」 黒服「唯はこの建物から逃げたようだな…」 男「なぜお前があの娘にこだわるのか理解出来ない」 黒服「お前にはわかるまい……」 黒服「さあショータイムだ!」 黒服「その前にこまけぇ殺そうぜ」 男「良いよ」 97 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 14:56:19.84 ID:wDi+eE52O 私は必死に逃げました。あの人たちが追ってこないように。 黒服さんの無事を何度も何度も神様にお祈りしながら。 ―黒服さんを助けてあげてください― そのことだけが頭にありました。私のことなんかほっとけはいいのに………でも、私を助けに来てくれた。 そんな黒服さんだから私は好きなんだ。 ごめんなさい黒服さん……。 101 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 15:17:05.34 ID:wDi+eE52O ―でも、私の祈りは天に届かなかったようです。 翌日、近くの工場で爆発事故があり、暴力団組員が数十人亡くなったとニュースがありました。 ―勢力争いの果ての大事故、とニュースは言ってました。 事故…あの工場は私が捕らえられていたところ…。 黒服さんが命懸けで私を助けに来てくれたところ……。 きっと、生きて帰れないと知った黒服さんが最期に何かしたんだと思います。 後で斎藤さん聞いた話ですが、あのアタッシュケースと黒服さんの服の中には大量の強力な爆薬が仕込んであったそうです。 どうせ死ぬなら敵も巻き添えに……。 ニュースは黒服さんも含め「数十人」と、ひとまとめにしていました。 でも、あの人は他とは違う。 私と部下の為に命を散らした、素晴らしい人。 まだ出会って三日しか経って無いのに、もう私の前からいなくなってしまった……嵐のようで、そよ風のような優しさを持った人。 105 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 15:20:20.70 ID:wDi+eE52O 数ヶ月前、黒服さん達のピンチを妹の憂が救ったそうです。その時黒服さん達を襲っていたのは、私を連れ去ったあの人たち。 それ以来、恩義を感じてずっと私と憂を影から見守ってくれてたみたい。 ―憂が何をしたのか?そこまでは誰も教えてくれませんでした。 …ずっとそばにいてくれたのなら、私の前にもっと早く出てきてほしかった…。それなら、私達ももっと早く出会うことが出来たのに。 でも、それが『裏の法ってもん』なんだよね黒服さん。 107 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 15:27:27.67 ID:wDi+eE52O ―それから数日 斎藤「唯さん、うちの新たなボスになりませんか?」 唯「え!?ええぇぇーっ!?」 斎藤「どうでしょうか…?ボスは私にすべてを託すとおっしゃっておりましたし…あなた様ならボスも文句はないでしょう」 唯「そんなこと言われても……私何したらいいかわかんないし…なんだかめんどくさそう…」 斎藤「そうですか……それは失礼しました……ですが、何度かこちらに顔を見せて頂ければ光栄です」 唯「顔見せ程度ならいいけど……またさらわれたりしないよね?」 斎藤「ご安心ください。唯さんと憂さんには四人のボディーガードを二十四時間つけます。それにこのエリアの敵対勢力はほぼ壊滅状態…もう二度と私達に手出しはしないでしょう」 唯「に、二十四時間!?お風呂も覗いちゃう!?」 斎藤「覗いちゃいます」 109 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 15:40:41.45 ID:3P18fJEV0 唯「ヤダーっ!」 斎藤「冗談ですよ・・・ははは」 唯「もう・・・」 唯「ねえ斉藤さん・・・黒服さんの名前、教えてくれない?」 斎藤「それは出来ません。ボスは『死んでも教えない』とおっしゃてましたから」 唯「死んでも・・・ね。」 斎藤「・・・・・・」 唯「思い出した。やっぱり私ここのボスにはなれないよ。」 唯「黒服さんが言ってた。『ここはお前みたいな奴が来るところじゃない』って」 斎藤「・・・」 110 :える☆びおれ ◆7yJOmok0Wcz7 :2009/07/08(水) 15:49:37.39 ID:3P18fJEV0 それから、私はまたいつもどおりの平凡な毎日に戻りました。 私の近くにはちょっと怪しい男の人たちがついて来てますけど、一緒におうちでご飯を食べたら打ち解けることが出来ました。 でも、やっぱりなんだか寂しい気もするかな・・・。 そんなに長く一緒にいたわけではないけれども、私の人生の中ではとても大事な思い出になった人だから。 いつまでも見守っててくださいね、名無しの黒服さん! ~完~ 黒服「キミ、キミ。この写真の女の子を知ってるかい?」 DQN1「あぁ糞沢唯かwww」 DQN2「もう帰ったんじゃないの?糞しにお家へwwww」 黒服「ちょっとツラ貸せや…`益´」 ダブルDQN「ぎにゃあああああ!!!」

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