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「唯「あずにゃん、ちゅーしよっか」」(2009/07/12 (日) 14:49:46) の最新版変更点
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:05:18.99 ID:CvVMTXxt0
唯「私ねぇ、最近あずにゃん見るとムラムラするんだぁ」
梓「はい?む…むらむらですか?」
唯「うん。あずにゃんが可愛いから一緒にいると手ぇ繋いだりぎゅーてしたりちゅーしたくなるの」
梓「な、何いってるんですか唯先輩!そ、そんな…ちゅーなんて…」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:06:36.73 ID:CvVMTXxt0
唯「私、あずにゃんの事が好きなのかも…」
唯「ねぇあずにゃん、ちゅーしよっか」
梓「!?」
唯「だめ?」
梓「だだだだ駄目ですよそんなの!私達女の子同士なのにっ」
唯「どーしてぇ、女の子同士だっておかしくないよぉ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:08:39.92 ID:CvVMTXxt0
梓「だ、誰かに見られたら困りますっ!」
唯「だいじょぶだいじょぶー、まだ皆来てないから。ねっ!」
唯は笑顔のまま梓に近付いてくる
梓「えっ、ちょっ待って……んぅっ!?」
チュウ
唯「…えへへ~あずにゃんの唇奪っちゃったぁ」
梓「な、なんで……」プルプル
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:11:22.13 ID:CvVMTXxt0
唯「……あずにゃん?」
梓「何でいきなりこんな事するんですか!唯先輩の馬鹿っ!」
唯「!」
―ガチャ ゾロゾロ
律「おーっす!」
紬「遅れてごめんなさい」
澪「お、二人はもう来てたんだな」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:12:11.45 ID:CvVMTXxt0
唯「みんなぁ」
梓「………」フイッ タッタッタッ
澪「あれ、梓?」
律「何だぁー?梓出ていっちまったぞ」
紬「どうかしたのかしら…」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:15:22.17 ID:CvVMTXxt0
澪「唯?何かあったのか?」
唯「…………」
律「ゆーいー?」
唯(あずにゃん……泣いてた…)
唯(泣かせちゃったよぉ…)
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:17:22.92 ID:CvVMTXxt0
次の日朝
梓(唯先輩の馬鹿…本当にキスするなんて酷過ぎます…)
梓(私、初めてだったのに…あんないきなり…)
梓「……ばか…」
唯「おーい!あーずにゃーん!」
梓「!!」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:19:57.05 ID:CvVMTXxt0
唯「あずにゃん、おはよぉ!」
梓「ゆ、唯先輩……おはようじゃないですっ。私に話しかけないで下さい!」キッ
唯「あずにゃん…どしてぇ、何でそんな事言うのぉ?」
梓「だって先輩がっ!昨日ムリヤリ…冗談であんな事するからです!」
唯「あずにゃん……」
梓「……」ツーン
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:23:00.71 ID:CvVMTXxt0
唯「…あのねあずにゃん。私、冗談でやったんじゃないよ?」
梓「…えっ?」
唯「今まではふわふわ~て感じ野気持ちだったけど、昨日ちゅーしてみて分かったんだよ」
唯「私はあずにゃんの事が好き」
梓「唯先輩……ほ、本気なんですか?」
唯「本気だよぉ。いくら私でも冗談でこんな事いえないよ~」
頭を掻きながら唯はふにゃりと笑った
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:28:35.26 ID:CvVMTXxt0
梓「でも、私は女なんですよ!?」
唯「えーっ?そんなの関係ないよ。女の子でも男の子でも、私はあずにゃんが好きなんだよぉ」
梓「だ、だけどそんな…急に言われたらビックリしちゃいます…」
そのまま梓は黙り込んで俯いてしまう
唯「…ねぇ、あずにゃん」
梓「…?」
唯「私はあずにゃんが好きだから、もっともーっとあずにゃんと仲良くなりたいんだ」
唯「だから、もし良かったら私と付き合って欲しいよ」
唯「今すぐじゃなくていいから、考えてみてほしいなぁ」
梓「唯先輩……」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:30:01.28 ID:CvVMTXxt0
梓(唯先輩が…わたしを好きだなんて…)
梓(付き合うとかそんなの、考えた事も無かったのに…)
梓(でも何だかドキドキする。唯先輩の顔、真剣だったな)
梓「………」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:35:15.40 ID:CvVMTXxt0
放課後部活
梓(部活…来てみたけど唯先輩がいるから何か緊張するなぁ…)チラッ
唯「?」ニコッ
梓(わっ、目が合っちゃった…恥ずかしい)フイッ
ジャカジャカジャカ――ジャッ
梓(うわわっ、演奏ミスしちゃった!)
律「梓どーした?今日調子悪いじゃん」
梓「ごっ、ごめんなさい!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:40:17.95 ID:CvVMTXxt0
紬「ううん良いんだけど…具合でも悪いのかしら?大丈夫?」
梓「大丈夫です!ごめんなさいもう一度最初からお願いします」
律「ん、了解。…1,2,3,4!」
ジャーン
練習を再開したが、その後も梓は唯を気にするあまりミスを連発した
紬「まぁ…調子が悪い時は誰にでもあるものね?」
梓「ごめんなさい!ごめんなさい…」
律「そんなに気にしなくていいぞ梓!」
梓「ごめんなさい…」
澪「………」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:43:43.12 ID:CvVMTXxt0
梓(今日の演奏、全然ダメダメだった…皆に迷惑かけちゃったな…)シュン
梓(もう帰ろう…今日は早めに寝たほうが良いかなぁ)
唯と顔を合わせるのが気まずくて、梓は早足に部室を出て行く
澪「梓ー!ちょっと待ってくれ」タッタッタッ
梓「あれ…澪先輩だ」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:46:31.19 ID:CvVMTXxt0
澪「はぁ、はぁ……梓、もう帰るのか?」
梓「あ、はい。そのつもりですけど…私に何か用事でしたか?」
澪「いや、用事というかだな…その…」
梓「?」
澪「梓、今日調子悪かっただろ?浮かない顔してたし、何か悩みでもあるんじゃないかと思って」
梓(澪先輩、私の様子が変なの気付いてたんだ)
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:49:09.65 ID:CvVMTXxt0
澪「だからっ…えと、梓が困ってる事があるんだったら私で良ければ相談にのるよ」
少し照れ臭いのかぶっきらぼうな調子で言う澪
だけど梓を見るその表情は本気で心配しているのが伝わってくる
梓(澪先輩、優しいんだな)
梓(澪先輩になら、話してみてもいいかも…)
悩みの内容が内容なだけに少し躊躇ったが、結局聞いて貰うことにした
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:52:59.54 ID:CvVMTXxt0
誰もいない教室
梓「……という事があって、それで告白されて…」
澪「………」
梓「私、唯先輩の気持ちにどう答えればいいのか分かんなくって」
澪「………」
梓「あの、澪先輩?聞いてますか?」
澪「………」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:56:22.44 ID:CvVMTXxt0
梓(どうしたんだろ澪先輩…さっきからずっと黙ってる)
梓(もしかして引かれちゃったのかな…どうしよう、やっぱ言わなきゃ良かったかも…)
不安になっておそるおそる澪の顔を覗き込む
澪はどこか青ざめたような顔をしていた
澪「……キス…?梓と、唯が…?」ブツブツ
梓「澪先輩?」
澪「しかも告白って…告白って…」ブツブツ
梓(澪先輩の様子が変だ…)
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:01:45.21 ID:CvVMTXxt0
梓(そっとしておいたほうが良いのかな…でも私の相談に乗ってくれるって言ってたし)
梓「澪先ぱ」
澪「――梓っ!!」ガシッ
梓「きゃっ!?」
急に両肩を掴まれて梓は目を白黒させる
何事かと思った瞬間、眼前に澪の顔が近付いてるのが見えた
梓(えっ…?)
チュウ
梓「んっ…んむーーー!?」バタバタ
唇に押し当てられた柔らかい感触に驚いて梓は手足を暴れさせて澪から離れる
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:06:11.12 ID:CvVMTXxt0
梓「ぷはっ…み、澪先輩…いきなりどうしたんですか!?」
梓(何で…?何で澪先輩がこんな事を…)
澪「……ご、ごめん梓。つい…」アタフタ
梓「私、真剣に相談してたのに!澪先輩どうしてそんな事するんですか!」
澪「え……」
梓「ふざけるなんて酷いです…」
澪「…!!ち、違う!私はふざけてやったんじゃない!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:11:18.02 ID:CvVMTXxt0
梓「えっ、じゃあ…ど…どういう事ですか?」
澪「ど、ど、どういうって…だからつまりだな…」
澪は途端に顔を赤くしてキョロキョロしながら唸っていたが、意を決したように言った
澪「わ、私も梓の事が好きなんだ!!」
梓「ええっ!?」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:16:30.68 ID:CvVMTXxt0
澪「だから梓が唯にキスされたって聞いて、何か悲しいっていうか悔しいっていうか、それで…」
梓「………」
澪「……ごめん、いきなりキスなんかして。怒ったか…?」
梓「怒るっていうか……驚きました…」
梓(澪先輩が、私を好きだったなんて…)
まだキスの感触が残る口元を押さえて俯く梓に澪は真剣な眼差しを向ける
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:20:44.52 ID:CvVMTXxt0
澪「でも私は本気なんだ。出来れば梓と…その、友達以上の関係になりたいんだ。女同士なのにって思うかもしれないけど、よかったら考え
てみてくれないか」
一気に捲くし立てるように喋った澪は顔を真っ赤にさせていた
恥ずかしがり屋の澪にしてはよほど頑張ったのだろう
澪「自分から聞いといて相談に乗れなくて悪い」
澪「でも今言った事は嘘じゃないから!」
それだけ言い残して澪は教室を去っていった。
梓「……………」
梓(澪先輩…それに、唯先輩……)
梓(私一体どうしたらいいんだろう)
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:28:08.12 ID:CvVMTXxt0
翌日放課後の部室前
梓(ああ…部活行きにくいなぁ)
梓(まさか二人から告白されるなんて思わなかったもん。キスもされちゃったし…)
梓(二人とキスするなんて…こういうの淫乱っていうんだっけ…??)
梓「うう……私は淫乱……」
タッタッタッ
唯「あずにゃーーん!!会いたかったよぅー」ギュッ
梓「わああっ!?ゆ、唯先輩っ」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:31:56.88 ID:CvVMTXxt0
唯「えへへぇ、あずにゃんぎゅうううううう」
梓「は、離してください///」
唯「えーでもでもぉ、あずにゃんあったかいんだもん」
梓「そんな事言っても駄目ですっ!」
梓(昨日の今日だからいつもの何倍も恥ずかしい…!)
唯「ふぃ~~っ。あたたかぁーいねぇー」
梓「唯先輩、いい加減に…」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:37:00.42 ID:CvVMTXxt0
ガチャ
澪「唯?部室の前で何騒いでr……」
梓「あっ……」
唯「うぅ?」
梓「澪先輩」
澪「………」
唯「お?どしたの澪ちゃーん」ヒラヒラ
澪「あ、はは……仲良いんだな、二人は…」
心なしか澪の顔は引き攣っているように見えた
そのまま澪はフラフラと歩いて部室へ戻っていった
唯「ありぃ?何か澪ちゃん元気ないみたいだぁ」
梓「……」
梓(今のは私が悪いのかなぁ…………)
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:40:10.47 ID:CvVMTXxt0
唯「いや~、今日もお茶が美味しいねぇ」ズズッ
律「お前はジジババかよ…ま、でもむぎの淹れる茶は確かに美味いよなっ」
紬「うふふ有難う」
澪「さて…そろそろ一服できたし、練習始めないか?」ガタッ
梓「そうですね、始めましょう」カタン
唯「ええっちょっと待ってよぉ。まだこのマドレーヌが残ってるんだよー」
梓「もう…・それは部活が終わってからゆっくり食べればいいじゃないですか」
唯「駄目だよっ、鮮度が落ちちゃうってばぁ」
梓「鮮度って…(そんなに変わるのかなぁ?)」
澪「ほら唯、梓が困ってるだろ?早く練習始めよっ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:47:03.77 ID:CvVMTXxt0
唯「うーでもぉ。…あ、そうだあずにゃん半分こしようよー!そしたら早く食べられるしっ」
梓「えっ?わ、私はもう十分食べたからいいですよ」
唯「まぁまぁそう言わずに。はい、アーン!」
梓「ええっ!?///」
唯「あーーーん」
梓「あ……あーん」パクッ
唯「あはは食べた食べたぁ、半分こ美味しいねーあずにゃん」
梓(う、つい食べちゃった……///)
澪「……………」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:51:00.47 ID:CvVMTXxt0
練習を始めてからも唯は梓にちょっかいを出してくる
告白した事でテンションが上がっているのか、いつもよりスキンシップの数も増えていた
唯「あずにゃん」
唯「あーずにゃー」
唯「あっずにゃんっ」
唯「あ・ず・にゃ・ん!」
律「何か今日はやけに唯がはしゃいでるなー」
紬「うふふふふふふふふふふふふふ」
律「ほんっと唯と梓は仲がいいよな」
澪「……………」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:58:30.42 ID:CvVMTXxt0
部活が終わりに近付くにつれ、澪の表情はだんだんと曇っていった
澪(梓も唯も……凄く楽しそうだな…)
澪(梓はやっぱ唯と居るほうが良いのかなぁ)
澪(…………)
落ち込んだ気持ちのまま部活時間は終了し、皆で帰り支度を始める
律「なーなー今日どっか寄ってかねぇ?」
唯「いいねぇー!何食べに行こっかぁ」
律「食べるの前提かよ…まぁいいや。おーい、梓もいくだろー?」
梓「はい、特に用事も無いので私も行きます」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:06:30.03 ID:XbFFiwXk0
澪(梓も行くのか…今日あんまり話せなかったし一緒に話しながら行こうかな)
澪「なぁあz」
唯「あーずにゃん!手ぇ繋いでこーよぉ」タタタッ
澪(えっ)
梓「や…やです。そんな子供みたいな事したら恥ずかしいですっ」
唯「いいじゃんいいじゃん、減るモンじゃないし繋ごうよ」ギュウ
梓「あっ、ちょっと……唯先輩ってば強引過ぎます」
唯「えへへっ、あずにゃんの手あったかい」
澪「……………」プチ
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:15:09.11 ID:XbFFiwXk0
手を繋ぐ二人の姿を見て何かが澪の中で切れた音がした
無言のままずんずん二人に歩み寄っていくと、梓から唯の手を振り払った
唯「ひゃあ!?」
梓「……!?」
紬「澪ちゃん!?」
律「どっ、どした澪――」
澪「いっ…………」プルプル
澪「いい加減にしてーーーーっ!!!」
全員『!!??』
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:18:04.75 ID:XbFFiwXk0
澪「唯はいつもいつもいつも梓に触り過ぎなんだよっ!いくらなんでもスキンシップ過多だろ!」
澪「私だって、私だって…」
唯「みみみ、澪ちゃ」
澪「私だって梓に触りたいのにぃーーーーー!!!」
うわあああんと泣き出す澪に一同は唖然となった
紬「あらあらあらあらまぁまぁまぁまぁ!」キラーン
梓「澪先輩……」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:26:22.16 ID:XbFFiwXk0
その後とりあえず全員で泣きじゃくる澪を宥め、再びテーブルに着席する
この騒ぎで隠す必要も無くなり澪と唯と梓の話はひととおりの経過を話す事にした
全てを聞き終えた紬はゆっくりと三人を見渡して目を輝かせながら言った
紬「つまり……唯ちゃんも澪ちゃんも、梓ちゃんの事が大好きなのね?」
唯「うん!大好きぃ」
澪「………」グスッ コクリ
律「ほぉー、二人が梓をねぇ」
梓(私…凄くいたたまれない気持ちだ…)
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:36:05.90 ID:XbFFiwXk0
紬「それで……どうなのかしら?梓ちゃんの気持ちは?」
紬に見つめられ、梓はカタリと緊張した
唯と澪の視線も感じてどうしていいか分からず小さくなってしまう
梓(私…私のきもち…)
梓(私は唯先輩の事をどう思ってるんだろ…澪先輩の事をどう思って…)
梓(分かんないよ。昨日告白されたばっかりなのに、自分の気持ちなんて…)
梓「……わかん、ないよぉ…」
澪「梓…」
唯「あずにゃん…」
ギュッと目を瞑って俯いてしまった梓に澪も唯も悲しそうな顔になる
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:44:11.18 ID:XbFFiwXk0
そんな三人を見つめながら紬は穏やかな表情で微笑んだ
紬「きぃーみはだれーとーきーすーをーすーr」
律「むぎ、歌わなくていいぞ」
紬「あら?」
三人『…………』
気まずい表情のままの三人
紬は気を取り直すようにこほんっと一つ咳払いをして、改めて切り出す
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:52:29.27 ID:XbFFiwXk0
紬「二人は梓ちゃんを好きだけど、梓ちゃんはまだ分からないのよね」
紬「分かるようにするには相手の事をもっと知るべきだと思うの」
紬「だからこういうのはどうかしら?唯ちゃんと澪ちゃんはそれぞれ期間限定で梓ちゃんの恋人になってみるの」
澪「え」
唯「え」
梓「え」
律「え」
四人『…………え?』
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:59:00.68 ID:XbFFiwXk0
全員の頭に疑問符が浮かんだ
紬は気にせず言葉を続ける
紬「いわゆるお試し期間、っていうのかしら。恋人期間中に梓ちゃんのハートを射止めたほうが本物の恋人になれるの」
梓「そ、そんなのって…」
律「おいおいむぎぃ、いくら何でもそりゃねーだろぉ」
梓は慌てて反論しようとし、流石の律も苦笑いだ
…が、紬の言葉に火をつけられた人物もいた
澪「…私、いいよそれでも」
律「澪ぉ!?
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:02:29.68 ID:XbFFiwXk0
澪「私は梓が好きだから…。でも唯の事も大切な仲間だから、正々堂々やりたいんだ」
唯「澪ちゃん…」
澪の言葉にだんだんと唯の表情も明るくなっていく
唯「うんっ!私も澪ちゃんと同じ気持ちだよっ。受けて立つよぉ!」
律「な、なんか二人ともすっかりやる気だな…で、どうなんだ梓は?」チラ
梓「!!わ、私は……」
梓(ていうかそんなの二人に対して失礼じゃないのかな。私なんてそんな大した人間じゃないのに…)
まるでゲームのような条件は二人に悪いような気がしてしまう
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:11:17.81 ID:XbFFiwXk0
悩んで黙り込んでいると、唯と澪が不安そうに梓を見つめてきた
唯「あずにゃん…嫌、かなぁ?」
澪「梓が嫌ならしないから、ハッキリ言ってくれていいぞ…?」
梓「嫌…じゃないです。でも本当にそんなの良いんですか?」
唯「いいに決まってるよぉ!」
澪「いいに決まってるだろ!」
二人は声をハモらせてきた
梓はパチクリ瞬きをしてそんな二人を交互に見つめる
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:18:26.88 ID:XbFFiwXk0
梓(私もまだ二人の知らないとこがいっぱいある…)
梓(二人を知るにはむぎ先輩の提案は良いのかもしれない)
紬「梓ちゃん、どうかしら?」
最後に紬のキラキラオーラを浴びせられ、とうとう梓は頷いた
梓「分かりました…先輩達がいいなら私も頑張ります」
唯・澪『!!!』パアッ
紬「うふふふふ、決まりね」
紬はどこか満足そうに頷き、頬を薔薇色に染める
律「んでさ、まずどっちが梓の恋人になるんだよ?」
素朴な疑問を投げる律の言葉に唯と澪はハッと息を飲んで互いを見やる
二人はしばらく無言で見つめあい、どちらからともなく身構えた
唯「最初は」
澪「グー」
唯・澪『……じゃん、けん……』
―――――――ぽんっ!!!
その2へ続く
このSSは『唯「あずにゃん、ちゅーしよっか」』というスレに投下されたものです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1247144718/
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:05:18.99 ID:CvVMTXxt0
唯「私ねぇ、最近あずにゃん見るとムラムラするんだぁ」
梓「はい?む…むらむらですか?」
唯「うん。あずにゃんが可愛いから一緒にいると手ぇ繋いだりぎゅーてしたりちゅーしたくなるの」
梓「な、何いってるんですか唯先輩!そ、そんな…ちゅーなんて…」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:06:36.73 ID:CvVMTXxt0
唯「私、あずにゃんの事が好きなのかも…」
唯「ねぇあずにゃん、ちゅーしよっか」
梓「!?」
唯「だめ?」
梓「だだだだ駄目ですよそんなの!私達女の子同士なのにっ」
唯「どーしてぇ、女の子同士だっておかしくないよぉ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:08:39.92 ID:CvVMTXxt0
梓「だ、誰かに見られたら困りますっ!」
唯「だいじょぶだいじょぶー、まだ皆来てないから。ねっ!」
唯は笑顔のまま梓に近付いてくる
梓「えっ、ちょっ待って……んぅっ!?」
チュウ
唯「…えへへ~あずにゃんの唇奪っちゃったぁ」
梓「な、なんで……」プルプル
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:11:22.13 ID:CvVMTXxt0
唯「……あずにゃん?」
梓「何でいきなりこんな事するんですか!唯先輩の馬鹿っ!」
唯「!」
―ガチャ ゾロゾロ
律「おーっす!」
紬「遅れてごめんなさい」
澪「お、二人はもう来てたんだな」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:12:11.45 ID:CvVMTXxt0
唯「みんなぁ」
梓「………」フイッ タッタッタッ
澪「あれ、梓?」
律「何だぁー?梓出ていっちまったぞ」
紬「どうかしたのかしら…」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:15:22.17 ID:CvVMTXxt0
澪「唯?何かあったのか?」
唯「…………」
律「ゆーいー?」
唯(あずにゃん……泣いてた…)
唯(泣かせちゃったよぉ…)
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:17:22.92 ID:CvVMTXxt0
次の日朝
梓(唯先輩の馬鹿…本当にキスするなんて酷過ぎます…)
梓(私、初めてだったのに…あんないきなり…)
梓「……ばか…」
唯「おーい!あーずにゃーん!」
梓「!!」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:19:57.05 ID:CvVMTXxt0
唯「あずにゃん、おはよぉ!」
梓「ゆ、唯先輩……おはようじゃないですっ。私に話しかけないで下さい!」キッ
唯「あずにゃん…どしてぇ、何でそんな事言うのぉ?」
梓「だって先輩がっ!昨日ムリヤリ…冗談であんな事するからです!」
唯「あずにゃん……」
梓「……」ツーン
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:23:00.71 ID:CvVMTXxt0
唯「…あのねあずにゃん。私、冗談でやったんじゃないよ?」
梓「…えっ?」
唯「今まではふわふわ~て感じ野気持ちだったけど、昨日ちゅーしてみて分かったんだよ」
唯「私はあずにゃんの事が好き」
梓「唯先輩……ほ、本気なんですか?」
唯「本気だよぉ。いくら私でも冗談でこんな事いえないよ~」
頭を掻きながら唯はふにゃりと笑った
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:28:35.26 ID:CvVMTXxt0
梓「でも、私は女なんですよ!?」
唯「えーっ?そんなの関係ないよ。女の子でも男の子でも、私はあずにゃんが好きなんだよぉ」
梓「だ、だけどそんな…急に言われたらビックリしちゃいます…」
そのまま梓は黙り込んで俯いてしまう
唯「…ねぇ、あずにゃん」
梓「…?」
唯「私はあずにゃんが好きだから、もっともーっとあずにゃんと仲良くなりたいんだ」
唯「だから、もし良かったら私と付き合って欲しいよ」
唯「今すぐじゃなくていいから、考えてみてほしいなぁ」
梓「唯先輩……」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:30:01.28 ID:CvVMTXxt0
梓(唯先輩が…わたしを好きだなんて…)
梓(付き合うとかそんなの、考えた事も無かったのに…)
梓(でも何だかドキドキする。唯先輩の顔、真剣だったな)
梓「………」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:35:15.40 ID:CvVMTXxt0
放課後部活
梓(部活…来てみたけど唯先輩がいるから何か緊張するなぁ…)チラッ
唯「?」ニコッ
梓(わっ、目が合っちゃった…恥ずかしい)フイッ
ジャカジャカジャカ――ジャッ
梓(うわわっ、演奏ミスしちゃった!)
律「梓どーした?今日調子悪いじゃん」
梓「ごっ、ごめんなさい!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:40:17.95 ID:CvVMTXxt0
紬「ううん良いんだけど…具合でも悪いのかしら?大丈夫?」
梓「大丈夫です!ごめんなさいもう一度最初からお願いします」
律「ん、了解。…1,2,3,4!」
ジャーン
練習を再開したが、その後も梓は唯を気にするあまりミスを連発した
紬「まぁ…調子が悪い時は誰にでもあるものね?」
梓「ごめんなさい!ごめんなさい…」
律「そんなに気にしなくていいぞ梓!」
梓「ごめんなさい…」
澪「………」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:43:43.12 ID:CvVMTXxt0
梓(今日の演奏、全然ダメダメだった…皆に迷惑かけちゃったな…)シュン
梓(もう帰ろう…今日は早めに寝たほうが良いかなぁ)
唯と顔を合わせるのが気まずくて、梓は早足に部室を出て行く
澪「梓ー!ちょっと待ってくれ」タッタッタッ
梓「あれ…澪先輩だ」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:46:31.19 ID:CvVMTXxt0
澪「はぁ、はぁ……梓、もう帰るのか?」
梓「あ、はい。そのつもりですけど…私に何か用事でしたか?」
澪「いや、用事というかだな…その…」
梓「?」
澪「梓、今日調子悪かっただろ?浮かない顔してたし、何か悩みでもあるんじゃないかと思って」
梓(澪先輩、私の様子が変なの気付いてたんだ)
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:49:09.65 ID:CvVMTXxt0
澪「だからっ…えと、梓が困ってる事があるんだったら私で良ければ相談にのるよ」
少し照れ臭いのかぶっきらぼうな調子で言う澪
だけど梓を見るその表情は本気で心配しているのが伝わってくる
梓(澪先輩、優しいんだな)
梓(澪先輩になら、話してみてもいいかも…)
悩みの内容が内容なだけに少し躊躇ったが、結局聞いて貰うことにした
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:52:59.54 ID:CvVMTXxt0
誰もいない教室
梓「……という事があって、それで告白されて…」
澪「………」
梓「私、唯先輩の気持ちにどう答えればいいのか分かんなくって」
澪「………」
梓「あの、澪先輩?聞いてますか?」
澪「………」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 22:56:22.44 ID:CvVMTXxt0
梓(どうしたんだろ澪先輩…さっきからずっと黙ってる)
梓(もしかして引かれちゃったのかな…どうしよう、やっぱ言わなきゃ良かったかも…)
不安になっておそるおそる澪の顔を覗き込む
澪はどこか青ざめたような顔をしていた
澪「……キス…?梓と、唯が…?」ブツブツ
梓「澪先輩?」
澪「しかも告白って…告白って…」ブツブツ
梓(澪先輩の様子が変だ…)
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:01:45.21 ID:CvVMTXxt0
梓(そっとしておいたほうが良いのかな…でも私の相談に乗ってくれるって言ってたし)
梓「澪先ぱ」
澪「――梓っ!!」ガシッ
梓「きゃっ!?」
急に両肩を掴まれて梓は目を白黒させる
何事かと思った瞬間、眼前に澪の顔が近付いてるのが見えた
梓(えっ…?)
チュウ
梓「んっ…んむーーー!?」バタバタ
唇に押し当てられた柔らかい感触に驚いて梓は手足を暴れさせて澪から離れる
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:06:11.12 ID:CvVMTXxt0
梓「ぷはっ…み、澪先輩…いきなりどうしたんですか!?」
梓(何で…?何で澪先輩がこんな事を…)
澪「……ご、ごめん梓。つい…」アタフタ
梓「私、真剣に相談してたのに!澪先輩どうしてそんな事するんですか!」
澪「え……」
梓「ふざけるなんて酷いです…」
澪「…!!ち、違う!私はふざけてやったんじゃない!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:11:18.02 ID:CvVMTXxt0
梓「えっ、じゃあ…ど…どういう事ですか?」
澪「ど、ど、どういうって…だからつまりだな…」
澪は途端に顔を赤くしてキョロキョロしながら唸っていたが、意を決したように言った
澪「わ、私も梓の事が好きなんだ!!」
梓「ええっ!?」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:16:30.68 ID:CvVMTXxt0
澪「だから梓が唯にキスされたって聞いて、何か悲しいっていうか悔しいっていうか、それで…」
梓「………」
澪「……ごめん、いきなりキスなんかして。怒ったか…?」
梓「怒るっていうか……驚きました…」
梓(澪先輩が、私を好きだったなんて…)
まだキスの感触が残る口元を押さえて俯く梓に澪は真剣な眼差しを向ける
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:20:44.52 ID:CvVMTXxt0
澪「でも私は本気なんだ。出来れば梓と…その、友達以上の関係になりたいんだ。女同士なのにって思うかもしれないけど、よかったら考え
てみてくれないか」
一気に捲くし立てるように喋った澪は顔を真っ赤にさせていた
恥ずかしがり屋の澪にしてはよほど頑張ったのだろう
澪「自分から聞いといて相談に乗れなくて悪い」
澪「でも今言った事は嘘じゃないから!」
それだけ言い残して澪は教室を去っていった。
梓「……………」
梓(澪先輩…それに、唯先輩……)
梓(私一体どうしたらいいんだろう)
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:28:08.12 ID:CvVMTXxt0
翌日放課後の部室前
梓(ああ…部活行きにくいなぁ)
梓(まさか二人から告白されるなんて思わなかったもん。キスもされちゃったし…)
梓(二人とキスするなんて…こういうの淫乱っていうんだっけ…??)
梓「うう……私は淫乱……」
タッタッタッ
唯「あずにゃーーん!!会いたかったよぅー」ギュッ
梓「わああっ!?ゆ、唯先輩っ」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:31:56.88 ID:CvVMTXxt0
唯「えへへぇ、あずにゃんぎゅうううううう」
梓「は、離してください///」
唯「えーでもでもぉ、あずにゃんあったかいんだもん」
梓「そんな事言っても駄目ですっ!」
梓(昨日の今日だからいつもの何倍も恥ずかしい…!)
唯「ふぃ~~っ。あたたかぁーいねぇー」
梓「唯先輩、いい加減に…」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:37:00.42 ID:CvVMTXxt0
ガチャ
澪「唯?部室の前で何騒いでr……」
梓「あっ……」
唯「うぅ?」
梓「澪先輩」
澪「………」
唯「お?どしたの澪ちゃーん」ヒラヒラ
澪「あ、はは……仲良いんだな、二人は…」
心なしか澪の顔は引き攣っているように見えた
そのまま澪はフラフラと歩いて部室へ戻っていった
唯「ありぃ?何か澪ちゃん元気ないみたいだぁ」
梓「……」
梓(今のは私が悪いのかなぁ…………)
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:40:10.47 ID:CvVMTXxt0
唯「いや~、今日もお茶が美味しいねぇ」ズズッ
律「お前はジジババかよ…ま、でもむぎの淹れる茶は確かに美味いよなっ」
紬「うふふ有難う」
澪「さて…そろそろ一服できたし、練習始めないか?」ガタッ
梓「そうですね、始めましょう」カタン
唯「ええっちょっと待ってよぉ。まだこのマドレーヌが残ってるんだよー」
梓「もう…・それは部活が終わってからゆっくり食べればいいじゃないですか」
唯「駄目だよっ、鮮度が落ちちゃうってばぁ」
梓「鮮度って…(そんなに変わるのかなぁ?)」
澪「ほら唯、梓が困ってるだろ?早く練習始めよっ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:47:03.77 ID:CvVMTXxt0
唯「うーでもぉ。…あ、そうだあずにゃん半分こしようよー!そしたら早く食べられるしっ」
梓「えっ?わ、私はもう十分食べたからいいですよ」
唯「まぁまぁそう言わずに。はい、アーン!」
梓「ええっ!?///」
唯「あーーーん」
梓「あ……あーん」パクッ
唯「あはは食べた食べたぁ、半分こ美味しいねーあずにゃん」
梓(う、つい食べちゃった……///)
澪「……………」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:51:00.47 ID:CvVMTXxt0
練習を始めてからも唯は梓にちょっかいを出してくる
告白した事でテンションが上がっているのか、いつもよりスキンシップの数も増えていた
唯「あずにゃん」
唯「あーずにゃー」
唯「あっずにゃんっ」
唯「あ・ず・にゃ・ん!」
律「何か今日はやけに唯がはしゃいでるなー」
紬「うふふふふふふふふふふふふふ」
律「ほんっと唯と梓は仲がいいよな」
澪「……………」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:58:30.42 ID:CvVMTXxt0
部活が終わりに近付くにつれ、澪の表情はだんだんと曇っていった
澪(梓も唯も……凄く楽しそうだな…)
澪(梓はやっぱ唯と居るほうが良いのかなぁ)
澪(…………)
落ち込んだ気持ちのまま部活時間は終了し、皆で帰り支度を始める
律「なーなー今日どっか寄ってかねぇ?」
唯「いいねぇー!何食べに行こっかぁ」
律「食べるの前提かよ…まぁいいや。おーい、梓もいくだろー?」
梓「はい、特に用事も無いので私も行きます」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:06:30.03 ID:XbFFiwXk0
澪(梓も行くのか…今日あんまり話せなかったし一緒に話しながら行こうかな)
澪「なぁあz」
唯「あーずにゃん!手ぇ繋いでこーよぉ」タタタッ
澪(えっ)
梓「や…やです。そんな子供みたいな事したら恥ずかしいですっ」
唯「いいじゃんいいじゃん、減るモンじゃないし繋ごうよ」ギュウ
梓「あっ、ちょっと……唯先輩ってば強引過ぎます」
唯「えへへっ、あずにゃんの手あったかい」
澪「……………」プチ
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:15:09.11 ID:XbFFiwXk0
手を繋ぐ二人の姿を見て何かが澪の中で切れた音がした
無言のままずんずん二人に歩み寄っていくと、梓から唯の手を振り払った
唯「ひゃあ!?」
梓「……!?」
紬「澪ちゃん!?」
律「どっ、どした澪――」
澪「いっ…………」プルプル
澪「いい加減にしてーーーーっ!!!」
全員『!!??』
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:18:04.75 ID:XbFFiwXk0
澪「唯はいつもいつもいつも梓に触り過ぎなんだよっ!いくらなんでもスキンシップ過多だろ!」
澪「私だって、私だって…」
唯「みみみ、澪ちゃ」
澪「私だって梓に触りたいのにぃーーーーー!!!」
うわあああんと泣き出す澪に一同は唖然となった
紬「あらあらあらあらまぁまぁまぁまぁ!」キラーン
梓「澪先輩……」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:26:22.16 ID:XbFFiwXk0
その後とりあえず全員で泣きじゃくる澪を宥め、再びテーブルに着席する
この騒ぎで隠す必要も無くなり澪と唯と梓の話はひととおりの経過を話す事にした
全てを聞き終えた紬はゆっくりと三人を見渡して目を輝かせながら言った
紬「つまり……唯ちゃんも澪ちゃんも、梓ちゃんの事が大好きなのね?」
唯「うん!大好きぃ」
澪「………」グスッ コクリ
律「ほぉー、二人が梓をねぇ」
梓(私…凄くいたたまれない気持ちだ…)
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:36:05.90 ID:XbFFiwXk0
紬「それで……どうなのかしら?梓ちゃんの気持ちは?」
紬に見つめられ、梓はカタリと緊張した
唯と澪の視線も感じてどうしていいか分からず小さくなってしまう
梓(私…私のきもち…)
梓(私は唯先輩の事をどう思ってるんだろ…澪先輩の事をどう思って…)
梓(分かんないよ。昨日告白されたばっかりなのに、自分の気持ちなんて…)
梓「……わかん、ないよぉ…」
澪「梓…」
唯「あずにゃん…」
ギュッと目を瞑って俯いてしまった梓に澪も唯も悲しそうな顔になる
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:44:11.18 ID:XbFFiwXk0
そんな三人を見つめながら紬は穏やかな表情で微笑んだ
紬「きぃーみはだれーとーきーすーをーすーr」
律「むぎ、歌わなくていいぞ」
紬「あら?」
三人『…………』
気まずい表情のままの三人
紬は気を取り直すようにこほんっと一つ咳払いをして、改めて切り出す
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:52:29.27 ID:XbFFiwXk0
紬「二人は梓ちゃんを好きだけど、梓ちゃんはまだ分からないのよね」
紬「分かるようにするには相手の事をもっと知るべきだと思うの」
紬「だからこういうのはどうかしら?唯ちゃんと澪ちゃんはそれぞれ期間限定で梓ちゃんの恋人になってみるの」
澪「え」
唯「え」
梓「え」
律「え」
四人『…………え?』
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:59:00.68 ID:XbFFiwXk0
全員の頭に疑問符が浮かんだ
紬は気にせず言葉を続ける
紬「いわゆるお試し期間、っていうのかしら。恋人期間中に梓ちゃんのハートを射止めたほうが本物の恋人になれるの」
梓「そ、そんなのって…」
律「おいおいむぎぃ、いくら何でもそりゃねーだろぉ」
梓は慌てて反論しようとし、流石の律も苦笑いだ
…が、紬の言葉に火をつけられた人物もいた
澪「…私、いいよそれでも」
律「澪ぉ!?
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:02:29.68 ID:XbFFiwXk0
澪「私は梓が好きだから…。でも唯の事も大切な仲間だから、正々堂々やりたいんだ」
唯「澪ちゃん…」
澪の言葉にだんだんと唯の表情も明るくなっていく
唯「うんっ!私も澪ちゃんと同じ気持ちだよっ。受けて立つよぉ!」
律「な、なんか二人ともすっかりやる気だな…で、どうなんだ梓は?」チラ
梓「!!わ、私は……」
梓(ていうかそんなの二人に対して失礼じゃないのかな。私なんてそんな大した人間じゃないのに…)
まるでゲームのような条件は二人に悪いような気がしてしまう
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:11:17.81 ID:XbFFiwXk0
悩んで黙り込んでいると、唯と澪が不安そうに梓を見つめてきた
唯「あずにゃん…嫌、かなぁ?」
澪「梓が嫌ならしないから、ハッキリ言ってくれていいぞ…?」
梓「嫌…じゃないです。でも本当にそんなの良いんですか?」
唯「いいに決まってるよぉ!」
澪「いいに決まってるだろ!」
二人は声をハモらせてきた
梓はパチクリ瞬きをしてそんな二人を交互に見つめる
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:18:26.88 ID:XbFFiwXk0
梓(私もまだ二人の知らないとこがいっぱいある…)
梓(二人を知るにはむぎ先輩の提案は良いのかもしれない)
紬「梓ちゃん、どうかしら?」
最後に紬のキラキラオーラを浴びせられ、とうとう梓は頷いた
梓「分かりました…先輩達がいいなら私も頑張ります」
唯・澪『!!!』パアッ
紬「うふふふふ、決まりね」
紬はどこか満足そうに頷き、頬を薔薇色に染める
律「んでさ、まずどっちが梓の恋人になるんだよ?」
素朴な疑問を投げる律の言葉に唯と澪はハッと息を飲んで互いを見やる
二人はしばらく無言で見つめあい、どちらからともなく身構えた
唯「最初は」
澪「グー」
唯・澪『……じゃん、けん……』
―――――――ぽんっ!!!
その2へ続く
[[唯「あずにゃん、ちゅーしよっか」 その2]]