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麦茶「本当においしいモノ」 午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A」(2009/07/30 (木) 17:23:35) の最新版変更点

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532:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 22:37:58.02 ID:9DTd/2ZLO 麦茶「本当においしいモノ」 麦茶「ふぅ…今日も疲れたな、晩ご飯は何だろうな…ん?」テクテク…ピタッ 紬「ハッ…ハァ…ハァ…」バリッ…ボリボリ… 麦茶(何だ…?うちの娘そっくりじゃないか…むしろ本人としか思えない) 子供A「ママーあのお姉ちゃんゴキブリ食べてるよぉ」 母親「み、見ちゃいけません!…ちょっとあなた!こんなところで何をして…」 紬「……」ベタァ 子供A「うわあああん!触られたああああ!」 母親「イヤアアアア!う、うちのタカシちゃんに何をするの!」ガシッ 麦茶「奥さん、そこまでにしてやってください」 麦茶「その子のしたことは俺が謝りますから。…さぁムギちゃん、帰るぞ」 紬「………」コクッ 子供A「……やーい!ゴキブリ女ー!」 537:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 22:44:11.33 ID:9DTd/2ZLO 麦茶「なぁ…何であんなことしてたんだ?」スタスタ 紬「…………」 麦茶「だんまりか…まぁいい、ウチにきな、お茶出すから」スタスタ 麦茶「たっだいまー」 紬「お帰りなさい、お父さん!…あら、その子は?」 麦茶「はは、また拾って来ちゃった」 紬「もう…ウチの家計が大変なの、わかってるの?だいたいお父さんはねぇ…」クドクド 麦茶「ああわかったわかった…俺が悪かったよ。…で、今日のご飯は?」 紬「まだ作ってないけど、オムライスよ!さぁあなたもあがってあがって!」 紬「……おじゃまします」キョロキョロ 麦茶「遠慮しなくていいよ(…まさか、ゴキブリを探している…?)」 543:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 22:51:16.03 ID:9DTd/2ZLO 夕食のお時間 紬「ふぅ…さぁ、できましたよー」コトッ 麦茶「おお、今日もうまそうだなぁ!…ほら、君も食べな!」 紬「……!」ブンッ ガチャン 紬「キャアッ!?」 麦茶「お、おいおい…せっかく作ってくれたのに何してんだ?ふきんふきん」 紬「いいのお父さん、後片付けはやっておくから!そのまま食べてて!」タタタッ 麦茶「ああ、わかった……(カチャッ)…はい、あーん」 紬「………」バシッ 麦茶「いたっ!?……やれやれ、厄介なものを引き受けたかも知れんな…」 紬「(キョロキョロ)……いた、ゴキブリ」タッ 麦茶「!ダメだ、そんなもの食べちゃ!」バッ! 紬「!離して!」 550:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 22:57:29.47 ID:9DTd/2ZLO 紬(娘)「ふきんふきん…って何してるの二人とも!?」 麦茶「いいところに!紬、早くそいつ殺してトイレに流して!」 紬(娘)「は、はい!えいやっ!えやぁ!」ブン!バシン! 紬「ああ、私のご飯!」 紬(娘)「ふぅ、あとはティッシュに包んで流して…よし」 紬「あああ……」 麦茶「………おい君、何であんなもの食べようとした!?」 紬「うるさい、あなたには関係ない」 麦茶「関係ないわけあるか!」 557 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:06:33.23 ID:9DTd/2ZLO 紬(娘)「…ねぇ紬ちゃん、私の話聞いてくれる?」 紬「………何」 紬(娘)「私ね、昔レイプされて、山奥に捨てられてたの」 紬(娘)「あのときは自分に未来なんてない、ここで死んでもいいやって思ってたのね」 紬(娘)「でもお父さんが助けてくれて…いろいろな話をして、いろいろな場所に行って、いろいろなことを教えて貰って」 紬(娘)「…だから、あなたも私と同じようになれる気がするの。…ねぇ、あなたも何かされてたんでしょ?」 紬「………うるさい………関係ないわ…………」スタスタ ピシャン 麦茶「…心を、閉ざしたか…」 紬(娘)「大丈夫かしら、あの子…」 麦茶「やれることだけやってみよう。自分の精一杯をやりきることが大事だ」 紬(娘)「お父さん…うん、そうね…私も根気よくやるわ」 564:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:17:11.72 ID:9DTd/2ZLO それからも、麦茶と紬は彼女の更正につとめた。 相変わらず紬の作ったものも食べず、虫を見ては食べようとする始末… 麦茶「何も食べないでもう三日目だぞ…そろそろ食べようよ、なぁ」(お粥を差し出す) 紬「ほっといてって、言ったでしょ!」ブン…ガシッ 紬「!?は、離してよ!」ブンブン 麦茶「絶対離すもんか…君が、ご飯を食べるまでは!」 紬(娘)「お願い、食べて!これ以上やせ細っていくあなたを見ていられないの…」 紬「………………くっ…………」パク 紬「………オェ………」ペッ 麦茶「吐いたらダメだよ…ゆっくり噛んで、味わうんだ」 紬「………もうイヤ…なんでこんなもの食べなくちゃいけないの…」 麦茶「そりゃあ…お節介焼きかも知れないけど、君を助けたいと思ったからだよ」 紬「…じゃあこれ以上、関わらないでよ!何もしてほしくない!」 576 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:25:32.45 ID:9DTd/2ZLO 紬(娘)「…!」パン! 紬「痛い!…何すんのよ!」 紬(娘)「人間って、誰かが支えないとダメになっちゃうのよ!一人でどうにかなるなんてことはないわ!」 紬「うるさい!あんたたちに私の何がわかるのよ!」 麦茶「全員、静かにしろ!」 麦茶「…ムギちゃん、明日うまいものを食わせてやるよ。ゴキブリなんかよりとびっきりうまいもんをな!」 紬「そんなの、あるわけないわ!」 麦茶「まぁ明日を楽しみにしてなよ。よし今日は解散」スタスタ 紬(娘)「お、お父さん………また明日ね」スウゥ パタン 麦茶「よし、紬…明日軽音部の皆さんを呼んできてくれないか?」 紬(娘)「ん…わかったわ」ピポパ 583:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:32:16.77 ID:9DTd/2ZLO 紬「よくじつ!」 唯「やっほーおじさん!また来たよっ!」 澪「みんなでご飯食べるんだって?」 律「で、何食べるの?何食べるの?」 麦茶「ん?出前だよ」 澪「えっ!?手作りじゃないの?」 紬(娘)「みんなで食べるんだもの、いいんじゃない?」 律「まぁそれもそうだけど………ところであそこのやせ細ったムギは?」 紬(娘)「お父さんがまた拾ってきたのよ」 澪「へえ…今回はどういう子なんだ?」 紬(娘)「…たぶん、ゴキブリしか食べられない子かな…」 588:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:38:18.59 ID:9DTd/2ZLO 配達屋「ちわー、ピザ持ってきましたー」 麦茶「ありがとうございます、はいこれ代金ね」 紬(娘)「お料理来た?」 麦茶「ああ、みんなで食べるぞ!」 律「うわぁ~ピザだ!すしだ!」キラキラ 唯「うどんにケーキもあるよりっちゃん!」キラキラ 澪「お、おじさん何かすいません…」 麦茶「いいんだ、気にするなよ。…さぁ、みんな食べちゃおうか!」 紬(娘)「そうね!ほらおいでおいで!」 紬「……………」 みんな(紬以外)「いただきまーす!」 596:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:44:36.43 ID:9DTd/2ZLO キャーキャー 律「うわー、これおいしい!なぁ、ムギも食べてみなよ!」サッ 紬「…いらない」プイ 唯「好き嫌いはダメだよ?ほらほらっ」サッ 紬「~~~!いらないって言ってるじゃない……!」イライラ 澪「そう?もったいないな、こんなにおいしいのに」パクッ 紬(娘)「だよね!」パクッ 麦茶「うめえうめえ」ガツガツ 律「ちょ、おじさんがっつきすぎ!ズルいよ!」ガツガツ 澪「そういいながら律までがっつくなよ!」 紬「………(何、これ)」 紬「………(私だけ…馬鹿にされてる?)」 紬(まともに…ご飯が食べられないから?) 601:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/26(日) 23:52:39.73 ID:9DTd/2ZLO 紬(……イラつく!)パク 紬(何なのみんなして…見返してやるんだから!)パクパク 紬(もうっ!もうっ!)パクパクパク「…何か食べ物ちょうだい!…あれ?」 紬「な、何でみんなポカンとしてるの?」 律「…ぷっ、あはははは!」 紬「何で笑うのよ!?」 唯「だ、だってムギちゃんったら、急に一心不乱にご飯食べ始めるんだもん!あははは!」 澪「ふふふ、はいあげるよ」スッ 紬「あ、うん(パクッ…おいしい!?)」 麦茶「…な、うまいだろ?みんなと食べる飯は」 紬「え?」 609:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/27(月) 00:01:16.63 ID:al205gm2O 紬(娘)「お父さんね、前からちょっとこのこと考えてたのよ?」 紬(娘)「もしかしたら、心の暖かくなる食事を求めてるのかも知れない、って」 紬「え…?」 麦茶「いやぁ、何かちょっと訳ありなんだろ?だったらさ、こういうのが一番いいかなって」 麦茶「……つまり、君がほしかったのは温もりだ。ただご飯を食べるだけじゃダメだったんだ」 紬「あ…だから今まで食べてたのがおいしく感じたんだ…」 律「人との友好な繋がりは心を暖かくするもんだ。それがスパイスにだってなる」 唯「あ、憂も昔そんなこと言ってたかも!」 澪「おお、律がらしくないことを…」 律「それは酷くないかい…?」 紬「ぷっ…あははは!ふふふ!」 621:午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/07/27(月) 00:08:41.55 ID:al205gm2O 律「…はは!問題も解決したようだし、一杯食べようぜ!」 紬「うん、食べる食べる!」 唯「そろそろケーキ食べたいもんね!よーしがんばるぞ!」 澪「ふ、太りたくないから私は少し控えるよ」 紬(娘)「まぁまぁ、今日くらいは食べようよ~」 麦茶(ん~…いい笑顔になってるなぁ) 麦茶(何だか嬉しくなってくるな…人助けはこれだからたまらない)ニコッ 紬「!えへへっ」ニコッ 麦茶「…よーしみんな!食べ終わったことだし写真撮るよー!」 律「いぇーい!」 紬(娘)(ふふ…よかったね、ムギちゃん!) パシャリ 完

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