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唯「お前の魂、戴くよ!」  ◆PzD3ftv2xo」(2009/08/13 (木) 16:39:16) の最新版変更点

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211 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/09(日) 23:45:54.06 ID:dfLKJWMWO 唯「お前の魂、戴くよ!」 夜の街を駆ける少女。 その手には、彼女が持つには重いであろうギターを抱えている。 少女の向かう先、街の広場では、奇妙な姿の男が薄青く輝く塊-恐らくは人魂-を喰らっている。 「見つけた!今度は逃がさないよ!」 少女は男に向かって指差し叫ぶ。 『油断は禁物だぜ、唯。』 ギターから声が響く。 「だいじょーぶい!」 根拠なさげな自信満々の言葉で応える少女-唯。 「お前の魂、戴くよ!」 「グヒヒ…返り討ちにしてヤルゼエエ!」 男は唯に飛びかかる。唯はそれを回避し、ギターをかき鳴らす。音が波動となって男に直撃する。 「グガッ!まだまだァ!」 男の鋭利な刃物の如き爪が唯に襲いかかる。唯はギターでそれをたたき落とすと、再びギターをかき鳴らす。 「グゲ!」 「コレで…トドメ!」 ダメ押しの早弾きで攻撃する唯。 「ギャアアアア…。」 男は、その姿を魂へと変えた。 250 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 00:16:09.42 ID:nV9soqakO ギターはB系ファッションに身を包んだ少年に変身した。 「お疲れさん。唯。」 「お疲れ様、ギー太!」 そう言うと唯は、少年-ギー太-に抱きつく。 「お、おい!やめろって!」 慌てて突き放すギー太。 「んふふ~照れない照れない♪」 「…ったく、事あるごとに抱きつくなっての…。」 顔を真っ赤にしながら毒づくギー太。 「それより、さっさと食べちゃいなよ、それ。」 「ん…そーだな。いただきます。あぐっ。」 先ほどの男の魂を喰らうギー太。 「さてと。報告報告♪」 唯は手近な窓に息をかけ、文字を書き、呪文を唱える。 『愛羅武軽音不破不破時間』 すると、窓に波紋が浮かび、どこかの映像が映し出される。 「ハロハロ、死神様?」 299 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 01:04:46.55 ID:nV9soqakO 『ヤッホー!元気しちゃってるー?』 呑気な声と共に、窓におかしな格好の人物が現れる。死神様である。 「バリバリ元気ですよ~。たった今99個目の鬼神の卵と化した魂を回収しました!」 『素晴らしいね~。んじゃ、あとは魔女の魂だけだね~。頑張っちゃってね~!』 「がってんだ!」 499 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 17:22:11.06 ID:lJR1en7vO 『魔女は街の西外れに住んでるらしいから、サクサク~っと狩って来ちゃってね~!んじゃ、ヨロシク!』 映像に波紋が広がり、窓は本来の姿を取り戻す。 「よーし、張り切って行ってみよー!」 街の西外れ、魔女の住処に到着する唯達。 「すいませーん!魔女さんいますかー?」 シーン… 「留守かなあ?」 「いたって返事するわけねーだろ。どっか窓破って入っちまえばいい。」 そう言うとギー太は、近くに見えた魔女宅の窓を蹴り破らんと助走をつける。 「どりゃあ!」 窓を破って入った先は風呂。しかも魔女が入浴中の。 その光景を見たギー太は、盛大に鼻血を吹いて転がり込む。 「ほーお、随分堂々とした変質者だなあ。まあ、その割にはウブで可愛いけどね。」 502 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 18:05:05.34 ID:lJR1en7vO 「ギー太!うわ、すごい鼻血!」 「くそ!いきなり色仕掛けとは卑怯な!」 「アンタが勝手に突っ込んで来たんだろ?ったく、大胆な奴だなあ?」 魔女は不敵な笑みを浮かべる。 「あなたが魔女さん?」 長い黒髪を掻き上げ、魔女が答える。 「…どうかな?一応名乗ってあげる。私は澪よ。よろしくね、おチビ…。」 「んっふっふ~、ええ身体しとるの~姉ちゃん!」 怪しい手つきで魔女-澪-に近づく唯。 「しまった!変質者はこっちか!」 呆れ顔でその光景を見つめるギー太。 「何してんだよ…。さっさとやるぞ!」 ギー太はギターに変身して唯の手に収まる。 「フフッ。出来るものならやってみな!」 澪は瞬時に服を着ると、巨大カボチャに乗って外に飛び出す。 512 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 18:33:18.29 ID:lJR1en7vO 唯は澪の攻撃をかわしつつ反撃するが、それを難なくかわされ、次第に焦りが募っていく唯。 「ギー太もうちょっと頑張ってよ~!」 「お前こそちゃんと狙えっての!」 対する澪はまだまだ余裕といった表情で、次々と攻撃を仕掛けていく。 「さーて、そろそろ終わりにしようか!」 唯の一瞬の隙をつき、特大のカボチャ弾を発射する澪。 「しまっ…!」 直撃を受けて地面に叩きつけられる唯。 ギー太もたまらず人間の姿に戻る。 「あ~あ。ボロボロになっちゃって。」 唯達のもとに舞い降りる澪。 「アンタも不憫だなあ。こんな弱いパートナーでさ。」 勝ち誇った顔でギー太に語りかける澪。 「…良いこと思いついた。アンタ、私のモノになりなよ。悪いようにはしないわよ?」 522 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 19:05:46.25 ID:lJR1en7vO 「…そうだな。こんな頼りねえ奴より、アンタの方がうまく使ってくれそうだ。」 「ギー太、何言って…。」 唯に背中を向けるギー太。 「嘘…だよね?」 「じゃあな。」 「ま、そういう事だから。お疲れ様、おチビちゃん。」 澪はギー太を連れて家へと帰っていく。 「待って!」 慌ててギー太に駆け寄り、その手を掴む唯。 「諦めなよ。もうコイツは私の…。」 言いながら振り返る澪。 そこにはギターになったギー太を振りかぶる唯が立っていた。 「まさか、芝居!?」 『魂の共鳴!』 唯とギー太がそう叫ぶと、ギー太は巨大な鎌に変化した。 「魔女狩りー!」 「うわあああああ!」 唯は鎌を振り下ろす。澪はそれを避けきれず、真っ二つに裂け、魂の状態になった。 529 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 19:26:04.50 ID:lJR1en7vO 『うっし!やったな!』 「騙し討ちは気が引けたけど、コレでギー太も!」 人間に戻るギー太。 「んじゃあ早速…あぐっ。」 魔女の魂を喰らうギー太…が、何ら変化がない。 「…へ?」 「…は?」 唖然とする2人。 「どうしたの?何か問題あった?」 どこからか澪の声がする。 「んな…!何で生きて…!」 「てゆーかドコにいるの!?」 「ここだここ。」 唯達が足下を見ると、してやったりと言いたげな顔の猫がいた。 「まさか…!」 唯は慌てて死神様に連絡を取る。 540 : ◆PzD3ftv2xo :2009/08/10(月) 19:42:10.07 ID:lJR1en7vO 『あ~ゴメンゴメン。よくよく調べたらそのコ、魔力を持ったネコちゃんだったんだよね~。てなわけで、今まで集めた魂は没収ね~。バッハハ~イ!』 唯は力なく膝をつく。 「そ…そんなあ~!きゅう…。」 あまりのショックに気絶してしまう唯。 「おおい!唯!しっかりしろおおお!」 「という、夢を見たんだよ!」 「なんだそりゃ…。」 放課後の音楽室で、昨晩の夢の内容を発表する唯。 「おいおい、あたしやムギは出て来なかったのか?」 「ギー太がりっちゃんそっくりだったよ!それと、死神様はムギちゃんっぽかった!眉毛が!」 「なるほど…確かに、あたしが男なら、澪の裸見たら鼻血噴くな。」 「想像するなあ!」ゴツンッ 終わり

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